漫画の概念をも変えた天才漫画家、手塚治虫の作品をご紹介します
2021/12/06
engine
司馬遼太郎、お好きですか? 大好き? 知らない?
歴史好きなら一度は耳にしたことがあるはずの司馬遼太郎ですが、今の新選組人気の大元になっていることは知っていましたか?
初めて聞く方はどうぞこのおすすめ記事から、読み慣れている方も、もう一度司馬遼太郎の新選組作品を読んでみませんか?
司馬史観という視点を築いた歴史小説の大家
大正12年(1923)大阪市生まれの司馬遼太郎は、『梟の城』で第42回直木賞を受賞したほか、様々な輝かしい小説賞を受賞した歴史小説の大家です。
独特の司馬史観と呼ばれる歴史観を持ち、後世の作家に多大なる影響を与えた作家の一人。
平成3年に文化功労者を平成5年に文化勲章を受章し、『竜馬がゆく』、『国盗り物語』、『街道をゆく』など、数多くの作品を残し、平成8年(1996)、惜しまれながらこの世を去りました。
執筆にいそしむ司馬遼太郎
司馬遼太郎は、新選組をプラスイメージで世に広く知らしめた最大の功労者です。
それまでは、新選組は悪の権化のように言われ、人殺し集団というマイナスイメージで扱われていました。
司馬遼太郎が子母澤寛の作品をベースに人間・新選組を描いたことで、一気に人気が出たと言われています。
【遺言】 司馬遼太郎が残した数々の格言・名言集
司馬遼太郎は数々の名言を残しています。静かなBGMとともに紹介される名言が胸に迫って、感動を呼ぶ動画です。
街道をゆく1 「オホーツク街道」 司馬遼太郎
司馬遼太郎のライフワークの一つ、紀行文学「街道をゆく」。どこか郷愁を誘う音楽にのせて、落ち着いたナレーションが流れます。
司馬遼太郎作品は独特の世界観で、どれもおすすめしたいのですが、今回は新選組作品に絞ってご紹介します。
あなたのおすすめ隊士は誰ですか?
新選組の旗
新選組の旗。誠の一文字を染め抜いたものだったと言われています。
グッズ好きの方には小さなものなどをお部屋に飾るのもおすすめ。
新選組の隊服、だんだら羽織
新選組といえば、これ!ですが、実際にはあまり使われなかったようです。
とはいえ、新選組好きには一番のおすすめグッズ。部屋着にもできます。
司馬遼太郎 『新選組血風録』
新選組の隊士たちがいきいきと描かれた短編集です。
1965~1966年、1998年、2011年と、3回テレビドラマ化され、1999年には大島渚監督によってこの短編集のうちの二編、『前髪の惣三郎』と『三条磧乱刃』をベースにした『御法度』が映画化されました。
司馬遼太郎初心者、新選組初心者の方にもおすすめしたい一冊です。
【各短編題名】
『油小路の決闘』 『芹沢鴨の暗殺』 『長州の間者』 『池田屋異聞』 『鴨川銭取橋』 『虎徹』 『前髪の惣三郎』 『胡沙笛を吹く武士』 『三条磧乱刃』 『海仙寺党異聞』 『沖田総司の恋』 『槍は宝蔵院流』 『弥兵衛奮迅』 『四斤山砲』 『菊一文字』 (全15編)
『虎徹』
近藤勇は虎徹の刀が欲しかった。刀屋へ行き、虎徹を一振り求めたが、それは贋作で……。
近藤勇は何振りも虎徹を持っていたが、という有名な短編。しかし司馬遼太郎はこの作品で近藤勇をけなしたかった訳ではないと感じます。信じたことを曲げない、頑固で古風な武士の姿を強く感じさせる佳作です。
『前髪の惣三郎』
新選組に加納惣三郎という美少年が入隊した。近藤付きの小姓にしたが、その色香に惑わされる隊士が続出して……。
映画にもなった一編です。何を考えているのか分からない美少年・惣三郎が妖艶で不気味な雰囲気を醸し出します。
『沖田総司の恋』
労咳(結核)を患った沖田総司は、訪れた先の医者の娘に淡い恋をするが……。
まるで青春小説のような甘くて淡い恋の物語。司馬遼太郎はもしかしたら沖田総司という人物を特に気に入っていたのかもしれません。ちょっと切ない恋を読みたい方におすすめ。
『菊一文字』
沖田総司は懇意にしている刀屋で菊一文字と呼ばれる、一文字則宗の刀に出会う。刀屋の主人の計らいで、本来持てないような名刀を手にした沖田だったが……。
沖田の気遣いが全編に渡ってあふれています。司馬遼太郎のイチオシ隊士は、やはり彼なのでは? と思わせる、作者の愛情に満ちた一編。最後がちょっと悲しいけれど、ぜひとも読んでいただきたいおすすめの一編です。
司馬遼太郎 『燃えよ剣』
新選組副長として新選組を支え続けた土方歳三の生涯を鮮やかに描いた長編小説。
1966年、1970年、1990年にテレビドラマ化、1966年に映画化されたほか、2004年に舞台化もされています。
司馬遼太郎の代表的な作品の一つです。
燃えよ剣 上・下 (新潮文庫版)
上下巻に分かれているものもあります。
表紙のカッコいい渋さから、こちらをおすすめする方も多いです。持ち運びもコンパクト。
『燃えよ剣』(もえよけん)は、司馬遼太郎の長編歴史小説。新選組副長土方歳三の生涯を描く。1962年(昭和37年)11月から1964年(昭和39年)3月にかけ『週刊文春』に連載され、単行本は新潮社で上下巻にて刊行、現在は新潮文庫上下巻(改版2007年)で重版している。
バラガキのトシ、という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。
この作品はその石田村のバラガキのトシこと土方歳三を主人公にした、色気あり、チャンバラあり、友情ありの盛りだくさんな長編歴史小説です。
司馬遼太郎初心者、新選組初心者はもとより、ちょい悪イケメンファンにもおすすめします!
1965年のテレビドラマ 『新選組血風録』
キャストは
土方歳三・栗塚旭
沖田総司・島田順司
近藤勇・舟橋元 ほか
監督は河野寿一、佐々木康、高見育男
昔の映像ですが、渋い役者さん揃いでおすすめです。
沖田総司の恋 新選組血風録
映像のほんの一部ですが、懐かしい音質と画像です。音羽の滝のシーン。
ほのぼのとした雰囲気で、おすすめです。
1998年のテレビドラマ 『新選組血風録』
キャストは
近藤勇・渡哲也
土方歳三・村上弘明
沖田総司・中村俊介 ほか、ビッグネームが揃っていて見応え充分。
各種イケメン好きにおすすめ。
監督は工藤栄一、松尾昭典、斎藤光正、舛田利雄、南野梅雄、上杉尚祺
2011年のテレビドラマ 『新選組血風録』
キャストは
土方歳三・永井大
近藤勇・宅間孝行
沖田総司・辻本祐樹 ほか
第8回には長坂小十郎役として、綾野剛も出演しています
最近の作品なので、若い方にもおすすめです。
制作統括は後藤高久、加賀田透
洋装の土方歳三を演じる永井大
主役の永井大が土方の優男風の雰囲気をよく表しており、土方を鋭い美貌の俳優が演じることも多い他の映像作品と少し違った雰囲気を味わえるので、こちらもおすすめ。
ポーズをスタッフがリクエストして撮ったという写真
撮影の合間にはこんな一幕もあったようです。
土方歳三は多摩で家業の薬売りをしていた時には人当りがよかったそうで、そんな雰囲気も彷彿とさせるような、おすすめの一枚。
1970年のテレビドラマ 『燃えよ剣』
キャストは
土方歳三・栗塚旭
近藤勇・舟橋元
沖田総司・島田順司 ほか
渋い、爽やか、朴訥など、いろいろなタイプの実力派俳優が揃った名作。
昭和の作品好きにもおすすめ。
監督: 河野寿一、松尾正武、佐々木康
1963年に公開された、『新選組血風録 近藤勇』(東映)が司馬遼太郎『新選組血風録』の初の映像化作品です。(参考画像なし)
『新選組血風録 近藤勇』(しんせんぐみけっぷうろく こんどういさみ)は、1963年(昭和38年)5月12日公開の日本映画である。東映製作・配給。監督は小沢茂弘、主演は市川右太衛門。
1999年の映画 『御法度』
キャストは
土方歳三・ビートたけし
加納惣三郎・松田龍平
沖田総司・武田真治
田代彪蔵・浅野忠信
近藤勇・崔洋一 ほか、個性派実力俳優揃い。
また、音楽を坂本龍一、衣装をワダエミが手掛けたことでも話題になった映画です。
主演の松田龍平はこの作品でデビューし、妖艶な演技で新人賞を総なめにしました。
松田龍平ファンにぜひともおすすめしたい一作です。
神田うのの演技も高く評価されました。
監督・脚本:大島渚
立川談志 朗読『新撰組血風録』菊一文字 part1
落語家、立川談志の朗読です。落ち着いた中にも情景が目に浮かぶような名調子で、聞いていて心地よいです。一日の終わりのひとときなどにおすすめです。
新選組といえば、まず刀を思い浮かべるのではないでしょうか?
司馬遼太郎の作品の中でも、刀は頻繁に登場します。
新選組にゆかりのおすすめの刀をちょっとご紹介します。
土方歳三愛用の刀の押形(おしがた)
押形とは、刀の姿や刃文などを描いた絵図のこと。
土方歳三の愛用の刀と伝わる、和泉守兼定の押形です。
土方歳三資料館で販売されていましたが、あまりの人気に、現在品切れだそうです。
本格的なものなのでぜひともおすすめしたいのですが、残念。
これは司馬遼太郎の小説、『燃えよ剣』の作中で出てくる、之定の愛称で親しまれる美濃(岐阜県)の名刀匠、二代目和泉守兼定の作品ではなく、新選組の雇い主である会津藩お抱えの刀匠、会津十一代和泉守兼定の作とされています。
刀剣関係者によると、過去に刃こぼれがあったものの、その状態の良さから、この刀は主力としては使われていなかったのでは、とのこと。土方は同じ会津十一代兼定を複数所持していた可能性もあるとか。
近藤勇の愛刀? 長曾根虎徹
司馬遼太郎の『新選組血風録』の中に、『虎徹』という短編があります。
近藤が虎徹を数振り持っている、というお話が出てくるのですが、これがその長曾根虎徹入道興里です。
ちなみに、近藤が虎徹だと信じて一番大事にしているのは実は源清麿の刀だ、というエピソードがあるのですが、実際はひと目見ただけで違いが分かるのだそうで、司馬遼太郎はそんなところにも近藤の頑固さを表したのかもしれません。
博物館などで展示される機会も多い刀匠ですので、こまめにチェックして見に行かれることをおすすめします!
いかがでしたか? もっとおすすめしたい作品はたくさんあるのですが、これをきっかけにして司馬遼太郎の世界に足を踏み入れていただければ嬉しいです。
この記事に関する記事
Copyright© 運営事務局