記事ID142814のサムネイル画像

ステゴロとはどういう意味?ステゴロからにまつわる事柄とは?

”ステゴロ”とは武器などを持たずに素手で喧嘩をするという意味で「素手喧嘩」(すてごろ)と書くようです。その意味から格闘技だったり喧嘩だったりと人物や事柄などに使われるため普段はあまり耳にしないかもしれません。そんなステゴロについて調べました。

ステゴロとは?ステゴロに関する人物やこと側について調査しました。

ステゴロというと格闘技ファンには馴染みがあるかもしれません。それが”踊る便所太郎”氏が主宰を務めるインターネット配信者同士の格闘技祭り”ステゴロ”です。2017年から不定期的に開催されています。

ステゴロに関する漫画ではタイトルそのままの”ステゴロ”や”グラップラー刃牙”などがあります。このグラップラー刃牙は刃牙シリーズとして長い間連載されています。アニメ化されてテレビ放送もされていたりゲームやパチンコの企画などでもコラボされたりしています。

このグラップラー刃牙シリーズでバキ外伝の主要人物である”花山薫”がいますがこの元になったのが実在した伝説の喧嘩師”花形敬”氏です。花形敬氏は素手喧嘩(すてごろ)で昭和初期のヤクザとして極道の世界を生きてきた人物で映画にもなった人です。そんなステゴロの語源も含め調査しました。

そもそもステゴロの語源はいつ頃?

ステゴロの意味は何となく分かりました。いつ頃から言われていたのでしょうか?なじみのない言葉ですが昭和の時代に裏稼業の隠語として使われていました。

江戸時代後期

ステゴロのステは素手(スデ)としてわかりました。ゴロについては江戸時代後期にさかのぼるようで仕事や住まいに定まりのない者が他人の家を回って暮らしていたこから蔑まれた人を指し、こういう人はたかりや脅しなどをすることが多く喧嘩をしていたことから”ごろつき者”と呼ばれるようになったようです。

そのごろつく者(喧嘩する者)が素手で喧嘩することから素手喧嘩(すてごろ)と言われるようになったようです。ステゴロは喧嘩であってスポーツなどのようにルールはないので生死を分ける戦いとも言われています。

ステゴロの”便所太郎”って誰?どんな活動してる?

ツイッターで2013年ころから活動し始めたとされている”踊る便所太郎”氏ですがこのイベント主宰以外にも活動していることがあります。

便所太郎氏のプロフィール

 

  • 本名(ふりがな):車田 良太(のりたりょうた)       
  • ニックネーム(ふりがな):便所 太郎(べんじょたろう)
  • 所属事務所:無所属
  • 生年月日:1978年8月23 
  • 年齢:40歳(2019年)
  • 住所:埼玉県川越市
  • 身長:174㎝
  • 活動内容:インターネット動画配信者、ラジオパーソナリティー、ボランティア  ステゴロ主宰者
  • 家族構成:妻 

便所太郎氏は2013年ごろから活動を始めたようで”雑談配信者としてツイキャス、ふわっち(whowatch)、ニコ生、FC2などで活動したり最近ではラジオのパーソナリティーもしているようです。国籍は日本ですが韓国のクォーターです。祖父が学者だそうで日本に帰化したことで日本で生まれたそうです。

2018年に結婚していますが入籍はしていないようでいわゆる”内縁関係”のようで一般の方と結婚されています。ネット配信中に仲良く一緒に登場しますが奥さんはマスク着用で登場しているようです。

便所太郎氏が主宰する配信者格闘イベント”ステゴロ”の初の開催は2017年6月に行われ自らが格闘家として出場しました。結果は負けでしたが盛り上がったようです。初開催が好評だったようで2回目の”ステゴロ2”は2018年6月に開催されました。続きステゴロ3が2019年6月に開催予定です。

カンボジアでボランティア活動

よく海外にも行かれる便所太郎氏ですが2018年11月にはカンボジアへトイレのない村へ行きトイレ設置費用を村長に寄付をしに行ったり現地の子供たちにお菓子を配ったりして交流を深めている様子をツイッターで報告していました。過去には2016年4月に起きた熊本地震で被災地へ支援活動をしに行っていたようです。

ステゴロと言えば”花形敬”どんな人?

素手喧嘩(すてごろ)と言えば実在した人物”花形敬”氏。昭和初期の戦後の時代に暴力団の大幹部として生き抜いた伝説の男です。

花形敬のプロフィール

 

  • 本名(ふりがな):花形敬(はながたたかし)
  • 所属事務所:安藤組(東興業)
  • 生年月日:昭和5年
  • 年齢:享年33歳
  • 出身地:東京都渋谷区
  • 身長:180㎝
  • 家族構成:妻

 

 

花形敬氏の犯罪歴は前科7犯、逮捕歴は22回です。体格は昭和初期のころの成人男性の身長は概ね160㎝くらいだそうですが、花形氏180㎝の長身で髪型は整えられた七三分けで縁なしのメガネをかけており服装は白のスーツに白のソフト帽子といういで立ちだったようです。

顔には刀傷による大小20ほどのおびただしい傷と背中には入れ墨といくつかの傷があったようです。極道の世界において抗争、喧嘩では刀、けん銃などは欠かせない武器のはずですが花形敬氏は武器は一切持たず素手喧嘩(すてごろ)で戦うことを好んでいたようで猛者たちと決闘を繰り広げたようです。

花形敬氏が20歳の昭和25年に安藤組に入ります。入るきっかけが国士館中学在学中に番長争いで”石井福造氏(のちの住吉会会長)と喧嘩したことで花形敬氏の強さを知り一目置く存在となったようです。その後に石井福造氏の仲介で安藤昇(安藤組の組長)の舎弟となり安藤組に入りました。

力道山と対峙

当時、安藤組のシマ(縄張り)でオープンしたキャバレー"純情”ができましたが安藤組へのあいさつがないと花形敬氏が激昂したようでキャバレーへむかった時のことでした。
店に入った際、奥から出てきたのは当時の国民的スターでプロレスラーの”力道山”でした。

キャバレーの用心棒をしたいたそうです。対峙した花形敬氏が「てめぇ!ここをどこだと思っていやがる!」「てめぇみたいな奴に用心棒が務まるか!」と迫り凄んだようでそれに力道山は怖れ慄きその場から去ったようです。

しかしこの出来事にはほかにも説があるようで、どうもそこに花形敬氏は出向いておらず安藤組数名の組員が純情に出向きそのメンバーのひとり森田雅氏が力道山と対峙した際に森田氏が一喝し力道山が追われるように店を出て逃げて行ったとも言われています。

花形敬氏は超人

花形敬氏の性格は普段は穏やかな性格でお酒が好きだったようですが、ひとたびお酒が入ると暴れたり人を殴ったりと酒乱になってしまうことがあったようです。ある日、同じ組の森田雅氏とお酒を飲んだ時に酔っ払い森田氏を殴ってしまいました。森田氏もこれには激怒していたようですが、なんとか気を沈め争わず家に帰したそうです。

しかし、これを許さなかったのが森田氏の舎弟でした。その後を追い酔っ払って飲み歩いていた花形敬氏をその舎弟が呼び止めました。「敬さん…」とけん銃を向けた舎弟に「何だそりゃ!」と言い舎弟は動けなかったようで「殴るか喋るかどっちかにしろ!」と言い殴りかかろうとした時に舎弟はけん銃を撃っていました。

しかし怯まず向かってきた花井敬氏に舎弟は迫力に圧倒され逃げました。花形氏はそのまま闇医者へ行き手当を受けました。幸い弾は貫通していたようで大事に至りませんでした。本来なら入院するはずですが病院を出てそのまま飲みに行ったという超人エピソードがあったようです。

花形敬氏の最後

実業家の横井秀樹氏の債務処理を請け負う話し合いをしていた時に安藤組の組長である安藤昇氏は横井氏の態度に激怒したようで横井襲撃を命じました。しかし安藤氏は殺人未遂罪で逮捕されました。その後、安藤組の組長は花形敬氏が代行という形で組長となりました。

組長不在の中、昭和38年に安藤組の幹部の西原健吾という人物の舎弟が”東声会”という暴力団ともめました。そのことを知った花井敬氏は東声会へ詫びを入れに行き収束されたかに見えましたが川崎市にある料亭「仙寅」前の通りで東声会の刺客2人に刺殺されました。

遺体は親族に引き取られ通夜が行われました。その通夜に参列した組員幹部に対して花形敬氏の身内は報復抗争はしないでほしいと懇願したようで抗争はなく収束したようです。昭和38年花形敬氏は33歳の若さで亡くなりました。

ステゴロに関する漫画や映画って?

ステゴロというタイトルの漫画や花形敬氏をモデルにした漫画があります。映画も花形氏をモデルにしたものが主にあります。

ステゴロ

著者は小幡文生氏です。主人公の獅頭忍(しとうしのぶ)は16歳ですが東京の街中でギャング相手に素手喧嘩(すてごろ)で勝負をしてお金を巻き上げていました。100万円をかけてのステゴロをしていたようですが、その札束の上と下だけが本物の1万円札で中身は新聞紙で次々とステゴロで勝ちつづけました。

そもそもステゴロをする目的は姉の経営するスナックの運営費に充てるためのお金だったようです。そんなステゴロに明け暮れていた時に”阿修羅”という人物と出会いステゴロ勝負をしますがことごとく負けてしまい阿修羅の指示に従い仕事をせざるを負えなくなりました。

そこからストーリーは展開していきますがこの漫画は連載の予定はあったようですが、発売されず1巻のみで終了となりました。因みに小幡文生氏の作品でこの漫画とやや類似した漫画で「シマウマ」があります。

バキ外伝ー疵面スカーフェイスー

著者は板垣恵介氏です。バキ外伝の主要人物の花山薫(はなやまかおる)は15歳にして花山組の2代目組長に就任しました。やはり武器、武装せず素手喧嘩(すてごろ)で勝負していました。白のスーツで縁なしメガネという格好で花形敬氏と同じ風貌のようです。

花山薫はさまざまな強者達とバトルを繰り広げましたが、”ヤクザパンチ”や”ヤクザキック”などいろいろな技を持っています。格闘家との対戦ばかりですが、練習やトレーニングなどは一切せずに戦うのが彼のスタイルのようです。高校生とは思えないストーリー展開で面白みのある人気の漫画のようです。

”疵”(きず)

この映画は1987年の映画で原作でノンフィクションの「疵/花形敬とその時代」(著者:本田靖春)をもとに映画化したもので梶間俊一監督が手掛けた作品です。主演で花形敬役は俳優の陣内孝則さんで他にジョニー大倉さん、藤谷美和子さん、内藤剛志さんなどの人気俳優が出演した映画です。

花形敬氏をモデルにした映画はこのほか4作品ありますが、実名で登場するのはこの作品だけで作品の企画から参加し特別出演もしていた花形敬氏の兄貴分だった安藤昇氏の後押しのにより作品が実現したようです。

やはり銃や刃物などの武器は一切持たず常に素手喧嘩(すてごろ)で戦っていました。ただ強すぎるためか組織からはみ出てしまい純粋で一本気な性格が故にヤクザになり切れず暴力をしつつも人の温もりを求め続けながら高度成長時代を生き抜き33歳の短い人生を終える物語です。

ステゴロと徒手空拳

ステゴロという言葉は昔から使われていたようですが、この言葉の意味に類似する四字熟語で”徒手空拳”(としゅくうけん)があります。こちらの意味も「何も手に持たず素手であること」転じて”自分の身一つで立ち向かうこと”とあります。

花形敬はまさにそれを体現した人物で漫画や映画に投影されるほどの人で伝説になることの凄さが窺えました。

TOPへ