菊容子殺害事件の犯人は婚約者？殺害理由や更生した犯人の現在とは？

みなさんは菊容子さんという女優をご存知ですか？彼女は1959年に子役でデビュー後、数々の作品に出演し、その美貌と演技力で人気を博しました。まずは菊容子という女性を一緒に紐解いていきましょう。

まずは、菊容子さんのプロフィールからご紹介していきます。男性ファンはもちろん、女性ファンも多かった彼女ですが一体どんな人物なのでしょう。

初登場は彼女が2歳の時、富士フィルムのモデルとして公に姿を表しました。その後、６歳で「少女クラブ」という講談社出版の少女向け雑誌の表紙モデルで芸能界デビューを果たしました。

1959年には『城ヶ島の雨』という映画で子役デビューしました。しかし中学に進学後、芸能活動を一時休止します。再度芸能界に顔を出すのは彼女が中学3年生になってからです。NHK主催の新人オーディションで2位合格となり、これをきっかけに女優業に専念していきます。

この時芸名が決まるのですが、本名が菊池洋子といって「さんずい」が並ぶので縁起が悪いとされ、菊容子になりました。

1971年に朝日放送のドラマ「好き！すき！！魔女先生」でヒロインの月ひかる役に抜擢されます。無名の彼女を一気に伸し上げたのがこの作品。これを機に彼女の知名度はみるみる急上昇していきます。

1972年にはNHKのクイズ番組「連想ゲーム」でレギュラー出演を果たし、バラエティ番組にも出演し更にその知名度を上げていきました。

1975年、当時24歳という若さで悲しくもこの世を去った菊容子さんですが、44年経った今でも彼女への追悼の思いが多くの方から寄せられています。彼女へのメッセージを投稿できる専用サイトまであります。

「月ひかる先生　子供の頃　憧れのお姉さんでした。」や「月先生は、今も心の中にいます。あの時のままで」、「あなたを殺した犯人が許せない。ご冥福をお祈りします。」などの書き込みがあり、彼女が生前多くの方に愛されていたのがわかります。

そんな菊容子さんがある日、1人の男性によって殺されてしまいます。その犯人はなんと彼女の婚約者。当時人気絶頂の菊容子さんが殺され、しかもその犯人が婚約者であることは世間を大変驚かせました。2人の間に一体何があったのでしょうか。

そして犯人の婚約者とはどんな人物なのでしょうか。今日にも語り継がれるこの奇妙な事件の真相を順を追って一緒に見ていきましょう。

犯人は菊容子さんの婚約者で藤沢陽二郎とう俳優です。彼は異常に嫉妬心が強く、菊容子が他の共演者の男性やプロデューサーと浮気をしていると常に思い込んでいました。

そんなある日、藤沢陽二郎が部屋で菊容子が誰かと電話しているのを発見しました。自分を裏切って誰かと浮気していると思い込んだ彼は、電話コードで彼女の首を締め殺してしまいました。

いくら嫉妬心が強くても愛している婚約者の首を閉めて殺すというの現実離れしています。彼の心の闇が相当深かった事がわかります。

1975年4月29日、菊容子が殺された後、彼女を一番に発見したのは彼女の父親でした。昨晩娘の菊容子から頼まれていたモーニングコールを約束の９時に何度しても一向に出ず、不信に思った父親が舞台予定の新宿コマ劇場に直接確認しにいきます。

新宿コマ劇場に娘の姿を発見できなかった父親は直ぐに菊容子の自宅に訪れ事件が発覚しました。ベットの上で下着姿で仰向けに死んでいた娘。首には細い紐のようなもので締め付けらたような跡がありました。その後父親は「娘が死んでいる」と警察に通報しました。

父親は、経済力が無くほぼ無名の藤沢陽二郎と娘の菊容子の結婚はそもそも反対していました。実は昨晩の菊容子との電話も、彼女からの藤沢陽二郎のストーカー被害の訴えや別れたいと悩んでいる相談を受けていました。父親は別れるべきだと主張していましたが、事件はそんな最中に起こってしまいました。

菊容子を愛しすぎてしまったあまり彼女を殺してしまった藤沢陽二郎。嫉妬心が強かったとはいえ、他の誰かと電話しているだけで殺してまうのはなんとも不可解です。

藤沢陽二郎が菊容子を殺してしまった原因についてもう少し探っていきましょう。彼の心の闇が見えてきます。

当時人気絶頂の菊容子はドラマやテレビ番組に引っ張りだこでした。もちろん菊容子の収入はみるみる上がっていき、月に100万円を越す時もありました。

一方の藤沢陽二郎ですが、俳優業として活動はしていたもののまだまだ無名で人気もなく、鳴かず飛ばずの毎日を過ごしていました。収入は無いに等しいほどでなんとか切り詰めて生活してくのがやっとの状態でした。

婚約者の菊容子との収入格差は歴然で劣等感を感じずにはいられませんでした。更に、みんなの注目の的である菊容子に対し、ほぼ無名の藤沢陽二郎。こんな2人がバランスよく付き合っていくのはなかなか難しかったようです。

収入格差は広がっていくものの、菊容子はその優しく真面目な藤沢陽二郎の人柄を愛していました。しかし日に日に多忙を極めていく菊容子と仕事がなく時間を持て余す藤沢陽二郎の間には必然的にすれ違いが生まれきます。

藤沢陽二郎は菊容子が自分の居ないところで他の誰かと浮気をしていると思い込みはじめ、撮影中のスタジオに確認しにいこうとしましたが、無名の彼は門前払いで中に入れませんでした。目に見えない分余計に「マーネージャーやプロデューサーと浮気している！」と強く思うようになっていきました。

菊容子への嫉妬心は徐々に歪んでいき、夜中に電話するようになったり彼女の自宅に黙って忍び込んで私物を物色するようになりました。実の婚約者にも関わらずストーカーのようになってしまった藤沢陽二郎に徐々に気持ちが冷めていってしまった菊容子は、遂に彼との交際を断ろうと思い始めました。

実際に殺害の引き金になってしまったのは菊容子が誰かと話していた一本の電話でした。楽しそうに喋る菊容子の電話、彼が耳を澄ませて聞いていると、「指輪が欲しいの」や「明日、9時に起こしてね」という内容が聞こえてきました。

「誰かと浮気をしている！裏切られた！」と確信した藤沢陽二郎は怒りのあまり、電話のコードで菊容子の首を締め殺害してしまいます。しかし実は電話先の男性は菊容子の浮気相手ではなく、彼女の父親でした。

「指輪が欲しいの」に関しては菊容子の亡き母が残した指輪を、「娘が結婚するまで大事に持っている」と父親が大事に保管していた指輪のことでした。モーニングコールは明日の舞台に備えて父親にお願いしていただけでした。

菊容子がブレイクしたきっかけになった作品「好き！すき！！魔女先生」ですが、こちらの原作者で漫画家の石ノ森章太郎は彼女の死後、自身のエッセイで「愛人の女優が惨殺された」と発表し話題になりました。

石ノ森章太郎と菊容子の出会いは菊容子がモデルを務めていた少女雑誌「少女クラブ」でした。菊容子が10代の頃からの付き合いということです。菊容子をここまで人気物に押し上げたのも彼の影響が大きく関係しています。

また、石ノ森章太郎のエッセイには「菊容子は、自分相手に枕営業をしていた。」などという内容も書かれており、愛人関係にあったことをほのめかせています。

婚約者からストーカー、そして殺人犯になってしまった藤沢陽二郎。菊容子の殺害後、彼はどのような行動にでたのでしょうか？殺害後の彼の同行を追っていきたいと思います。

1975年4月29日、藤沢陽二郎は菊容子を殺害した後、世田谷区に住む彼の友人の自宅に訪れます。そこで「菊容子を殺害した、午後に自首をするので同行してほしい」と友人に伝えその場を去ります。

友人は驚きながらもそのまま直ちに通報、「友人の藤沢が家に来て、高田馬場近くのマンションで『女性を殺してきた。』と告げて立ち去った」と警察に話します。警察は直ちに藤沢陽二郎を重要参考人として彼の行方を追いました。

1975年月29日13時35分ごろ、藤沢陽二郎は大破した車の中で発見されます。彼は小田原市早川の有料道路内で橋の欄干に自身が運転する車を二度ぶつけ、自殺を測ろうとしました。

この怪我により藤沢陽二郎は全治4ヶ月の重症を追います。警察に捕まったあと「自分は菊さんが好きで結婚したかった。しかし菊さんが他の男と交際しているため、注意したが聞かなかったので殺した」「自殺しようと思った」などと供述しました。

その後、警察から電話の相手は浮気相手ではなく父親だったことが知らされます。浮気相手がただの思いこみだった真実をしった藤沢陽二郎はただただその場に泣き崩れました。

懲役7年を終え、出所した藤原陽二郎は今現在どこで何をしているのでしょか？社会復帰しているのでしょうか？そもそもまだ生きているのでしょうか？

藤沢陽二郎の出演作として有名なのが「仮面ライダー」です。その他に「柔道一直線」、「シルバー仮面」、「ロボット刑事」、「それぞれの秋」などがあります。また、「好き！すき！！魔女先生」にゲスト出演し菊容子と共演もしています。

ただ彼はそこまで有名ではなかったため、出演作品もそんなに多くありません。彼が俳優であった事よりも、人気女優の菊容子を殺害した犯人としての方が世間的には知られてしまっています。

有名女優の殺人犯として逮捕された藤沢陽二郎ですが、服役後の彼の情報はあまりありません。もう既に亡くなっているという噂まであります。しかし、別の噂によると寿司屋の娘と結婚し家庭をもっていて、仕事は実家の後継として整体院を営んでいるそうです。

現在生きていれば62歳です。社会復帰しているとはいえ、元殺人犯であることには変わりはありません。藤沢陽二郎自身死ぬまでその罪を背負って生きていかなければならないのです。今でも彼を憎んでいる菊容子のファンは沢山います。

男と女の関係でトピックに上がりやすいのがこの「嫉妬」。する方もされる方も何かと問題に発展するのであまり気持ちの良いものではありません。愛するがあまり、時にはそんな嫉妬が歪んだ方向に形を変えてします。

中には嫉妬されることが嬉しい人もいますが、エスカレートして菊容子のように殺人事件に発展してしまうのはとても危険です。日本で起こった嫉妬が原因の殺人事件を他にも挙げてみたいと思います。

2014年9月5日、72歳の矢野さんが女性に斧で切りつけられて殺害される事件が起こりました。矢野さんは10年程前に病気で奥さんを亡くして以来、繁華街のスナックや婚活パーティーなどに参加して自由気ままに暮らしていました。

そこで出会った60代の女性数人を家に呼んでは家事など身の回りのお世話をしてもらっていました。殺人犯の山本容疑者もその1人だったのですが、最近になって矢野さんの自宅に頻繁に出入りする様になった50代の綺麗な女性に嫉妬します。

その後、矢野さんと口論になり喧嘩に発展します。怒って自宅に帰った山本容疑者はなんと斧を持って再び登場し矢野さんを斬りつけ殺害に及びます。このような高齢者の嫉妬から始まる恋愛のいざこざ事件は近年多発しています。

2015年2月、東京都中央区新川のマンションの一室で菊池容疑者が飲食店に務める平田さんを包丁で刺して殺害しました。平田さんが以前務めていた飲食店のつながりがあり2人は交際をスタート。その後同性が始まりました。

殺害の原因になったのは、平田さんが他の女性と写る1枚の写真でした。発見した菊池容疑者と平田さんは口論の末、平田さんが別れを告げようとしたところ、菊池容疑者は彼の胸を包丁で刺して殺害しました。

いかがでしたか？菊容子と藤沢陽二郎の事件の他にも、行き過ぎた嫉妬心が原因で殺人事件に発展してしまうケースは世界を含め少なくありません。

お互いを尊重し合い、信じ合う心が嫉妬を和らげることに繋がります。愛するがあまり殺してしまうのは矛盾の境地であり、一生背負う心の傷になります。

みなさんも「嫉妬」にはくれぐれもご注意ください。