2016/08/03
nikutama298
石田スイのデビュー作。現代の東京を舞台に、人の姿をしながら人肉を喰らうことで生きる怪人達「喰種」(グール)をテーマにした作品。コンセプトはダーク・ファンタジーとなっているが、サイエンス・ファンタジーの要素もある。
集英社の『週刊ヤングジャンプ』にて2011年41号より連載開始。2014年42号まで連載された後、新編となる『東京喰種トーキョーグール:re』(トーキョーグール アールイー)が、同誌2014年46号より連載開始された。
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人「喰種」が蔓延る東京。上井大学に通う青年カネキは喰種・リゼに襲われ瀕死となるが、鉄骨の落下により捕食は免れる。しかしその後、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。
金木 研(かねき けん)
東京グール第一部の主人公である青年。12月20日生まれのいて座。血液型AB型。愛称は「カネキ」。
佐々木 琲世(ささき はいせ)
東京グール第二部『:re』の主人公である青年。4月2日生まれのおひつじ座。血液型AB型。髪色は毛先が白髪、生え際は黒髪のツートンカラー。愛称は「ハイセ」。
喰種捜査官であり、第一部エピローグ時は三等捜査官。『:re』では一等捜査官、オークション掃討戦後からは上等捜査官。
その実、嘉納による喰種化実験の被害者であり、CCGでは通常時は人間として扱われているが、暴走した場合はSSレート喰種「ハイセ」として駆逐されるということが取り決められている。また過去20年間の記憶を失っているが、過去を思い出すことを自身の死と同意義と考え、非常に恐れている。
ご覧のとおり、東京グールには二人の主人公がいます!
そして、主人公は本当に二人なの…??という噂や疑問もたくさんありますね。その不思議さ、意味深さもこの作品の魅力の一つと言えるでしょう。
また、東京グールには物語をさらに楽しめる多くの伏線が隠されています。以下より、その伏線について解説していきます!
東京グールの絵の中にはタロットカードにかかわる数字が多く隠されている…という伏線はあるのは有名な話です。熱心な読者は読みながら絵の中に隠された数字を探してしまうほどなのだそうですよ。
それではキャラクターに割り当てられた数字、その意味と込められた伏線について見ていきましょう!
まず、主人公金木くんにはタロットナンバーの「12」という数字が割り当てられています。その証拠として、金木くんが描かれた絵の中の一部に数字の「12」が隠されているのです。
腕の部分の影が数字の12に見えます。
首の部分、洋服の襟が12に見えます。
☆タロットカード12…『吊られた男』
犠牲、献身、慈愛の精神を意味する。自分のことよりも相手のことを優先して考える献身的な姿勢。 慈愛の精神が強く、自己犠牲の念もあるので、時には不都合なこともある。
東京グールに出てくる主人公金木くんが好きな作家・高槻泉の8作目にあたる作品のタイトルは「吊るし人のマクガフィン」。こちらも、金木くんに割り当てられたタロットナンバー12に関連深いようです。
什造はヘアピンが明らかに13を示しているので非常にわかりやすいですね。
また、什造→ジューゾー→十三と、名前でも書き換えることもできます。
☆タロットカード13…死神
苦境や終末、解体を意味する。物事を辞める事や、根本的な部分から考え直す必要性を表すカード。行き詰った状況を打開し、新しい状況を迎えるための方向性を示す。
さらに、東京グール:reで黒髪になった什造は、途中でヘアピンが数字の20に変わります。タロットナンバー20の意味を見ると、什造が無印時代に比べて確実に更生、成長していることがわかりますね!込められた数字の意味で、キャラクターの変化を垣間見ることができるという、予想外な伏線が生かされています。
15が意味する「悪魔」が東京グール無印の滝澤に描かれたことによって、東京グール:reに物語が継続するにあたり、この伏線のために不穏な噂がささやかれました…。
涙の跡が数字の15に見えます。
☆タロットカード15…『悪魔』
嫉妬、欲望を意味する。混沌とした状況の中、不安や欲望ばかりが膨れ上がり、状況が見えずに悲観的になってしまい、何をしても空回りになってしまったり、何もする気力が湧かない状況を表す。
アキラに描かれた数字14。そこに秘められた伏線、その意味である正位置の「堅実な姿勢」はアキラそのもの。また反転の意味では「混乱」や「問題」といった、アキラが胸の内で抱える葛藤が描かれていると考察することができます。
涙の跡が14に見えます。
ただ、反転して読み取ったものなので
逆位置として読み取ってみると
☆タロットカード14逆位置…
混乱した状況や、問題を抱え、次第に立場や考えが曇っていく過程を表す。失敗。不安定。
有馬貴将のスピンオフとして、東京グールJACKという漫画があります。
JACKはトランプで言うところの11なので、必然的にタロットナンバー11が有馬さんの数字であることが伏線として感じられます。その意味は「正義」。CCGに所属する彼にふさわしいナンバーと言えるかもしれません。
さらに、有馬さんには数字の13が現れることもあります。
東京グール無印の13巻表紙も有馬さんでしたね。
洋服の襟の部分が数字の13に見えます。
CCGの死神と言われる男は「正義」なのか、それとも…。
二つの数字が割り当てられたことで、有馬貴将という男に秘められた伏線の意味深さが増してきますね!
なんと東京グールの絵の中には数字意外にも絵の中に多くの伏線が隠されていました!
以下よりその画像を見ていきましょう。
死に際のビッグマダムの口の中に英語の“lie”の文字が見えます。
これは、什造への愛の裏返しであるという伏線なのでは…?と読者の間では考察されているようです。
こちらはオウル化した滝澤の混沌とした台詞の中に隠された文字。
「おれが たべたんだ かあちゃんの ないぞう」と読めます。
これが本当なら、巧妙に隠されたとてつもなく恐ろしい伏線と言えますね…。
滝澤がCCG捜査官時代に描いた遺書。
文字の上から死にたくないと書きなぐっていますが、実はこれがちょうど文字列の「し」の部分にかぶっていて、「し」がない、ということから「死がない」という伏線であるとされています。
さらに、東京グールには様々な癖を持つキャラクターが登場します。
金木くんを拷問した凶悪喰種、ヤモリ。彼の癖は内に秘めた凶暴性が滲み出た時に「指の骨を鳴らす」というものでした。
拷問後の髪が白くなった金木くんは、ヤモリの癖を継いで戦いの前に指の骨を鳴らすようになります。本来優しい心根の金木君が甘さを捨てて戦いに備えるための合図のように見えますね。
さらにハイセも指パキをしていました。これはハイセが金木くんであることが確定する前の絵なので、初めて見た時は本当に胸躍りましたね!!
何かごまかしたり、嘘をつく時に顎を触るという癖を持つことが親友のヒデの口から明らかになった金木くん。このエピソードが出た後に東京グールを読み直すと、あらゆるところで金木くんが顎を触っていることに気付きます。そして、彼の発言と顎の癖を振り返ると、そこに様々な伏線が隠されていたことがわかるのです…。
こちらの癖もハイセもやっていました。「幸せなんです」という台詞と共に顎を触られると、その意味を知っている読者から見ると切ないですね。ハイセは一見穏やかで落ち着いているように見えますが、その裏では多くの葛藤を抱えているという伏線であるのがわかります。
そして驚いたことに、元々この癖は金木君のお母さんの癖だったのです。回想シーンで描かれたこの絵は、多くの読者を驚かせました。
公式には宣言されていませんが、ヒデが考える時にするこの頬に手を当てるポーズも作品内に多く見られます。
そして東京グール:reでは、ハイセが同じポーズをしているシーンが多くあります。
これは、金木くんが最後にヒデに会った時に起こったことに起因したものなのか、それともハイセ(金木くん)がかつての親友だったヒデの癖を無意識に真似ているのか…。色々な考察ができそうですが、真実は謎のままです。
いかがでしたでしょうか??
東京グールの中に出てくる伏線とその意味について解説してきました。東京グールにはまだまだ多くの謎が残されており、作者である石田スイさんはたくさんの伏線をこの作品の中に隠しているんです!
東京グールは現在、週刊ヤングジャンプで東京グール:reとして続編が連載されています。興味をもたれた方には、ぜひこの隠された謎を追いながら漫画・東京グールを読んでみて欲しいですね!
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