DVDで視聴可能な蜷川幸雄が演出した舞台作品おすすめ【4選】
2016/06/01
ぱぱだむ
海辺のカフカ
『海辺のカフカ』は、国内外で高い人気を誇る小説家・村上春樹さんの、ギリシア悲劇と日本の古典文学を下敷きにした10作目の長編小説。
『海辺のカフカ』のあらすじは、15歳の少年“僕”が主人公で、「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」と繰り返し自分に言い聞かせながら、不思議な世界を自ら行き来して心の成長を遂げていく物語になっています。
海外でも高い評価を受けている村上春樹さんの長編小説『海辺のカフカ』
2005年、村上春樹作品の主要な英語翻訳家であるフィリップ・ガブリエルにより訳された『海辺のカフカ』の英語版『Kafka on the Shore』は、ニューヨーク・タイムズ紙で年間の「ベストブック10冊」及び「世界幻想文学大賞」に選出されました。
作者である村上春樹さんは『海辺のカフカ』について・・・
『海辺のカフカ』の主人公である15歳の少年を描くことが、子供のいない自分にとって、自分の分身である可能性を含めている主人公の成長過程が楽しみだったとともに、自分への挑戦だったと語られています。
“難しいけど面白い”や“分からない”というふうに、好き嫌いがはっきり分かれた賛否両論ある小説『海辺のカフカ』。
一体、舞台化はどうなっているのか・・・
早速、気になる舞台『海辺のカフカ』をチェックしていきましょう!
舞台『海辺のカフカ』は、蜷川幸雄さん演出×フランク・ギャラティ脚本で、2012年と2014年に舞台化されている作品。
村上春樹作品を、日本人の演出家が舞台化したのは初めて!
舞台『海辺のカフカ』を演出した蜷川幸雄さん
生年月日 1935年10月15日
1969年、『真情あふるる軽薄さ』で演出家デビュー。1983年には、『王女メディア』のギリシャ公演の成功を機に、世界進出。その後、日本を代表する演出家として国内外で活躍されています。
世界の演出家と言っても過言ではない蜷川幸雄さんが、“『海辺のカフカ』の舞台化には苦労した”と語るほど、村上春樹さんの文学の世界を舞台にするのは難しいということが、よく分かりますね。
舞台『海辺のカフカ』の2012年版と2014年版の違いは??
演出と脚本は同じですが、2012年版と2014年版では舞台『海辺のカフカ』のクレジットの先頭が変わっています。2012年版では少年である僕、2014年版では甲村記念図書館の管理を任されている女性の佐伯さんになっており、演出も少し変わりました。
こちらは、2014年版の舞台『海辺のカフカ』。舞台上で、観念的で幻想的な村上春樹さんの世界観が広がっています。
そして2012年版と2014年版のもう1つの違いは、演じているキャスト陣。
早速、舞台『海辺のカフカ』に出演しているキャスト陣をそれぞれ紹介していきます。
それでは、2012年版の舞台『海辺のカフカ』に出演された主なキャストを紹介していきます☆
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
柳楽優弥
物語の主人公である“僕”こと「田村カフカ」を演じられました。カフカは偽名で、自分で考えた名前。フランツ・カフカからの借用であり、チェコ語でカラスという意味を持っている。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
田中裕子
悲しい過去を封印して生きる、甲村記念図書館の管理を任されている50歳の謎の女性「佐伯さん」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
長谷川博己
主人公の“僕”が四国で辿り着く高松の甲村記念図書館の司書である「大島さん」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
柿澤勇人
主人公にアドバイスを与える謎の少年「カラスと呼ばれる少年」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
佐藤江梨子
主人公の“僕”が、夜行バスの中で出会った女性「さくら」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
木場勝己
もう一人の物語の主人公。小学生の頃ある事件に遭遇して知的障害になってしまった、猫と会話ができる「ナカタさん」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
高橋努
ナカタさんの手助けをすることになったトラック運転手の青年「星野」を演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
鳥山昌克
ケンタッキーフライドチキンの創業者の扮装をした謎の老人「カーネル・サンダーズ」を演じられました。
個性的な登場人物を、演技派の俳優陣が演じられました。
2012年版の舞台『海辺のカフカ』から引き続き出演されているキャストもいますが、新キャストとして顔を揃えた2014年版のキャストを紹介していきます☆
2014年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
宮沢りえ
20歳の頃、恋人が学生運動に巻き込まれ死亡した悲しい過去を持つ甲村記念図書館の館長「佐伯さん」を演じられました。
2014年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
藤木直人
生まれつきの性は女性ですが男性として生活をしている、トランスジェンダーの甲村記念図書館司書である「大島さん」を演じられました。
2014年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
古畑新之
15歳の誕生日に父親と暮らす家から家出をする物語の主人公である“僕”こと「田村カフカ」を演じられました。
2014年版の舞台『海辺のカフカ』出演者
鈴木杏
主人公の“僕”に姉のように優しく接してくれる、夜行バスの中で出会った若い女性「さくら」を演じられました。
その他の主なキャストである、
「カラスと呼ばれる少年」:柿澤勇人さん
「ナカタさん」:木場勝己さん
「星野」:高橋努さん
「カーネル・サンダーズ」:鳥山昌克さん
は、2012年版と同じキャスト陣が演じられました。
2014年版も豪華なキャスト陣が揃いましたね。
蜷川幸雄さんが演出を担当した、それぞれの舞台『海辺のカフカ』を鑑賞した世間の反応をまとめてみました。
2012年版と2014年版に共通して言える感想は・・・
アクリルガラスのケース内で展開する物語の良さ。『海辺のカフカ』の世界観を表すのに実に適していて、アクリルガラスを人の手で移動させるのが、“僕”の世界にピッタリと高評価を得ています。
みなさん、蜷川幸雄さんの演出に満足されているようですね。
キャスト陣に関する感想は??
佐伯さんも田中裕子さんと宮沢りえさんではタイプが違うが、どちらも透明感があって、でも宮沢さんのほうがよりシャープに過去の傷を抱えていて、少女のままで止まっている非日常感がより強かった。
大島さんが物静かな男性なら、藤木さんは素敵だし、合っているかもしれない 。しかしトランスジェンダーとしての大島さんを考えると、ちょっと違うと思ってしまう。透明感とかもっている空気とか、大島さんはやっぱり長谷川さんだろう。
ちなみに、2012年版と2014年版の舞台『海辺のカフカ』で同じキャストが演じられた役柄は、「文句なしに素敵だった、良かった」という感想でした。
みなさん、それぞれ原作を読んで頭の中で想像している登場人物にあてはめた、鋭い感想ですね。
舞台化された『海辺のカフカ』について紹介してきましたが、いかがでしたか?!
映像化がされていない幻の舞台だけに、アクリルガラスのケースを使った演出や、村上春樹さんの文学の世界をどのように表現しているのか、気になることはたくさん。
また、再演されるのを願うのみです!
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