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2023/12/28
大今里
Jasracという名前を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
音楽著作権を管理する一般社会団体なのですが、損害賠償や使用権差止請求などの民事訴訟や告訴など様々な業務を行っている老舗の団体です。
近年は、悪意のない音楽利用の使用料の徴収についても是非を問う声もあり、一部の人からは、「カスラック」や「クズ」と呼ばれることも。
jasracが、こういった批判を浴びるのは、いくつかの問題点があると言われています。
まずは、そもそもjasracとはどのような団体なのか、どういった仕組みなのかという基本から見ていきましょう。
Jasracに登録している曲が演奏などで利用されると、利用料を対価として店舗などから徴収します。
この金額から5%から25%の管理手数料が差し引かれた状態で、委託者と呼ばれる作詞家や作曲家に定期的に分配しています。
Jasracに登録している楽曲の利用料金は、どのような方法で使うかによって計算方法が変わってきます。
大まかには演奏会、ライブハウスでの生演奏、飲食店での生演奏、カラオケでの歌唱など。
例えば、コンサートでの利用における1公演あたりの使用料は、観客からの入場料×定員の80%×使用料率0.5%×管理楽曲数という計算。
バーやレストランの場合チェーン展開していることもあります。この場合は、ランダムに店舗を選び現地で任意の一日に演奏された利用曲を収集し、曲ごとの配分額を算出しています。
カラオケ店の場合は、現在は大半が通信カラオケです。アクセス数に応じた定額の金額を使用料として契約を結ぶというやり方をしています。
これらの使用料金は、jasracの本家サイトを開くと詳細に計算式や金額設定の前提条件などが詳細に記載されているのですが、安いと捉える人も高いと捉える人も両方あるようです。
公式のサイトを見ると、明確な使用料の計算方法や、支払いの時期など様々な情報が明確に記載されているので、とてもクリーンな印象を持つ方もいるようです。
2020年度は、作詞家や作曲家に支払われる使用料が335億円を越えて前年度101.7%成長したことを発表しました。この金額は、jasrac設立後最高額となったのです。
とても順調な運用がなされているように見える一方で、一部からは使用料の負担額や、不正使用が中々気が付かないといった、運営に対する問題があることを指摘する声も。
利用者や、音楽の関係者が語るjasracの問題点について見ていきましょう。
jasracの問題点として、よく指摘されるのがスナックやジャズハウス、ライブハウスにおいて「jasracが管理する楽曲を演奏する際の、使用料が高すぎる」と言われています。
実際に新潟市で小さなジャズ喫茶「SWAN」を営む店主がインタビューに応じた記事が「AERA.dot」で掲載れました。
店主によると、「SWAN」は32席の小さな店で休日は、奥のスペースを解放して、生演奏をサービスしますが、基本的には常連客が多い店です。
収益は、一日あたり20万円前後とかなりギリギリな状態。そんな時に、突如jasracから警告書が届き過去10年に渡る使用料550万円の清算をするようにという内容でした。
結局訴訟に発展し、1年に渡る調停を経て和解で収束。過去30年の使用料は本来550万円でしたが、280万円で決着しましたが、その金額の高さは問題だと注目を集めたのです。
2005年に発覚したのは、jasracにプロ野球阪神タイガースの私設応援団である「中虎連合」が不正に使用料を受け取っていたことが判明しました。
これは、応援歌の「ヒッティングマーチ一番」と「ヒッティングマーチ二番」の作詞作曲を担当した人が不明だったので、jasracに登録して利用料を不正に受け取るというもの。
Jasracは、著作権法第121条に違反したとして「中虎連合」を告発しました。この一件で分かったことは、不正を確認する体制に不備があるという点です。
業務の中に不正使用を検知するための業務があるのに、気が付かないというのは「jasrac内部の不正確認体制に不備があったのではないか」という指摘もされています。
こういったjasracに対する批判の声が高まる中で、運営方法が不透明だと言われています。
これは、委託者と呼ばれる作詞家や作曲家に対して使用料を、正しく分配していないことが、不透明な運営という意見に繋がっているようです。
そもそも、使用料を決める際に、サンプリングされた店が、どのような楽曲を流しているのかというデータから、1日に使われる回数を統計学に基づいた計算から算出されています。
しかし、店の売上や来客人数があまり加味されていないことや、サンプリングされた店によっては、曲の偏りが生じるなどの理由で、「正確な計算ではないのでは」という意見も寄せられています。
人によっては、こういった説明の仕方はブラックボックスとまで言わなくても、より多くの情報を開示することで、公平な分配が実現するのにと、もどかしい思いをしている声もあるのです。
また、こういった不透明さは結果的に、音楽家にとって音楽活動の制限に繋がっているという指摘もされています。
Jasracは、「カスラック」や「クズ」と酷評されることが多くなりました。jasracは1939年から続く老舗の団体。いつから、こういった声が出始めたのでしょうか。
ここからは、jasracが批判を多く受けるようになった経緯や、その結果招いている事象について見ていきましょう。
Jasracの設立時は、まだ登録楽曲も少なかったことから管理がそれほど煩雑ではありませんでした。
年月を経るごとに楽曲が増えていき、1980年代後半に入るとカラオケ店、ダンス教室などの店舗に対する取り立てが厳しくなっていったのです。
1988年に行われた裁判で「カラオケ店での著作物利用を問うのは、客ではなくカラオケ店にある」という判決が出たことも加速させる要因になりました。
さらに、民謡教室など個人でやっているような、零細な事業者に対しても徹底した請求を始めました。
こういった背景から鑑みると、1980年代後半から、嫌われ始めていたということになります。
こういった厳しい使用料の取り立てをする行為は、著作権を守りたい作詞家や作曲家にとって、jasracの存在が、良いことであるという点は間違いありません。
しかし、音楽は本来「人に楽しんでもらう」という前提条件がありますが、音楽を利用する人にとって、お金を支払うというのは、おかしいと感じてしまう人も。
また、法的な手段に訴えて厳しい取り立てをすること自体も、やりすぎだという批判が増してしまう理由の1つに挙げられているようです。
もちろん、jasracにも言い分はあります。団で働く職員は日々、音楽の著作権を守るという仕事をまっとうしています。
実際に、音楽を使った仕事に就いている人の中には「利権が集中していることで、著作権の権利者を探す手間が省けるのでjasracがあって良かった」と擁護している人も存在しています。
しかし、これまでの経緯から、「使用料徴収する行為が悪だ」というイメージが定着してしまい、批判の声が目立ってしまうという背景もあるのです。
2021年3月にjasracが、大きな注目を集める事件が起こりました。Jasracに関する、ある裁判の判決は、音楽教室の関係者を震撼させています。
一体どのような裁判だったのでしょうか。これまでの経緯や、あの有名アーティストが語った思いについても紹介します。
事の発端は、2017年2月に遡ります。Jasracは、理事長達が集まる定例会合の記者会見で「音楽教室から使用料を徴収する方針を固めた」と発表しました。
この発表を聞いた大手音楽教室の「ヤマハ」、「川合音楽製作所」などの運営母体が即日に会合を開き、認識を確認しています。
やはり徴収に反対だという、意見が合致し「音楽を守る会」を結成。音楽教室の生徒からの署名を集め、最終的に250の音楽教室事業者が、「jasracに使用料を請求する権利はない」という、訴えを起こしたのです。
jasracが、使用料を音楽教室に求めたという動きは、あっという間に世の中に広まりました。歌手の宇多田ヒカルさんは、Twitterを更新してjasracに苦言を呈しています。
宇多田ヒカルさんの主張としては、「音楽を学ぶ側からお金を取るといいうことはおかしい」と反論。
さらに、「もし、学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒は、著作権を気にせず無料で使って」と付け足しています。
作詞家の及川眠子さんは、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌を手掛け、Jasracに登録していることもあり、使用料の徴収については、日頃肯定的な意見を発していますが、この件に関しては反対しているようです。
及川眠子さんのTwitterを見ると「音楽教室は、練習のために弾いたり歌ったりするもの。こういった場から利用料を貰いたいと思ったことはない」と、意見を述べました。
この問題は、裁判で争われることに。2020年2月に東京地裁で行われた、裁判の判決では「教室の生徒が支払うレッスン料には音楽著作物の利用の対価が含まれている」という主張が通りました。
判決内容を要約すると「生徒が演奏しても、教師が演奏しても、録音された音楽を再生するにしても、用途を問わず音楽教室で使われた著作物対象の楽曲使用料は、音楽教室が支払うべき」というものでした。
音楽教室らが結託した「音楽を守る会」は、裁判所の判決を不服として、訴訟を起こしたのです。
2021年3月の法廷においては、第一審での判決が見直されています。大きく変わった点としては、生徒が演奏するケースにおいては、使用料は請求しないということが決定。
一方で、教師が演奏する際には使用料が発生するという判断になったのです。結果的には、jasrac側の主張を取り入れた判決になったと言われています。
ここからは、jasracに登録しない音楽家は、どのような扱いを受けるのか、jasrac以外の選択肢について紹介します。
作詞家や作曲家は、必ずしもjasracに登録しないといけないという義務はありません。仮にjasracに登録しない場合は、一体どのような著作権を管理しているのでしょうか。
また、近年jasracに対抗する勢力となる団体が出てきていることから、jasracとしては新たな局面を迎えるかもしれません。
現在の世の認識として「著作権といえばjasrac」というイメージがすっかり定着してしまっているので、登録しないアーティストの著作権は、どうなってしまうのかと心配する声も寄せられています。
音楽に限らず、制作物は日本の法律である「著作権法」に守られています。もし、jasracに登録しなかったとしても、著作物は法の下に守られているのです。
運営の不透明さや、使用料を音楽教室にも行うなど1980年代以降から、多くの批判を受けてきたものの、日本においては、殆どのアーティストがjasracに登録しています。
Jasracは、設立された1939年から長年唯一認可された、団体として圧倒的な勢力を誇ってきましたが、2001年に著作権等管理事業法が施工されたことで、民間企業も著作権管理に参入が可能に。
これまでに28社が参入しています。それでも、jasracの勢力は衰えることがありませんでした。
Jasracに対抗する勢力となるために、2016年に「イーライセンス」と「JRC」が合併してできた音楽の権利を管理する会社が「Next Tone(ネクストーン)」です。
現在は、松任谷由実さんや矢沢永吉さんなど著名なアーティスが楽曲を預けています。Jasracとの違いは、使用料の徴収だけではなく、音楽のプロモーション支援を行っている点です。
プロモーション手法は、音源を預かり「Apple Music」、「Youtube」といった音楽媒体に供給したり、ライブなどの活動に対してスポンサー企業を探したりする、サービス提供が人気を呼んでいます。
今後は、jasracよりも利用される可能性もあるかもしれないという、意見が多く期待の成長企業として認識されているのです。
Jasracは1939年に設立された一般社団法人で、正式名称は「一般社団法人日本音楽著作権協会」といいます。
音楽の著作権を保有している作詞家や作曲家といったアーティストから委託を受けて、音楽を利用する店舗などから使用料を徴収し、配分するという業務がメインです。
その他には、著作権が侵害されていないかという観点で監視を行い、場合によっては、訴訟も行います。
しかし、1980年頃から、カラオケ店やダンス教室などからも使用料の徴収を厳しくするなど、批判を浴びて何かと嫌われる傾向があります。
2017年からは、音楽教室における生徒や教師の演奏などいかなるケースでも使用料を徴収することを発表し、「ヤマハ」など大手の音楽教室との訴訟に発展。
これには、宇多田ヒカルさんなどのアーティストが反論の声明を出すなど、物議を醸し出しました。
これまで圧倒的な勢力を誇ってきたjasrac。近年は、反対勢力として誕生した「Next Tone(ネクストーン)」という企業も出ています。
今後のjasracを始めとした、音楽業界の動向から目が離せませんね。
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Jasrackの正式名称は、「一般社団法人日本音楽著作権協会」という名前です。
英語の名称は「JApanese Society for Rights of Authors, Composers and publishers」で、頭文字を取ってjasracです。
一般社会団体で、著作権を持つ作詞家や作曲家から管理の委託料を受取り、著作権の侵害がないかなど監視業務をしたり、音楽を演奏する利用者から、使用料の徴収することがメインの業務です。
その他には、著作権侵害を行った人に対して法的な手段を取るなど幅広い業務で知られています。
ちなみに、本部は東京都渋谷区の「古賀政男音楽文化記念財団」が所有するビル内に所在しています。その他には、14のjasrac支部が全国の主要都市にあります。