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独身男性を「チョンガー」と呼ぶ理由は?現在は死語になっている?

昔の韓国では独身男性のことを「チョンガー」と呼んでいて、その文化が戦後日本にも伝わっています。この「チョンガー」というのは今はもう差別用語になっていて、あまり使用されることがありません。「チョンガー」の語源や差別用語とされる理由についてまとめました!

戦後のモダン語「チョンガー」

みなさんは「チョンガー」という言葉をご存知ですか?現在は、差別用語として理解されているためあまり聞かれなくなった「チョンガー」という言葉ですが、特に戦後には多くの人が使用していました。

今回は、この「チョンガー」という言葉について、どのように生まれてどのように使用されていたのか、また言葉の由来は何なのかをご紹介していきます。

チョンガーとは?独身男性を表す?

最近はめっきり聞かれなくなった「チョンガー」という言葉ですが、戦後には多くの人が使用してたため、おじいさんやお父さん世代では知っている人も多いようです。現在、独身の男性は「独身貴族」などと呼ばれて羨ましがられる面がある一方で、その当時の日本ではまだ、独身男性という存在が認められづらい存在でもあったようです。

まずは、「チョンガー」の意味をご紹介します。

チョンガーの意味

「チョンガー」とは、独身男性という意味を持っています。しかし、ただ単に独身という意味あいではなく、「まだ未熟な」や「一人前になれない」などといった意味が背景に含まれている用語で、日本において戦後に使われたモダン用語の一つとなっています。

また、「チョンガー」といわれた人は到底褒められた気持ちにはなれず、本人や親にとっては屈辱的な意味合いになっています。

最近ではほとんど聞かれなくなった「チョンガー」という言葉ですが、昔、1897年から1910年頃の大韓帝国では、未婚者は「チョンガー」と呼ばれてとても軽蔑視されていました。その後も韓国や朝鮮では、しばらく「チョンガー」という言葉が根強く残り、日本で「チョンガー」という言葉が使われ始めたのも、韓国からの影響といわれています。

チョンガーの由来や語源は?

日本ではあまり聞きなれない響きの「チョンガー」。これにはどんな由来があるのでしょうか。また、語源は何だったのでしょうか。「チョンガー」という言葉ができるまでをご紹介します。

チョンガーの由来は朝鮮の髪型?

「チョンガー」という言葉はもともと朝鮮語で、由来は朝鮮独特の慣わしである髪型から来ています。その昔、朝鮮の男性は成人するとリボンをつけたお下げ髪をする習慣があり、この髪型をチョンガー(総角)と呼んでいました。そして、結婚するとお下げを外すことができたのですが、結婚できない男性はいつまでもお下げ髪のままだったようです。

そのため、成人しても1人立ちできずに生活能力も無く、結婚できずにいる男性を称して「チョンガー」と呼ぶようになりました。読み方は総角→チョンガクなのですが、日本に伝わったことで、「チョンガク」→「チョンガッ」→「チョンガー」になったといわれています。

チョンガーとはどんな髪型だったのか?

日本における一般的なお下げ髪は、女性が耳の後ろで左右二つに三つ網をした髪形を言い、女の子や若い女性がする髪型で、とてもかわいらしい印象を受けます。

しかし、朝鮮における「チョンガー」とは具体的にどんな髪型かというと、後ろ一本に三つ網をする髪形のようで、長さはとても長く、かわらいしさは感じられません。これは、昔の朝鮮では男女問わずにしていた髪型で“既婚者”と“独身者”の区別をつけるためでもありました。

女性は結婚すると、一般的に三つ網にした髪を後ろで束ねてかんざしを挿す「チョンモリ」をし、男性は結婚すると髪を結び上げ頭のてっぺんで結む「サントゥ」へと変化しました。

チョンガーは死語?

「チョンガー」という言葉は、テレビや雑誌、ネット上においても最近ほとんど使われていません。そのため、若い世代では耳にすることも無く、日本では死後になっている可能性もあります。そこで、「チョンガー」という言葉を今でも使用している人がいるのか調査してみました。

チョンガーという言葉を使用するのは年配の人が多い?

「チョンガー」という言葉を知っている世代は、現在、50代以上といわれています。また、未だに日本海軍や海上自衛隊では隠語として使用されているようです。

チョンガーをまだ使っている地域とは?

最近では、聞かれなくなった「チョンガー」という言葉ですが、未だに使用されている地域があるようです。それは、関東の千葉や川崎などといった比較的都会であるようですが、それは、川崎には朝鮮街として有名な池上町などがあり、第二次世界大戦後に、この周辺で働いていた朝鮮人がこの地域に終結したため、現在でも多くの朝鮮人が住んでいるためではないかといわれています。

チョンガーは差別用語?

「チョンガー」とは独身男性という意味でありながら、「まだ未熟な」「一人前ではない」といいった意味合いがあるため、差別用語ではないのか?という疑問が残ります。それでは、「チョンガー」という言葉には差別的な意味はないのか検証していきましょう。

韓国を批判する言葉ではない

「チョンガー」は韓国や朝鮮を批判する差別用語として捉えられることもありますが、特に差別用語であるかというとそうではないようです。それは、もともと韓国においては独身男性=チョンガーと言われていたためです。

しかし、日本においてモダン用語として使用されるようになってからは、他国の人物である朝鮮人を軽視し、少し蔑むようなイメージで「チョンガー」という言葉が使用されました。そのため、韓国を批判する言葉ではないですが、日本においてはあまり良いイメージはないので使用されることは少なくなってきました。

品のいい言葉ではない

「チョンガー」は、実は品の良い言葉ではありません。韓国には「チョンガー」の名前が入った「チョンガク(チョンガー)・キムチ」がありますが、それは長さ10センチほどの小ぶりの大根を漬けたキムチで、その形が男性の生殖器の形に似いていることからこの名前がつけられたと韓国社会ではいわれています。

そのため、「チョンガー」には地域によってはセクハラにあたる言葉になるようです。

「チョン」には差別的な意味が?

「チョンガー」の「チョン」という言葉を調べていくと「頭が悪い人」「おろかな人」などというマイナスなイメージの言葉が出てきます。そのため、「チョンガー」に対しても差別的な意味がある可能性があるため、独身男性に対しても積極的に使わない方がよさそうです。

また、昔、日本においてインスタントカメラが流行した時代、自分の父親や祖父が「バカチョンカメラ」などといっているのを覚えている人もいるかもしれません。これは、当時、「チョンコ」や「チョン」といった言葉が朝鮮人を指す蔑称として使用されており、「バカ」でも「チョン」でも使えるカメラといった差別用語になっており、現在では放送禁止用語になっているほどです。

さらに、仕事をクビになることも「仕事がチョンになった」などと言われていたように、半人前である人間を「チョン」と表現したりしていました。

チョンガーとチョンカには関係があるのか?

「チョンガー」と似た言葉に「チョンカ」というものがあります。この「チョンカ」とは、「チョンガー」と何か関係があるのでしょうか。「チョンガー」はあまり使用は勧められていない言葉なので、もし「チョンカ」も関係があるのならば使用を控えなければいけません。そこで、「チョンカ」と「チョンガー」の関係を探ってみましょう。

チョンカとは?

「チョンカ」とは、マレーシアに伝わる伝統的なゲームです。このゲームは、基本的に2人で遊び、ビー玉をより多く集めた方が勝ちとなるルールですがもともとは貝殻を使って海岸で行われた遊びのようです。

チョンガーとチョンカの関係は?

この「チョンカ」というゲームは、使用するボードがジャンク船の形をしているためにジャンクがなまって「チョンカ」となったそうです。そのため、独身男性を指す「チョンガー」とは関係かありません。

差別用語にはどんなものがある?

日本において、差別用語は使用が禁止されているのであまり聞きなれない言葉が多いかもしれません。しかし、これからもうっかり使用してしまわないように差別用語をしっかり理解しておく必要があります。そこで、差別用語と正しい使い方をいくつかご紹介します。

・おまわりさん : 警察官
・痴呆(ちほう) : 認知症
・板前(いたまえ) : 料理人
・外人(がいじん) : 外国人

「チョンガー」は使用しないようにしよう!

「チョンガー」という言葉は、ご年配の方は何気なく使用してきた言葉ではありますが時代と共にその差別的な意味合いが懸念されて現在では使用されなくなってきています。みんなが気持ち良く過ごせるように、世界から人を差別する言葉や偏見は無くなると良いですね。

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