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    「ショーシャンクの空に」のラストメッセージ・『アレン・グリーン』とは?

    1994年公開の映画「ショーシャンクの空に」。冤罪で投獄された主人公が刑務所の中でも希望を失わずに生きるヒューマン映画です。映画の最後に「アレン・グリーンを偲んで」と出ますが、このアレン・グリーンとは一体誰?映画のあらすじや名言・矛盾点についても紹介します。

    映画「ショーシャンクの空に」について

    映画「ショーシャンクの空に」は、1994年にアメリカで公開され、日本では翌年の1995年に公開された作品です。原作は誰で、あらすじはどんなものかなどを紹介しましょう。

    1994年公開のアメリカ映画

    「ショーシャンクの空に」の原作は、アメリカのモダン・ホラー小説家スティーブン・キングさんの中編小説「刑務所のリタ・ヘイワーズ」で、監督は、本作で劇場監督デビューしたフランク・ダラボンさん

     

    アメリカでは興行的には成功しませんでしたが、アカデミー賞7部門(作品賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、他)にノミネートされました。日本では、劇場でもヒットし、1995年度の第19回日本アカデミー賞の外国語映画賞、毎日映画コンクール・外国映画ベストワン賞、キネマ旬報ベストテン・外国映画作品賞・読者選出外国映画ベストテン1位を獲得しています。

    「ショーシャンクの空に」の主なあらすじ

    映画「ショーシャンクの空に」は、妻とその愛人を射殺した容疑で終身刑を受け、ショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディが主人公です。

     

    冤罪なのに投獄され、獄中で数々のいじめに苦しむアンディでしたが、希望を捨てず自由を手入れる明日を信じて獄中の日々を送り、古株の囚人レッドとも親しくなっていきます。ある時、アンディの妻を殺した真犯人を知るという男トミーが入所してきました。

     

    アンディは監獄の所長に再審請求を願い出ますが、所長の反感を買い、懲罰房に入れられてしまいます。この出来事を機に刑務所からの脱獄を決意したアンディ。

     

    そして、長い時をかけてアンディは穴を掘り進めていきますが…

    実話ではないがモデルとなる人物はいた

    「ショーシャンクの空に」は、実話ではないかと言われることがあるそうですが、フィクションです。しかし、スティーブン・キングさんの原作には、モデルとなった人物がいるそうです。

     

    その人物とは、1957年に交通死亡事故を起こしたフランク・フレッシュウォーターです。彼は少年矯正施設に収監されますが1959年に脱獄。それから56年間も逃亡を続け79歳のときに警察に再逮捕されました。

    最後のメッセージ「アレン・グリーン」とは誰?

    「ショーシャンクの空に」で、映画の一番最後に出てくるメッセージの人物が誰なのか知りたい映画ファンも多いようですが、どんな人物なのかを調べてみました。

    「アレン・グリーンを偲んで」の意味

    アメリカ映画では、エンドロール直前などで関係スタッフやキャストの死に対して、追悼の意を示すことが非常に多いそうです。「ショーシャンクの空に」でも、最後に英語で「IN MEMORY OF ALLEN GREENE」と出てきます。

     

    日本訳で「アレン・グリーンを偲んで」という意味ですが、「アレン・グリーン」とは誰なのか、スタッフだろうか、また脇のキャストでは?といろいろ噂がたちました。

    アレン・グリーンは監督の古い友人

    アレン・グリーンさんは、監督フランク・ダラボンさんの古い親友で、彼が映画の完成前に亡くなったので、映画の最後に彼の名前を出し、追悼の意を表しているのだそうです。

    映画とは直接関係ない人

    監督フランク・ダラボンさんの親友アレン・グリーンさんは、映画「ショーシャンクの空に」のエージェント(芸能事務所担当者)をしていた人物だったそうです。

    「ショーシャンクの空に」の名言

    映画「ショーシャンクの空に」には、どんなメッセージが込められているのか、また映画の中で様々な名言が出てきますが、それについて調べてみました。

    この映画が伝えたいこと

    映画「ショーシャンクの空に」のメッセージは、どんな苦しい状況にいても諦めることなく希望を持つことが大切だということだと思われます。セリフにも、それを表す名言がいくつも出てきます。

    名言①「選択は2つだ。必死に生きるか、必死に死ぬかだ。」

    アンディの妻を殺した真犯人を知るトミーが殺されてしまい、無罪となって出所するという希望が断ち切られた彼がレッドに語った言葉が「選択は2つだ。必死に生きるか、必死に死ぬかだ。」です。

     

    希望の光が消えてしまっても前向きに必死に生きること、つまりアンディが「脱獄」を選択するシーンで、彼の不屈の闘志を感じさせます。

    名言②「希望はいいものだ。最高のものだ。」

    映画「ショーシャンクの空に」で、アンディが刑務所での一番の友だったレッドに向け、彼が出所したときのために置手紙を残しますが、その手紙にあった言葉は「希望はいいものだ。最高のものだ。」です。

     

    希望を持つことに否定的だったレッドに向けて、希望を持つことの素晴らしさや大切さを伝えています

     

    「ショーシャンクの空に」のメインキャスト

    映画「ショーシャンクの空に」の主役はティム・ロビンスさん、共演はモーガン・フリーマンさん、ギル・ベローズさん他です。キャストそれぞれの紹介や本作以外の出演作などを調べてみました。

    アンディ役のティム・ロビンス

    主人公アンディを演じたティム・ロビンスさんは、1958年10月16日にアメリカ・カリフォルニア州ウエストコビナで生まれました。童顔でありながら身長が195cmと大柄な俳優です。

     

    ロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」(1992年)でカンヌ国際映画祭・主演男優賞を受賞。他に、「ミスティック・リバー」(2003年)「未来は今」(2004年)「輝く夜明けに向かって」(2006年)に出演しています。

    映画監督としても活躍していて、自身が主演した「ボブ★ロバーツ」(1992年)、ロビンスさんのパートナーだったスーザン・サランドンさん主演の「デッドマン・ウォーキング」(1995年)、「クレイドル・ウィル・ロック」(1999年)などを撮っています。

    レッド役のモーガン・フリーマン

    レッド役のモーガン・フリーマンさんは、1937年6月1日にアメリカ・テネシー州メンフィスで生まれました。「ドライビングmissデイジー」(1989年)の運転手役でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し広く知られるようになりました。

     

    「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)でアカデミー助演男優賞を受賞し、その後も数々の作品で味わい深い演技を見せ、アメリカを代表する国際実力派俳優として現在も活躍しています。

     

    主な出演作に、「セブン」(1995年)、「バットマン  ビギンズ」(2005年)、「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2013年)などがあります。映画監督としても、「ボッパ!」(1993年)を撮っています。

     

     

    トミー役のギル・ベローズ

    トミー役のギル・ベローさんは、1967年6月28日にカナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーで生まれました。アメリカで活躍していて、1997年から始まったコメディドラマ「アリーmy love」の弁護士ビリー・トマス役で知られています。

     

    主な出演作に、「奥様は魔女」(1997年)、「かぞくのけんか」(2010年)、「スケアリーストーリーズ 怖い本」(2019年)などがあります。

    「ショーシャンクの空に」について知っておきたいこと

    映画「ショーシャンクの空に」に関して、刑務所はどこにあるかや真犯人は誰だったかなど、知っておきたい豆知識を紹介しましょう。

    ショーシャンク刑務所は存在しない

    映画の舞台となるショーシャンク刑務所はアメリカには実在していないらしいです。映画のセットはアメリカ・メイン州に作られました。ショーシャンク刑務所の全景は、オハイオ州マンスフィールドにある使用されなくなったオハイオ州立少年院を使っているそうです。

    真犯人は分からないまま

    映画「ショーシャンクの空に」で、アンディは妻と彼女の愛人を殺していませんでしたが、真犯人を知っているらしいトミーが亡くなり、結局最後まで真犯人が誰なのかは分からないまま映画は終わります

    矛盾点がいくつかある

    映画「ショーシャンクの空に」で、アンディはロックハンマーで20年かけて脱出用の穴を作り、その穴を映画スターのリタ・ヘイワーズのポスターを貼って隠します。ロックハンマーは小さく、20年かけたとしても穴を作るには無理があるのでは?と言われています。

     

    また、脱出後にポスターをキレイに貼り直し、気付かれないようにしていますが、穴の方から貼り直すと、ポスターがかなり歪んだ状態になってしまうはずです。協力者がいないとキレイに貼り直せないわけで、協力したのは誰なのかという疑問点に矛盾を感じてしまいます。

    今なお愛されているヒューマン映画「ショーシャンクの空に」

    映画「ショーシャンクの空に」は、1994年のアメリカ公開時はヒットしませんでしたが、AFI(アメリカ・フィルム・インスティチュート)の映画ベスト100シリーズでは、「感動の映画ベスト100」で23位、「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」で72位にランクしており、今では名作の一つとして愛されています。

     

    久しぶりに映画「ショーシャンクの空に」を見直し、心地よい感動に浸ってみるのもいいのではないでしょうか。

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