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2023/12/28
大今里
青空文庫とは、ネットの電子図書館と呼べるサイトの事です。
著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを収集し、それらを電子書籍としてネットで公開しているサイトなのです。
著作権は、2018年までは作者の死後50年、現在は死後70年が経過すると消滅します。ですので、書店で販売されている夏目漱石や宮沢賢治、森鴎外、芥川龍之介などの作品は、すべて著作権が消滅している作品なのです。
青空文庫は、ボランティアの人たちによって運営されています。
入力と校正はボランティアによって行われています。作品を入力する「入力者」と、入力された作品を校正する「校正者」が別々のボランティアが担当しています。
入力者が入力を完了したファイルは「点検グループ」が青空文庫の注記形式に沿っているかチェックし、作品の公開日を設定して青空文庫の新着情報のページで公開されるのです。
青空文庫の発足メンバーは、”呼びかけ人”と呼ばれます。
富田倫生さん、野口英司さん、八巻美恵さん、らんむろ・さてぃさんの4人が呼びかけ人となって発足しました。
1997年3月に、横浜の中華料理店でこの4人が集まり、インターネットに電子図書館の実験サイトを開設しようと話し合ったことがすべての始まりだったそうです。
青空文庫では、作品がテキストとXTML形式で電子化され公開されています。ルビなどもふられているので、そのまま読むことが出来ます。
青空文庫はすべて無料で利用することが出来ます。
スマホで読む際、画面が小さい分読みづらかったりします。青空文庫からは、公式にアプリなどはリリースされていませんが、青空文庫を読むためのアプリが多数リリースされており、アプリによっては無料版と有料版があります。
基本、無料版でも十分使い勝手がいいのですが、広告が表示されたり、ダウンロード作品数に制限があったり、 調節できる機能が限られたりします。
続いては、青空文庫の掲載作品数について、詳しくご紹介していきます。
2019年末時点で、15,734作品が掲載されています。ボランティアの手作業のみで収録されているため、徐々にですが、確実に作品数が増えています。
1997年7月から公開が始まった青空文庫は、2011年3月の時点で、1万点を突破していました。
ボランティアの手で公開されている青空文庫ですが、どれだけ多くの人がボランティアとして携わっているのかが、公開作品数の増え方でよく分かりますね。
続いては、青空文庫がどうして無料で読むことが出来るのか、仕組みについて詳しくご紹介していきます。
先ほどからご紹介しているように、青空文庫で公開されている作品の校正や編集は全てボランティアが担っています。
サイトの趣旨に賛同して、集まったボランティアによって作業が行われている為、人件費などはかかっていないのです。ただ、サーバーの使用料や図書費などはかかってくるわけです。
そこは、青空文庫上のバナー広告の掲載料や、個人からの寄付などで運営されています。
ですので、著作権の切れた作品を、ボランティアが構成編集を行い公開している為、無料ではあっても、法的に怪しいというわけではありません。
呼びかけ人の一人である富田倫生さんは、絶版になってしまった本、経費の点などで出版できそうにもない本を電子化してインターネット上に公開することが浸透すれば、多くの書き手に、作品発表の機会を増やせると考えました。
また、「誰もが顔を上げれば空を見ることができるように、誰もが文学という宝の恵みを享受できるようにしたい」といった考えの元、ネットの電子図書館を始めるに至ったのです。
日本で著作権切れ作品をオンライン公開する動きの先駆者とされます。
続いては、どんな作家の作品が公開されているのか、ご紹介していきます。
夏目漱石に関しては、「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「草枕」「虞美人草」「三四郎」など、111作品が公開されています。
同じ作品でも、新字新仮名、旧字旧仮名版の両方が公開されているものもあり、あなたの探している作品がきっと見つかるはずです。
芥川龍之介に関しては、379作品が公開されています。
代表作とされる、『羅生門』『鼻』『戯作三昧』『地獄変』『奉教人の死』『藪の中』『河童』『歯車』など、多数掲載されています。
「青空文庫 星新一」のキーワードがよく検索されています。
星新一は、『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』『きまぐれロボット』などSFを中心に生涯1000編を超える作品を執筆した作家です。
しかし、星新一は1997年に亡くなっている為、まだ著作権が消滅しておらず、青空文庫には掲載されていません。
宮沢賢治に関しては、278作品公開されています。
代表作とされる『注文の多い料理店』『雨ニモマケズ』『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』など、読んでみたい作品が多数掲載されています。
江戸川乱歩に関しては、109作品が公開されています。
代表作とされる『D坂の殺人事件』『陰獣』『孤島の鬼』『黒蜥蜴』『怪人二十面相』など、読んでおきたい作品が多数掲載されています。
続いては、青空文庫の使い方について見ていこうと思います。
まず、青空文庫の公式サイトにアクセスします。
公式サイトにて、全ての作品が公開されており、入力や校正が終了している作品は『公開中』となっています。どんな作品が、今後公開予定なのかは、<作業中>と分類されています。
トップページの『メインエリア』の部分に、【公開中 作家別】【公開中 作品別】があり、そこから自分が見たいと思っている作家の名頭、もしくは読みたいと思っている作品のタイトル名の頭文字を選択してください。
作家別を選んだ場合は、作家名がずらりと表示されますので、そこからお目当ての作家を選んでください。
作品別を選んだ場合は、作品名が五十音順に並んでいますので、お目当ての作品を選んでください。
もしくは、トップページの画面上部にある【www.aozora.gr.jp 内を検索 】で、お目当ての作家名や作品名を入れて検索をかけると、表示されます。
『ファイルのダウンロード』から『テキストファイル』か『いますぐXHTML版で読む』を選びます。
テキストファイルは、ZIP形式に圧縮されていますので、解凍してから読んでください。『いますぐXHTML版で読む』は、クリックすればそのままウェブ上で読むことが出来ます。
スマホ用の『ソラリ』『青空文庫ビューア Ad』『青空司書』など、たくさんのアプリが発表されています。
また、『青空 in Browsers』を使うと、縦書きで読むことが出来ます。また、音声での読み上げ機能も導入されています。
青空文庫の公式でもリンクがありますので、縦書きで読みたいと思われる方、音声での読み上げ機能を使用してみたい方は使ってみてください。
著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを収集し、それらを電子書籍としてネットで無料で公開している、ネットの電子図書館と呼ばれる『青空文庫』について、ご紹介してきました。
青空文庫は、1997年からボランティアの手によって運営され、国内作品を中心に15,000点以上が掲載されており、好きな時に好きなだけ、無料で利用することが出来ます。
書店で購入しなくても、図書館まで行かなくても、古くからの名作の多くを読むことが出来る青空文庫をあなたもぜひ、利用してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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あなたは『青空文庫』という本が読めるサイトをご存じでしょうか。有名作品が無料で読めると評判ですが、いったいどういったサイトなのか、本当に無料で読めるのかどうかなど、詳しくご紹介していきます。
最後までお付き合いくださいね。