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2023/12/28
大今里
新日本プロレスのスター選手である内藤哲也選手がよく使う「トランキーロ!あっせんなよ(焦んなよ)」が流行語大賞にノミネートしたの?と話題になりました。
プロレスファンには有名なトランキーロでしたが、女優の榮倉奈々さんや元メジャーリーガーの川崎宗典選手が使用した事から一気に注目を集める事になりました。トランキーロの意味や使い方、プロレスラー内藤哲也選手がトランキーロを使い出した由来について解説します。
内藤哲也選手は、プロレスの試合の時やメディアでよく目を見開くポーズを取りながら「トランキーロ!あっせんなよ」と言います。
プロレスファンには、内藤哲也選手のトランキーロはよく知っている言葉で内藤哲也選手がリングで目を見開くポーズを取りながら「トランキーロ!あっせんなよ」と一言発すれば会場のボルテージが一気に盛り上がる程、有名な言葉です。
そんな内藤哲也選手が自身のキャッチフレーズとしている「トランキーロ」にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
プロレスラー内藤哲也選手がよく使う「トランキーロ!あっせんなよ」のトランキーロはスペイン語です。日本語の意味は「静かに・落ち着いて・焦らないで」になります。
スペインでは、興奮している相手に対して「落ち着いて」や「少し静かにして」「焦らないで」等を伝える時に使用する言葉のようです。ちなみに「あっせんなよ」は「焦んなよ」と日本語の意味そのままだそうです。
トランキーロ以外にも内藤哲也選手はスペイン語を多用します。内藤哲也選手がリーダーを務めるユニット「LOS INGOBERNABLES de JAPON(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)」もスペイン語で日本語の意味は「日本の制御不能なやつら」です。
ユニット名もそうですが、内藤哲也選手はスペイン語を言葉の端々に入れます。記者会見の席等では最初のあいさつで「ブエナスタルデス(こんにちは)」から始まったり、会話の中で「いま、オクパード(忙しい)なんですよ」等とスペイン語と日本語を織り混ぜて内藤哲也選手はスペイン語を使用します。
いつしかそんな内藤哲也選手のスペイン語録がプロレスファンの中では有名になりました。トランキーロもその1つでもっとも有名な内藤哲也選手スペイン語語録といえます。
内藤哲也選手は、プロレス界のトップに君臨する新日本プロレス所属のトップスター選手で、常に会場の歓声や拍手を独り占めにしている超人気選手の一人です。
また、プロ野球の広島カープの熱狂的なファンで他のカープファンからはプロレスラーとしてで無くカープファンとして有名です。
幼少時は、小学校1年から中学校3年まで野球を、幼稚園から高校3年までサッカーと両方を兼任、また野球とサッカー両方でキャプテンを務めるなどスポーツ万能でした。父親が大のプロレスファンの影響もあり次第にプロレスラーとしての夢が膨らみ、2005年、入門テストに合格しプロレスラーへの道を歩き始めます。
また、熱狂的な広島カープファンで広島カープファンからはプロレスラー内藤哲也より違う意味で知られています。内藤哲也選手が入場曲で使用している「STARDUST」が、広島カープがチャンスの時にカープファンが歌う応援歌として有名です。さらに2017年に37年ぶりの優勝パレードの際にはしっかり参加しています。
2006年にプロレスラーとして新日本プロレスからデビューを果たした内藤哲也選手。デビュー当時はあまり印象に残る選手とは言えなかったものの着実に実力を蓄えつつ数々のタイトルを獲得していきます。
第64代IWGPヘビー級王座
第15代・18代・20代IWGPインターコンチネンタル王座
第2代NEVER無差別級王座
第55代IWGPタッグ王座
第22代IWGPジュニアタッグ王座
2013年・2017年 G1 CLIMAX 優勝
2016年NEW JAPAN CUP 優勝
2016年度プロレス大賞 最優秀選手賞(MVP)
2017年度プロレス大賞 最優秀選手賞(MVP)
2018年度プロレス大賞 技能賞
新日本プロレスのトップスター選手である内藤哲也選手ですが、自身がユニットリーダーを務める「LOS INGOBERNABLES de JAPON(日本の制御不能なやつら)」のユニット名通り制御不能なヒールレスラーのスタイルです。
しかし、元々のスタイルはベビーフェイスと言われる正反対のスタイルで当時は、トランキーロ等のスペイン語語録も一切使用する事もありませんでした。いつから今のスタイルになったのでしょうか?
現在の内藤哲也選手は「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のリーダーで新日本プロレスの正にカリスマですが大きな挫折を味わって今の内藤哲也選手があります。以前の内藤哲也選手は今と全く違う正統派のベビーフェイススタイルで当時は「スターダスト・ジーニアス(星屑の・天才)」と言われプロレスファンから次世代のエースとして期待されていました。
スターダスト・ジーニアスの異名の通り、華麗なファイトスタイルでファンを魅了し2012年にはG1も優勝するなど新日本プロレスのエースとして頭角を表していきます。ただ、あまりにもキレイすぎるファイトスタイルは次第にファンから飽きられはじめて、ある選手の登場で完全に内藤選手の人気は逆転する事になります。
5歳年下で後輩のオカダカズチカ選手の登場でプロレス界はオカダカズチカ選手のものになります。「レインメーカー(金の雨を降らせる男)」と呼ばれ圧倒的なカリスマ性で一気にファンの心を掴んだオカダカズチカ選手。24歳でIWGPのチャンピオンになるなど、次世代のエースと期待されていた内藤哲也選手は瞬く間にその地位を奪われます。
この頃から内藤哲也選手への歓声はブーイングに変わり正統派のベビーフェイスである内藤哲也選手の人気と「スターダストジーニアス」の異名は完全に地に堕ちていきます。
かつて「スターダストジーニアス」と呼ばれ新日本プロレスの次世代エースと期待された内藤哲也選手は、いつしか登場するだけでブーイング、技の一つ一つにもブーイングが起こり実力はありながら試合に勝てない状態が3年程続きました。
そんな内藤哲也選手にとって2015年に行ったメキシコ遠征が大きな転機になります。メキシコのプロレス団体「CMLL」で有名なヒールスタイル集団の「LOS INGOBERNABLES(ロス・インゴベルナブレス)」から勧誘され加入します。スペイン語で「制御不能」という意味のチーム名通り、今までの内藤哲也選手のプロレススタイルとは正反対のスタイルでした。
内藤哲也選手が今までプロレスはこうあるべきと自身の持つプロレス像は完全に崩れ、もっと自由にもっと楽しく、もっと自分らしくと思う様になりプロレススタイルも今までの正統派では無くまさに制御不能なプロレススタイルになっていきます。
そして、自分のプロレススタイルを模索してもがいていたこの時期に「LOS INGOBERNABLES」の仲間から言われていた言葉が「トランキーロ(焦んなよ)」でした。
メキシコ遠征を経て、今までのベビーフェイススタイルの殻を脱ぎ捨て帰国した内藤哲也選手、ファンの見る目は冷ややかでした。自由奔放なファイトスタイルや意味不明なスペイン語の多用、ファンの事を考えない物言いや悪態、帰国後、内藤哲也選手には今まで以上のブーイングが起こりました。
しかし、内藤哲也選手はそんなブーイングにブレる事なく自分自身のプロレススタイルを貫きます。いつしか、内藤哲也選手へのブーイングは徐々に歓声に変わっていく事になります。
今までファンに応える事を考えて自分の思うように出来なかったプロレスも自分のやりたいようにやる、そんなブレない内藤哲也選手にいつしかプロレスファンは夢中になっていき、内藤哲也選手が使用するトランキーロ等のスペイン語語録がファンの間でも浸透し始めます。
そして、運命の2016年4月10日、IWGPヘビー級王座をかけて圧倒的なカリスマ、王者オカダカズチカと対戦し勝利をおさめます。鳴りやまない内藤コール。少年時代からあこがれ続けたIWGPヘビー級のベルトを手にした内藤哲也選手のマイクパフォーマンスで両国に響き渡る「デ・ハポン」、会場は完全に内藤哲也選手と一つになりました。
圧倒的なカリスマ性で新日本のエースの座をかつて奪われたオカダカズチカに勝利し名実共に新日本プロレスのトップスターに返り咲いた瞬間でした。
中継等でプロレスの試合を見てる際にふと会場を見渡すと「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のTシャツを着たファンが大多数でその人気の高さに驚きます。また、最近では街中でも「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のTシャツやグッズをファッションとして身に付けている人をよく見かけます。
「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズはプロレスファン以外でも大流行?デザイン性や売れ筋のグッズは?
内藤哲也選手がトップスターに返り咲いた事で内藤哲也選手がリーダーを務めるユニット「LOS INGOBERNABLES de JAPON」の人気もすごい事になっています。その影響もあり、「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズの勢いがとまりません。
新日本プロレスのグッズ売り上げランキングの1位~10位までの上位はほぼ「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズで独占されています。会場を見渡すと「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のTシャツやパーカー、キャップ、タオル等を見にまとったプロレスファンで埋まる状態です。
「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズは全てにおいて個性的で注目を集めるデザインです。そのデザインがカッコいいと話題でプロレスファンだけでなくともオシャレとして街中でもよく見かけるようになりました。
内藤哲也選手や他の「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のメンバーは試合中も「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズのTシャツを着たまま試合をする事がよくあります。こうした宣伝効果もあり「LOS INGOBERNABLES de JAPON」グッズは世間に浸透したのかも知れません。
特に売れ筋は、Tシャツやキャップ、パーカーの様で内藤哲也選手がよく身につけているものが多いそうです。また、クッションやタオルなども会場ではよく見かけます。2018年、新日本プロレスは、過去最高となる48億円の売上高を記録します。その大半を占めるのが「LOS INGOBERNABLES de JAPON」のグッズともいわれています。
内藤哲也選手の人気でプロレス界では完全に定着した「トランキーロ」。元メジャーリーガーの川崎宗典選手がインタビューで使用した事や女優の榮倉奈々さんにいたっては内藤哲也選手の目を見開くポーズ付きで使用した事で一気に世間にも注目されます。
川崎宗則選手は、鹿児島県姶良市出身のプロ野球選手で、福岡ソフトバンクホークスからシアトルマリナーズ、トロントブルージェイズ、シカゴカブスと渡り歩き、福岡ソフトバンクホークスに帰ってきた元メジャーリーガーです。
日本代表にも選出され、2008年にはオリンピック、2006年と2009年にはワールドベースボールクラシックに出場しています。現在は、自由契約となり無所属となっています。
そんな、川崎宗則選手がトロントブルージェイズ時代に受けたインタビューで「トランキーロ、トランキーロ」と言った事でプロレスファンは大喜びでした。川崎宗則選手が内藤哲也選手の事を知ってたかどうかは謎ですが、このインタビューでトランキーロの人気に一役買ったのは間違いないでしょう。
日曜劇場のドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」主演は嵐の松本潤さんで、日本の刑事事件の裁判有罪率が99.9%で残された0.1%の無罪を解き明かす弁護士の話であるこのドラマが、プロレスファンから大人気でした。
理由は、このドラマに出演していた榮倉奈々さん演じる立花彩乃が大のプロレスファンで度々ドラマの中でプロレスファンがニヤリとするようなネタが出てくるからです。その中で立花彩乃が内藤哲也選手の目を見開くポーズをしながら「トランキーロ」と呟いた事でプロレスファン以外にもトランキーロが知れ渡る事になりました。
ちなみにこのドラマですが、プロレスネタだけでは無く、実際にプロレスラー達が出演した事でも話題になりました。オカダカズチカ選手や棚橋弘至選手、タイガーマスク選手らが出演した事ともちろん内藤哲也選手も出演をしています。
川崎宗則選手や榮倉奈々さんが使用した事でプロレスファン以外にも知れ渡る事になった「トランキーロ」その意味や使えるシーンが多い事から色んな場所で使われたり目にしたりする機会が増えました。
流行語大賞にノミネート?の噂も出る程に流行る事になり、他にも内藤哲也選手が使うスペイン語も使えるシーンが多く他のスペイン語語録も注目されています。
川崎宗則選手のインタビューや榮倉奈々さんのドラマで使用された「トランキーロ」プロレスファン以外にも注目されプロレス会場以外でもよく聞いたり目にしたりする機会が増え流行語大賞に選ばれるのでは?と期待されましたが、惜しくも選ばれる事はありませんでした。
ただ、トランキーロで有名な内藤哲也選手は2016年と2017年で最もプロレス界に貢献し優秀な成績を収めた事でMVPに選ばれています。惜しくも流行語大賞は逃した「トランキーロ」でしたが、それ以上にプロレス界では浸透され名誉ある賞に結び付いたようです。
内藤哲也選手といえば「トランキーロ!あっせんなよ(焦んなよ)」ですが、他にも日常生活で使えそうなスペイン語語録を多用しています。例えば、内藤哲也選手がよく使う「カブロン」は「この野郎、まぬけ」といった意味や、他にも「オクパード(忙しい)」を使う時は「いま、オクパードなんですよ」と使う事もありました。
また、「カンサード(疲れた)」は「今日はカンサードなんで寝ます」のような使い方や「パレハ(仲間・相棒)」等を組み合わせて「カンサードなんでパレハに任せますアディオス(さよなら)」みたいな使い方もおもしろいですね。
内藤哲也選手はこのように日本語とスペイン語を織り交ぜてスペイン語を使うので会話を聞いていても馴染みやすく日常生活でも使いやすいので聞いていておもしろいです。
期待されながらも大きな挫折を味わい足搔きつづけた内藤哲也選手を救った言葉「トランキーロ!あっせんなよ」。内藤哲也選手が使うからだけで無くトランキーロの意味が今の時代が求めている言葉の様に流行しています。トランキーロして自分のスタイルを見つけ貫いた内藤哲也選手からこれからも目が離せません。
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