木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
2019/04/08 更新
1989年7月24日、大雪山山系旭岳で確認され、不可解な点が多いことから今もなお話題に上がるSOS遭難事件。現在一応の解決は見ていますが、それでも謎である部分は多いです。今回はそんなSOS遭難事件の真相について追ってみました。
SOS遭難事件という事件をご存知でしょうか?遭難者が残したSOSの文字が謎を呼んでいる事件です。この記事ではSOS遭難事件の謎と言われる点を説明し、真相に迫っていきます。
SOS遭難事件とは、北海道大雪山山系旭岳で1989年7月24日に確認された遭難事件です。謎が多く残されているものの遭難者は無事救助されたので一応の解決をみた事件です。
1989年7月24日、大雪山山系で登山中に行方不明になった東京都の男性2名を捜索していた北海道警のヘリコプターが、登山ルートから大きく外れた場所(旭岳南方の忠別川源流部)で、シラカバを積み上げられて造られたSOSという文字を発見します。
SOSの文字が発見された場所から2~3km離れた場所で、行方不明だった登山者2名は無事救助されました。北海道警はSOSの文字もこの2人が造ったものだとして聞き取りを行ったところ、2人は「いや、そんなもの知らない」と答えました。
遭難者はまだ別にいるのかと考えた北海道警察は翌日から改めて捜査を再開します。
北海道警察の再調査により、動物に噛まれた後のある人骨の破片と、「SOS]と叫ぶ若い男性の声が収められたカセットテープが発見されます。
その後人骨は旭川医科大学で鑑定され、遺留品や行方不明のリストなどから判断して、1984年7月ごろに遭難したとされる愛知県江南市の25歳会社員男性と特定されました。当初の鑑定では、人骨は女性のもの(血液型О型)だと判断されていたため、カセットテープに男性の声が録音されていたこと、発見された人骨は1人分だったこと、女性のモノだとされる遺留品が発見されなかったことなどから、捜査は混乱を極めました。
男女で登山に来ていたのではという説がでたので、複数人の人骨が無いかもう一度現場の捜索を再開しましたが、複数名の人骨はありませんでした。1989年7月28日に、旭川医科大学で行われた再鑑定により、男性の骨(血液型O型)と確定しました。
カセットテープにはSOSの音声のほかにアニメソングも収録されていたことから、男性はアニメオタクだったのではと言われています。収録されていたアニメソングとは「超時空要塞マクロス」や『魔法のプリンセス ミンキーモモ』の主題歌などです。カセットテープとともにノートも発見されたのですが、遺族の希望によりこのノートの内容は明かされていません。
またいくつかのテープケースにはアニメのイラストが貼られていたことなどからも、男性がアニメオタクだった可能性は高いとされています。見つかった遺留品の内容は以下の通りです。
「カセットテープ4本とポータブルラジオ」「洗面用具が入ったビニール製袋」「「山王神社交通安全守護」と書かれた朱色の御守り」「男物のバスケットシューズ」「カメラの三脚」です。
SOS遭難事件の場所になった大雪山山系旭岳について説明していきます。旭岳はお手軽に登山が楽しめるとあって、毎年多くの登山客が訪れます。しかし頂上付近は急坂の岩場が続き危険です。下段ルートには「金庫岩」という目印もありますが、それと似た「ニセ金庫岩」と呼ばれる岩もあり、下山者を惑わせます。
SOS遭難事件が起きたのは、北海道中央部に位置する大雪山山系旭岳です。大雪山とは北海道の中央にそびえる火山群の名称です。十勝岳、表大雪、東大雪、北大雪連峰の4つをまとめて大雪山系と呼びます。
旭岳は表大雪の中に位置し、北海道上川郡東町にある、北海道最高峰の火山です。(標高2.291m)東川町にある旭川温泉から姿見の池(標高1,600m)までロープウェイがあるため、比較的手ごろに登山が楽しめます。
旭岳の頂上付近は急激な岩場が続きます。ただでさえ迷いやすくなっていますが、道の目印となる「金庫岩」とは別に、よく似た「ニセ金庫岩」があり、とても道に迷いやすい山です。近年は道なりにロープを張ることで道の迷いやすさは前よりは改善されています。
遭難した男性も「金庫岩」と「ニセ金庫岩」を間違えたのではないかと言われています。このニセ金庫岩を目印に下山していくと、遭難地点付近に到達することが判明したためです。
遭難地点上部の斜面は、横倒しに生育する笹原になっています。上部から下部への侵入はしやすいのですがその逆は難しいことが判明しました。また、遭難箇所の下部は崖上になっていて、そのまま降りにくいことも判明しました。つまり一度遭難地点にはいってしまうと身動きが取れなくなってしまうのです。
ちなみにマスコミもその事実を確かめるために旭岳に登山したそうですが、見事にマスコミもニセ金庫岩に引っかかって遭難してしまったようです。無事全員救助されたので良かったですが、非常に危険な山であることは間違いありません。
SOS事件の概要をこれまで説明していきましたが、謎と呼ばれる点はいったいどこなのでしょうか?ここではSOS遭難事件の謎について詳しく説明していきます。
SOSの文字の近くで見つかった人骨は、発見された当初は女性のものだとされていました。しかし一緒に発見されたカセットテープの音声には男性の声しか残されていなかったことや、周りには女性の遺品が残っていなかったことから、捜査や報道に混乱が生じ、事件を摩訶不思議なものとしました。
白骨死体が本当に女性のものなのか、旭川医科大学で再鑑定を行ったところ、男性(A型)のものであることが判明しました。加えて、白骨死体は1984年7月ごろに遭難した愛知県江南市の25歳の会社員男性のものであることも判明しました。
カセットテープに残されていた男性の肉声の内容は以下の通りです。「SOS助けてくれ 崖の上で身動き取れず SOS助けてくれ 崖の上で身動き取れず SOS助けてくれ場所ははじめにヘリで会ったところ 笹深く上へは行けない ここから釣り上げてくれ」
崖の上で身動きが取れないと言っていますが、白骨死体の発見現場は崖の上ではありませんでした。このことがカセットテープの謎と言われています。身動き取れずといっていたのですから移動はできないはずです。謎は深まるばかりです。
シラカバの倒木で作られたSOSの文字の一辺は5m以上あったとされ、とても巨大なものです。発見の数年前に撮影された空中写真に写っていたことも確認されています。
これだけ巨大なものを作るのはかなりの重労働です。しかも文字はシラカバの倒木を三本以上積み重ねて作られていたのです。SOSの文字は男性が造ったものだと推測されてますが、これだけのものを作る体力がありながらなぜ下山しなかったのでしょうか。遭難してもこれだけの重労働が出来るのに下山しなかった理由については明らかにされておりません。
白骨死体の鑑定結果では、遺体には骨折の後が確認されました。カセットテープの録音にも「身動き取れず」との言葉が残っています。骨折していながらこのような重労働が本当に可能だったのでしょうか?骨折していたら歩くのもつらいのが普通のはずです。火事場のバカ力で無理に体を動かしたとしても、1人でこれほどの重労働が出来るとは考えにくいです。
遭難者が遭難したのは1984年です。当然SOSもその時に作られていたはずです。しかしSOSの文字が発見されたのは別の遭難事件捜索中の1989年です。航空写真にも確認でき、飛行機でも肉眼で確認できるほどの大きさであったのにも関わらず、なぜ5年間の間発見されないままだったのでしょうか。
この理由についてですがいまだに明らかにはなっていません。注意してみていなかったので見逃してしまったといえばそれまでですが、何か隠された事実があるようにも感じられます。
SOS遭難事件にはこれまで述べてきたように多くの謎が残されていますが、その謎に対して様々な憶測が流れています。そうしたSOS遭難事件についての様々な説を紹介していきます。ざっくり言えば、待機して救助を待つつもりだったのか、自殺するつもりだったのかの2つの説に分かれます。
まずは、下山せずに救助を待っていた説があります。SOSの文字を作って救助を待ったのです。足場の悪いところを無理に下山するよりも、目印となるものを作ってこの場で待機したほうがいいと踏んだのです。
カセットテープの音声にも「場所ははじめにヘリコプターで会ったところ」という発言があることから、ヘリコプターが来ることでの期待があったようにもうかがえます。またヘリコプターと会った場所に、何か目印を作ってその場で待っているよという風にも解釈が可能でしょう。
発見された白骨死体が骨折していたことから判断しても、倒木を動かすことは可能であったとしても足場のわるい斜面を下山するのは無理だと思ったのかもしれません。とにかく何らかの事情があって下山するよりはSOSを作ってヘリコプターの到着を待とう、と判断した可能性は高いです。
SOSの文字は文字の一辺が5m以上ありシラカバの大きな木を3本重ねて作ったものですので、過酷な重労働であることは容易に想像できます。それだけの重労働ですから、SOSの文字は体力のある時に作ったのではと推測できます。
遭難地点とされている箇所は、上部は横倒しの笹原となっていて登りにくく、下部は崖状になっていて降りにくく、とても脱出しにくい地形です。下山したくても出来ないのです。また、遭難した時は無暗に動かないほうがいいとされています。無暗に動き回ることでさらに奥地に入りこみ、状況が悪化する可能性も高いからです。
遭難者はもう創作活動が行われているのかと思っていたかもしれません。それならSOSの文字を作り、近くで待機するのが賢明な判断です。また無暗に動いての体力の消耗を考えて敢えて動かない判断をした可能性もあります。
これらの理由から敢えて動かず、もしくは動けなかったかもしれませんが、その場でSOSの文字を作り救助を待つことにしたのでしょう。
カセットテープの音声は録音しようと思って残されたものではなく、偶然録音された音声だとする説もあります。遭難者は周りに人がいないのにもかかわらず、叫び声で音声を残しています。また2度の中断や息遣い、山に木霊する様子も見られました。
こうした事情を考慮すると、録音自体が目的なのではなく、近づいてきたヘリコプターに向かって助けを呼んでいる時に、偶然にもカセットテープのスイッチが入り声が録音されたと考えるのが自然ではないのでしょうか。北海道警察もそのように考えています。
下山せずにSOSを作りその場で待機していたところ、ヘリコプターが通りかかり必死に助けを求めていたところ、偶然スイッチが入ったカセットテープの記録に残ってしまったというストーリーです。これなら大声で叫んだ点や木霊がしていた疑問点は解消されますね。
自殺だった線もあります。手塚治虫原作の『鉄腕アトム』に、月面に漂着した流木を使ってSOSを作ったというエピソードがあります。アニメオタクだと考えられている遭難者が鉄腕アトムになぞらえて、敢えて山の中でSOSを作って自殺したという説もあがっていますが、真偽のほどは分かりません。
自殺だとしたらカセットテープに残った音声が何だったのか疑問が残りますから、自殺の可能性が無いようにおもえますが、遭難者がアニメオタクだったことと鉄腕アトムに似たようなエピソードがあったことを考えると何ともいえません。
発見された死体の身元も分かり一応は解決したSOS遭難事件ですが、いまだに解明されていない謎は多く残っています。カセットテープの音声は何のために残されていたのでしょうか?また崖の上と音声の中では言っていますが、SOSの文字があった場所は崖の上では無かったことも不可解です。
SOSの文字もなぜあそこまで大がかりなものを作ったのかも謎です。シラカバの木を三本も積み重ねるなど実際にやったことが無くても過酷な重労働であることは想像できます。そしてあれだけのものを作る体力がありながら下山しなかったのもどうしてなのでしょうか?さらに発見された死体には骨折の跡がありました。骨折していながらSOSの文字を作れたのでしょうか。
SOSの文字が作られたのは1984年ですから、なぜそれが5年もあとになって発見されたのかも謎です。このように謎がたくさんあるSOS遭難事件ですが、下山せずに救助を待っていた説や自殺説など様々な憶測が飛び交っています。しかし現状どれが真相なのかはわかっていません。このまま真相は解明されず迷宮入りする可能性が高い事件です。
SOS遭難事件と類似した事件がいくつかありますので、その事件の内容を説明してきます。
ロシアの西シベリアのトムスク州で森林火災の消火のため飛行中の航空機がシラカバの木で作ったSOSの文字を偶然発見しました。そして付近にいた3人の男女が救助されました。
3人はコケモモを求めて森林の奥深くまで進んでいったところ、道に迷ってしまったそうです。空からの救助を待つしかないと判断した3人は、シラカバの木を伐採しSOSの文字を作ったそうです。
遭難してから5日目、飛行機によって発見・救助されました。この事件はSOS遭難事件ととてもよく似ていますが、遭難者がSOSの文字によって助かったところが大きな違いですね。それにしてもシラカバの木をよく伐採できたなと感じます。
2005年、旭岳で自衛官男性が遭難しました。ヘリコプターで捜索し、遭難男性からの110番通報はあったものの中々発見に至らず、遭難から7日後、遭難男性は発見されました。
捜索から7日後、捜索中の自衛隊のヘリコプターが天人峡の忠別川上流の谷底で発見し、旭川医大に搬送しました。男性は凍傷や肋骨にヒビが入るなどケガを負いましたが、命に別状はなく一命はとりとめました。
男性は紅葉を撮影するために入山しましたが、下山中にアイスバーンで30mほど滑落し、沢筋に落ちてしまったそうです。日帰りの予定だったため、食料もほぼなく、沢水のみで7日間切り抜けました。
男性は自衛隊のレンジャーでしたので、少ない食糧で数日間生き延びる訓練を経験していたそうです。そうした経験が生き、今回の絶望的な状況でも生き残ることが出来たと言われています。
SOS遭難事件の真相はいまだ闇の中ではありますが、とても興味深い事件であります。ミステリーが好きな人たちであればこの事件を酒の肴にして一晩語り明かせそうです。皆さんもこの記事を読んでSOS遭難事件について興味を持っていただけたならご自分でもっと調べてみてください。
カセットテープの音声などは一度聞くと身の毛がよだつ恐ろしい音声ですが、ホラー好きの人なら一度聞いてみてもいいかもしれません。この事件の真相を解明することが出来る名探偵が出てくることを祈るばかりです。
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