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    キッチンドランカーの意味は?アルコール依存症の原因を解説!

    キッチンドランカーは女性がアルコール依存症になる一つの原因です。キッチンドランカーとは一体どういう意味なのでしょうか。実際、キッチンドランカーに苦しめられてアルコール依存症になってしまった人はどうしたら良いのでしょうか。

    キッチンドランカーは根深いって本当?

    家で家事をする主婦に多いキッチンドランカーは、アルコール依存症の原因として社会問題になっています。キッチンドリンカーという言い方をされるケースも多々あります。

    問題視されているのは、キッチンドランカー特有の根深さにあります。アルコール依存症は性別関係なく罹りますが、キッチンドランカーには、女性特有の原因や、問題が潜んでいます。

    キッチンドランカーの意味だけではなく、どういった原因で発症し、アルコール依存症になることで起こりうる生活への弊害や病気の治療方法に関して詳しく解説します。

    キッチンドリンカーとは?

    キッチンドリンカーもキッチンドランカーも和製英語です。海外においてこの言葉は、通じにくい可能性が高いとされています。なお英語圏内では、キッチンドリンカーのことを「alcoholic housewife」という表現をしています。

    キッチンドリンカーとキッチンドランカーの2つの言葉における意味の違いや、キッチンドランカーの由来、アルコール依存症に繋がることへの問題点についてご紹介します。

    料理しながら酒を飲む

    よく誤解する人が多いのですが、台所で飲酒するからキッチンドリンカーなのではありません。キッチンドリンカーとは、料理をしながら飲酒をし続けたことから、アルコール依存症になることを意味します。

    本来料理酒は、お酒を飲む事を前提にしていませんが、お酒が好きではなくても頻度が高くなり、飲む量が増えていくと、いつかお酒に溺れてしまう状態になってしまうのです。

    キッチンドリンカーの特徴として、最初はお酒を飲む量が少なくても次第に耐性ができていくことから、徐々にお酒の量が増えて、頻度が高くなっていきます。

    キッチンドランカーとの違い

    キッチンドリンカーとキッチンドランカーの違いは、意味としては変わりません。双方、和製英語であるため、どちらが正しい使われ方であるというルールもありません。

    英語の文法的には、「台所でお酒を飲む人」という意味での使われ方をしているので、キッチンドリンカーの方が正しいという解釈がされています。

    キッチンドランカーの語源

    キッチンドランカーの、「ドランカー」という言葉は、「パンチドランカー」という和製英語から来ています。ドランカー自体は、脳震盪から来る、進行性の脳障害か、その状に近しい症状を指します。

    キッチンドリンカーもキッチンドランカーも意味としては、マイナスなイメージがありますので、海外において、キッチンドランカーという言葉を利用するには誤解をされかねないため、おすすめできません。

    キッチンドランカーは状態を表現している

    英語の文法としては、キッチンドリンカーが正しいようですがキッチンドランカーは、「台所で酔っ払っている人」という、より詳しい状態を表現しています。どちらでも、日本においては相手に通じるということが共通点です。

    キッチンドランカーは壮年層が利用する?

    年代によってキッチンドランカーという言葉は、壮年層が利用しているのではないか、という説もあります。しかし、年齢別のキッチンドランカーの利用率の実態を、証明できる数値はありませんので真偽の程は定かではありません。

    キッチンドランカーは意志の弱さが原因?

    キッチンドランカーは、自分はならないと考えている人でもなりえます。アルコールに頼るのは意志薄弱や、元からお酒が好きというのは根本の理由になりません。お酒を飲むと耐性ができてしまうことから、自身でコントロールすることができなくなってしまいます。

    誰にでも、キッチンドランカーになりうるのです。真面目な人や責任感が強い人の方が、ふとしたきっかけでキッチンドランカーへ足を踏み入れるのです。

    主婦が依存症になる問題

    キッチンドリンカーは主婦がアルコール依存症になる原因とされていますが、男性よりも根深いとされている問題があります。男女問わず、外で飲食をしたり、家族や友人と家で飲む分には、依存症になりにくくなります。

    理由としては、周囲に人がいるので様子がおかしいようであれば、お酒を止めるように注意してくれる人がいます。キッチンドリンカーに罹る主婦の場合は、一人で台所に篭り料理を作っているので、日中から夕方であれば、家族が不在にしている可能性があります。

    早期発見が難しい

    かなり進行してから気が付くケースが多いため、早めに気が付きにくくなります。最初は家族が居ない時を見計らってお酒を飲んでいても、症状が進むと家族が居ても、止めても堂々と飲むようになります。

    家族としても周囲に相談をしづらいという一面もあります。周囲からキッチンドランカーと囁かれることを恐れています。

    お酒の味見から始まった説

    キッチンドランカーになった理由としては、料理酒を味見しながら料理をする内に、お酒に対して味を覚えてしまい、お酒を飲む頻度も上がっていくという、料理をつくるための味見がキッチンドランカーになってしまうという皮肉な通説もあります。

    お酒が好きではないから、大丈夫という人が、キッチンドリンカーに罹ってしまう可能性も十分にあるのです。

    キッチンドリンカーの症状とは?

    キッチンドリンカーと呼ばれる状態になると、お酒を飲まずにいられなくなる、肝臓の病気を引き起こすという症状は見聞きすることがありますが、それだけなのでしょうか。キッチンドリンカーは、アルコール依存症です。それ以外に、お酒を止められない本人に起こる症状をご説明します。

    キッチンドリンカーの初期とは?

    自身でも、全く自覚症状もなく、家族や他人も気が付きにくい状態になります。お酒の頻度が増えて、次第に量も増えていきます。毎日飲むようになってくると、依存症と呼ばれる状態になります。

    症状が進むとどうなるの?

    家族や同僚から止められても飲酒への欲求が抑えられず、お酒を飲み、場合によっては家族に対して暴力を振るうという、周囲への影響を及ぼします。無理にお酒を止めると、全身に対しての震えや、幻覚、幻聴、自分が現在いる場所が分からなくなるという、社会生活が困難になります。

    家事や家族のことよりもお酒を優先するようになり、飲んではいけないと考えても意志に反してお酒を飲み、酒浸りになります。まさにキッチンドランカーという、酔っぱらった状態で1日過ごすことになります。

    メンタルの病気も引き起こす

    キッチンドリンカーは、内臓への影響だけではなく、メンタルの病気も発症しがちです。現代病として、うつ病はメディアでもよく取り上げられています。うつ病を発症すると、数年から数十年完治に時間がかかることで有名です。

    実はアルコール依存症を発症する人は合併症状として、うつ病を発症する頻度が高いとされています。うつ病は自殺に結び付きやすいのですが、アルコール依存症の人と、アルコール依存症ではない人を比較すると、アルコール依存症の人は6倍自殺に対する危険性を伴うと言われています。

    健康とは、心身共に健やかであるという言葉を聞きますが、キッチンドリンカーと呼ばれる生活を送ると身も心も不健全になる危険性が高く、ひいては命も脅かすのです。

    キッチンドリンカーがお酒を止めるとどうなるの?

    この状態になると、さすがに自身でも、これはアルコール依存症ではないかと薄々感づきます。お酒をやめなければならないと考え、お酒を飲むことを止めると、依存症から来る離脱症状と呼ばれる状態になります。

    例えばイライラして意味もなく家族にあたり散らしたり、夜眠れなくなったり、手の震えや動機といった症状に悩まされます。これらの症状は、お酒を飲むことで一気に解消されることから、キッチンドリンカーがお酒を自身で止めることが難しくなるのです。

    キッチンドリンカーの問題点

    キッチンドリンカーは、主に専業主婦がなりやすいアルコール依存症の原因とされており、周囲の人間が気が付きにくい問題以外にも、女性であるために、アルコール依存症になりやすいという問題もあります。

    専業主婦がキッチンドリンカーから、アルコール依存症へ罹る根本の原因や、女性特有の症状や悪影響についてご説明します。

    女性は体質的にお酒が弱い?

    アルコール依存症は男性でも女性でも罹りかねない一面を持っていますが、女性の方がなりやすいと科学的に証明されています。男性と女性の体格の差は、トータルの血液量に関しても差が生まれます。

    トータルの血液量が少ない女性の方が、男性と同じ量を飲酒しても血中濃度は女性の方が濃くなります。お酒を分解する肝臓のサイズも女性の方が小さいため、アルコールの分解に時間がかかります。

    さらに女性には「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが体内で生成されます。女性にとって必要なホルモン作用ではありますが、肝臓のアルコール分解する時間を遅くします。これは、女性は体格の差があるため個人差はありますが、お酒に弱いという傾向があります

    女性の方が肝硬変へ進みやすい

    アルコール依存症は、社会生活をまともに送ることができなくなるという問題もありますが、症状が進むと、肝硬変となり命にかかわる病気へと繋がります。肝臓はアルコールを分解する役割りを日々果たしています。

    しかし、毎日飲み続けることで、いつしか肝細胞が壊死をし始めるのです。こうなると、次のステージとして肝がんに繋がっていきます。体格の差により男性よりも女性の方が、アルコール依存症から肝硬変に至るまでのスピードが、速いという特徴があります。

    家庭や子供の負担が原因

    キッチンドランカーという言葉が表現するように、専業主婦がなりやすい病気であると言われています。30代から40代の一般家庭の主婦に多いとされています。

    原因としては、ストレスが原因とされています。趣味を持っている人や、社交的な人は、ストレスがあっても、発散する手段を持っているため、キッチンドランカーにはなりにくいそうです。なりやすいのは、真面目で、孤独感を感じている主婦に多いとされています。

    子育てのストレスを抱えて、お酒に手を出す人というケースも非常に多いそうです。
    ストレスから来る怒りに対して捌け口を持たない女性というのは、逃げる先がお酒になりがちであるそうです。

    胎児に悪影響を与える

    キッチンドリンカーによる悪影響は自身だけではありません。妊娠中の女性の場合は、お酒が胎児に悪影響を及ぼします。キッチンドリンカーではなくても、妊娠中は飲酒を控えるように産婦人科で注意を受けます。

    特に妊娠初期と呼ばれる2ヶ月目~3ヶ月目あたりは、胎児の内臓や脳が作られる時期であることから避けるべきとされています。例え少しの量であったとしてもお酒は、胎盤を通じて胎児に届きます。

    胎児には当然のことながら、アルコールを分解することが不可能です。このため少しのお酒でも長い時間、胎児の体にお酒が残り続けますので悪影響を及ぼします。

    胎児性アルコール症候群とは?

    結果的に早産や、生まれてくる子どもが障害を持って生まれるということに繋がりやすくなるのです。調査結果により、母親がお酒を飲む場合、出生後の死亡率が高いという結果が出ています。

    また、母親の飲酒の影響により胎児性アルコール症候群という障害も報告されています。
    具体的には、小頭症や、上唇が薄いなどの顔面形成不全や、学習障害、行動障害と様々な症例があります。

    アルコール依存症は病気

    キッチンドリンカーにせよ、キッチンドランカーにせよ、アルコール依存症であることには変わりありません。アルコール依存症は、自身でお酒をコントロールして飲めません。依存症と呼ばれる所以は、そういったところにあります。

    アルコール依存症は、薬物依存症、ギャンブル依存症と同等に問題視されています。自身でコントロールが効かない症状というは病気という扱いになります。アルコール依存症という病気の自覚をしていても、自身でどうにかするからと、病院へ行くように勧められても拒絶する人も少なくありません。

    病気だからこそお酒を止められない

    もう飲むまいと考えても、日常生活を送っていると、ついついという場面は多くあります。例えば会社の付き合いの飲み会や、家族と上手くコミュニケーションが取れず苛々して心を、静めるために1杯だけと思っていても病気なので、その1杯では済まなくなってしまうのです。

    いつでもお酒を辞めることはできると考えていても、禁酒が続かず、お酒を控えると飲みたい衝動に駆られるようであれば、アルコール依存症として十分に周囲に迷惑をかけている可能性が高いのです。

    キッチンドリンカーの治療方法

    キッチンドリンカーによってアルコール依存症を発症した場合は治療が必要です。当然ながら断酒という手段になりますが、素人が行うのではなく、専門医によって治療を行います。

    重症なキッチンドリンカーの場合、自宅には家にお酒があり、仮に捨てたとしても家族の目を盗んででも購入してしまいます。また、精神的にも不安定になりますので、イライラしたり家族にあたり散らしたりと、周囲への影響もあり、独自での治療は難しいとされています。

    専門病院にて入院による、計画に沿った治療をすることが一番なのです。治療は、大まかに分けて4つの治療のステップが用意されています。ここからは、キッチンドリンカーの治療方法を解説します。

    ステップ①導入期

    キッチンドリンカーの場合、自身をアルコール依存症であることを認めないケースが多く、病院に行くことを拒否されることは珍しいことではありません。断酒の前に、しっかり向き合う導入期と呼ばれる時期を送ります。

    仮に本人に自覚症状を持っていても、本気で治すという気力がないと治療を続けることが難しくなります。治療は早期であれば、期間が短くなります。治療にあたり、家族の同意や協力が必須になります。

    ステップ②解毒期

    キッチンドリンカーが引き起こしたアルコール依存症の治療へいよいよ入ります。症状が軽ければ通院となりますが、重い場合は入院期間が設けられます。基本としては断酒と、治療をすることへのモチベーションの維持のカリキュラムに取り組みます。

    同時に肝臓の機能の障害や、メンタルに対する傷害を併発しているケースが多く、これらの治療も並行して行われます。断酒をすることで離脱症状が起きます。一過性のこととは言え、状態の悪化が見られる時期です。

    その日の状態を観察しながら点滴や、薬剤を用いて離脱症に対する治療を行います。解毒期にかかる日数は、概ね10日以上は必要になるケースが多いのだそうです。

    ステップ③リハビリ前期

    ある程度離脱症から回復して落ち着きを保てるようになるとリハビリの期間に入ります。飲酒という行動と向き合うメンタル的な治療を受け、レクリエーション活動の一環として集団で行動するというようなリハビリを目的としたプログラムに参加します。

    断酒のためのグループ活動は、一般的には自助グループという呼ばれ方をされています。アルコール依存症を治療する患者同士で悩みを打ち明けあったり、励まし合い苦しい思いをしているのは1人ではないと思うことで、モチベーションアップへと繋がるのです。

    各種プログラムに参加して、問題ない場合は退院後を見据えた訓練も開始されます。リハビリ前期と呼ばれる期間は約7週間かかるとされています。

    ステップ④リハビリ後期

    リハビリ前期を終えると、退院となります。退院後も定期的な通院は必要ですし、自助グループへの参加も引き続き行います。退院後は、断酒を続けるために抗酒剤と呼ばれる薬を当面の期間は服薬するケースもあります。

    抗酒薬とは、読んで字のごとく飲酒をすると吐き気がする状態になります。抗酒薬を継続する限りは飲むと体調が悪くなると脳内に刷り込みがされていきます。また、飲酒欲求を抑える薬剤も場合によっては併用することもあります。

    心理社会的治療

    薬を服用するだけではありません。自助グループによる断酒プログラムの他には、心理社会的治療と呼ばれる、断酒継続だけではなく、社会に復帰した患者がストレスからの解放や、人間関係を上手く構築することを目標として、様々な取り組みによる治療を継続します。

    具体的には「個人精神療法」と呼ばれる精神科医によるカウンセリングや、「酒害教育」と呼ばれる依存症が引き起こす弊害や、病気について改めて学び直すことで断酒のモチベーションを継続させます。

    認知行動療法

    キッチンドリンカーが原因で引き起こしたアルコール依存症は、精神的に正常な状態ではないことから、認知の歪みが見受けられます。自身の考え方や、通常の行動パターンを洗い出し、考え方を徐々に正常に戻していく療法の1つです。

    キッチンドリンカーの家族の反応とは?

    アルコール依存症の専門医によると、アルコール依存症の自覚から初受診まで数年かかるケースが多いそうです。その間家族は、どのようにしたら良いか分からず、悩む人が多数います。質問サイトに寄せられたキッチンドリンカーを、家族に持ち途方に暮れる家族の声をご紹介します。

    妻はキッチンドランカーと嘆く男性

    「家内がキッチンドランカーです」という書き出しで始まる配偶者による質問の内容は、酒癖が悪く子供にも当たり散らすので困っている、話をしようにも帰宅をしたら酔っているので話が一切通じず悩んでおり、どうしたら良いのでしょうか、という疑問で締められていました。

    回答者は知見があるようで、「決して飲酒する奥様を責ていはいけない、サポートに徹するように」と冷静な回答をしています。

    母親から目を逸らす子供

    「母はキッチンドランカーで、悩んでいます」と始まる質問は、父親が亡くなった後から、母親が食事を作りながらお酒を飲み、騒がれると、辟易しているものの、酔っている状態の時以外は普通なので、今は何もしていません、と半分諦めたような口調です。

    これに対して回答者は、肝機能が低下していると劇症肝炎の症状の1つに錯乱するというものがあるので、早く病院に連れて行くようにアドバイスしています。

    キッチンドランカーは周囲の理解と協力が必要

    この二つの家族を見る限り、正面からキッチンドリンカーの家族と正面から向き合っていないように見うけられます。アルコール依存症は、まず家族が家族が正しい知識を身に付ける必要があります。家族を治療するためには病院に行く必要があります。

    正しい知識を身に付けるには、家族の症状をしっかり把握する必要があります。まさか担いで病院へ、という訳にもいきません。まず家族が、本人がいなくても専門医に相談して、当人が納得して受診する方法について考えるだけでもだいぶ未来が違ってきます。

    キッチンドランカーは病気として早期の治療を

    キッチンドランカーは、アルコール依存症の原因とされており、主に専業主婦に多いとされています。キッチンドランカーは、キッチンドリンカーという言われ方もされています。

    主婦が料理を作りながらお酒を飲む、もしくは料理酒の味見をして、お酒の味を覚えてアルコールの量が増えて依存症になるという、意味を持っています。男性よりも女性の方が体格の差で、アルコールに弱く肝機能の病気に罹るスピードが速いという特徴があります。

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