木村良平さんの結婚相手がバラされた事件の真相は?子供がいるのかも解説
2023/12/28
大今里
一般的に英語のドラマはまだまだ素のまま聴き取れる人は少なく、日本語吹き替えか、日本語字幕付きで鑑賞するしかありません。それでも、その脚本を読むと案外簡単なことを話しているのです。
そんな時、何か敷居が高いように感じる英語の壁が取り払われ、ヒューマンドラマならではの身近さやその作品の、ヒューマンドラマとしての温かみや感動が湧いてきます。
有名な『ローマの休日』もまさにヒューマンドラマで、表向きは王女としての公務を果たすべく言葉遣いも厳かですが、実は素顔のアン王女(ヘップバーン)は好奇心旺盛な普通の少女と変わりません。
そのギャップと、王女としての殻を破った素顔のアンの明るい可愛らしさ、ゴシップを狙っていたはずのアメリカ人の新聞記者ジョー・ブラッドリー(グレゴリー・ペック)との真実の恋の芽生え。
the most beautiful couple of the cinema: audrey hepburn and gregory peck
この動画はほんの 3:59 という短い間に『ローマの休日』でのオードリーヘップバーンとグレゴリー・ペックのラブシーンをまとめたものです。セリフは一切ありませんが、ほんの数分間というだけで、この永遠のヒューマンドラマの傑作に再び虜になってしまいます。
そこにヒューマンドラマとしてのおおらかさ、温かさを感じ、英語で話されているということも忘れて見惚れてしまう点が、英語によるヒューマンドラマの醍醐味です。
この『ローマの休日』はヨーロッパ最古の王室の王位継承者、アン王女(オードリー・ヘプバーン)が豪華なドレスとティアラで身を飾り、欧州親善旅行でロンドン、パリなど各地を来訪し、各国の王室や外交官の前でスピーチをしたり挨拶をするというところから物語が始まります。
ローマでは、駐在大使主催の歓迎舞踏会に出席したり、侍従長が明日のスケジュールを就寝前には読み上げるという日々。
公式の場では王女らしく厳かに振る舞うアン王女。しかし就寝前には普通の少女に戻ってしまいます。
「このネグリジェ嫌い。嫌いなネグリジェばかり。下着も全部嫌い」
I hate this nightgown.
I hate all my nightgowns, and I hate all my underwear too.
「まあお嬢様、可愛らしいものばかりですよ」My dear, you have lovely things.
「でも私200歳のお婆さんじゃあるまいし、なぜパジャマを着て寝ちゃ駄目なの?」
But I’m not two hundred years old. Why can’t I sleep in pajamas ?
「まあパジャマですって!」Pajamas !
「それも上着だけでよ。ねえ寝る時には何も着ないで寝る人がいるって知ってた?」
Just the top part.
Did you know there are people who sleep with absolutely nothing on at all ?
「いいえ、左様なことは存じ上げなくて幸いでございます」I rejoice to say that I did not.
明日の分刻みのスケジュールを冷静に読み上げようとする侍従長の女性に、王女らしからぬ言葉で無関係なことを言ったりする英語が面白く、笑いが込み上げてきます。
こんな身分などどうでもいいじゃないと言わんばかりにパジャマの話。こうしたセリフが人間味溢れ、私たちの共感を呼びます。
しかしハードスケジュールに王女は
「もういや!いやいやいや!死んだほうがましよ!死んじゃうから!」とヒステリー。
No! No, no,no! It's better to die! I'm going to die!
鎮静剤を打たれて眠りながらも王女の口癖が出るアン
深夜にきれいで品のある娘が街路に寝ているのに驚いたジョーはアンを必死で起こそうとします。
「おいおいおい!おい、起きろって!」Hey, hey, hey, hey ! Hey, wake up !
「ありがとうございます。光栄でございます」Thank you very much, delighted.
「起きなさい」Wake up.
「いいえ、結構でございます。光栄でございます」No, thank you. Charmed.
(ジョー)「こちらこそ光栄だよ」(アンの差し出した手を握り)Charmed, too.
(アン)「それでは座ってよろしい」
You may sit down.
侍従長は慌てて主治医を呼び、王女に強い鎮静剤を打ってもらいます。誰もいなくなったところを見計らい、宿舎にしていた宮殿脱出に王女は大成功。
しかしだんだん鎮静剤が効いてきてしまい、ふらふら街を歩くうちに、路上で眠り込んでしまいます。
そこを新聞記者ジョー・ブラッドリーが偶然通りかかり、身だしなみも言葉遣いも丁寧な若い娘が酔っ払っているのに困り果て、仕方なくタクシーで自分のアパートに連れていきます。
翌朝の新聞で「アン王女は体調不良のため本日の記者会見は中止」との見出しを見たジョーは、やはりこの一風変わったお嬢さんがアン王女だと分かります。
そこで彼女には新聞記者の立場を隠して、王女にローマ観光をしてやり、あとで物凄い特ダネを取ろうとプランを立てます。
ジョーのアパートに連れていってもらい、まだ昏睡状態のアン王女は「寝間着に着替えなさい」と言うジョーに対し、上品なお嬢様らしからぬ、思いもかけない言葉を投げかけ、彼を面食らわせます。
「服を着てたって、男の方と二人っきりなんてことなかったわ」
I've never been alone with a man before, even with my dress on.
「それに男の方の前で服を脱ぐなんてこともね。一番有り得ないことよ」
With my dress off, it's most unusual.
こうした英語やセリフが面白く、身分も何もない人間同士として接しようとするアン王女の素顔が丸見えである点に、ヒューマンドラマの味わい深さを感じます。
ジョーの差し出した男物のパジャマに着替えたアン
一歩宮殿を抜け出し、こんな普通のアパートでベッドも提供されると、とても王女様とは思えないラフな格好、くしゃくしゃになったシーツで朝を迎える様子ーこれがコミカルなラブロマンスの始まりですね。
「お金は持っているの?」You got any money ?
「いいえ、お金は持ち歩かないの」Never carry money.
「それは悪い癖だね」That’s a bad habit.
とジョーに言われるアンです。
お金を持ち歩かないということは、よほどの高貴な身分だからとジョーは気づいていますが、そこを「悪い癖だね」と軽いジョークで流すところがアメリカ人らしい気さくさを感じさせ、ドラマを明るいものにしています。
また、こんなやり取りは日本人は普通せず、英語ならではの会話です。そこが英語のドラマの醍醐味です。
そこでジョーはアンにお金を渡し、「外に出て散歩でもして好きな所を見物でもしたら?」と促され、アンは喜んで出かけます。
しかし最初はぶらぶらとローマの下町や商店街を見て歩くだけで、すぐにはお金を使いません。そこが生まれ育った高貴な気質です。
それでも可愛いサンダルを買ってみたり、やることは普通の女の子と変わりません。
また次にアンの興味を引いたのは美容室です。そこで長い髪をばっさりカットしてしまえば、宮殿の追手にも分からないだろうと、庶民の街が不慣れでないかのようにさっさと美容院でカットを頼み、出来栄えににっこりします。
有名なアン王女のショートヘアへの変身の場面です。
新聞記者であることを隠してアンと計画的に再会するジョー
ジョーはさり気なくジェラートを食べているアンに近づきます。
「おやおや、君じゃないか!」
Weeell, it’s you !
「そうよ私よ、ブラッドレーさん!」
Yes, Mr. Bradley !
スペイン広場での会話:スクープを取るためにアンを誘うジョー
接近してきたジョーはまずアンの髪型が変わっていることを褒めます。
「いや君ヘアカットして見違えたね?」
Or is it ?
「どう似合う?」Do you like it ?
「ああ.....とても似合っているよ。しかし何だね、これが『また後で』ってことだったのか」Yeah… very much. So that was your mysterious appointment.
アンは昨夜道端に寝ていた言い訳をします。
「あのねブラッドレーさん、私言わなきゃいけないことがあるの」
Mr. Bradley, I have a confession to make.
「何を?」Confession ?
「ええ、私ね.....昨夜学校から逃げ出したのよ」
Yes, I… ran away last night, from school.
「へーえ、何があったの?先生と何か問題でも?」
Oh, what was the matter ? Trouble with the teacher ?
「いいえ、そんなことじゃないわ」
No, nothing like that.
「ふーん、でも何もなくて学校から逃げ出すことはないだろ?」
Well, you don’t just run away from school for nothing.
「そうなのよ、ただね、ほんの1時間か2時間のつもりだったの。何か注射されて私、眠らせられちゃったのよ」
Well, I only meant it to be for an hour or two. They gave me something last night to make me sleep.
ここで少し間をおいて、王女が宮殿から逃げ出さないようにそうされたのか、と納得したジョーはうなずきます。
「ああなるほどね」Oh, I see.
ジェラートを食べ終わったアンは少しそわそわし始めます。そこをジョーが「特ダネを逃すまい」と引き留めます。
「それじゃ私、もうタクシー拾って帰ったほうがいいわね」
Now I’d better get a taxi and go back.
「ちょっと待って。タクシーで帰る前にさ.....もうちょっと楽しんでいかない?」
Well, look, before you do…why don’t you take a little time for yourself ?
本当の「ローマの休日」はここからスタート!
「1時間ぐらいならいいわ」Maybe another hour.
「いやもっと派手にパーッと楽しまない?今日1日中さ!」
Live dangerously, take the whole day !
ここから本当のアンとジョーの「ローマの休日」が始まります。
スペイン広場でのアンの嬉しそうな言葉
「私ね、今日一日中、何でもやりたいことをやってみたいのよ」
I'd like to do just whatever I like the whole day long.
これは常に女官や侍従にお供され、自由に外出もできず牢獄のようだった宮殿から解き放たれたアン王女の、まるで鳥籠から空へと飛び立った小鳥のような大きな喜びの言葉です。
アンはずっと憧れていたことをジョーに打ち明けます。
「私ね、ずーっとやりたかったことをするのよ」
I could do some of the things I’ve always wanted to.
「どんなことを?」Like what ?
「まあ、あなたには想像できないことよ.....私ね、一日中何でもやりたいことをしたいの!」
Oh, you can’t imagine…
I’d, I’d like to do just whatever I’d like, the whole day long !
「つまり髪をショートにしたり、ジェラートを食べたりとか?」
You mean, things like having your hair cut ? Eating gelato ?
「そうよ、そしてカフェのテラス席に座ったり、お店の窓を覗いたり、雨の中を歩いたりするの!とても楽しくてワクワクすることをしたいの。こんなこと、あなたには大したことじゃないでしょ?」
Yes, and I’d, I’d like to sit at a sidewalk cafe and look in shop windows, walk in the rain !
Have fun, and maybe some excitement. It doesn’t seem much to you, does it ?
「素晴らしいことじゃないか!」
It’s great !
スクープを取るためとはいえ、この王女の「普通の人のすることをやってみたい」という娘らしい気持ちに共感するジョー。この辺りからアンにジョーは知らず知らず惹かれていきます。
このカフェにはジョーの同僚カメラマン、アービングが偶然を装いながら、約束通りやってきます。
「おい、俺を彼女に紹介してくれないのか?」
Aren’t you gonna introduce me ?
「ああ、そうだった。こいつは僕の気の置けない友人だよ。アービング・ラドヴィッチ。
アーニャ、アービングだ」
Er, yes, this is a very good friend of mine,Irving Radovich. Anya, Irving.
(アービング)「アーニャ......?」Anya… ?
(アン)「スミスよ」Smith.
(アービング)「ああよろしく、スミスさん」Oh, hiya, Smitty.
(アン)「光栄ですわ」Charmed.
このアンの「光栄ですわ」は王女としてのついうっかり口から出た格式高い挨拶。この言葉にアービングは「やっぱり彼女は逃げ出した王女様だね」といった顔で、ジョーと目配せします。
スクーターを自由に乗り回すアン王女の幸せ
この本当にスリリングで楽しい場面には、実際の撮影の際、陽気なイタリア人たちが面白がってスクーターの後を笑いながら追いかけて来たそうです。そのため、何度も撮影をやり直ししなければならなかったそうです。
スクープという下心があるものの、持ち前の紳士的で誠実な性質のジョーが、アンをスクーターに乗せてスリルを味わわせ、本当に楽しそうにローマの観光名所を見て回るシーンには、観客も一緒になって自由な開放感に浸ることができます。
『真実の口』の説明を聞いてやましい心になるアン
「これは『真実の口』というんだ。言い伝えでは、嘘をつく癖がある者がここに手を入れると.....その手は噛み切られるんだよ」
It’s “Mouth of Truth”.
The legend is that if you’re given to lying, you put your hand in there, it’ll be bitten off.
その言葉に「自分は身分を隠して、この人のいい男性に嘘をついている」とふっと申し訳ない気持ちがアンの心をよぎります。そこでジョーの言葉を本気にし、恐ろしそうな口調になります。
「まあ.....怖いわね」
Ooh, what a horrid idea.
お互い嘘をついていることで不安そうな顔をするふたり
最初はジョーがアンに提案します。
「手を入れてみせてごらん」
Let’s see you do it.
すっかり『真実の口』の伝説を信じ込んでいるアンは、手を入れようとしますが、笑って手を引っ込めます。そしてジョーに頼みます。
「あなたがやってみせて」
Let’s see you do it.
そこで、ジョーは伝説など信じていないものの、この純粋無垢な王女に特ダネのために「新聞記者であることを隠している俺はやましい」と申し訳ない表情を浮かべます。
しかし「いいよ」Sure. と応じ、手を恐る恐る入れる芝居をし、急に「あいたたたっ!痛い痛い!」と大騒ぎ。それにアンは驚いてキャーッと叫びます。
すぐにジョーは引っ込めていた右手の平をアンに出して見せて笑います。「ハイ、こんにちは!」Hello !
冗談をきっかけにすっかり恋が芽生えたアンとジョー
アンは安心と同時にジョーの無事を心から喜び、思わず抱きつきます。
「ひどい人!何ともないじゃない!怪我なんてしてないのね!」
You beast ! It was perfectly all right ! You’re not hurt !
「ごめんごめん、ただの冗談なんだよ!」
I’m sorry, it was just a joke !
「大丈夫なの?ああ手は怪我してないのね......」
All right ? Oh, oh, you’ve never hurt your hand…
この映画がヒューマンドラマであるのは、アンという娘が身分を投げ出せば普通の娘と全く変わらないのに、最後はやはりその身分の殻へと篭もらなければならないという束縛がラブロマンスの陰に隠れた一種の悲哀であるためでしょう。
非常に高貴この上ない王位継承者という身分は、凡人から見ると羨ましいようで、実は全く人間らしい生活がない。檻の中にいつも閉じ込められたようなものなのです。
このような、束縛がないほんの1日だけの自由を心の底から楽しむ。「大いに楽しみ、思いっきり笑う自由こそが人生」というメッセージをこの映画は伝えています。
人間の喜びと幸せを描くからこそ、ヒューマンドラマとなり、その英語も日常的で、言葉は異なっても言うことは私達と変わらない点に共感できるのです。
夜は、サンタンジェロの船上パーティーに一緒に参加するふたりです。リズムに合わせて周囲の人々のように、恋人同士のように踊るうち、アンはジョーの胸に顔を埋めます。
しかしその会場には、とうとうアン王女を探索していた情報部員たちが接近してきます。そこでふたりは追手と大乱闘の末、冷たい河へ共に飛び込み、姿をくらまします。
冷たい河に飛び込んでびしょ濡れになった二人
宮殿の追手から逃れるためにと、冷たい河に飛び込んだあと、岸辺に上がったアンとジョーです。最初はひどい目に遭ったと溜息をついていますが、一緒にびしょ濡れになったことがおかしくなり、同時に笑いだしてしまいます。
河に落ち、すっかり髪が濡れたふたりですが、アンの髪が濡れた姿は本当に美しく、愛らしい瞳も船上からの光で潤ったように輝いています。
そこでいつしか熱い恋に落ちていたふたりは抱き合い、切なくも情熱的なキスを交わします。
お互いへの本当の想いを口に出そうとはしないふたり。恋を打ち明けたい。けれども、そこに再び互いの立場という理性が立ちはだかります。
王女という身分がふたりを引き裂いてしまう悲しみ
アンはジョーに対して、別れを告げることができない気持ちをこう語ります。
「なんて『さようなら』を言ったらいいのか分からないわ」
I don't know how to say goodbye.
いつまでもお互い離れたくない.....永遠の恋人
アンは祖国と王室への義務を果たさなければと思い、宮殿に戻っていきます。「大スクープによる破格のボーナス」への期待などもう微塵もなくなり、ただアンへの熱い想いを胸に抱くジョー。アンはジョーの中で、身分を超えた永遠の女性になったのです。
王女としての美しさー無邪気な娘としての愛らしさー1日の楽しい想い出がジョーの中で駆け巡って.....
たった1日の出来事や想い出が、一生大事なものになるーきっとアンもジョーもこの先、別の異性と巡り会っても「あのローマの1日ほど素晴らしい休日はなかった」というように、この日の楽しさ、愛しさが心の奥深くに秘めたものとなるでしょう。
アン王女を路上で見つけたのはつい一昨日の晩だったのに.....
ジョーは彼女との思い出を決して記事にはしないと決意します。このふたりの切ないたった1日の恋ーけれどもこれは永遠に続く恋。
昨夜路上でアン王女を見つけてから、今日1日でそれがすっかり恋に変わった、その淡いラブストーリーも、ヒューマンドラマそのものです。映画への深い感動が、英語という言語の壁をすっかり取り去ってくれるのです。
ヨーロッパ最古の王国ー再び王位継承者に戻ったアンのジョーへの切ない愛の告白
「わたくしはこのローマへの訪問を一生涯大切な想い出に致したく存じます」
I will cherish my visit here in memory as long as I live.
これは王女の姿に戻りながらも、ジョーに対する一人の恋する娘アンの深い愛の告白なのです。
あんなに陽気にはしゃいでいたアン、自分の胸に顔を埋めたアン、たった1日だけの恋なんて虚しすぎるージョーのアンを見つめる眼差しは、王女アンと無邪気で明るいアンへの誠実な愛情に溢れています。
Vacanze romane
アンが王女の姿に戻った、楽しかった休日の翌日の記者会見。アンは新聞記者の中にジョーを見つけ、無言で彼と視線を交わします。その瞳がジョーに愛情を語りかけます。
ジョーはアンを間近に見ることはもう二度とないだろうーそう思いながら、王女としての立派な姿と昨日の無邪気な娘アンを同時に見つめ、思わず涙で目が潤みます。
『ローマの休日』のラストシーンです。
このような感動のヒューマンドラマを、実は英語で観ていたということに気づく時、私達は英語というものへ抱いていた難解さが消えていることに嬉しさを感じます。
英語をスクリーンのスターのように話せるわけではないけれど、オードリーヘップバーンもグレゴリーペックも私達と同じような気持ちで、お互い大事な恋人になり切っていた。私達は、英語に関係なくドラマに夢中になっていたことに感動するのです。
アメリカやイギリスの映画界では、数々のヒューマンドラマがこの『ローマの休日』以降制作されてきました。いずれも人間同士の深い心の絆を描くヒューマンドラマは、派手なアクション映画やパニック映画を観たあととは異なり、しみじみとした人情味が心に押し寄せてきます。
アクション映画をジェットコースターに乗った興奮に例えるならば、ヒューマンドラマは静かな木漏れ日でゆったり人間愛をかみしめる穏やかな感動ではないでしょうか。
今後も洋画界に素晴らしいヒューマンドラマが誕生して欲しいと思います。
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