ドラえもん「のび太と雲の王国」をもう一度!【画像・動画あり】
2016/08/03
まぁぴょん
監督 芝山努
脚本 藤子・F・不二雄
原作 藤子・F・不二雄
製作 シンエイ動画、テレビ朝日、小学館
製作総指揮 藤子・F・不二雄
出演者
【レギュラー】
大山のぶ代
小原乃梨子
野村道子
たてかべ和也
肝付兼太
【ゲスト】
伊藤美紀
高乃麗
丸山詠二
音楽 菊池俊輔
主題歌 雲がゆくのは…/武田鉄矢
編集 岡安肇
配給 東宝
公開 1992年3月7日
上映時間 100分
子供なら、1度は雲の上に住んでみたいとか、雲の上に乗れるのだろうか?とか、雲って綿あめみたいな味がするのかな?なんて考えたことがあると思うのですが、「ドラえもん のび太と雲の王国」って、まさに、発想は子供のものなのですが、内容は大人でも楽しめるようなシリアスな内容になっているんですよね。
雲の上には本当に天国があると信じてそれを馬鹿にされたのび太に、ドラえもんは雲の上に自分たちで天国(理想の王国)を作ろうと提案する。
紆余曲折があったものの、仲間たちの協力を得て雲の王国はついに完成。
いつものび太の提案に、快く賛同してくれるドラえもんや仲間達がいて、本当に、のび太って幸せですよね。
「ドラえもん のび太と雲の王国」の話も、そんなのび太の思いつきから始まっているのですね。
しかも、ちゃんと雲の王国は、みんなの協力を得て出来上がります。
その雲の王国で遊んでいたドラえもんとのび太達は、天上人の住む世界があることを知ります。
しかし、王国で遊んでいる途中偶然に、本当に天上人の住む雲の上の世界があることを発見する。自然に恵まれ絶滅動物が多数生息するその雲は、絶滅動物の保護地区だった。
普通、天上人と聞くと、天上に住む人達なので、みんな神様のような善人だと思うと思うのですが、「ドラえもんと雲の王国」に出てくる天上人は、ちょっと違っています。
天上人は、雲の王国で遊ぶドラえもんやのび太達、地上人を狙っていたのです。
そこの監察員パルパルに連れられ、施設に移動する5人。友好的に見えたパルパルだが、天上界では「動植物と地上人をあらかじめ天上界に避難させ、大洪水で地上文明を洗い流して破壊する」という恐ろしい方策「ノア計画」が実行されようとしていた。
旧約聖書に「ノアの方舟」の話が出てきますが、この「ノア計画」は、その「ノアの方舟」を参考にしたのではないでしょうか。
雲の王国の総工費を捻出するために、株式制を採用するところなどは、ただ簡単にドラえもんの道具を使って作った王国とは違って、リアリティがありますよね。
しかも、大株主がスネ夫だというから、笑ってしまいます。
ドラえもんが高度から落下したのび太を救うため、雲固めスプレーを使用して作った雲の大地。そこへ他のひみつ道具を用いて作った王国(実際は金銭上の理由から1株100円の株式制を採用した「株式国家」)。総工費のうちほとんどをスネ夫が出した(スネ夫・3万円=300株につき大株主。静香は100円で1株、ジャイアンは50円で半株)。
ドラえもんとのび太が作る雲の王国に、他の3人が投資をしてくれたということになるのでしょうか。
ドラえもんの秘密道具を使って作った雲の王国には、一体どんなものがあるのでしょう。
小さな国であるが、山、谷、川、滝、湖など基礎的な自然物があり、レストラン、図書館、ゲームセンター、野球場、テニスコートなどの施設が充実している。労働力・遊び相手として、雲の切れ端にロボッターを入れて作った雲ロボットが多数いる。
ドラえもんとのび太が作った雲の王国には、だいたい地上にあるものと同じものがあって、唯一違うところは、労働力兼遊び相手を雲で作っているところでしょうか。
発想がユニークですよね。
そうやって、ドラえもんと一緒に作ってできた雲の王国で遊ぶみんなには、のび太が役職を与えたのですが、一番美味しい国王の役がのび太で、王妃がしずかちゃんって、一体誰が決めたのでしょうね。(笑)
役職としては、のび太が国王、しずかが王妃、ドラえもんが総理大臣、スネ夫がナンデモ大臣、ジャイアンが召し使い(国王以外はのび太の任命)。ただし映画の中で名乗ったのはのび太の王様とスネ夫の大株主のみ。
よくのび太がジャイアンを召し使いに任命した時、あのジャイアンが納得しましたよね。信じられません。(笑)
スネ夫にしても、大株主なので、本来なら一番発言権を持っていると思うのですが、ドラえもんとのび太が作った雲の王国だからなのか、のび太の意見が尊重されています。
やはり主役の意見は無視できないようです。
ドラえもんとのび太が作った雲の王国でしたが、地上人を目の敵にしている天上人が立てたノア計画によって、滅ぼされようとしていたところに、天上連邦への報復を目論む密猟者達に雲の王国は占拠されてしまいます。
ノア計画によって地上文明を滅ぼそうとしている対天上連邦の対策として、後に「雲戻しガス」を応用した主砲が開発され、雲の上に存在する天上連邦側にとっては最大の脅威となっている。また、元々王国自体が多少の攻撃では無傷である事もあって、まさに無敵の機動要塞と呼べる代物となったが、天上連邦への報復を目論む密猟者達に王国を占拠されてしまった為、最終的にはドラえもんの捨て身の特攻によって、王国の雲戻しガスが凝縮されたガスタンクが破壊され、王国は崩壊の末路を迎えた。
結局、ドラえもんとのび太が作った雲の王国は、ドラえもんの手によって崩壊されることになったのです。
この「ドラえもん のび太と雲の王国」に登場する天上世界(天上連邦)って、宇宙人が住む惑星のようでもあり、天使が住む天国のようでもあり、また、マチュピチュやマヤ、エジプトなどで文明を築き上げた古代人が住んでいる国のようでもありますよね。
12の雲から成り立つ連邦国家。大統領を頂点にした州制度を用い、首都は中央州中央市。宇宙との交流が盛んであり、テクノロジーは地上よりもはるかに高い。ここに住む人間は天上人と呼ばれるが、生物学的には地上人と同一。容姿ともに変わらないが、元首、要人、役人等は皆背中に羽の生えた衣服を身に着けており、その羽で空を飛ぶことが可能。創世神話によれば、戦争により高地に移住した古代人が、彗星落下によって発生した特殊なガスにより、固体化した雲に乗ることを発見、移民した末に発展した国家であることが示唆されている。
特殊なガスで雲を固体化して、雲に乗ることが出来るというところなどは、もしかしたら、本当にそんなことができる日が来るのではないかと思わせる夢のような発想で、いかにもドラえもんのストーリーらしいですよね。
クリーンエネルギーは、現代社会でも取り組まれている重要な課題ですが、それをドラえもんの映画でも取り上げられているなんて、是非、子供と一緒に大人にも見て欲しい映画ですよね。
事実上地上資源が使えないために、酸素・水等から合成した食料および太陽光によるクリーンエネルギーの技術が発展。地上との接触を避けつつ、太古から絶滅危惧種の保護に力をいれ、結果として地上で絶滅した動物・植物が生き残っている。
聖書に出てくる天国は、人間に対してとても好意的に描かれていますが、確かに、ノアの方舟のように、神の怒りに触れた人間達が、洪水によって一掃されてしまうという話もあります。
以上のことからのび太たちから最初は天国と称されるが、実際は地上からの公害が原因で年々人口が減少し続けている。彼らの多くが地上人に対する態度が非好意的かつ横暴で、「ノアの箱舟計画」が終了した後には、一時収容した地上人に、洪水によって崩壊した世界での生活を強要しようとしている独善的な点や、既に収容している地上人に発信機付きの指輪で管理下においていることからもそれがうかがわれ、天上人の製作した天上界誕生に因んだ映画である「天国の誕生」においても、地上人を一方的に悪人とする内容になっている。基礎技術の違いにより強力な軍隊や警察などを有し、地上世界に危機感を持っている。
映画「ドラえもん のび太と雲の王国」に登場する天上人は、このノアの方舟で助かった一握りの人間や動植物以外の、多くの人間に怒りを感じている神のことを指しているのかもしれません。
天上人を脅かしていた地上人と天上人との間で起きる様々な駆け引きは、結局、密猟者という悪役が登場することで、どちらも滅亡せずにすみます。
あくまでもノア計画を強行的に進めようとしたが、それの対策に出たドラえもんが用意した雲戻しガスの主砲を密猟者達が使った結果、エネルギー州の雲が失われ、事実上、ノア計画の実行は不可能となった。しかし、ドラえもんの捨て身の特攻によって主砲を設置していた雲の王国が崩壊した為、天上世界そのものの滅亡は免れる事になり、最終的に天上連邦の人間達は植物星へ移民する事になった。
天上人にとっても地上人にとっても共通の「悪」だったのが密猟者だったのですね。
天上人と地上人、双方にとって共通の「悪」が存在することで、お互いのために、その共通の「悪」を倒そうと、同じ方向を向くことが出来たということなのでしょう。
映画「ドラえもん のび太と雲の王国」って、とても奥が深い作品なのですね。
映画「ドラえもん のび太と雲の王国」は、大人も子供も見ていて考えさせられる作品になっていると思うので、是非、親子でご覧になってみてはいかがでしょうか。
ドラえもん のび太と雲の王国 登場人物1
ドラえもん のび太と雲の王国の登場人物で、天上世界の絶滅動物保護州管理員の女性。普段は優しい態度をとっているが、グリオと同じく地上人を強く敵視しており、ノア計画が横暴な物であることを承知していても、あくまでも地上人が全面的に悪いと考えている。しかし、ドラえもん達と行動を共にするうちに、地上人の全てが悪人ばかりではないと、理解を示すようになっていく。ゲストとしては『のび太の魔界大冒険』の美夜子に続いてのび太らよりも年上の女性キャラクターであり、のび太らを諭したり味方となるシーンもある。
ドラえもん のび太と雲の王国 登場人物2
ドラえもん のび太と雲の王国の登場人物で、てんとう虫コミックス35巻収録『ドンジャラ村のホイ』に登場した、小人族の少年。ドラえもんとのび太に移住させてもらったアマゾン奥地にも開発が進むようになり、天上人によって天上世界の絶滅動物保護州へと移住した。後にノア計画を阻止しようとしたドラえもんらを擁護した。名の由来は童謡「森の小人」の歌詞からで、初出話のアニメでもこの歌が流れた。
ドラえもん のび太と雲の王国 ひみつ道具1
ドラえもん のび太と雲の王国に登場したひみつ道具、雲よせ機(くもよせき)は、「雲の中のプール」(てんとう虫コミックス14巻に収録)、『ドラえもん のび太と雲の王国』に登場する。
空中で雲を吸い寄せることのできる電気掃除機のような道具。「うき水ガス」や「雲かためガス」を使う際、周囲の雲を集めて大きな雲を作るために用いる。
道具の名称は『ドラえもん のび太と雲の王国』が初出。
ドラえもん のび太と雲の王国 ひみつ道具2
ドラえもん のび太と雲の王国に登場したひみつ道具、雲かためガス(くもかためガス)は、「未来世界の怪人」(てんとう虫コミックス4巻に収録)、「長い長いお正月」(同23巻に収録)、「ひるねは天国で」(同34巻に収録)、「ジャック豆」(てんとう虫コミックススペシャル『ドラえもん カラー作品集』1巻に収録)、『ドラえもん のび太と雲の王国』の5作品に登場する。『ドラえもん のび太と雲の王国』の映画版では「雲がためガス」とも呼んでいる。
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