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    ペットショップオーナーが起こした「埼玉愛犬家連続殺人事件」とは?

    1993年に、「アフリカケンネル」というペットショップを舞台に「埼玉愛犬家連続殺人事件」が発生しました。4人が殺害されたこの「埼玉愛犬家連続殺人事件は」、どういった概要だったのでしょうか。そして、犯人は一体どういった人物で現在はどうなっているのか、探ります。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」の真相はどんなもの?

    まずは、『埼玉愛犬家連続殺人事件』の真相について迫ってみたいと思います。この事件はどの様なものだったのでしょうか。

    『アフリカケンネル』で起きた毒殺事件

    1993年に埼玉県熊谷市において、ペットショップ『アフリカケンネル』のオーナーと妻が顧客や4人を殺害しました。『アフリカケンネル』は、1982年に開業されたペットショップです。オーナーが、妻と2人でペットショップを営んでいました。

    経営不振が原因?

    バブルが崩壊したことで、『アフリカケンネル』は経営不振に陥ってしまいました。これが原因となりオーナー夫婦は顧客たちと金銭トラブルに見舞われ、殺害を決意したものとみられています。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」が起きた経緯

    オーナーは、法外な値段で顧客に対して犬のつがいを売りつけるなど、悪徳商法により資金繰りをしていました。顧客が購入した犬を盗んで、盗んだ犬を他の顧客に売って利益を得ていたとの話もあります。またオーナーは暴力団とも繋がりがあるとされ、自身も反社会的勢力のような風貌をしていたのです。

    それに加えて金銭トラブルもあったことから、周辺住民や同業者からはあまり近づかれなかったといいます。そして、父親の下駄の製造・販売の仕事が時代と共に廃れていったことで生活が困窮した過去から、お金に対し執着心を見せるようにもなりました。

    さらに『アフリカケンネル』はバブルの最中に開業し、当初は売り上げが良かった(オーナーはブリーダーとしての腕は一流とされる)ものの、金銭トラブルや犬舎兼自宅の建設により、多額の借金を背負うことになったのです。

    大阪愛犬家連続殺人事件で発覚

    犯人らが証拠隠滅を図っていたため、殺害された4人は当初家出や失踪として処理されていました。ところが、被害者家族の話で被害者たちが犯人と金銭トラブルになっていたことが分かったのです。これにより、警察は本格的な捜査を開始しています。

    その後、1994年1月26日に大阪愛犬家殺害事件が起こったことで、「アフリカケンネル」での件も注目され、役員である中岡洋介(山崎永幸が本名?)より事情を聴きました。

    中岡洋介(山崎永幸)が自供

    警察の事情聴取を受けた中岡洋介(山崎永幸)は、初めのうちは関与を否定していました。しかし、後になり彼の妻が詐欺容疑により逮捕された際に、中岡洋介自身も出頭して殺人事件に関わったことを自供しています。彼の供述により山中や川から被害者の遺体の一部といった証拠品が見つかりました。

    警察は、1995年1月5日に犯人夫妻を殺人容疑で逮捕しました。1995年1月8日には、中岡洋介も同様に逮捕しています。

    「ボディを透明にする」と発言

    『埼玉愛犬家連続殺人事件』は、証拠を完璧に隠滅していたことから『遺体なき殺人』といわれていて、主犯であるペットショップオーナーが「ボディを透明にする」と言っていました。これは、遺体を何も残さずに処理していたことによります。

    犯人は遺体の焼却を決めますが、一気に焼いてしまうと臭いなどで周辺に気付かれてしまうため、遺体をバラバラにしてから一本ずつ焼却したといいます。この遺体処理を楽しんでいたとされ、サイコパスであったことが分かるでしょう。

    「30人は殺した」と発言

    主犯格の周辺では、4人以外にも失踪者がいました。以前から犯人は周りの人たちに「30人は殺した」と言っていたのです。証拠も出てこないことから、警察は殺人事件として立件することもできませんでした。そして証拠も見つからないまま、未解決事件となりました。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」の被害者はどんな人?

    続いては、『埼玉愛犬家連続殺人事件』の被害者について探ってみましょう。『埼玉愛犬家連続殺人事件』では、どういった方が被害者となってしまったのでしょうか。

    会社の役員男性

    1人目の被害者は、会社役員の男性でした。彼は『アフリカケンネル』から1,100万円でローデシアン・リッジバックという犬種のつがいを購入しています。しかしこの犬種の相場は数十万円であったこと、高齢であり繁殖ビジネスには適さないことなど騙されていたのです。

     

    会社役員の男性は返金を求めましたが、『アフリカケンネル』側は経営不振でしたので返金ができない状態でした。そこで、男性の殺害を企てたのです。1993年4月20日に犯人に呼び出され、犬の殺処分の際に使用される“硝酸ストリキニーネ”という毒物の入ったカプセルを飲まされて、殺害されてしまいました。

     

    犯人は巧みな話術を持っているとされ、この時には栄養剤と偽り毒物を飲ませたのです。さらに、『アフリカケンネル』役員であった中岡洋介(山崎永幸)に遺体の処理を手伝わせました。犯人は中岡洋介に対し、手伝わないと家族に危害を加えると脅し、遺体を運ぶことと偽装工作をさせています。

    暴力団組員

    犯人は、自身と関わりのあった暴力団組員をも殺害しています。この相手は、『アフリカケンネル』の顧客トラブルの仲裁をしている人物でした。失踪したと思われていた会社役員男性を犯人が殺害したのだと気付き、口止め料を要求するようになったといいます。

    このことで、殺害されるに至ったものと考えられます。

    暴力団の運転手

    1993年7月21日に、前述の暴力団組員と行動を共にしていた運転手も共に、硝酸ストリキニーネ入りのカプセルを栄養剤だと偽り飲ませ、殺害しました。2人の遺体は、風呂場へと運ばれ解体されました。その後解体された遺体は焼却され、骨灰は山中や川に遺棄されています。証拠隠滅を図ったということです。

    出資していた主婦

    4人目の犠牲者は、『アフリカケンネル』に勤務していた男性の母親でした。母親は、息子が勤務していたことから、犯人のオーナーと親密になったといいます。店舗が経営難になった際に、母親に対し株主として出資をするように仕向け、お金をだまし取り殺害することを決めました。

    1993年8月26日に、スタッフの母親である主婦から270万円をだまり取った後に、毒入りのカプセルを飲ませて殺害したのです。遺体は中岡洋介の自宅で解体され、骨などを焼却し、残りは山中あるいは川に遺棄しました。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」の犯人は誰?

    続いては、『埼玉愛犬家連続殺人事件』を引き起こした犯人について迫ってみたいと思います。事件はどういった人物によって起こったのでしょうか。

    犯人は関根元

    『埼玉愛犬家連続殺人事件』の主犯は、ペットショップ『アフリカケンネル』のオーナー・関根元です。ペットあるいは猛獣の扱いに長けていたとされ、ペットショップや動物リースを生業としていました。前述の通り、1982年に『アフリカケンネル』を開業しています。

    もう一人の主犯は風間博子

    もう一人主犯がいて、それは関根元の7人目の妻・風間博子です。お嬢様育ちであり関根元と結婚をする前に離婚歴がありました。彼女は経理に長けていて、『アフリカケンネル』の経理を担当していたといいます。ただ、関根元と風間博子は事件の起きる1993年1月に協議離婚しています。

    税金対策のために偽装離婚をしたのだといわれていて、離婚した後も2人は同様の生活を送っていた模様です。妻とされる風間博子も、関根元と共謀したとして逮捕されました。

    中岡洋介(実名は山崎永幸?)が共犯

    中岡洋介は、関根元のブリーダー仲間であり『アフリカケンネル』の名ばかりの役員とされていた人物です。そして、関根元夫妻の共犯とされています。前述の通りに関根元や風間博子が逮捕されるに至る供述をしました。また、実名は山崎永幸であるとされています。

    関根元はどんな生い立ちだった?

    ここで、主犯格である関根元の生い立ちについてご紹介します。関根元はどの様な環境で育ち、事件を起こすまでに至ったのでしょうか。

    子供の頃から嘘吐きだった

    関根元は、子供の頃から虚言癖があったとされています。『ホラ吹き元』とのあだ名もあったほどです。幼少期より弁がたち、目立つことが好きだった関根元少年は、いつも嘘を吐き周囲の人たちを惑わせていたのでした。大人になっても、この虚言癖は治ることはありません。

     

    幼少期より培われた巧な話術により、被害者たちに毒入りカプセルを栄養剤と信じさせ飲ませていたのです。

    異常なほどに目立ちたがった

    関根元は異常なほどの目立ちたがり屋でした。中学生時代には2階から飛び降りたことがあるといいます。それほどに、以前から注目されたいという欲求の強い人間だったのです。

    高校には行かずラーメン店で働く

    関根元は高校には通っていません。中学校を卒業した後にはラーメン店で働くようになりました。その店で働いていた女性と19歳で結婚をしていて、男女1人ずつ子供を設けています。

    何度も結婚と離婚をする

    幸せな家庭を築いたかのように見えた関根元ですが、その後は結婚や離婚を何度も繰り返します。初めの妻と結婚した数年後には他の女性に惚れ、浮気をしてしまいました。そのため初めの妻とは離婚し、浮気相手と再婚をします。ただ、この2度目の結婚でも浮気のため離婚をすることになります。

    その後も、結婚や離婚をしていき結果的には7回の結婚・離婚をしたのです。

    ある住職が関根元に殺されかけていた?

    ある寺院の住職が、関根元に殺されかけたことがあるという話があります。住職の身に、一体何が起こったのでしょうか。

    住職が「じっくり聞いタロウ」出演

    京都にある蓮久寺の住職・三木大雲氏が、2019年3月放送の『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』に出演しました。三木大雲氏は直接ではないものの、『埼玉愛犬家連続殺人事件』に関係があるというのです。そして、番組内で犯人の手口について語りました。

    缶コーヒーでもてなされた

    三木大雲氏は、20歳で大学に通いつつ僧侶の修行をしていた頃に、『アフリカケンネル』を訪れたといいます。そこで男(関根元だと思われる)と話をするようになり、「好きなもの飲んで帰れよ」と言われ何本かの缶コーヒーを出されたのです。

    一緒に訪れた友人は怪しんだため飲まなかったものの、三木大雲氏は1本を飲んだのでした。そしてしばらくぶりに行くと、また缶コーヒーを出されたものの1本は飲み、2本目を促されたもののそれは飲まなかったといいます。

    それから3年後に、その男が『埼玉愛犬家連続殺人事件』の犯人であることを知ったのでした。

    1本だけが毒なしだった!

    犯人の死刑が確定した後に、男に会うことができたという知人によると、「ペットショップで人を殺していた頃に、1人の修行僧が来た」と思い出していたといいます。犯人・関根元は三木大雲氏のことを覚えていたのでした。さらに、男は「缶コーヒー数本のうち1本以外は毒入りだ」とも言っていました。

    もしかしたら、三木大雲氏は毒殺されていた可能性があったのです。3回訪れたペットショップ『アフリカケンネル』では、3回とも毒の入らない缶コーヒー(残りは全て毒入り)を飲んでいた三木大雲氏。男は「神仏はいるのかもしれない。あいつはそれに守られていたのかもしれない」と述懐したといいます。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」の判決はどうなった?

    事件の判決が気になる方もいるでしょう。『埼玉愛犬家連続殺人事件』の判決はどの様なものとなったのでしょうか。

    関根元と風間博子には死刑判決

    主犯格である関根元と風間博子には、時間がかかったものの死刑判決が下りました。2人は『相手が主犯だ』として互いに罪をなすりつけ合ったとされます。さらに風間博子は黙秘を続けていたことから、判決が出るまでに時間を要したのです。

     

    また完璧なまでに証拠隠滅されていたことから物的証拠がなく、中岡洋介の証言をもとにして罪が立証されました。

    風間博子は無罪を主張した

    死刑を求刑された関根元は無期懲役を求め、風間博子は死体損壊等一部の犯行を認めました。しかし殺人についての犯行は見つめることなく、無罪を主張しています。それから100回以上の公判の後に、5年後の2001年にようやく2人に対して死刑判決が下されました。

    死刑判決が不服として控訴をしましたが、東京地裁が棄却したことで死刑は確定しています。風間博子にいたっては、現在でも冤罪を主張して『埼玉愛犬家連続殺人事件』の再審請求をしているとされています。

    中岡洋介は懲役3年の判決

    中岡洋介は死体損壊や死体遺棄に関与していますが、懲役3年が言い渡されました。関根元に脅されて加担したこと、殺人そのものには関与していない点により、3年の懲役となったのです。

    「埼玉愛犬家連続殺人事件」の現在(2021)はどうなっている?

    『埼玉愛犬家連続殺人事件』の当事者や現場は、あれからどうなったのでしょうか。『埼玉愛犬家連続殺人事件』の現在について迫ってみたいと思います。

    関根元は病死している

    関根元は東京拘置所に収監されていましたが、死刑は執行されないまま2017年3月27日に亡くなっています。75歳でした。生存していれば、現在は80歳近くになっていたでしょう。2016年11月頃より体調を崩していた模様であり、『心タンポナーデ』を患っていたとみられます。

     

    『心タンポナーデ』とは、何かの原因により体液により心臓が押しつぶされる病です。心臓から、心嚢液(しんのうえき)を抜く処置を受けていたとされます。心嚢液とは、心臓を取り囲む袋の心嚢と、心臓の間に貯まる液体です。

     

    アフリカケンネルは廃墟

    主犯格の関根元と風間博子が経営していたペットショップ『アフリカケンネル』は、事件後に倒産しました。そして現在その土地は廃墟と化しています。犬舎などが廃墟となり現存しているのです。

    風間博子の消息は不明

    風間博子の現在については、どうなったか消息が分かりません。前述の通りに冤罪を訴えて再審請求していた模様であり、恐らく現在も死刑は執行されていないと考えられます。

    娘が壮絶な人生を送っている

    関根元と風間博子には娘がいますが、事件後に壮絶な人生を歩んだといいます。友達も離れていき、両親とは暮らせなくなったことから祖母と暮らしたという話もあります。事件当時は幼かったため、娘は事件の詳細を聞かされていませんでした。

    しかし、小学校高学年になった頃に週刊誌で事件の詳細を知ったのです。ショックを受けて悩み続けた娘でしたが、成長していくにつれて両親と向き合うことにします。そして、収監されている両親と手紙のやり取りをするようになったのでした。

    映画「冷たい熱帯魚」公開

    2010年には、「埼玉愛犬家連続殺人事件」をテーマとした映画「冷たい熱帯魚」が公開されました。園子温監督の作品であり、犬のブリーダーではなく高級熱帯魚ビジネスに置き換えられている点が特徴です。

    「実録ドラマ 3つの取調室」が制作された?

    『埼玉愛犬家連続殺人事件』に関するドラマも制作されたことがありました。最後に、『埼玉愛犬家連続殺人事件』がテーマとなるドラマについてご紹介します。

    2020年10月4日に放送

    2020年10月4日に、『埼玉愛犬家連続殺人事件』が題材になったドラマ『実録ドラマ 3つの取調室~埼玉愛犬家連続殺人事件~』がフジテレビで放送されました。

    水野美紀が事件の真相を追う刑事役で主演!

    このドラマでは、水野美紀が主演を務めています。水野美紀の役どころは、『埼玉愛犬家連続殺人事件』の真相を負う刑事役でした。主犯である関根元は鶴見辰吾が演じ、風間博子は内山理名が演じました。

    役名が実名になっている

    実際に起きた事件を扱う創作物では、氏名などを変えることもあるでしょう。しかし『実録ドラマ 3つの取調室~埼玉愛犬家連続殺人事件~』では、犯人が実名で登場している点が特徴です。関根元などもそのままの名前で登場しているのです。

    2chニュースナビゲーターでも紹介

    ネットの『2channel News Navigator』でも、ドラマ『実録ドラマ 3つの取調室~埼玉愛犬家連続殺人事件~』に関するニュースが掲載されています。ニュース一覧に3記事が取り上げられていて、これらは2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)の掲示板に掲載されたニュース記事となっているのが特徴です。

    ペットショップオーナー夫妻による4人の殺害事件

    『埼玉愛犬家連続殺人事件』は、ペットショップ『アフリカケンネル』のオーナー夫婦が起こした殺人事件です。当事件では4名が殺害されたとされていますが、主犯格である関根元は30人は殺したなどと話していたといいます。また、残忍な手段で証拠隠滅を図っていたのです。

    これにより、被害者の遺体や証拠が見つかりませんでした。迷宮入りするかにみえた事件でしたが、共犯者・中岡洋介が供述したことからオーナー夫婦は逮捕され死刑が確定しています。

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