木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
1970/01/01 更新
政治を賑わす「忖度」という言葉は、実は間違って広まっています。本来の意味には否定的なニュアンスはなく、誰もが使える言葉でした。この「忖度」という言葉を誰が歪めたのでしょうか。今回は「忖度」の意味だけではなく、類語や反対語や英語、起源や歴史についても解説します。
毎年注目を集める流行語大賞ですが、2017年に流行語大賞を受賞した言葉といえば「忖度」ですね。
「忖度」はその時に話題を集めたニュースである森友学園問題のイメージにより、どちらかというと悪い意味を込めて使われていますが、実は本当の意味とは違っているようなんです!
今回は流行語大賞で身近になった言葉「忖度」について、本来の意味や語源について簡単に解説していきたいと思います!
| |
2017年の流行語大賞から注目されるようになった言葉である「忖度」。しかし、現在私たちがその「忖度」に対して理解している意味は、本来の意味とは違ってしまっているようなんです。
では「忖度」の本当の意味とは何なのでしょうか?
「忖度」の本来の意味を簡単にわかりやすく説明すると、「相手の気持ちを考えること」です。
また辞書の王様的存在である広辞苑によると、他人の気持ちを他人の気持ちをおしはかること。推察。 」と掲載されていました。
「忖度」の本来の意味は「他人の心中やその考えなどを推し量ること」にすぎません。ですがこの「忖度」という言葉が注目されるきっかけになったのが、世間を賑わしたニュースである森友・加計学園問題だったのです。
そのモリカケ問題では「直接口利きをしたわけではないが、口利きしたといっても差支えないようなやりとりが暗にあったのでは」ということを推測する表現として「忖度」という言葉が使われていました。
そのため本来の意味より否定的な意味が政治によって植え付けられてしまい、「推量した上で何か配慮して行動する」という意味で使われるように変わってしまっているのです。
ちなみにこの「忖度」という言葉を直接的に英語で表現できる単語はないようです。そのために先ほどの森友学園問題において、日本外国特派員協会(FCCJ)の記者会見では、この「忖度」という表現を英訳するのに通訳が苦心したと言われています。
そして担当弁護士が解説に入ったことにより、このときは「conjecture(推測)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」のように表現されたようです。
そんな「忖度」という言葉と同じ意味の言葉として使われているのが「斟酌(しんしゃく)」という言葉です。
ただしこの「斟酌」もどうやら本来の意味とはかけ離れてしまっているようです。「斟酌」は元々は「斟(しん)」も「酌(しゃく)」も水や酒をくむという意味であり、そのため「斟酌」は酒などを酌み交わすといった意味なのです。
ですが、現在では「先方の事情をくみとる」といった意味に変化しており、そのために話題の「忖度」と類義語であると考えられています。
また逆に「忖度」の反対の意味の言葉としては「惻隠の情」であるという意見があります。「惻隠の情」という言葉の意味は「人の困っているようすをかわいそうに思うこと。同情。」だそうです。
ですが「忖度」に対する直接的に反対する表現はないのでは?という意見や、「忖度しない」と「~ない」を使って表現するのではといった意見もあり、必ずしも「惻隠の情」が「忖度」の反対語としては認識されていないようです。
では「忖度」という言葉が、私たちが認識していたイメージとかけ離れてしまっているとわかったところで、その「忖度」という言葉を使った例文を取り上げていきたいと思います。
「忖度」という言葉の本来の意味は「相手の気持ちを考えること」でしたね。それならば、「作家が言いたいことを忖度する」という例文は、担当者が自分の担当している作家とのやりとりをする際の表現として正しいものになりますね。
この例文は現在の「忖度」に対しての使い方と近いものがありますね。ですが「忖度」という言葉の本来の意味は「相手の気持ちを考えること」です。
そのために「推量した上で何か配慮して行動する」という現在よく使われる使い方の、実際に取り計らっているかは本来は意味に含まれていないはずなのです。ですので「忖度して取り計らう」という表現が正しいものではと考えられます。
実際に世間を騒がせたニュースの森友問題において当時の理事長だった籠池氏が使った表現は「土地取引のスピードが上がったのは忖度があったから」というものでした。
ですが本来「忖度」の意味には「取り計らう」という意味まではないのです。ですのでこの時の籠池氏の表現を正しくするならば「忖度があり、周りが動いて取り計らった」となるのではないでしょうか。
「忖度」という言葉には先ほどの森友学園問題においてあまりいいイメージで使う言葉ではないような印象がつけられてしましました。そうなるとどうしても部下が上司に対して「忖度」するという言葉を使うイメージがありますよね。
ですが本来の意味は「相手の気持ちを考えること」ですので、この例文のように上司が部下に対して「思いやりの気持ちをもって推しはかる」という使い方もあるのです。
ではそんな「忖度」という言葉ですが、いつ頃から使われるようになたのでしょうか?「忖度」という言葉の歴史や発端についてご紹介していきたいと思います!
「忖度」という言葉について調べてみると、どうやら中国の古典である「詩経」ですでに使用されていたようです。
また日本では平安時代の「菅家後集」などにおいても、「忖度」という言葉の存在が確認されているとのことです。その後明治期にも使用が確認されていますが、その意味はやはり本来の「人の心を推測する」という意味で使われていたようです。
毎日新聞ではこの「忖度」という言葉を1990年代には「脳死」や「臓器移植」といった場面でよく用いられていましたが、その意味はやはり患者の生前の意思を推し量るといった本来の意味で使われていました。
ですが1997年の夏ごろになると、小沢一郎に対して小沢チルドレンがその意向を「忖度」するといった記述がみられるようになり、現在使われる政治的な意味合いに利用されるようになったと考えられます。
そしてこの「忖度」という言葉が2017年の流行語大賞を受賞する大きな要因となったのが、森友学園問題と言われていますが、どうやら実際には森友学園問題よりも先にこの「忖度」という言葉が使われたのは豊洲市場の用地取得を巡って発言だったようです。
豊洲市場の用地取得において、当時石原慎太郎氏の側近だった浜渦武生氏が「交渉は先方の意向を忖度しないとうまくいかない。」と発言したことが発端となり、その後の森友学園問題において籠池氏や野党が連呼したことにつながった可能性があるのです。
そんな昔からあった「忖度」という言葉に対して、突然巻き起こった「忖度」ブーム。そしてそれはテレビ画面を通して盛り上がっていただけでなく、いつの間にか「忖度」グッズまで流行に乗って発売されていたようです!
まずご紹介するのが「忖度まんじゅう」です。こんなお菓子が発売されていたのをご存知でしょうか?
さすが商人の町・大阪のユニークな発想から、ビジネスシーンで和やかな雰囲気になることを期待して発売されたこの「忖度まんじゅう」はなんと発売して半年でシリーズ累計販売数10万箱を記録しています!
またこの「忖度」ブームで発売された「忖度」グッズは他にもあったのです!それがファミリーマートで発売されていた「忖度弁当」です。
この「忖度弁当」はコンビニのお弁当にしては珍しくなんとパッケージの色は豪華な金色。そしてその内容も、おめでたいに掛けて「金目鯛」や腹黒いに掛けて「ノドグロ」、ごますりに掛けて「ゴマ和え」といった食材が使用されていました(笑)
かなり凝ったコンセプトでその味も上品で好評でしたが、まず値段が798円(税込)とコンビニにしては高額であったことや、量的に物足りないといった声からかなりの数が廃棄へとなってしまったようです。
またネットショップ「河内國(かわちのくに)製作所」では「忖度」Tシャツが発売されていました。このショップは元々時事ネタなどに着目したおもしろTシャツを販売しており、「忖度」ブームになぞらえて胸に大きく「忖度」と書かれたTシャツを発売していました。
そしてよくブランド名はデザイナーや創業者の名前が使われることが多いですが、「A BATHING APE」というブランドの日本語訳はその名も「忖度」。しかもこのブランド名は「忖度」ブームよりも前にネーミングされていたのです!
2008年のM-1グランプリで最年少優勝を飾ったのが霜降り明星でした。この優勝劇の裏にお笑い界における「忖度」があったのではという声もあるようなんです。
霜降り明星は粗品とせいやによる結成5年目のコンビです。そのネタは、せいやの動きを活かした舞台をめいっぱい使ったボケと、それに対して粗品が絶妙なツッコミをするスタイル。
たしかにそのネタは文句なく面白かったという評判であり、審査員であったナイツの塙も「吉本の宝だと思います。漫才協会にぜひ入ってもらいたい」と高評価でした。
ですが対してネット上では同じく決勝でネタを披露した和牛の方が面白かったという声も多数みられたのです。この決勝以前にすでに和牛は2年連続で準優勝しており、東京でも活躍していました。
そんな和牛が優勝を果たすより、「平成生まれの最年少優勝」というハクがつく霜降り明星の優勝への「忖度」によって、もしかしたら評価に影響があったのではとささやかれる声もあるようです。
昔から存在はしていたものの、日常的に使われるようになったのは流行語として注目されてからであろう「忖度」という言葉。その当初話題になった政治的なイメージから、本来の意味が置き去りになっているということが今回わかりましたね。
せっかく再認識することができた「忖度」という言葉ですので、これをきっかけに正しい意味で使えるよう意識してみるといいかもしれませんね!
| |
この記事に関する記事
Copyright© 運営事務局