熊の手の料理とは?中国の伝統料理の味は?値段は高値!

熊の手(くまのてのひら)という中国料理をご存じでしょうか。文字通り熊の手を食べるわけですが、日本ではあまり聞かない珍料理です。しかしながら、一定数食べているようで、熊の手を調理しているという情報も見られます。今回は、熊の手について解説していきます。

熊の手が食べられるって知ってますか?

中国由来とされている熊の手(くまのてのひら)の料理ですが、ゲテモノ料理のようなイメージがあるかと思われますが、中国では高級食材でのひとつで宮廷料理として食べられていました。”周の八珍”と呼ばれる8種類の食材のひとつとされており”熊掌”と書きます。

現在の中国では野生の熊を捕獲することは禁じられていますが、現在でも密輸が行われてり熊の手料理を提供した飲食店が摘発されたこともありました。むかしから中国では熊ははちみつを右手で採りそれをなめて冬を越すことから右手が甘いと言われており高値で売買されていました。

日本ではツキノワグマやヒグマなどが狩猟されており狩猟可能な地域は各地にありますが、近年では鳥獣被害対策のため猟期以外にも狩猟されています。熊肉をはじめとするジビエ料理は専門店で提供されていますが、これはあくまでも熊の肉で”熊の手”の料理となると限られたお店でしか食べることができないようです。

熊の手(くまのてのひら)は食べられる?

熊の手は中国で古くから食べられていた伝統的な食材だったようです。美味しいだけでなく高たんぱくで栄養価の高い食材ともいわれています。そんな熊の手についてご紹介します。

中国の伝統的な食材

熊の手は中国の北東部にある吉林省(きつりんしょう)産のヒグマ、ツキノワグマが多いと言われてます。そんな熊の手は中国の清の時代あたりから「満漢全席」(まんかんぜんせき)と言われる宮廷料理に必ず使われている食材で”周の八珍”のひとつに含まれていて皇族や貴族たちが食していたといわれています。

ちなみにこの周の八珍を紹介しますと、
酥酪蝉(そらくせみ)…乳製品、バターやチーズのようなもの
鶚炙(ごうしゃ)…みさごといわれる鳥の炙り、鴨で代用される
龍肝(りゅうかん)…白い雄馬の肝
豹胎(ひょうたい)…豹のはらみ児
鳳髄(ほうずい)…ハクビシンの骨髄
鯉尾(りび)…鯉の肝
狸唇(しょうしん)…狸の唇
熊掌(ゆうしょう)…熊の掌
の八つになります。

後に時代の流れによりさまざまな珍味が出ていてこの”周の八珍”もひとつの八珍とされておりこの限りではないようですがこの満漢全席のメインディッシュには必ず熊の手(熊掌)が提供されると言われています。

孟子が好きだった

孟子は中国山東省の生まれで紀元前372年頃~前289年頃に戦国時代の中期を生きた儒教の思想家です。”性善説"を説いたことや”似て非なるもの”や”五十歩百歩”などことわざを残した人物として知られています。そんな孟子が好んだのが熊の手料理で言葉として残されています。

”魚は 我が欲する所なり 熊の掌も 亦我が欲する所なり 二つのもの兼ぬ可からざれば 魚を捨てて熊の掌を取らん者なり”

訳しますと「余は魚が好きである。同じく熊の掌も好きである。だが両方を得られなければ、余は魚料理をあきらめて熊の掌を選ぶ」と書を残していてそれくらい熊の手が好きであることがうかがえます。

値段はかなり高値

日本でも熊の手の料理を中国料理店で食べることができます。北京料理で”紅焼熊掌”(ホンシャオユウショウ)という醤油風味の餡かけ料理があり辛みをつけて四川風に煮込むこともあるようです。中国では熊の右手(利き手)が美味とされ右手は左手の10倍ぐらい値段が違うと言われています。

この紅焼熊掌の値段を調べましたが、具体的な値段は載っていませんでした。数十万円はすると言われています。やはり希少性のため高値で売られることはもちろんですが、料理をする前の下処理に1週間以上かかるため手間ひまが掛けられているためより高価な料理になってしまうようです。

ちなみにツキノワグマの熊の手はネット通販で販売されています。もちろんきれいに下処理されていて10g2000円で売られています。前脚、後脚の指定はできず300g~500gぐらいで販売され一般の人が購入していてそれなりの需要があるようです。

熊の手の調理方法は?

ここではいくつかの調理方法をご紹介します。下処理にかなりの時間と手間が掛かりまた光熱費も掛かり根気のいる調理になります。

伝統的な調理方法

下処理に1週間近く掛かるとされていて一般の方には手の出せない食材のようです。毛のついた状態からお湯ででよく洗い熱湯で湯がき、毛を抜き表皮を剥がし三昼夜流水にさらします。酒とお酢を混ぜ合わせた液を加え少なくとも五昼夜絶え間なく蒸し煮にします。

完全に臭みが取れ柔らかくなったら骨を抜き薄く切って鶏のだし汁に酒、酢、はじかみ(酢漬けの生姜)、にんにくを加えただし汁で数時間煮ます。最後に塩で味を整えるという調理工程を経てできるようです。

簡易的な調理方法

ここでは簡易的な調理方法を紹介しますが時間を惜しむことは出来ずかかる時間はほぼ同じようです。まず毛を抜きます。鍋に入れ水から煮て沸騰したら火を止めその状態で3時間おいてから冷蔵庫でしっかり冷まします。この工程を1週間繰り返します。すると簡単に皮が剥がれるようです。

骨は抜かずに骨に沿って切り分け味付けをしていきます。弱火でゆっくりバターソテーします。赤ワイン、バルサミコ酢、はちみつなどを合わせた鍋に入れそのまま200℃のオーブンで6時間ほど煮て熱をとって鍋のまま冷蔵庫で3日ほどおくと食べごろになります。洋風な味付けで赤ワインで食すようです。

こちらの調理方は骨を抜くか否かで下処理の労力が軽減されていますね。

現代の味付け

日本の中華料理店で提供される熊の手料理は”紅焼熊掌(ホンシャオユウショウ)と言われる醤油味のあんが掛かった料理になります。こちらの調理方法も下処理までは時間と労力がいりますが、お湯で茹で毛を抜き皮を剥いで骨を抜きます。

味付けに使われる食材は下煮の材料に鶏、アヒルを各一羽、豚ヒレ、葱、生姜、酒で鍋にひたひたまで水を入れ臭みを抜き柔らかく煮て2,3回煮こぼします。臭みが取れたら水と酒を加え柔らかくなるまで2,3時間煮ます。煮えたら骨を抜き再び柔らかくなるまで煮ます。

柔らかく煮えたら形が崩れないよう薄く切り、椎茸、筍、火腿(中国のハム)をこちらも薄く切り熊の手に挟み布で包み蒸します。蒸し上がったらとろみのついた醤油味のあんをかけて食べる料理になります。

熊の手味は美味しいの?

手間ひまの掛った熊の手料理は臭みけしのため相当な時間を費やし下処理をしていますが、はたして美味しいのでしょうか?中国由来の調理方法が主流であることがわかります。どのような味なのかご紹介していきます。

豚肉に似ている!

中国では珍重されているだけのことはあるようで美味しいと言われております。ネット上の関連記事によれば豚肉のお肉を味わうというよりはコラーゲンが豊富に含まれている上質な豚足と言われたりクラゲのような触感に似ていてるゼラチン状の食べ物といったところでしょうか。味そのものはないので味付けする料理人の腕次第になります。

また熊は右手(右前足)ではちみつを舐めることから味がまろやかで高価な食材であると中国では言われていてまゆつばものの印象ですが、実際の喫食者からはそのような感想はなく右手も左手もかわらないと言われています。

熊の手がおいしすぎる逸話

昔、中国では罪を犯した死刑囚が死刑執行される際に最後の願いを叶える習慣があったようです。そんな春秋時代には楚の成王が熊の手を好んでいたいわれていました。

成王は我が子である商巨に反乱を起こされ囚われの身となりました。そして死に追いやる前に最後の望みを聞かれ「この世の名残に熊の掌を食べされてくれ」と願い出ました。熊の掌料理に時間がかかることから時間を稼ぎ援軍の助けを待つという賭けに出たが望みはかなわなかったという逸話があります。

熊の手の印象は悪い?

日本では最近、”ジビエ”など野生の動物を食すことが少しずつ浸透してきているようです。熊もその類ではありますが、熊の手となるとどうでしょうか…。

海外では拒絶されている

中国は宮廷料理として熊の手を食していましたが、海外諸国では熊の手を食べる習慣の国はないためか海外のネットのコメントでは「生臭い」、「不衛生」などと拒絶されていると言われています。しかし野生動物を食べる習慣は世界でも一定の認識はありやや矛盾しているようなコメントです。

この熊の手に限ったことではないようですが、やはり様々な動物やいわゆる”ゲテモノ”を食べる習慣がある中国は食で健康管理することから「医食同源」に通じているということでしょう。ちなみにこの熊の手の栄養価は特別高いというわけではなく豚足で十分代用できるようです。

ゲテモノを食べる国であれば東南アジア方面でも爬虫類や昆虫類など盛んに食されている印象があり日本も然と言ったところでしょうか。

中国では法律に引っかかる?

そんな中国も人口が人口なだけに美味とされる熊の手を食べ続けていると絶滅の危機に陥ることから1989年から野生動物保護法が制定されたことにより熊をはじめとする野生動物を狩猟することが禁じられました。

そんな背景もあってか、中国野生動物保護協会の調査によると中国の都市部で野生動物を常食している人の割合は回答者全体の2.8%、ゲテモノ食いで有名な広東省では4.1%にとどまっているようです。

このように減少傾向にあるようですが、今でも野生動物を提供している飲食店があり摘発されています。数年前には密猟された173個のツキノワグマの手が摘発されたニュースにもありました。

熊の手料理を食べてた芸人って誰?熊の手スイーツって何?

ここ数年、日本でも”ジビエ”が各地のレストランで食べらるようになってきました。グルメで知られるお笑い芸人の渡部健さんも実は熊の手料理を食べていたようです。では熊肉もジビエ料理として提供されていますが熊の手料理にまつわる話とは何でしょうか!

熊手にあやかって

お笑い芸人の渡部健さんが女優の佐々木希さんと結婚されましたが、そのお祝いの品として贈られたのが調理されてた熊の手だったのです。日本ではお正月に縁起物として買われる方もいますが、それにあやかったリアル版”熊の手”でした。

その熊の手料理の送り主は滋賀県にある「比良山荘」という懐石料理屋のご主人でした。以前に渡部さんが春限定の料理で花山椒のきいた熊肉のしゃぶしゃぶを食べに行かれたことがあったそのご縁からかそれを覚えていた店主の粋な計らいのようですね。

このサプライズの贈り物に渡部さんもびっくりだったのでしょうか「一番驚いた結婚お祝い!」とコメントしインスタにアップしていました。

熊の手スイーツ

意外かもしれませんが、”熊の手”と名の付くスイーツがありました。その名は「クマの手シューラスク」です。宮城県の仙台市と石巻市と名取市に7店舗お店がある洋菓子店「ムッシュ マスノ アルパジョン」です。地元では”サンタのいるケーキ屋さん”として有名な洋菓子店です。

地元で人気の「クマの手シューラスク」は1日10000個売れるそうです。その人気はフランスパンでできた硬い従来のラスクではなく”シュー皮”でできていてその口当たりの良いところが人気の秘訣です。プレーンもありますが、チョコ味は独自で調合した高級チョコをコーティングさせこちらも人気のようです。

ところでこの”クマの手シューラスク”の名前の由来について調べました。シューラスクを半分に切った断面が熊の手に似ていることからその名がついたようです。

近年人気のジビエ料理

近年、農水省が進めてきた鳥獣害対策やハンターの新たな収入源また地域活性化を目的としたことでジビエ料理が知られるようになりました。ジビエの特徴は滋味深い味わいであることや野生で育っていることで肉質が良いとされていて栄養価が高いことも知られているようです。

野生である故やはりクセもあるようで調理をする料理人の腕もありますが熊肉については季節によって味が違うと言われています。最も美味しいとされる時期が冬眠中で3,4歳のクマです。次に冬眠前の秋から木の実やドングリなどを食べ脂肪が乗っている時期で、次いで春先だと言われています。

夏だけは痩せていて脂肪が乏しい上に野生特有の匂いが強く不味いと言われています。その原因は季節によって食べるエサが違うことや狩猟した後の血抜き処理やすぐに解体するなど一定の技術がないと臭みが出てしますそうです。ちなみに現在の熊の猟期は熊の頭数が増えない限り2月15日から11月15日までとされています。

熊の手料理は希少の逸品

中国で食べ始めたとされる熊の手料理ですが、その当時の日本はというと大体縄文時代の晩期の頃ですでに熊の手料理をはじめとする珍味が食されていることから世界三代料理の一つとされる歴史が窺えました。中国4千年の歴史!?

またジビエについてですが、ジビエを食する際は食肉業等の許可のあるお店を利用することと生食で食べることは絶対避けなくてはいけません。寄生虫が宿主していて食べると死に至る事もあるそうなので気を付けて食べましょう!

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