木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
2019/01/16 更新
2018年は、文部科学省のスキャンダルの嵐が吹き荒れた一年でした。その中でも記憶に新しいのが、7月4日、東京地検特捜部による佐野太容疑者の逮捕です。一時はニュースを独占した佐野太容疑者の逮捕劇。息子を東京医科大学に裏口入学させた手口も交えてまとめました。
逮捕された佐野太容疑者は、1959年山梨県生まれ。地元の山梨県立日川高校を卒業後、早稲田大学理工学部に入学。同大学の大学院理工学研究科を修了後、1985年に科学技術庁(当時)に入庁します。
また、佐野太容疑者は、入庁した後の1993年にも米国スタンフォード大学経済政策研究センターに留学したほか、2004年には非常勤ではありますが早稲田大学客員教授も務め、さらには2007年に山梨大学で学長特別補佐/教授も務めています。
逮捕された佐野太容疑者が働いていた文部科学省は、「教育の振興および生涯学習の推進を中核とした創造的な人材の育成、学術、スポーツ……科学技術の総合的な振興を図る」ことを任務とする行政機関です。
もともと文部科学省は、学校教育等に関する教育行政を司っていた文部省と、科学技術行政を司っていた科学技術庁が2001年の中央省庁再編で統合されて誕生した行政機関です。逮捕された佐野太容疑者は、統合前の科学技術庁に入庁しています。
2017年、2018年は文部科学省にとって試練の年でした。まず2017年、文部科学省が国家公務員法に規定する「再就職等規制」に違反する天下りを行い、さらにそれを隠ぺいするため、再就職等監視委員会に虚偽の報告を行っていたことが発覚しました。これにより、当時の文部科学省事務次官が辞職し、松野博一文部科学大臣も俸給6か月分を返納する事態になりました。
さらに、続く2018年、佐野太容疑者が逮捕されたことを皮切りに、川端和明国際統括官が過去に接待を受けていた罪で逮捕されたほか、事務方のトップである戸谷一夫事務次官までもが業者から不適切な接待を受けていたとして減給処分となりました。その後、戸谷事務次官は引責辞任しています。
実は、文部科学省は過去にも贈収賄事件等で逮捕者を出しています。1988年、リクルートの関連会社であったリクルートコスモス社の未公開株が有力政治家、官僚らに賄賂として渡されたいわゆるリクルート事件では、当時の文部省事務次官であった高石邦男が逮捕されています。
また、2004年から2006年にかけて、国立大学施設整備の補助金の額や配分に関する情報を五洋建設関連会社に漏らし、その見返りに計270万円を受け取っていたとして、当時の文部科学省文教施設企画部長が逮捕されました。さらに、同企画部長に誘われて接待を受けていたとして、そのほか7人の文部科学省職員も逮捕されています。
これまでにも、国家公務員が賄賂を受け取っていた贈収賄事件が幾度となく発覚しています。しかし、国家公務員法で賄賂が厳しく取り締まられるようになって以降、こうした事件はほとんど起きていませんでした。
そのような中で発覚した佐野太容疑者の不正は、霞ヶ関の他の行政機関から呆れの目で見られています。
国家公務員に対する賄賂が厳しく制限されるようになり、公務員は一般の人と麻雀やゴルフをすることにすら気を使うようになっています。すでに行政機関全体がそのような時代・雰囲気になっているにも係らず発覚した文部科学省の不祥事。
現在、行政機関が多く集まる霞ヶ関では、佐野太容疑者に対する怒りの声はもちろんのこと、文部科学省に対する呆れの声や、文部科学省のみ時代が止まっていると揶揄する声が上がっていると言います。
過去に文部科学省職員が一般企業幹部らから賄賂や接待を受けていた贈収賄事件が発覚していますが、今回の佐野太容疑者の逮捕事案もこれに似た公図で行われました。
今回、佐野太容疑者とともに逮捕された人物の中に、コンサルティング会社元役員の谷口浩司容疑者がいます。この谷口容疑者こそ、佐野太容疑者と東京医科大学を結びつけたブローカーであると見られています。
佐野太容疑者の逮捕の後、この谷口容疑者と関係のあった他の文部科学省幹部数人が辞職する事態にまで発展しています。
逮捕された佐野太容疑者は、実は文部科学省の中でもエリート官僚と目されていた人物でした。そのため、佐野太容疑者の逮捕は、文部科学省の中でも驚きが走ったと言われています。
省の事務方トップを事務次官といいます。各省の事務次官は、旧帝国大学など難関大学を卒業し、公務員試験を突破したエリートの中でも選ばれた人物しかなれない役職です。佐野太容疑者は、文部科学省の中で将来の事務次官候補とまで言われていた人物であり、さらには政治家になり政界進出の噂までありました。
佐野太容疑者の逮捕前の肩書は、「文部科学省科学技術・学術政策局長」です。これは、文部科学省の内部部局である科学技術・学術政策局のトップの肩書であり、科学技術・学術に関する政策の立案や科学技術関係の人材育成など、まさに日本の科学技術政策を総合的に司る部局です。
過去に科学技術・学術政策局長となった人物の中には、後に文部科学省事務次官に就任した方もいます。佐野太容疑者が事務次官候補と言われていた理由も納得できます。
大学受験は人生の大きな岐路です。希望の大学に合格できず、何年も浪人する人もいます。ましてや、佐野太容疑者は大学教育にも関係する立場であったにも係らず、自身の地位を利用して息子を裏口入学させた疑いをもたれています。
文部科学省は、2016年度から「私立大学研究ブランディング事業」を開始していました。これは、特色ある研究を打ち出す私立大学を「私立大学研究ブランディング事業」に認定し、認定された私立大学には、文部科学省から私学助成金が増額されるという仕組みになっています。
東京医科大学は、ここ数年、心臓手術を受けた患者の死亡事故が発生したほか、2005年から2007年にかけて博士号学位審査に係った教授が大学院生から現金を受け取っていたことが発覚するなど不祥事が相次いでいました。
こうした不祥事から、東京医科大学では、これまで支給されていた補助金が一部打ち切られる可能性が出てきました。東京医科大学が佐野太容疑者に賄賂を贈ってまで「私立大学研究ブランディング事業」認定を得ようとしたのは、こうした背景があったとされています。
佐野太容疑者は、文部科学省の中で「私立大学研究ブランディング事業」の決定権を持つ立場にありませんでしたが、文部科学省での経歴から私立大学の監督行政に知見があり、この自身の知見と引き換えに息子の受験点数を加点するよう東京医科大学に求めたと見られています。「私立大学研究ブランディング事業」に認定された場合、東京医科大学には、5年間に1億5千万円の助成がなされる見通しでした。
実は、佐野太容疑者が東京医科大学に求めた「息子の受験点数の加点」が、賄賂として認められたケースは今回が初めてです。これまでに明らかになった賄賂を伴う贈収賄事件は、そのほとんどが現金や換金可能な株が賄賂として使われていました。佐野太容疑者のように、「息子の受験点数の加点」を求めたケースがほかにもあるかは不明ですが、私学行政のプロという自身の肩書を利用した卑劣な手口であると言えるでしょう。
東京地検に逮捕された佐野太容疑者は、今後どうなるのでしょうか。また、彼が失ったものとは何でしょうか。ここでは、裏口入学したとされる佐野太容疑者の息子の噂も交えてまとめました。
佐野太容疑者は、逮捕前にどれほどの給与を得ていたのでしょうか。参考となるのは、内閣官房内閣人事局が公開している国家公務員の俸給表です。前述したとおり、佐野太容疑者は「文部科学省科学技術・学術政策局長」でした。これは、俸給表の本府省局長クラスにあたると思われます。このクラスの年収はなんと1729万1千円です。
また、佐野太容疑者の逮捕時の年齢は58歳でした。そのため、あと2年勤めれば定年退職を迎える予定でした。その退職金額を推定すると、何と5,000万円にものぼります。今後、裁判で佐野太容疑者の罪が確定した場合、文部科学省は彼を懲戒免職すると想像されます。
懲戒免職になった場合、当然ですが退職金5,000万円は支払われません。佐野太容疑者は、裏口入学と引き換えに大きなものを失ってしまったと言えるでしょう。
佐野太容疑者の息子の氏名や顔写真は、ネット上に出回り始めている模様です。今後、出回り始めた氏名等がネット上から消えることは難しいでしょう。
佐野太容疑者と息子のどちらが裏口入学を希望したかは分かりませんが、佐野太容疑者は、子供を持つ父としても官僚としても大きな過ちをしてしまったと言えるでしょう。
東京医科大学に裏口入学したとされる佐野太容疑者の息子の氏名や顔写真は、ネット上に出回り始めている模様です。今後、彼の名前や顔写真が消えることは一生ないでしょう。
また、あくまでネット情報ですが、すでに息子は入ったばかりの東京医科大学を休学しているとの噂が流れています。裏口入学がこれだけ報道されては、本人も大学に通学するどころではないでしょう。
佐野太容疑者と息子のどちらが裏口入学を希望したかは分かりませんが、子供を持つ父としても、官僚としても、佐野太容疑者は大きな過ちをしてしまったと言えるでしょう。
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佐野太容疑者は、文部科学省で科学技術・学術政策局長を務めていた人物です。佐野太容疑者は、東京医科大学に対して、文部科学省が実施している「私立大学研究ブランディング事業」で有利な取り計らいを行う代償として、東京医科大学を受験した自身の息子の入学試験の点数を加点するよう求めた贈収賄罪に問われています。
教育行政を司る行政機関に勤めているにも係らず、息子を大学に裏口入学させたその手口とはどのようなものだったのでしょうか。