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2023/12/28
大今里
バイトテロはSNS上に不適切な動画や写真をアップロードするもので、最近ニュースなので度々報道されているます。このバイトテロは会社に大きな打撃を与える行為でもあります。そのようなバイトテロは過去にどのようなものが起こったのでしょうか?また、バイトテロを起こした本人などのその後はどうなったのでしょうか?バイトテロについて見ていきます。
バイトテロとはそもそもどのようなものがバイトテロと呼ばれているのでしょうか?
またバイトテロの由来とは何なのでしょうか?
バイトテロの定義や由来について見ていきます。
バイトテロとは個人のブログやTwitterなどのSNSに不適切な発言や写真に対して批判が殺到する「炎上」の一種です。
批判する側が集団でエスカレートしていくことから「祭り」の一種とみる向きもあるそうです。
最近ではInstagramのストーリーズ機能の追加により24時間で削除される仕様になっているものに投稿し、削除されるまでの間にTwitter等で拡散されてしまうケースもあります。
バイトテロは「バイトによるテロ行為」として呼ばれています。
この「バイトテロ」という言葉を最初に使ったのが日本各地でいわゆる「バカッター」が社会問題化している時にニュースサイト秒刊SUNDAYが「バイトによるテロ行為」、それを「バイトテロ」と略して報道し、その後Twitterでこのバイトテロが使われるようになり、J-CASTなどのニュースサイトが援用するようになり、この言葉は全国紙でも使われるようになりました。
バイトテロはニュースなどでも報道されることがありますが、実際に起こったバイトテロはどのようなものだったのでしょうか?
過去に実際に起こったバイトテロについて見ていきます。
2019年2月にコンビニのファミリーマートのアルバイトが起こした動画が炎上するバイトテロが発生しました。
このバイトテロは買った商品を袋詰めする際に一度、アルバイト店員がその商品をなめてから袋詰めしているというものです。撮影者の言葉からこの動画が取られたのは早朝か深夜だと考えられます。
2016年1月には北海道の登別温泉のアルバイトが投稿したTwitterが炎上しするバイトテロが発生しました。
このバイトテロは登別温泉のホテルで働くアルバイトの男子高校生が起こしたもので、食器洗いシンクにお湯をためて裸で入浴したというものです。
バイトテロの現場となった食器洗い場にはアルバイトの高校生4人がいましたが、入浴したのは一人だけだったそうです。
2015年1月にはすき家のアルバイトが投稿したTwitterが炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロは「すき家はキチガイの集まり、今日最高」という旨のツイートと共に味噌汁のお椀や具を床にぶちまけ、変顔をする悪ふざけ画像をアップしたというものです。
2014年9月には、はま寿司のアルバイトがTwitterで炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロはTwitterで「新メニュー作った」とツイートされ、調理場らしき場所で天ぷらのように揚げられたハサミをシャリの上にのせたものの画像が投稿されたというものです。
2013年には大手居酒屋チェーン店のアルバイトのTwitterが炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロはキャベツをお面に見立てて被り、さらには喫煙をしたというものです。
2013年8月には蕎麦屋のアルバイトによるTwitterが炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロは業務用の食器洗浄機や冷蔵庫に寝そべってはしゃぐ姿を写真で投稿したというものです。
2013年8月にはステーキレストンのブロンコビリーでアルバイトのTwitterが炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロは「バイトなう、残り10分」とつぶやき、大型冷蔵庫の中に入り込み、顔だけを出している写真を投稿したというものです。
この写真は瞬く間に広まり、炎上しましたが、このアルバイトが炎上に対して「いちいち面白がってうざい、知らない人が面白がってリツーイトしているんじゃない、知らない人なのにいちいちだるい」との旨をツイートしたため、炎上を加速させました。
2013年8月には東急ストアのアルバイトが不適切な写真を投稿したバイトテロがありました。
このバイトテロは廃棄処分する予定だったグレープフルーツを口にくわえた写真を投稿したというものです。
2013年8月にはピザーラでアルバイトが不適切な写真を投稿したバイトテロがありました。
このバイトテロはネズミ捕りにかかって死んだと思われるネズミの死骸の写真を無修正でそのまま投稿し非難が相次いだというものです。
このバイトテロは悪ふざけというものとは少し違い、アップして写真かどうかの判断に問題があったようです。
2019年2月にはくら寿司のアルバイトが投稿した動画が炎上するバイトテロがありました。
このバイトテロは、ゴミ箱に魚を廃棄し、それをまた拾って再度調理するというものでした。
今まで数多くのバイトテロが発覚してきました。バイトテロを起こした人やバイトテロの被害にあった店はその後どうなったのでしょうか?
バイトテロを起こした人や店のその後の一例を見ていきます。
2013年にブロンコビリーでの冷蔵庫に入った写真を投稿して炎上されるバイトテロでは、バイトテロ発生後、すぐにTwitterのプロフィールや過去のつぶやきから素性やアルバイト先まで判明しました。
そのため炎上させたアルバイトは自分の顔・氏名・住所・学校名といった個人情報が晒されたままのため、炎上騒動以降、すれ違う人から「騒動を起こしたやつ」という感じで見られるようになったため、怖くなって家に閉じこもるようになってしまったそうです。
2013年に蕎麦屋のアルバイトが食器洗浄機に寝そべってはしゃぐ姿の写真を投稿したバイトテロでは被害にあった蕎麦屋が倒産に追い込まれました。2012年に先代がなくなり、経営規模を縮小して再建に当たっていた矢先にバイトテロが起こり、非難が殺到し営業停止に追い込まれ、そのまま再開することなく破産してしまいました。
バイトテロを起こした本人は通っていた大学を退学処分になり、更には倒産した蕎麦屋から損害賠償請求されました。その後、200万円で和解したそうです。
2013年12月にはバイトテロによって会社再建を絶たれ破産に追い込まれた元社長の無念の思いを綴った手記が掲載されました。
2013年にブロンコビリーでの冷蔵庫に入った写真を投稿して炎上されるバイトテロで、店側は閉店へと追いやられてしまいました。本社によると食の安全安心はごく基本的なことで、消毒して営業再開しても悪いイメージがずっと残ってしまうかもしれないので閉店を決断したそうです。
またブロンコビリー側は損害賠償請求も検討しており、2000万円ほど損害賠償請求がされたそうです。
バイトテロは被害を受けた会社に大きなダメージをもたらします。そのようなバイトテロを無くすため、起こさせないための対策や啓発はどのようなことが考えられるのでしょうか?
バイトテロ対策と啓発について見ていきます。
バイトテロを未然に防ぐ対策の一つの意見としてスマートフォンやタブレットの持ち込みを禁止にすることです。
バイトテロの多くは店内で動画や写真を撮影してSNSに投稿することに起因するため、店内へのスマートフォン・タブレットの持ち込み禁止など制限をかけることは一つの手ではないかという意見です。
バイトテロを未然に防ぐ対策として有効ではないかという意見の一つが採用の際に誓約書や印鑑証明書・連帯保証人などを求めることがあります。
特に誓約書では就業時間中に故意・過失で問題を起こした場合は損害賠償請求をするという旨の誓約書を求めれば有効ではないかという意見です。
バイトテロに対する啓発の例として2013年に神奈川県が作ったポスターがあります。
このポスターは若者に悪ふざけの写真の投稿をやめるように呼び掛けるものです。
このポスターは駅や高校・大学などに掲示されました。
2013年にSNS上の情報を収集・解析をして問題投稿が発見された場合、自動的に通知してくれるサービス「評Ban」の機能がバイトテロに対応しました。
「評Ban」のアップデートに伴い、Twitterのリツイートによって拡散される問題投稿をまとめて、その件数を表示することができるようになりました。
かつて飲食店で店長をしていた人によると採用の段階で審査を厳しくすればバイトテロはある程度は防げると言っています。
彼によると自分の店は有名人が多く訪れるためアルバイトを採用するときにはかなり気を使っていたそうです。そのため、履歴書でITリテラリーがある程度あるか判断し、ネットでの裏の顔を確認するために応募者のSNSのアカウントを徹底的に調べたそうです。
また採用後もSNSでの監視を続けます。店名や店付近の地名などでエゴサーチをして不必要な発言かないかモニタリングしていたそうです。また自己顕示欲を満たせるためにアルバイトにお店のSNSでの情報発信を担当させたそうです。その甲斐あってかバイトテロのような行為は一度も起こっていないそうです。
バイトテロを起こした人は信用毀損罪・業務妨害罪に該当する可能性があります。
信用毀損罪は人の信用を毀損犯罪で、業務妨害罪は虚偽の風説を流布し又は偽計を用いて人の業務を妨害する偽計業務妨害罪と威力を用いて人の業務を妨害する威力業務妨害罪があります。信用毀損罪・業務妨害罪の刑罰3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
バイトテロはその内容によって信用毀損罪・業務妨害罪以外にも刑法に該当する場合があります。
例えば商品や店舗什器を破損した場合には器物損壊罪、不衛生な状態で食品を販売・提供した場合は食品衛生法違反になる可能性があります。
バイトテロは会社に大きな損害を発生されることもあるため、民事で損害賠償請求される可能性があります。
店舗什器のクリーニング代顧客に対する返金や商品の返品・交換代、更に店舗が営業休止や閉店に取引先への違約金や無関係の従業員への給料補償、テナント立ち退き料などが発生する場合もあります。
先述した通り、ブロンコビリーでのバイトテロでは損害賠償請求がされ、蕎麦屋のバイトテロでは損害賠償請求の後、和解が成立するなど、実際に損害賠償請求がされるケースもあります。
バイトテロが度々ニュースになって話題になっていますが、そんなバイトテロを現場のアルバイト学生がどう感じているかのアンケート調査がマーケティング調査会社によって行われました。
一体どのような結果だったのでしょうか?
この調査では関東・関西の1都2府5県に住む10代・20代の現在アルバイトをしている学生770人にWeb上でアンケートに答えてもらいました。
このアンケートでバイトテロを実際に見たという人が1割強の11.9%で、自分自身がしたことあるという人が1.6%いることが判明しました。
この調査結果について企業へのSNS炎上対策のアドバイスも手掛ける人によると、決して楽観視できる数字ではないということです。
アルバイト先でバイトテロに相当する行為の禁止のルールやマニュアルがあるかのアンケートには「ない」が31%、「分からない」は34.9%と回答し、「ある」と回答したのは34%に留まりました。
またアルバイト先でスマホなどの操作を勤務時間に禁止されているかについては、禁止されていると回答したのは67.4%ですが、禁止されている中で操作していると答えた人は15%いたそうです。
この結果を踏まえ、企業へのSNS炎上対策のアドバイスも手掛ける人は、バイトテロの話題が大きくなってきた後も具体的な手を打たない企業が多いのではないかと指摘していました。
バイトテロは過去にいろいろとありました。バイトテロは会社に大きなダメージを与える行為です。その代償は大きく、バイトの解雇はもちろんのこと、自分の個人情報が特定され拡散されたり、退学になったり、損害賠償請求をされる可能性もあります。ちょっとした悪ふざけのつもりでも自分の人生が大きく狂ったりします。SNSは便利な一方、使い方を間違えると大変なことになることを自覚する必要があるのでしょう。
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バイトテロは会社に大きなダメージを与えるだけではなく、法的な問題点もあります。
バイトテロに関する法的な問題点を見ていきます。