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    アシッドアタックとは何?事件や事例は?犯行動機や対策はある?

    アシッドアタックという言葉を聞いたことがあるでしょうか。人に向けて薬品をかける攻撃のことを指します。そこで今回は、アシッドアタックについて実例や反抗動機等についてお伝えします。また、被害に遭わないための対策も見てみましょう。

    アシッドアタックとは何のこと?

    “アシッドアタック”という言葉だけでは、いまいちピンとこないという方もいるかもしれません。まずは、アシッドアタックがどういったものなのかについて、お伝えします。

    酸で火傷を負わせる攻撃

    アシッドアタックとは硫酸や硝酸、塩酸などといった劇物である酸を、他者の顔や頭部などにかける行動です。かけた酸により、火傷を負わせ皮膚を損傷させる攻撃でもあります。酸が用いられることから、別名『酸攻撃』ともいわれています。

    25歳から34歳の女性が被害に遭う

    アシッドアタックでは、若めの女性が被害に遭うことが多いです。アシッドアタックの被害者で多いのは、25歳から34歳の女性となっています。男性が優位に立っていて女性の立場が弱い地域での、ドメスティックバイオレンスで行われるケースがあるでしょう。

    強盗なども使用する

    ナイフや銃といった武器は規制が強化されたため、強盗などは武器を用いるケースが減っているでしょう。その代わりに、強盗が酸を犯罪の道具として用いるケースも増加しています。

    アシッドアタックはなぜ怖い?

    では、アシッドアタックはなぜ怖いのでしょうか。アシッドアタックは、誰かを傷つけることや拷問を目的とするケースが多いです。そして、殺害することを目的としていることも時にはあるものです。被害を受けた生存者は、生きている限り永久的に心身ともに傷付けられるという影響を与えられます。

    閲覧注意の当事者画像がある

    インターネットには、被害を受けた海外の当事者の写真が“閲覧注意”として掲載されているサイトがあります。アシッドアタックの恐ろしさを周知するために、掲載していることが考えられるでしょう。ある女性は、酸をかけられ皮膚が解けました。そして、9年が経っても全盲でありほぼ耳が聞こえないといいます。

    海外での事件の事例がある?

    海外では様々にアシッドアタックが起きています。次に、海外で発生したアシッドアタックについて実際に起きた事件をお伝えしましょう、

    モデル女性が被害に遭う

    イギリスはアシッドアタックが急増していますが、検挙率は低いといいます。まずはイギリスでの事例をご紹介しましょう。ケイティ・パイパーというモデルの女性は、24歳だった2008年にネットで知り合った交際相手に酸を浴びせられました。相手にレイプをされ、その2日後にアシッドアタックを受けたのです。

     

    彼女は直ぐに救急搬送されましたが、顔が全体的に焼け爛れてしまい片目を失明してしまいました。その後、300回ほどの顔の再建手術を受け美しさを取り戻しているでしょう。また、事件の翌年には『ケイティ・パイパー財団』を立ち上げました。

     

    火傷あるいは事故での傷跡の治療を提供するという活動を開始しています。

    ロシアでの事件

    1985年には、ロシアのエルミタージュ美術館において展示されていた絵画が、リトアニア人の男に硫酸をかけられ損傷してしまいました。また2013年には、ボリショイバレエ団の芸術監督・セルゲイ・フィーリンがダンサーに硫酸で襲われています。

    セルゲイ・フィーリンは硫酸が目に入ったことから、一時は失明の危機に陥りました。しかし22回という眼科手術を受け失明は免れたといいます。

    アメリカでも発生

    アシッドアタックはアメリカでも発生しています。1848年に、歯科医が売春婦2人に硫酸をかけ逮捕されました。また1958年には、ジャーナリストのビクター・リーゼルがマフィアの幹部であるジョン・ディオガルディに硫酸をかけられ失明させられています。

    日本人もアシッドアタックの被害に遭っている?

    アシッドアタックは、異国の問題というわけではありません。日本でも起こっているのです。続いては、日本国内で起きた事件や日本人が巻き込まれた事件についてお伝えします。

    汽車の中での惨事

    19世紀の時点で、日本では既にアシッドアタックが起きていました。1891年に、上野駅発王子駅行きの汽車の中で埼玉県の自由党員が、政敵であった県議たちに硫酸を浴びせ負傷させたのです。この事件は、秩父と熊谷間を結ぶ新道建設に関する、利権が絡む対立によるものでした。

     

    なお、犯人の1人も硫酸の飛沫により失明しています。彼は10年間服役をした後に、公衆浴場の番台係をして余生を過ごしたといいます。

    美空ひばりも被害に遭っていた

    昭和の歌姫として知られる故・美空ひばりも若い頃にアシッドアタックの被害を受けています。彼女が19歳だった1957年1月13日に、浅草国際劇場での公演で美空ひばりのステージにファンの少女が駆け上がりました。すると、その少女は舞台袖にいた美空ひばりに近付き塩酸入りの瓶を投げつけたのです。

    中の塩酸は美空ひばりの左顔と服にかかりました。この瞬間、美空ひばりは「熱い!」と叫んだといいます。犯人の少女は美空ひばりと同じ19歳であり、熱狂的な美空ひばりのファンでした。高校中退後に都内で女中として働いており、事件の2日前に『世の中が嫌になった。死にたい』と書き残し姿を消したのです。

    少女は都内でふらついていたところ、浅草での美空ひばりの公演を知ります。すると少女は『私と同い年のひばりちゃんは輝かしい場所にいるのに』と、自分と美空ひばりの差に嫉妬心を抱いた模様です。少女の犯行動機は、『塩酸をかけ醜くなったひばりちゃんの顔が見たかった』としています。

    高崎市での事件

    2015年4月に、群馬県高崎市で30歳だった北村宣晃が”スカートに黒ストッキングの女性の脚”のみを狙った硫酸での傷害事件を連続して起こしています。彼は、JR高崎駅ビルやショッピングセンターにおいて女性に硫酸をかけて、衣服を溶かし足に火傷を負わせました。

    北村宜晃は、懲役2年6か月の判決を言い渡されています。なお彼は、2014年に自身の尿や体液を入れた空き缶を、女性に入れたとして罪に問われ執行猶予中であったといいます。

    パリでの邦人襲撃

    異国の地・フランスにおいて日本人がアシッドアタックの被害に遭った事例があります。2021年2月に、フランス・パリ17区で日本人がフードを被っていた3人組に顔に塩酸をかけられる事件が発生しました。被害者は咄嗟に顔を手で覆ったため失明などを免れることができました。

    この事件を機に、在仏日本人に対して在フランス日本大使館から注意喚起のメールが送信されています。そして、日本の外務省のホームページにも注意喚起の文章が掲載されたのです。また、フランス在住の作家の辻仁成もツイッターで事件に言及していました。

    彼は、『全世界的なアジア系に向けられた嫌悪暴力に特に在外邦人の皆さんは警戒する必要がある』として注意喚起しています。

    白金高輪駅での事件

    2021年8月24日に、地下鉄白金高輪駅構内においてアシッドアタックが発生しました。25歳の男が、大学時代のサークルの後輩男性に硫酸をかけ、全治6か月という怪我を負わせたのです。この事件で被害を受けたのは、この男性だけではありませんでした。

    後輩男性の後方にいた無関係の女性も、床に零れた液体により転倒してしまったのでした。これにより、彼女は右膝を火傷しています。

    事件の犯行動機はどんなものがある?

    加害者がアシッドアタックを行う動機はどういったものがあるのでしょうか。続いては、アシッドアタックの同期について探ってみたいと思います。

    結婚の拒否など

    アシッドアタックは南アジアなどで多発していますが、女性が男性との結婚を拒否したことや性的な関係になることを拒否したことで、酸をかけられるケースが多くなっています。男性側が一方的に恨みに思い、アシッドアタックを行うのです。

    子供が女の子の場合

    男子を優遇する国もあります。こうした国々では、生まれた子供が女の子だった場合に父親が娘にアシッドアタックを行うことがあります。女の子だったからといって、自身の子供にこのようなことができる点は、信じられないと思う方も多いかもしれません。

    人種差別等の手段

    マイノリティあるいは人種に関する差別の手段として、アシッドアタックを用いる人もいます。アシッドアタックを行う動機には、様々なものがあるのです。

    アシッドアタックの対策はあるの?

    アシッドアタックを受けないようにするにはどの様にしたら良いのでしょうか。次に、アシッドアタックの対策についてご紹介します。

    外出時には複数人で

    アシッドアタックでは、ターゲットは基本として1人になります。複数人のグループで行動している場合には、ターゲットに薬品がかからない可能性があります。また、薬品がかからなかった人が犯人を追うことも考えられるのです。そのため、複数人で行動しているとアシッドアタックで狙われにくくなるでしょう。

     

    2人以上のグループ行動は相手にとっても計画の難易度が上がります。よって、外出する際には複数人で行動をすることが大事です。

    いつでも周りに警戒する

    アシッドアタックを受けないためには、やはり常に警戒を怠らないことが対策となります。突然速足で近づいてくる人や、フードや帽子を目深に被り顔を隠す人には特に注意をしてください。また犯人はターゲットの人だけが被害に遭うような場所を選ぶものです。

    そのため、家の近くにある細道などに入った時にも注意が必要です。

    サングラスをかける

    アシッドアタックをする際には、顔をめがけて薬品をかけてくることもあるでしょう。薬品が目に入ることを防ぐために、サングラスをかけて外出することも1つの対策です。アシッドアタックをされた場合には、失明をしてしまう危険性があります。

    目は大変に繊細さがあり、薬品が少し入っただけでも多大なる傷害を及ぼすことがあるのです。もし手で防御ができなかったとしても、被害を最小限に留めるために大き目のサングラスをかけることも一案となります。

    されたらどうする?

    アシッドアタックに遭った時のために、水を持ち歩くのも1つの手段です。スピーディーにかけられた薬品を洗い流すことができるからです。また、一刻も早く衣服やアクセサリーを取ることも大事になります。これは、後に医療機関で治療を受ける際の邪魔にならないためにも有効でしょう。

    また患部の刺激が無くなり薬品が落とし終わったなら、傷口を清潔なガーゼで包み保護をすることもポイントです。アシッドアタックでは強い酸性の液体が用いられるのが一般的のため、皮膚の表面が火傷を負っていることが考えられます。そのまま放置しておくと、汚れや細菌が入ってしまう可能性があるのです。

    こうした時のために、ガーゼをバッグにしのばせておくことも手段となります。

    アシッドアタックをする心理はどんなもの?

    アシッドアタックをする人は、どういった心理が働いているのか気になるところかもしれません。ここでアシッドアタックをする心理について探ってみたいと思います。

    深い恨みや気が弱い面

    アシッドアタックをする人物の心理には、ターゲットへの深い恨みや気の弱さといった部分が隠れています。「カッとなったから」という、衝動的な犯行ではないでしょう。アシッドアタックをするには前もって酸を用意しなければいけませんし、計画性がうかがえるのです。

     

    恨みを抱いたとして、その恨みが正しいのかは別として執拗に恨んでしまう“粘着質”タイプの人も犯行に及ぶことがあるでしょう。

    女性蔑視

    心の奥底で女性を蔑視している人間も、女性に対してアシッドアタックをすることがあります。例えば、女性に振られた男が異常なまでの怒りの念を抱くことがあったとします。その男が自身を振った女性を”破壊してやろう”という身勝手な感情に囚われるのです。

    “女のくせに俺を振ったのだから死ぬまで苦しませよう”と思ってしまうのかもしれません。

    アシッドアタックが多い国は?

    最後に、アシッドアタックの多く発生している地域について探ってみたいと思います。世界的に見て、どういった地域でアシッドアタックが多発しているのでしょうか。

    男尊女卑の地域が多い

    アシッドアタックが多発しているのは、男尊女卑の文化が残っている地域です。要するに、男性が尊重され女性は男性に従うのが当然という考え方です。例えばインドやバングラデシュ、パキスタンなどの南アジアや中東が該当します。

    カンボジアなども多い

    アシッドアタックは、東南アジアのカンボジアや南アメリカ北西部に位置するコロンビアでも多くなっています。また、ナイジェリア等のアフリカでも多発しているでしょう。主として、発展途上国で多く起こっていることがうかがえます。

    ロンドンでも多くなっている

    イギリスでも多いことは先述していますが、発展途上国ではないイギリスの首都・ロンドンでもアシッドアタックが多くなっています。2011年から2016年の6年間で、ロンドンでは1464件が報告されているでしょう。6年間の間でこれほどに多くの人が被害に遭っていることに、驚く人もいるかもしれません。

    アシッドアタックは顔などに薬品をかける攻撃!

    アシッドアタックは、ターゲットに対して硫酸や塩酸といった薬品をかけその後に苦痛を味わわせるという攻撃です。犯行の背景には、怨恨や蔑視などがあるでしょう。世界の方々で起きているアシッドアタックですが、日本でも複数件の事件が起きています。

    もしアシッドアタックを受けたなら、一生心身に傷を負い生きることになる可能性もあります。失明をしてしまう危険性もあるのです。アシッドアタックに遭わないようにするには、1人で出歩かないなどの対策があるでしょう。自分で身を守っていく必要も出てくるということです。

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