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    非道なパワハラが発覚した福岡・大島産業の評判は?倒産した?

    福岡県宗像市にある運送会社・大島産業で非道なパワハラが日常的に行われていたことが発覚しました。そのパワハラは虐待レベルであり、頻繁にブログにあげられるなど信じがたいものでした。元社員が訴えると完全勝訴で1500万円の支払いを命じました。そんな大島産業は現在も営業しているのでしょうか。

    (株)大島産業の元社員がパワハラで提訴! 

    この10年ほどで企業によるパワハラ問題は可視化してきており、パワハラ企業、ブラック企業で行われている非道な行いなどが公になってくるようになりました。

    特に2018年に話題となったのが、福岡県宗像市にある建設会社【大島産業】のパワハラ問題です。勤務していた社員は、日常的に非道徳的なパワハラや虐待とも言えるほどの扱いを受けており、福岡地裁では労働基準法違反の判決を下しました。

    事件がおきていたのは2012年から14年の約2年間もの間であり、その間にはかなり酷い仕打ちを受け、社員の男性は慰謝料を請求していました。パワハラで提訴した結果、どれほどの慰謝料が支払われたのか、それについて見ていきましょう。

    1100万円の慰謝料を請求

    パワハラ被害を大島産業から日常的に受けていた男性は、慰謝料などを含めた1100万円の慰謝料を求め、大島産業を訴訟しています。近年、この男性のようにパワハラ問題による慰謝料の請求で訴訟を起こすケースは増えてきているため、報道を見て記憶に残っているという人も多いでしょう。

    結果的に福岡地裁は大島産業の行っていたパワハラ問題などを認め、労働基準法違反の疑いで判決を下しています。そして、賃金未払いの状態があったことも含め、約1500万円の支払いを大島産業に命じました。

    この結果は被害を受けた元社員である男性の完全勝利になった、と報じられることになりました。

    (株)大島産業の非道パワハラの実態とは?

    では具体的に、大島産業が行っていた非道徳的で非道なパワハラの実態はどんなものだったのかについて注目をしていきましょう。

    日常的にパワハラは行われていたということですが、特にその中でも酷いとされるもの、ニュースなどで大々的に報じられたパワハラの実態について触れていきます。

    部下をバリカンでカッパ頭に

    非道徳であり最悪の行いである、とネット上でも話題になっていたのが、部下をバリカンでカッパ頭にするというものです。基本的に職種によっては髪型などの指定がある場合もありますが、それでも同意なく部下の頭をバリカンにしていいはずはありません。

    なぜ部下に対してこのような仕打ちをしたかについては、男性が運送先から戻る途中に温泉に入ったことを理由に、罰としてバリカンでカッパ頭にしたと言われています。もし、この行為が規約違反だったとしても、当然バリカンでカッパ頭にしていいとは言えません。

    また、このことに対して大島産業は【被害者の頭部が皮膚病だったから剃ってあげた】と供述をしています。しかし、実際はバリカンでカッパ頭にされた後、さらに車用洗剤とブラシで頭を洗われていたのです。車用洗剤を使えば、皮膚が荒れることは容易に想像が出来ますし、この弁解は苦しいものとなりました。

    シャワーをぶっかける

    バリカンでカッパ頭にさせられるというだけでも酷い仕打ちですが、さらに大島産業は高圧洗浄機で全身を水浴びさせ、ブラシで身体を払ったというパワハラ問題も発覚しました。

    当然ですが、高圧洗浄機の威力は強いものなので、肌に直接シャワーのように当ててしまえば、肌が荒れてしまうことはあるでしょう。また、使用したモップも掃除用のモップだと言われているため、決して身体を洗うようなものではありません。

    さらに大島産業では、男性に下着をずらしてお尻を出すようにも指示しています。外でお尻を出させるという行為は屈辱的な行為ですし、さらに大島産業はそのおしりに対し、身体を洗った時のように高圧洗浄機を吹きかけていたことも判明しています。

    会社の前で土下座

    さらに大島産業では、従業員に対して会社の前で土下座をさせていたというパワハラも発覚しています。大島産業の会社の入り口で、頭を地面につけるまで土下座をさせられており、たとえ謝罪が必要な場面だったとしてもやりすぎだというのは一目瞭然でしょう。

    このパワハラに関しては、バリカンでカッパ頭にされた男性に限らず、他の従業員も同じように強要されていたことも発覚しています。

    一連の様子をブログで公開

    実はこれらのパワハラ問題ですが、驚くことに大島産業のブログで写真付きで掲載されていたのです。通常、このようなことは少し考えれば非道徳的であり、パワハラ問題になると思われるものですが、大島産業は一種の【イタズラ】のような形で自身の会社のブログにパワハラの証拠とも言える写真を掲載していたのです。

    大島産業はパワハラ自体を否定していますが、そもそも本気でパワハラだと思っていなかった可能性も考えられます。だからこそ、軽い気持ちで企業全体で日常的にパワハラを行えていたのではないかとも言われており、世間とはあまりにも違う考え方には驚かされた人も多いようです。

    また、当然ですがパワハラで屈辱的な姿をブログという全世界に発信されてしまった被害者らは、さらに精神的に傷つけられることにもなります。こういった経緯もあり、被害者男性が完全勝利を掴み取ったとも考えられるでしょう。

    もっとあった!大島産業のパワハラ

    バリカンでカッパ頭にさせられ、外で裸になるようにも強要され、高圧洗浄機や車用洗剤で現れ、土下座の様子など、多くの屈辱的な姿をブログに掲載されてしまった被害者男性たちですが、実はこの他にも大島産業のパワハラはわかっているだけでも二つありました。

    そんなパワハラの内容を残り二つ紹介していきます。

    川に入るようにも命じられた

    大島産業が行っていたパワハラには、従業員に対して川に入るように命じたというものもあります。大島産業は運送業であるため、当然ですが川に入る必要のある業務というものはありません。

    川に入るように命じた大島産業ですが、従業員が思うように川に入らないと、石や花火などを従業員にぶつける素振りなどを見せていた、時にはぶつけられていたということも明かされています。石や花火が身体に当たってしまえば、ケガや火傷の恐れは十分にありえます。

    土下座は日常的だった

    大島産業では、土下座は日常的だったとも言われています。何かあるたびに従業員や部下に対し土下座を強要していたようで、上下関係がある限りそれに従わなくてはいけない従業員たちは、必要もない土下座を繰り返しさせられていたようです。

    また、日々のパワハラに対して身の危険を感じた被害者男性は、会社の寮から逃げ出したことを明かしています。しかし、逃げたことを察知した大島産業は、本来支払わなくてはいけない給料を振り込まず、男性は金銭的に困難となり、結果的に会社に戻らざるを得ない状態になりました。

    その際も被害者男性に対し、執拗に土下座を迫ったということも報じられています。

    大島産業の社長が謝罪文公開

    大島産業の社長は、日常的なパワハラがあったことに対して謝罪文を後に公開しています。

    しかし、この謝罪文に関しても反省の色が見られないどころか、とてもふざけた内容のものになっており、物議を醸すことにもなりました。

    そんな大島産業の社長が公開した謝罪文について触れていきましょう。

    反省の色は見られず

    大島産業の社長がパワハラ問題に対して掲載した謝罪文は、ブログの機能でもある【太文字】【文字に色付け】【絵文字】を駆使した、とてもふざけているようにしか思えない謝罪文でした。

    内容としては【大島産業及び全国のファンの皆様には深くお詫び致します(汗絵文字)】【うまく逃げ切れると思いましたがダメでした。】という反省の色も感じさせないものであり、さらには判決によって【判決=寮長格下げ】【三等兵(新人より下・下足番)無期限】とも記述しています。

    実はパワハラに耐えかねて寮を逃げ出した被害者男性は、当時寮長だったものから、この会社で言う三等兵になってしまっています。そのため、この一文は訴訟を起こした被害者男性に対しての人権侵害になるのではないかとも言われました。

    現在は消去

    非道徳的なパワハラ問題を起こしておきながらも、反省の色が全く見えない大島産業の社長による謝罪文は、当然ながら非難が殺到することになりました。もともと、パワハラ写真を掲載していたことでも悪い意味で注目をしていただけに、中身のない謝罪文が炎上してしまうのも当然のことでしょう。

    現在この謝罪文は閲覧出来ない状態になっています。おそらく炎上を受け、社長が自らブログ記事を削除したものだと言われています。

    大島産業の社長は?

    大島産業の日常的なパワハラ、さらにはブログへのその様子を掲載していたというのは、少し想像をするだけでも酷い仕打ちだと多くの人が思うでしょう。そして、そんな会社のトップに立ち、パワハラをパワハラだと認識せずに従業員をいたぶっていた社長が気になるという人も多いでしょう。

    そんな大島産業の社長とはどんな人物だったのか、そして社長から見て従業員とはどういった存在だったのか、社長自身どのように語っていたのかについてチェックしていきましょう。

    社長は大島康朋

    大島産業の社長は【大島康朋】という名前だとわかっています。大島産業は約120名もの従業員を抱える企業であり、大島社長は会社の様子などを、パワハラ写真を掲載していたブログでよく綴っていたようです。

    また、大島社長曰く、自分は会社のムードメーカー的存在であるということも、過去のインタビューで語っていたようです。パワハラ写真を掲載していたブログは、もともと大島社長の趣味的なブログだったようなので、このことから日常的に社員とパワハラという形で接していたのではないかと考えられています。

    パワハラをしていたという自覚がないとも言われているため、大島社長自身はムードメーカーだと自負しておきながら、現実ではパワハラ社長という目で従業員から見られていた可能性が高いと言えるでしょう。

    ”社員は子供”

    大島社長は過去のインタビューにおいて、【社員は子供】だということも語っています。自分の子供のように可愛がっているという意味のようであり、社員が何か悪いことをしたら、親が子供を叱るようなイメージでパワハラを働いていたのではないか、と言われています。

    もともと大島社長は、大島産業が大きくなるまでの間に何度も失敗してきたと語っています。その間で従業員との絆が芽生えていく中で、いつしか【自分は従業員を叱れる立場である】と錯覚してしまったのかもしれません。

    パワハラブログには、「○○してあげた」という記述も多かったようなので、大島社長は本気でパワハラだと思わず、社員のことを思ってパワハラを働いていた可能性が考えられます。

    現在の大島産業は?

    パワハラ問題により一気に評判がガタ落ちした大島産業ですが、パワハラ自体は否定していたものの、自らが掲載していたブログが証拠となり、完全敗訴という窮地に陥りました。

    パワハラ企業は度々問題になっていますが、特に大島産業が今まで従業員に対してやってきたことは酷いことであり、被害者の男性は「自殺も考えた」ということも語っています。命こそは救われたものの、被害者男性の傷がすぐに癒えるわけではありません。

    そんな大島産業ですが、評判がガタ落ちし、世間から大バッシングを受けた今、どんな状態なのでしょうか。現在の大島産業について迫っていきます。

    厚生労働省のブラックリスト入り

    大島産業は被害者男性からの訴えにより、正式に労働基準法違反という判決が下されました。それもあり、厚生労働省のブラックリスト入りも決定したに等しいと言われています。

    厚生労働省のブラックリストに入るということは、今まで取引してきた他の企業とは取引が出来なくなる可能性が高くなっていきます。取引をし続ければ、その会社もパワハラ問題をしている、または大島産業のパワハラ問題を重要視していないということになるため、評判がガタ落ちするのは目に見えています。

    基本的にブラックリストは一年間は最低入ることになると言われています。今後、大島産業がブラックリストから外れることがあったとしても、社長の考え方自体がパワハラ思考ではないかという見方もある以上、以前のように会社を経営していくというのは難しいと考えられます。

    ブログは閉鎖されたまま

    大島産業のパワハラ問題の証拠ともなったブログですが、現在は閲覧出来ず、閉鎖された状態になっています。残していたとしても、ずっと炎上し続けることになりそうですし、今後どのような形で責任を取るにしても、残しておく意味は大島産業側にはないでしょう。

    ただし、有志の協力により、大島産業社長の問題のブログは魚拓が取られています。そのため、ブログ自体は見られないものの、どんな内容だったかについては、調べればすぐに見つけられるようになっています。

    大島産業はその後音沙汰なく、現在会社のHPも閲覧出来ない状態になっています。評判も地の底まで落ちた状態であり、ブラックリスト入も果たしているため、現在は倒産したのではないかと噂されています。

    パワハラ被害は積極的に訴えていこう

    今回の大島産業のパワハラ被害のように、働いていると上司や社長などの自分よりも上の立場から、理不尽なパワハラを受けてしまうこともあるかもしれません。また、そこで抵抗をすれば仕事がなくなるかもしれない、または何らかの脅しで口を封じられてしまうこともあるでしょう。

    しかし、パワハラは犯罪です。いくら口が上手い上司や社長がいたとしても、業務と関係のない、または必要以上の負担や圧力、精神的、肉体的な暴力というものは、問題であり、許されるものではありません。

    ここ数年でパワハラについては深刻に考えられるようになっており、さらに問題視されることになるでしょう。昔よりもパワハラに対しては厳しい世の中なので、もし、パワハラ被害を受けて悩んでいる場合には、然るべき場所への相談、または訴訟も考えていきましょう。

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