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    世間を震撼させた「校門圧死事件」とは?元教諭・細井敏彦の現在は?

    1990年兵庫県神戸市の神戸高塚高校で起きた「校門圧死事件」は、厳しい遅刻指導により女子生徒が亡くなった悲しい事件です。加害者の細井敏彦が現在何をしているのか?事件に対する学校側の対応や細井敏彦の裁判や判決など、事件について詳しく紹介します。

    校門圧死事件の概要

    「校門圧死事件」とは、1990年夏に教師が校門で遅刻指導をしていた時に女子高生が亡くなるという兵庫県神戸市で起きた痛ましい事件です。その事件の経過を調べました。

    遅刻指導により起きた事件

    1990年7月6日に兵庫県神戸市の神戸高塚高校で事件は起こりました。朝8時頃から3人の教師が校門で遅刻指導を行っていました。8時30分のチャイムが鳴ると同時に教師が鉄製のスライド式の門扉を勢いをつけて閉めました。

     

    その時、ひとりの女子高生が駆け込み、門扉と校門の壁に挟まってしまいましたが、教師はそれに気づかず門扉を閉め切ろうとしました。現場にいた別の生徒が門扉を押し戻そうとしたり叫んだりしたことで、教師は初めて女子生徒を挟んでいたことに気づきました。

     

    女子高校生は、挟まれたことによる頭蓋骨粉砕骨折等の重傷を負い、病院に救急搬送されましたが数時間後に死亡しました

    事件が起きたの期末試験当日だった

    事件が起きた日は、高校の期末試験当日でした。亡くなった女子高生は、普段は遅刻することもなかったそうですが、期末試験に備えて前日の夜は遅くまで勉強していて遅刻しそうになり、焦るあまり駆け込んでしまったのかもしれません。

    被害者は石田遼子さん

    校門圧死事件で亡くなったのは、当時15歳だった高校1年生石田遼子さです。石田さんは、8時30分ぎりぎりに校門に着き、門が閉まっていくところを走り込んでいったといいます。

    被害者の死因と校門に残された血

    女子生徒は、門扉と校門に挟まれたことにより、重傷を負って神戸大学医学部付属病院に搬送されましたが、午前10時25分に脳挫滅による死亡が確認されました。現場校門に残された女子高生の血は、警察の現場検証前に学校により洗い流されたそうです。

    事件が起きた神戸高塚高校とは?

    「校門圧死事件」が起きた神戸高塚高校が、どんな高校だったのか、また遅刻指導がどんなものだったのかを調べてみました。

    生徒が1500人以上のマンモス校

    「校門圧死事件」が起きた神戸高塚高校は、当時生徒数が1500人以上というマンモス校でした。普通科のみの県立高校です。また全国に5校しか採用されていない学校安全に関する研究指定校でもありました。

     

    研究指定校とは、新しい試みを研究する学校として指定されることです。神戸高塚高校は、以前から全教員による校門や通学路での指導が高く評価されていたらしいです。

    厳しい遅刻対応をしていた

    神戸高塚高校では、8時30分近くになると、校門にいる教師がハンドマイクで「後、何秒!」とカウントダウンしていたそうです。そして遅刻した生徒に対しては、スクワット系の柔軟体操を行うよう命じたり、校庭を2周走らせるなど厳しい罰則を設けていました。

     

     

    事件に対する学校側の反応

    神戸高塚高校の「校門圧死事件」で、学校側がどんな対応をとっていたのか、校長の処分はどうだったのかを調べてみました。

    期末試験を予定通り実施

    「校門圧死事件」が起きた当日は期末試験がありましたが、事後が起きたにも関わらず試験は予定通り実施されました。女子高生を圧死させた教師は試験監督を務めたそうです。

     

    生徒から、校門で門扉に挟まった女子高生の容体を心配する声が上がると、教師は「重傷だが生命に異常はない」と説明したいわれています。

    学校側に問題はないという考え方を示す

    「校門圧死事件」に対して、文部省は事件は一教師と一生徒の問題であり、学校側に何ら問題はないとの認識を示しました。神戸高塚高校の校長や兵庫県教育委員会は、文部省の意向を受け、教員個人の責任を主張したそうです。

    校長は辞任・他職員にも処分が下る

    「校門圧死事件」が起きた7月6日から20日後の26日に、事件を起こした教師を懲戒免職処分にし、管理責任を問い当時の校長を戒告、教頭と教育長を訓告、教育次長2名を厳重注意とする処分を行いました。しかし、校門を閉めようと言い出した教員や生活指導部長に対しては処分はなかったそうです。

     

    校長は、事件後に辞表を出していましたが、教育委員会は同日付で受理し、9月に教育委員会から新校長が就任しました。

    事件から4ヶ月後に過失を認める

    「校門圧死事件」から4ヶ月後学校側は安全管理上の過失を認めました。そして、兵庫県が遺族に対して損害賠償金として6千万円を支払うことで示談が成立しました。

    加害者・元教師の細井敏彦の裁判や現在

    「校門圧死事件」の加害者となった元教師・細井敏彦さんは、裁判にかけられましたが、細井さんはどんな主張をしたのか、また判決後にどんな行動をとったのかを調べてみました。

    細井敏彦は無罪を主張

    「校門圧死事件」の加害者となった教師だった細井敏彦さんは、業務上過失致死の容疑で警察に取り調べられました。兵庫県警察の実況見分で門扉はヘルメットが割れるほどの速度で押されていたことが分かったからです。

     

    また、細井さんが過去にも門扉でスカートを挟んだことがあり、門扉を閉めることの危険性を把握しながら安全を十分確認しなかったことが明らかになったこともあります。

     

    細井さんは業務上過失致死罪で神戸地方検察庁に送検され、起訴されて刑事裁判が行われました。

    細井敏彦さんは、刑事裁判で過失責任はない無罪を主張しました。主張内容は、「門扉の開閉は教員3人で行う共同作業であり、安全で合理的な方法だった。僅かな隙間に生徒が頭から走り込んでくることは予見不可能だった」でした。

     

    また、「十分な安全策もなく、教師に校門指導をさせた学校に責任があり、誤った教育理念を押し付けた学校管理者や兵庫県教育委員会、文部省の責任が問われるべき」とも主張しました。

    有罪判決が下り教員免許失効

    細井敏彦さんは無罪を主張しましたが、1993年2月に禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が下されました。判決では、教師の過失を認める一方で、「被告人の刑事責任とは別に生徒の登校の安全に対する配慮が足りなかった」とも裁判官は述べています。

     

    細井さんは判決に不服でしたが、自身や家族の心労を考えて高等裁判所に控訴しないことにし、判決が決定しました。そして、細井さんの教員免許は失効し、彼が起こしていた懲戒免職不服申し立ての審理も中止されました。

    事件についての本を出版

    「校門圧死事件」で有罪になった細井敏彦さんは、判決直後の1993年4月に事件を題材にした本『校門の時計だけが知っている 私の[校門圧死事件]』(草思社)を実名で出版しました。

     

    本では、「校門を閉鎖し生徒を取り締まることは正しいと信じていた。しかし生徒の命が奪われ、他に方法はなかったのかと考えさせられる」と細井さんから見た事件の様子や周りの様子、それに細井さん自身の心情を綴っています。そんな細井さんの現在の消息は明らかになっておらず、どこで暮らしているのかも不明です。

     

    「校門圧死事件」に関する本は、他に生徒たちに取材し生の声をまとめた『先生、その門を閉めないでー告発・兵庫県立神戸高塚高校圧死事件』(労働教育センター)、『校門を閉めたのは教師かー神戸高塚高校校門圧殺事件』(駒草出版)、『少女・15歳 神戸高塚高校校門圧死事件』(朝日新聞神戸支局・編 長征社)などが出版されています。

    事件の原因は厳しい校則か

    「校門圧死事件」の原因は、兵庫県立神戸高塚高校の厳しすぎる校則によるのではないかと言われることがありますが、そんな校則について調べてみました。

    遅刻に対する厳しい指導

    兵庫県立神戸高塚高校は、生徒の遅刻に対してとても厳しかったそうです。時間が来ると容赦なく扉を閉め、慌てて入ってくる生徒のカバンや女生徒のスカートが挟まったことも「校門圧死事件」の前にあったそうです。

     

     

    ブラック校則が社会問題に

    「校門圧死事件」をきっかけに、行き過ぎた生活指導や厳しすぎる校則が社会問題となり見直されるようになりました。しかし、現在でも黒髪の強要や女子生徒の下着の色を限定するなど、あまり意味があるとは思えない校則が残っている学校はあるようです。

    ブラック校則に疑問を投げかけた「校門圧死事件」

    兵庫県立神戸高塚高校で1990年に起こった「校門圧死事件」から30年目となる2020年7月6日に、事件を風化させないためにと卒業生や当時勤務していた教員らが追悼式を行い黙とうを捧げました。

     

    事件をきっかけに、何かと問題視され見直されるようになった行き過ぎたブラック校則。すべての学校の校則が見直されたのかどうかは分かりませんが、生徒たちが健全な学校生活を送れるような校則になっていって欲しいものですね。

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