木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
20世紀を代表する異常殺人鬼エド・ゲイン、彼の犯行の異常性は、世界を震撼させ、その生い立ちや心理は、犯罪学分野の研究対象となるのみならず、多くのフィクションの題材にもなりました。1900年代半ばにアメリカ合衆国に実在した猟奇殺人鬼エド・ゲインは、人々の異常殺人者のイメージに多大な影響を与え、今なお人々の興味を掻き立てます。
以下の引用はAmazonの『エド・ゲイン [DVD]』の紹介文です。原題は『ED GEIN:THE BUTCHER OF PLAINFIELD』、直訳すると「エド・ゲイン:プレインフィールドの虐殺者」です。2007年にアメリカで制作され、2008年2月8日に日本で発売されました。
「羊たちの沈黙」「テキサス・チェーンソー」「サイコ」に多大な影響を与えた全米史上最強の猟奇殺人鬼エド・ゲインの生涯を暴く、真実の戦慄作!
全米史上、最も恐ろしい連続殺人犯エド・ゲイン。奴の犯行に材を得て、生み出された虚構のキャラクターは数知れない。「サイコ」のノーマン・ベイツ、「悪魔のいけにえ」「テキサス・チェーンソー」のレザーフェイス、「羊たちの沈黙」のバッファロー・ビル…。スクリーンを血に染め、人々を震撼させた奴らの凶行。だが、この実話はそれらを完全に凌駕した!
大ヒットホラー「13日の金曜日」で4度、ジェイソンを演じたケイン・ホッダーが挑む超弩級の衝撃!その凄まじさから全米レンタルチャート第1位(未公開部門)を記録した恐怖、日本上陸!
エド・ゲインを題材としたほぼノンフィクションのサイコホラー・サスペンス映画はこのほかにも複数の作品があります。
まず20世紀を代表する猟奇殺人鬼エド・ゲインの詳しいプロフィールや経歴について見ていきましょう。
プレインフィールドの解体者(the Butcher of Plainfield)あるいは、プレインフィールドの食屍鬼(the Plainfield Ghoul)との呼び名を持つ悪名高いシリアルキラー、エド・ゲインを徹底考察してまいります。
大量猟奇殺人鬼としての印象が強いエド・ゲインですが、確認できる殺人は2件だけです。殺人件数自体は大量とは言えません。あたかも20世紀最大の大量猟奇殺人鬼であるような印象は、異常性癖が世間に与えたインパクト、彼をモデルにしたキャラクターたちの影響によって、作り上げられていったイメージによるものです。
犯罪捜査の現場においては、死体の一部を戦利品、記念品として所持するといった行為は、シリアルキラーの著名的行動の一つとされています。しかし、エド・ゲインのあまりに独特で、冒涜的な犯行は、多くの凶悪犯罪に直面してきた経験豊富な捜査員すら、恐怖に陥れました。死体を調達し、家具や服に加工するという猟奇的犯行を繰り返した男エド・ゲインの生い立ちとは、いったいどのようなものだったのでしょうか。順を追って、詳しく説明していきます。
エド・ゲインは、重度のアルコール依存症の父親ジョージ・ゲインと狂信的なルター派信者の母親オーガスタ・ゲインの次男として出生しました。父ジョージは失業を繰り返し、大工、皮なめし職人、保険のセールスマンなど職を転々としました。母オーガスタは敬虔なルター派信者一家に生まれ、厳しい躾と体罰にさらされて育ち、性行為への異常な嫌悪と歪んだ信仰を抱く、独善的態度の女性であったと言われています。
母オーガスタは、子どもたちを悪徳と堕落で満ちた俗世間から隔離する目的でウィスコンシン州プレインフィールドの農場を購入します。7つ年上の兄ヘンリー・ゲインと共に、母オーガスタの強い影響力のなかで恐怖しながら育ちます。
「女と交わると天誅が下る」「男性器は悪の象徴」「みだらな服の女性は男性を堕落に誘う邪悪な存在」「外や他者は穢れている」など、母オーガスタの性的な嫌悪によって恣意的に曲解した聖書の教えを語り、それを守らなければひどいことになると何度も言って聞かせたのです。
母オーガスタは、「性行為は子どもを作るため」にのみ許されると固く信じていました。妻に性行為を拒絶され続けたことがアルコールと暴力に父ジョージを走らせたのか、あるいは夫のアルコール依存と暴力が、彼女を頑なで極端な信仰へと走らせたのか、今となっては分かりませんが、暴力を振るわれる母オーガスタは酒浸りの夫の死を毎夜祈り、子どもたちにも祈らせました。
前述のように、ゲイン一家は俗世間から隔離された農場を家族経営していました。そのため、母オーガスタの目論見通り、ヘンリーとエドの兄弟は、かなり閉鎖的な環境で育つことになりました。
エド・ゲインは、母オーガスタの倒錯的な教育によって、シャイで寡黙な子だったため、周囲の子どもたちと馴染むことが出来ませんでした。兄ヘンリーは成長するにつれて、母オーガスタの異常性に気が付くようになったため、母の呪縛から逃れることができました。しかしエド・ゲインは母の呪縛を疎ましく思うことなく大人になります
オーガスタと子どもたちの祈りのためか、1940年4月1日、父ジョージが心臓発作で逝去します。アルコール依存症による心不全です。1944年5月16日、兄ヘンリー・ゲインが亡くなります。山火事による事故死とされていますが、母オーガスタを崇拝したままのエド・ゲインを心配する兄の言葉を、母や母を慕う自分を批判するものと感じ憤ったエド・ゲインの最初の犯行とする説が有力です。
ヘンリーの死後まもなく、母オーガスタが脳卒中で倒れ要介護状態になります。エド・ゲインの懸命な介護の甲斐なく、翌1945年12月29日、母オーガスタは67歳で永遠にエドの元から去ってしまいます。絶対的存在であった母オーガスタの死は、エド・ゲインに深い孤独と、精神的な破綻をもたらします。
犯罪者の多くは、自分を愛されていない、望まれていない存在と認識しています。他者との親密な人間関係を持たない、あるいは失った人間は、激しい精神的な飢餓のなかにある、とも言えます。エド・ゲインもそうでした。
愛されていない子どもほど、母親の顔色をうかがい、機嫌をわずかでも損なうことを恐れ、何事も従い、相手に尽くすことで愛情を求めます。母の呪縛を克服し精神的自立を果たした兄ヘンリーを追うように病に倒れ、エドの献身的な看病の甲斐なくこの世を去った母オーガスタの死を、エド・ゲインはどのように受け止めたのでしょうか。
愛する母を喪ってから、エド・ゲインはオカルト、解剖、死体、カニバリズムへの性的執着を現していきました。
オカルトは多義的な語です。ゲイン一家のようなキリスト教徒にとっては、異教、異端もオカルトに分類されます。日常会話レベルでは魔術や占いのようなスピリチュアルな分野を総括した語として使用します。UFOや一般的でない宗教儀式なども含むことがあります。
カニバリズムは食人趣味のことです。人間の肉を食べる性的嗜好と、その行為を指します。
日本で起こる死体損壊を伴う殺人事件、いわゆるばらばら殺人事件の大半は、単純に、犯罪の隠蔽を図るために運搬や遺棄を行う際に必要に迫られて、というケースです。
福島章氏の『犯罪心理学入門』第5章の犯罪の精神分析、カニバリズムとばらばら事件p157~によると、
「ばらばら事件では殺した相手への恐怖心が強く殺人者を支配し、その生き返り(蘇生)を不可能にするために夢中で死体を解体するのに対して、食人では一体化、すなわち対象への愛が主要な動機だからである。」
また同著によると、食人は一体化、愛の完成を求めての行為ともいえ、敬愛する存在への聖なる儀式による食肉解体は「むしろ愛をこめて行われる」ことが言及されています。乳房を貪り生命の糧をうる乳児とそれを与える母親との関係は、そもそもカニバリズム的であるという指摘もなされています。
アメリカ殺人史上においても、その猟奇性は際立っており、この事件が明るみに出たとき、この異常殺人鬼エド・ゲインの存在は、全米を震撼させました。
1人目の犠牲者となったメアリー・ホーガンの事件の概要についてご説明します。1954年、酒場の女主人メアリー・ホーガンの頭を撃ち、殺害しました。
現場に争った形跡はなく、レジのお金も盗まれておらず無事でした。動機不明の事件は進展が難しいことはどこの国でも同じです。この殺人事件は行方不明として扱われ、2人目の被害者が出るまで犯人が判明しませんでした。
1957年11月16日に、エド・ゲインはバーニス・ウォーデンの経営する雑貨店への武装強盗容疑で逮捕されました。行方不明となっていた享年57歳のバーニス・ウォーデンは、エド・ゲインの自宅で、バラバラ死体の状態で発見されました。
エド・ゲインに殺された二人は、すぐに死ぬように急所を撃たれました。女性にとって最も痛みがなく、トラウマ的にならないような方法とも言えます。エド・ゲインは、生死を問わず、50代半ばから後半にかけての女性のみをターゲットにしていました。体型も母親に似ている被害者ばかりです。
雑貨店の女主人バーニス・ウォーデンの殺害容疑でエド・ゲインの自宅に踏み込んだ保安官らは、身の毛もよだつ恐ろしい作品たちと対面することとなりました。
警察が家宅捜索したところ、ゴミ屋敷の様相を呈していたエド・ゲインの家からは、全部で15人の女性の解体された死体が見つかりました。警察の調べに対し、エド・ゲインは1947年から1952年の間に、地元の3つの墓地に行き、9人の遺体を、放心状態のままに墓から盗んだことを認めました。
エド・ゲインは最近埋葬された遺体を発掘するために約40回の夜間訪問を行い、彼は最近埋葬された中年の女性の墓を彼の母オーガスタに似たものと考え、その身体を家に持ち帰り、その皮をなめして自分の道具を作ったと述べたのです。
正常な人間の形を保った死体は一つもありませんでした。皮膚のランプシェードとクッションと入れ物と太鼓、頭蓋骨のスープボウル、唇で作った窓の日よけ、胴体を利用したチョッキ、複数の乳房をつぎはぎしたベルト、人肉の靴下などがその猟奇的作品の具体例です。
エド・ゲインは死体をチョッキや食器、家具などに自力で加工していたのです。残虐な遺体損壊の過程で、エド・ゲインは人間の皮膚をなめす達人になりました。また女性を斬首し、顔からマスクを作り、壁に飾って、時折着用したこと、切り取った女性器で自らの男性器を包んだことなども告白したそうです。
死体は墓から掘り起こして家まで運んできたものだと供述しました。
ネクロフィリア(死体性愛)やカニバニズムといった行為は否定したそうですが、真偽は不明です。また、仮にそういった行為に及んでいなかったにせよ、性的ファンタジーが犯行動機であり、死体を家に持ち帰ることや、ランプシェードなどの家具に加工すること、ベストなど衣服に加工し着用することに、抗いがたい快感や欲求を抱く性的嗜好の持ち主であったことは確かです。
遺体を掘り起こした理由として、母に似た女性を探し出すためであったと言われています。母オーガスタの部屋は、10年前に彼女が亡くなった当時のまま保存されていたそうです。
また、母が死んだ後、エド・ゲインは女性の解剖学的構造に非常に興味を持つようになりました。
岡田尊司氏の『あなたの中の異常心理』(幻冬舎新書)では、以下のように述べられています。
「多くの異常心理の萌芽は幼い段階にあり、多くの人は、そうした傾向が多少あっても、それを成長とともに克服していく。ところが、人によっては、それを引きずり続け、逆に極端さを募らせることによって、常識を超えた異常心理に行きついてしまうこともある。(中略)その意味で、人格の基礎を形づくる幼い時期から子ども時代にかけての体験は、極めて重要だと言える。この部分がしっかり安定していると、異常心理に陥り、破壊的な行動や自分を損なう行動に走るということは起きにくいのである。」
不可解な考えや行動にとらわれる原因となる、すべての人間の持つ根源的な欲求とは、「自己を保存しようとする欲求」「他者から承認や愛情を求める欲求」であるとまとめられています。
逮捕されたエド・ゲインは、精神障害として無罪になりました。「精神を病んでおり、回復の見込みがない」と診断されたのです。エド・ゲインは精神病院に収容されました。
1968年に裁判を受けることは可能と医師が診断し、エド・ゲインは一週間法廷に立ちました。裁判では殺害で有罪判決が出ましたが、精神異常を理由に、刑務所ではなく精神病院に再び収監されました。
大半の殺人の動機は、金銭、異性関係、身近な人間関係での怒りや恨みです。通り魔殺人など、上記のような理由を持たない他者を殺害する犯罪者は、その多くは幼少期に十分な安心や安全の中で、子どもらしい甘えを出せず受け入れられず育ち、そして親しい他者や、人生の目標や生き甲斐、攻撃する具体的な他者すら持たないか、失った人です。
エド・ゲインが本来、甘え(怒り)を向けるべきは、アルコール依存症の父親と、常軌を逸した教育を強制した母親でした。しかし、その対象を永遠に失った彼は、母に似た他者に向かいました。
精神病院では穏やかであったそうです。精神鑑定を行うためには、彼の言葉に耳を傾け、一定の節度ある共感を示しながら向き合う必要があります。猟奇殺人を行い精神鑑定で無罪となった人間を看護するには、常に冷静かつ穏やかに、注意して見守る必要があります。
エド・ゲインは、内面をさらけ出しても見捨てない人、彼の(常軌を逸した危険な精神異常者としてであっても)人間性を認め、穏やかに接してくれる人に囲まれて過ごせば、猟奇的な犯行に及ぶ必要のない人間であった、ということかもしれません。
エド・ゲインは、刑務所ではなく精神病院に収監されたまま一生を終えました。1984年7月26日、ゲインはメンドータ精神病院で死亡したのです。死因は呼吸不全であったとされます。77歳での往生でした。
エド・ゲインの遺体は彼が育ち、働き、そして凄惨な犯行の現場となった町プレインフィールドの、母の墓の隣に埋葬されました。現在は20世紀を代表する猟奇殺人鬼エド・ゲインの墓、としてプレインフィールドの観光地となっています。
エド・ゲインの影響を受けたフィクション作品も数多く制作されています。
ロバート・ブロックがエド・ゲイン事件を参考に書いた原作小説を、ヒッチコック監督が映画化して大成功を収めました。「サイコ・サスペンス」ジャンルの元祖です。
わがままで執着心の強い母に育てられた主人公ノーマンは精神に異常があり、母が愛人を作ると、嫉妬して母と愛人を殺害しました。しかし母殺しの罪悪感に耐えきれず、母の死体を盗み出します。それだけでなく、「母」を自分の精神の中に作り、二重人格者となります。ノーマンが他の女性に心惹かれると、嫉妬した母の人格が女性を殺し、犯行後にノーマンの主人格が戻り、証拠隠滅します。また、ノーマンは母が生きていると思い込むため、女装します。
ノーマンの設定のうち、マザーコンプレックス、墓荒らし、殺人、女装などの点に、エド・ゲインの影響が濃く表れています。
「最高のホラー映画」との呼び声高い、トビー・フーバー監督作品です。
「レザーフェイス」という殺人鬼が人体を素材にして家具を作っています。
体格など差異が多く、エド・ゲイン的要素は人体家具だけです。
作家トマス・ハリスの名を不動のものにしたサイコ犯罪小説の金字塔です。
ハンニバル・レクターシリーズの、ハンニバル・レクター博士は、優れた知能と高いサイコパシー、そしてカニバリズムを持ち合わせた悪のカリスマです。エド・ゲインがモデルというわけではなく、犯罪史に名を刻む多くのシリアルキラーの集合体として造形されたキャラクターです。
エド・ゲインは、作中でFBI候補生クラリス・スターリングが追う殺人鬼「バッファロー・ビル」のモデルと言われています。
和月伸宏の代表作となった人気少年漫画です。明治剣客浪漫譚というサブタイトル通り、明治初期を舞台とした剣劇アクション作品で、メディアミックスも多数行われています。
敵として登場する人形使いの外印(ゲイン)は、人間の死体を材料にして人形を作ります。医者や主人公緋村剣心でさえも本物と見誤る、ヒロイン神谷薫に似せて作った死体人形を用意しました。名前もエド・ゲインが由来です。
野田サトルの出世作となった人気少年漫画で、アニメ化もされました。明治末期の北海道と樺太が舞台です。金塊探し、アイヌ、グルメ、サバイバル、幕末の偉人など多彩な要素のある作品です。
登場人物の一人である江渡貝弥作(エドガイヤサク)は母の歪んだ愛情を受けて育ち、亡き母の剥製を作成しました。遺体を材料に使用した服や小物を製作しており、その高度な人間の皮をなめす技術により、物語のキーパーソンになります。名前からして、エド・ゲインがモデルである可能性が高いキャラクターです。
また、エド・ゲインがモチーフかは定かでありませんが、家永カノはカニバリストです。女装してホテルの支配人となり、宿泊客を解体して食べていました。
ゲームメーカーTYPE-MOONの看板ファンタジー作品『Fate/stay night』の前日譚です。人気スマートフォンアプリ『Fate/Grand Order』の関連作品でもあります。『Fate/stay night』の10年前をシナリオライター虚淵玄が執筆したスピンオフ小説で、アニメ化もされました。地方都市を舞台に、7人の魔術師たちが偉人を召喚・使役して戦うストーリーです。
死体を加工して家具などを作る2人組が登場します。雨生龍之介はシリアルキラーで、女子供を誘拐して拷問・殺人し、芸術作品を作る趣味があります。人間の生皮でランプシェードを制作しようとしたこともあり、エド・ゲインを参考にしています。雨生龍之介の協力者「キャスター」は、実在した小児性愛者の15世紀フランス貴族ジル・ド・モンモランシ=ラヴァルをモデルにしたと公表されています。
サイバーパンク・ディストピア的世界観で人気を博したSF犯罪捜査アニメです。メインストーリーライターは前述した『Fate/Zero』執筆者の虚淵玄です。
死体をオブジェにする少女・王陵璃華子が6~8話に主題となります。彼女は画家であった父に執着するあまり、父の芸術を実際の少女たちで再現します。エド・ゲインから、親子の性別を反転させたキャラクターです。彼女のモデルがエド・ゲインであるとは明言されていませんが、『PSYCHO-PASS サイコパス』は、前述の『羊たちの沈黙』からの影響の色濃い作品です。
エド・ゲインは、異常性愛に基づく連続的な快楽殺人者としてのある種、典型的な環境に育ち、心神喪失による無罪の判決を受けました。それゆえエド・ゲインは、人々が彼を自分たちとは違う「異常な」人間だから異常な凶行に及んだのだと、安心してエンタメとして味わうことができる殺人鬼です。
1958年3月30日に競売にかけられる予定でしたが、 3月20日の早朝、火事で焼失し、放火が疑われたものの、 火災の原因は不明です。エド・ゲインの家と195エーカーの資産は4,700ドル(2018年には41,000ドルに相当)と評価されました。エド・ゲインの家とその土地が、町の観光名所になるかもしれないという噂や、売却金がエド・ゲインの所有になることに義憤を感じた街の住人の仕業とするものが定説です。
エド・ゲインが拘留中に自宅の焼失を知ったとき、彼は肩をすくめて、こう言ったそうです。「"just as well"(かえって好都合じゃないか)」。
ユングの提示した人類に普遍的にみられる原型(アーキタイプ)の一つに、「グレートマザー」があります。マザー・コンプレックスという和製英語に近い概念です。慈しみ包み込む無償の愛を際限なく注ぐ理想の母親と、丸ごと呑み込み束縛し服従を強いる破滅思考の怪物は紙一重であり、その強い支配下で育つことは、精神的な病気や、異常心理の温床となります。
エド・ゲインの1人目の犠牲者であるメアリー・ボーガンも、2人目の犠牲者であるバーニス・ウォーデンも、母親のオーガスタに似た、恰幅が良く、いくらか威圧的なところのある中年女性だったそうです。エド・ゲインは、死んだ母親の面影を求めていたことを供述しています。また死んだ母親の呪縛を、母親に似た女性を繰り返し殺すことで克服しようとした、といった両価性もあると考えられます。
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