木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
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『坊っちゃん』の簡単なあらすじは、下記になります。
『物理学校を卒業した坊っちゃんは、四国の中学校に数学教師として赴任する。教頭の赤シャツは隠れて悪だくみをする卑怯者で、坊っちゃんは気にくわない。坊っちゃんは赤シャツをこらしめて中学校を去り、故郷の東京へ帰っていく。その後知り合いの紹介で街鉄の技手になり、昔から世話になっていた下女の清とともに暮らすことになる。』
続いては、坊っちゃんの内容を詳しく見ていこうと思います。
主人公である、坊っちゃんは子供のころから無鉄砲で、気性が荒かった為、親や兄からは嫌われており、唯一、坊っちゃんの味方をしてくれたのは下女として働いていた清でした。
坊っちゃんにとって、清は心のよりどころであり、唯一の理解者でした。
そんな中、坊っちゃんの両親が立て続けに亡くなってしまい、家を売り払うことになり、下女の清も家を去る事となります。
坊っちゃんは、愛媛の中学校に数学教師として就職することになりました。
中学校には、さまざまな個性的な教師がいて、坊っちゃんはその教師たちに、赤シャツ、山嵐、野だいこ、うらなりなどとあだ名をつけ、それを清への手紙に記しました。
坊っちゃんは、中学校の教師となりましたが、生徒達と良い関係を築けません。
坊っちゃんは街の中で天ぷらそばを4杯食べているところを生徒に見られて「天麩羅先生」とあだ名をつけられたり、宿直として学校に泊まっているときに、生徒に宿直室に大量のイナゴを入れられるといういたずらをされたりします。
生徒たちの処分を求めるが、いやみな態度をとる教頭の「赤シャツ」や同僚の「野だいこ」らは彼に責任を転嫁しようとしました。
ある日、赤シャツと野だいこに誘われて坊っちゃんは釣りに行きますが、二人は坊っちゃんのことを少しバカにしており、坊っちゃんは赤シャツと野だいこのことが嫌いになりました。
ある日、坊っちゃんは山嵐から宿をすぐに出ていくように言われ、困惑します。 坊っちゃんが乱暴で宿主が困っているからだと言われるのですが、坊っちゃんには身に覚えが全くなかったからです。
坊っちゃんは、新しい下宿先をうらなりに紹介してもらいました。そして、坊っちゃんはうらなりは婚約者であったマドンナを赤シャツに奪われたことを知ります。
しかも教頭である赤シャツは、婚約者を奪っただけでは事足りず、目障りなうらなりを転勤させようとしていました。
それを知った山嵐が校長である狸に抗議したので、赤シャツは山嵐のことも敵視するようになったという事実を知ります。
坊っちゃんも下宿を追い出された件について、赤シャツにはめられたのではないかという思考に至ります。
その後、山嵐は、坊っちゃんが下宿で乱暴をしたという話は下宿の宿主の作り話だった事を知り、うらなりの送別会で、坊っちゃんに対して謝りました。
こうして二人は仲直りし、坊っちゃんと山嵐は、赤シャツに対する怒りで意気投合することとなります。
坊っちゃんと山嵐は、不祥事を暴くための監視を始め、赤シャツと野だいこが芸者遊びをしているところを取っ捕まえようと待ち伏せをし、朝帰りをする二人に芸者遊びについて詰問し、しらを切る彼らに天誅を加えました。
そして、坊っちゃんはその勢いでそのまま学校を辞め、東京に戻り、街鉄(路面電車鉄道)の技手となりました。
そして、清を下女として呼び戻し、清が肺炎で亡くなるまでずっと一緒に暮らしました。
続いては、『坊っちゃん』の主な登場人物をご紹介していきます。
本編の主人公。江戸っ子気質で血気盛んで無鉄砲な24歳と3ヶ月。本名、実名は明らかにされません。
現在の東京理科大学(物理学校)を卒業してから、数学教師として四国・松山の中学校に赴任することになります。
背丈は小さく、痩せていて、竹を割ったようなまっすぐな性格で、利害や打算が大嫌い、乱暴者で、喧嘩好き、 嫌いな人間とはすぐに衝突してしまいます。
短気であり、そのため周りと衝突することが多々ある。
坊っちゃんの家の下女(家事手伝い)の老婆。
明治維新で落ちぶれた身分のある家の出身で、家族に疎まれる坊っちゃんを庇い、唯一可愛がっている存在でもある。
長年仕えた坊っちゃんの家が人手に渡ってしまった後は、裁判所に勤める甥の家に世話になっていた。
坊っちゃんが教師を辞職して帰郷した際は涙を流して喜び、再び坊っちゃんと暮らすが、肺炎で他界し、小日向の養源寺に墓があることが語られて物語は終わります。
坊っちゃんとは、仲が悪く、坊っちゃん曰く「いやに色が白い」顔立ちが特徴で、女のような性分でずるいとのこと。
実業家志望で英語を勉強しており、両親からは可愛がられていました。
父親が死んだあと、家財のほとんどを叩き売って金に替え、坊っちゃんに遺産を分け与え、自身は九州に赴いた後、兄弟仲が悪いため、坊っちゃんとは会っていません。
坊っちゃんの学校の校長で、事なかれ主義の優柔不断な人物です。
あだ名は、文中に『薄髯のある、色の黒い、目の大きな狸のような男である。』とあり、容姿からきています。
文学士(出身は東京帝国文科大学)の中学校教頭で、表向きは物腰柔らかく穏やかな口調だが陰湿な性格の人物。
品性だの、精神的娯楽だのとのたまうわりに、裏では芸者遊びをしており、マドンナを婚約者のうらなりから横取りした人物です。
あだ名の由来は、「赤はからだに薬になる」という理由で、通年フランネルの赤いシャツを着用しているためです。
この物語でのわかりやすい『悪』で『敵』ですね。
坊っちゃんの同僚で、名字は堀田で、数学の主任教師です。
坊っちゃん曰く、見た目は「(比)叡山の悪僧」と表現されています。
正義感の強い性格で生徒に人望があり、最初は坊っちゃんとは対立していましたが、和解し、意気投合した人物でもあります。
名字は古賀で、坊っちゃんの同僚で、英語教師です。
お人好しで消極的な性格で、青白いながらふくれた容姿です。子供の頃に同じように青くふくれている人物について清から「あれはうらなりのとうなすばかり食べているからああなった」と聞いたことを思い出した坊っちゃんから「うらなり」と名づけられました。
マドンナの婚約者でしたが、1年前のうらなりの父の急死で結婚が延びていた間に赤シャツにマドンナを奪われてしまいます。
さらに、赤シャツの陰謀で延岡に転属になってしまいました。
坊っちゃんの同僚で、画学(美術)教師です。
坊っちゃんと同じ江戸っ子で、芸人風の透綾の羽織を着て、扇子をぱちつかせて赤シャツの家に常に出入りしながら、赤シャツの行く場所へならどこへでもについて回ります。
気に入らないものに陰口を叩いたり、赤シャツなど上司におべっかを使うため、坊っちゃんは野だいこが大嫌いでした。
赤シャツの腰ぎんちゃくで、坊っちゃんが最も嫌うタイプでした。
うらなり君の婚約者で、現在は赤シャツと交際しています。
色が白く、ハイカラ頭の、背の高い美人で、マドンナというあだ名は野だいこが名付けました。
作中では、発言はなく出番もわずかですが、キーマンであります。
続いては、坊ちゃんの作者である夏目漱石や時代背景を解説していきます。
夏目漱石は、1890年に帝国大学(現在の東京大学)の英文科に入学し、2年次には特待生にも選ばれており、優秀な学生でした。
大学卒業後は、高等師範学校の英語教師となりますが、愛媛県尋常中学校(旧制松山中学、現在の松山東高校)に英語教師として赴任しました。その後も、様々な学校で英語教師として教鞭をとっています。
『吾輩は猫である』で、作家デビューを果たすと、『坊っちゃん』『三四郎』『それから』『こゝろ』『明暗』などを発表し、明治末期から大正初期にかけて活躍した近代日本文学の文豪のうちの一人です。
愛媛県尋常中学校での経験をベースに書かれたのが『坊っちゃん』であると言われています。
夏目漱石は、1900年に文部省から第一回給費留学生としてイギリス留学を命じられ、渡英します。そして、イギリス留学中、漱石は精神を病んでしまいます。
帰国後、第一高等学校と東京帝国大学の講師になった夏目漱石でしたが、前任者の授業がとても人気を博していたらしく、その反面、夏目漱石の授業は堅い授業内容で、学生たちからは「面白くない」と不評でだったそうです。
さらに、当時の一高での受け持ちの生徒が、授業中に態度の悪さを夏目漱石に叱責された数日後、入水自殺し、「夏目漱石が死に追いやった」と謂われのない噂が囁かれる事となり、完全に立ち直れないメンタルとなってしまったようです。
高浜虚子から神経衰弱の治療の一環として、執筆活動を勧められ、書いた作品が『吾輩は猫である』だったのです。
作品が書かれた明治時代は、「士農工商」という身分制度が廃止され、「職業選択の自由」がある程度認められるようになり、世間は強烈な「競争社会」に生まれ変わりました。
そして、分かりやすく成功を約束してくれたのが、「学歴」で、明治時代の学歴差別の方が今よりもよっぽど酷く、大手企業が特定の大学卒業者を優遇するのは当たり前で、給与も出身大学によって違うことが当たり前でした。
赤シャツのは、坊っちゃんの学校でただ一人の帝大卒業者で、エリート中のエリートだったのです。赤シャツは出世コースを脅かす存在になりうる可能性を排除するために高圧的な態度を取っていたと推察されます。
続いては、夏目漱石が『坊っちゃん』で伝えたかったことや、清の存在意義などについて詳しく見ていこうと思います。
坊っちゃんの家は旧幕臣で、坊っちゃんは、武家の血を誇りにしています。一方で赤シャツは帝国大学卒で、外国語と近代思想を身につけ、若くして教頭になった、当時最先端のエリートと、いわば両極にいる二人が描かれています。
赤シャツはいわば近代化を象徴しており、夏目漱石の中にある近代化と人間臭い価値観の2つの対立が、『坊っちゃん』には描かれている、とも考えられます。
『坊っちゃん』が執筆されたころは、自然主義が主流で、勧善懲悪(善人が救われ悪人が懲らしめられる単純な筋立て)は時代に逆行したものでした。
しかし、『坊っちゃん』は、勧善懲悪かというと、完全にそうではなく、制裁を下した坊っちゃんと山嵐は自分で辞表を出して四国の地を去っており、赤シャツたちは中学校に残ったままです。
マドンナがその後どうなったかはか書かれておらず、うらなり君も転任させられたままで、坊っちゃんたちは完全に勝ったわけではないのです。
親に愛情を注がれなかった坊ちゃんに、清だけが愛情を持って接してくれ、常に見方であり続けてくれました。
坊っちゃんは、松山で赤シャツ達の権力者に立ち向かい、教師を辞め、東京に戻りますが、再び清と一緒に過ごすことで、穏やかに暮らすことができました。
清と暮らす最後が描かれる事で、完全な勧善懲悪ではなかったものの、清の不変の愛情がハッピーエンドとも言えるのではないでしょうか。
『坊っちゃん』は、今までに何度も映画化、ドラマ化、アニメ化されています。そんな中で、嵐の二宮和也さんが坊っちゃんを演じた、ドラマと1980年代に放送されたアニメをご紹介していきます。
二宮和也さん主演で、2016年にフジテレビでフジテレビ系スペシャルドラマ「坊っちゃん」が放送されました。ドラマ化は約20年ぶりのことでした。
主なキャスト
キャストを見ると、豪華俳優陣が並んでいますね。
『坊っちゃん』の内容は気になるけれど、本を読むのが苦手だなと思う方は、ドラマで見てみるのもいいですね。
このドラマには、お笑い芸人であり作家のピース・又吉直樹さんが、ドラマオリジナルのキャラクターとなる夏目漱石役で出演されていました。
又吉直樹さんは、坊っちゃんの下宿先の隣の部屋に住んでおり、坊っちゃんのことがどうも気に掛かっているいう役どころでした。
アニメ版の『坊っちゃん』は、1980年代に2回アニメ化され放送されています。
1度目は、1980年、フジテレビで放送され、キャラクターデザインをルパン三世の作者である、モンキーパンチさんが担当し、坊っちゃんの声優は80年代のアイドル西城秀樹さんが演じました。
2度目は、1986年、日本テレビで放送され、キャラクターデザインを『サラリーマン金太郎』などで有名な、本宮ひろ志さんが担当しました。
続いては、初心者にもおすすめ夏目漱石の人気作三選をご紹介します。
全10話の短編小説で、現在(明治)を始め、神代・鎌倉・100年後と、10の不思議な夢の世界が綴られています。
「こんな夢を見た」という書き出しで始まり、不思議な夢の場面が次々に展開されていきます。
時代という外界に向きあってきた漱石が「夢」というかたちを借りて、自己の深みにある罪悪感や不安に現実感を与えた小説です。
夏目漱石の晩年を代表する小説で、上「先生と私」中「両親と私」下「先生と遺書」の三部で構成されています。
エゴイズム(利己主義)と人間の心の機微、先生が犯した罪との葛藤が描かれているこの作品は、高校の教科書にも掲載されています。
高校の教科書に掲載されているのは、下「先生と遺書」がほとんどですね。
先生が犯した罪とは、そして葛藤の先にあったものとは。
夏目漱石の長編小説であり、処女小説であるこの作品。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。」という書き出しで始まることでも有名です。
この作品は、中学校の英語教師である珍野苦沙弥の家に飼われている猫である「吾輩」の視点から、珍野一家や、そこに集う彼の友人や門下の書生たち、「太平の逸民」の人間模様が風刺的・戯作的に描かれています。
日本の文豪・夏目漱石、また夏目漱石の代表作『坊っちゃん』等について、ご紹介してきました。
夏目漱石が生きた時代の近代思想への波が起きている状況が色濃く反映された作品であり、夏目漱石の考え方も良く伝わってくる作品でもあります。
多少、聞きなれない言葉はありますが、読みやすい文体となっていますので、一度は触れておきたい作品である『坊っちゃん』をぜひ、読んでみてくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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『坊っちゃん』のあらすじが気になる人も多いのではないでしょうか?
著者の夏目漱石は「吾輩は猫である」で有名な日本の小説家です。坊っちゃんは夏目漱石の二作目の作品です。
教科書にも載っていますが、全部を読んだことがないという人も多いはず。本記事では坊っちゃんのあらすじを時代背景とともにざっくりと紹介します。
なお、本記事では坊っちゃんのネタバレを含みつつ解説しておりますので、あらかじめご了承ください。