2016/08/14
himari10
よく「朝ドラ」と言いますが、いったいどういうものを朝ドラというのでしょうか?
朝ドラは、朝放送されるドラマの略称なのですが、今ではNHK連続テレビ小説を「朝ドラ」と呼ぶようになりました。
NHK連続テレビ小説(朝ドラ)は1961年から放送開始され、今年で55年目になります。
月曜~土曜の放送で、毎話15分となっています。放送期間は6ヶ月が基本ですが、1961年から1974年までの作品と、1983年の「おしん」、1994年の「春よ、来い」は1年間放送されていました。
朝ドラというとオーディションで選ばれるヒロインに注目が集まっていましたが、2006年以降はオーディションを行わずヒロインを選ぶ作品も増えてきました。
2006年度以降は、オーディションを行わずに、ヒロイン役を決めるケースも出ている(『純情きらり』の宮﨑あおい、『芋たこなんきん』の藤山直美、『だんだん』の三倉茉奈・佳奈、『ゲゲゲの女房』の松下奈緒、『おひさま』の井上真央、『梅ちゃん先生』の堀北真希、『ごちそうさん』の杏、『花子とアン』の吉高由里子)。
NHK側は「ヒロインの低年齢化により設定の幅が限られてきたため」とした。ヒロイン役の選考方法が適宜選択されるようにもなった。
4月4日から新しく始まった朝ドラが「とと姉ちゃん」です。今回の主役(ヒロイン)は高畑充希さん。「ごちそうさん」にも出演していましたが、今回は主人公である、小橋常子を演じます。
朝ドラ「とと姉ちゃん」は戦前編と戦後編の2部構成になっているそうです(放送は6か月と他のドラマと同じです)。
「女のひとたちが幸せな暮らしを送れなかったら、そんな世の中は駄目だ。私に唯一できること、妹たちと雑誌をつくって、事業を起こそう」と戦後、雑誌作りに力を入れる、常子の姿を早く見たいですね。
ここ最近、朝ドラの視聴率良いとニュースになっています。あの時間帯で視聴率が15%を超えているのは凄いことです。
しかし、1993年まではほぼ全ての作品が平均視聴率30%を超えていたそうです。
過去の朝ドラの視聴率をグラフにまとめたものを見つけました。これを見ると、1993年まではほぼ30%を超える視聴率(「君の名は」のみ29.1%)という驚異の視聴率をたたき出しています。
視聴率30%を超える朝ドラの中でも、特に人気で視聴率52.6%(最高視聴率62.9%)を記録したのが「おしん」です。
「おしん」は1年間放送され、ある女性の一生を描いたもののため、少女期・青年期・老年期と役者が変わっています。
「おしん」は海外、特にアジア圏での人気が高いと言われています。海外の68の国と地域で放送されています。
朝ドラ「おしん」で少女期を演じた小林綾子さん
おしんは明治34年生まれ。とても心の優しく家族思いの少女でしたが、家が貧しく口減らしのために7最で奉公に出されます。
しかし、1回目の奉公先があまりに厳しく耐えられず逃げてしまいます。雪深い中、遭難しかけたおしんは脱走兵である俊作に助けられます。
雪解けした後に実家へ戻るも酒田の米問屋「加賀屋」に再度奉公に出ることになります。
加賀屋へ奉公へ出る時、筏で川を下るシーンは名場面です。
朝ドラ「おしん」で青年期を演じた田中裕子さん
おしんは16歳になった時、奉公先である加賀屋の大奥様であるくにに結婚を薦められる。しかし、高倉浩太という青年に一目ぼれをしてしまいます。そのためくにの薦めた縁談は破談、おしんは恩のある加賀屋に迷惑をかけたと実家へ戻ることになる。
実家へ戻ると姉・はるが亡くなっていた。その姉の夢である髪結いになるため上京し、髪結いとなります。
その時、「田倉商店」の主人である田倉竜三と出会い結婚。子供服の製造業に成功し工場を構えるが関東大震災で全てを失います。
朝ドラ「おしん」で中年~老年期を演じた乙羽信子さん
戦後、夫や息子、全ての財産を失ったおしんは以前から行っていた魚の行商をやり直すことにします。次男などの支えもあり再び店を構えるが苦労は絶えません。
商売のことを子供に諭すも「昔と時代が変わっている」と言われてしまいます。
その後、商売はうまくいくのですが歳とをるに連れて幼かった当時のことを思い出し、義理の孫である圭と自らの人生を巡る旅を始めます。
橋田寿賀子さんというと「渡る世間は鬼ばかり」のイメージが強いですが、「おしん」の脚本も橋田寿賀子さんが書かれています。
朝ドラ「おしん」は橋田さんの元にある女性から手紙が届いたことがきっかけとなります。静岡県榛原郡川根本町出身の丸山静江さんの半生を次女の千鶴子さんがが代筆したものが橋田さんの元に送られてきます。そこには幼少時に奉公へ出されたことなどが書かれていたそうです。
1961年から放送されている朝ドラですが、視聴率ベスト10を調べてみると1985年以前の作品がベスト10を占めることが分かりました。
そして、1993年まではほぼ30%の視聴率を超えているため、今回は2000年以降に放送された朝ドラの視聴率でベスト10を調べてみました。
第1位 「私の青空」(2000年前期 視聴率24.1%)
朝ドラヒロイン(北山なずな)を田畑智子が演じました。
北山なずなは混釈者である村井健人と結婚するはずだったのですが、健人は他の女性と姿を消してしまいます。その時すでにお腹お腹には健人との子供がいましたが、その後出産し「太陽」と名付け大事に育てていきます。
平均視聴率 24.1%、最高視聴率 28.3%
第2位 「あさが来た」(2015年後期 視聴率23.5%)
朝ドラヒロイン(今井あさ→白岡あさ)を波留が演じました。
白岡あさは大阪で実業家をしていた広岡浅子がモデルとなっています。実際、広岡浅子さんは炭鉱を経営し、自分の足で九州の炭鉱に出向いていました。銀行・生命保険会社などの企業拡大、日本で初めての女子大学の設立にも貢献しています。
平均視聴率 23.5%、最高視聴率27.2%
第3位 「さくら」(2002年前期 視聴率23.3%)
朝ドラヒロイン(松下さくら)を高野志穂が演じました。
ハワイ生まれの日系4世である松下さくらは岐阜県飛騨地方の男子中学校に赴任します。下宿先では日本とハワイ(アメリカ)の文化のギャップを感じながらも成長していく姿を描いています。
平均視聴率 23.3%、最高視聴率27.5%
第4位 「花子とアン」(2014年前期 視聴率22.6%)
朝ドラヒロイン(安藤はな→村岡花子)を吉高由里子が演じました。
明治から昭和にかけて翻訳家として活躍していた村岡花子をモデルに描いています。「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」という本を村岡花子の孫である村岡恵理が出版。それを原案としています。
平均視聴率 22.6%、最高視聴率24.8%
第4位 「ほんまもん」(2001年後期 視聴率22.6%)
朝ドラヒロイン(山中木葉→松岡木葉)を池脇千鶴が演じました。
木葉は祖母・フジが父が作った茶粥を幸せそうに食べて息を引き取る姿を見て料理人を目指します。修業の地として選んだのは大阪、そこでは厳しい修業が待ち構えていました。
そんな時、木葉は精進料理に出会い、料理の心を学ぶこととなります。
平均視聴率 22.6%、最高視聴率28.7%
第6位 「ごちそうさん」(2013年後期 視聴率22.3%)
朝ドラヒロイン(卯野め以子→西門め以子)を杏が演じました。
東京で西洋料理店『開明軒』の料理人の長女として生まれたこともあり、小さい頃から食べることが大好きだった。これは結婚してから大阪に嫁いでからも変わらず、戦中に「美味しいものを楽しく食べる」という信念から大量のステーキを振る舞った。これを機に「ごちそうさん」というあだ名で呼ばれるようになり、近所の子供たちにおやつを作って振る舞うようになります。
平均視聴率 22.3%、最高視聴率27.3%
第7位 「ちゅらさん」(2001年前期 視聴率22.2%)
朝ドラヒロイン古波蔵恵里→上村恵里)を国仲涼子が演じました。
主人公恵里(愛称・えりぃ)が恋や家族との絆、看護師として働く姿を通して沖縄や東京で人間として成長していく物語です。
「ちゅらさん」は人気だったこともあり、続編(パート2~4)もありました。ドラマ内で生まれたキャラクター、ゴーヤーマンも人気が出てグッズが数多く販売されました。
平均視聴率 22.2%、最高視聴率29.3%
第8位 「こころ」(2003年前期 視聴率21.3%)
朝ドラヒロイン(末永こころ→朝倉こころ)を中越典子が演じました。
国際線CAのこころは、医師である朝倉優作と結婚。しかし、優作は事故で命を落としてしまう。優作の連れ子2人と共に母のいる実家へ帰り、うなぎ屋の若女将として働いていきます。
父は別居状態で、山古志村で花火職人をしていました。こころは、父の弟子である堀田に恋心を抱いてしまいますが、連れ子がいることで結婚しても家族として成り立つのか悩んでいきます。
平均視聴率 21.3%、最高視聴率28.1%
第9位 「マッサン」(2014年後期 視聴率21.1%)
朝ドラヒロイン(亀山エリー)を シャーロット・ケイト・フォックスが演じました。
マッサンは、エリーがヒロインになっていますが、亀山政春(玉山鉄二)とのダブル主演という扱いになっています。
大正時代に造り酒屋の長男がウイスキー造りに魅せられてスコットランドへ行き、そこで知り合った女性と国際結婚をします。日本に戻ってからウイスキー造りに翻弄していく姿を描いているのですが、このドラマのモデルはニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝と妻リタとされています
リタが竹鶴政孝を「マッサン」と呼んでいたことから、タイトルが「マッサン」になりました。この縁で、玉山鉄二はニッカウヰスキーのCMをしています。
平均視聴率 21.1%、最高視聴率25.0%
第10位 「まんてん」(2002年後期 視聴率20.7%)
朝ドラヒロイン(日高満天→花山満天)を宮地真緒が演じました。
満天はバスガイドになるのが夢で、住んで位t屋久島から島を出ます。その後、気象予報士になるための勉強をするのですが、「宇宙から天気予報を伝えたい」と思い、宇宙飛行士になります。
この年代はスペースシャトルの打ち上げや、日本人宇宙飛行士の誕生などもあり、宇宙を題材に入れたのではと言われています。
平均視聴率 20.7%、最高視聴率23.6%
第10位 「梅ちゃん先生」(2012年前期 視聴率20.7%)
朝ドラヒロイン(下村梅子→安岡梅子)を堀北真希が演じました。
戦後末期の東京都蒲田区が舞台となっています。末っ子の梅子は旧制医学専門学校である城南女子医学専門学校に進学し、町医者となっていきます。地域の人やインターン先の同僚や先生、家族と支え合いながら生きていくストーリーになっています。
平均視聴率 20.7%、最高視聴率27.0%
視聴率のベスト10には入っていないですが、注目を集めた朝ドラもたくさんあります。
その中からいくつか紹介します。
あまちゃん(2013年前期 視聴率20.6%)
宮藤官九郎脚本の朝ドラ
このドラマの面白かったところは、「どこかで見たことあるよね、このキャラクター」という人が時々登場するところです。それと能年玲奈演じるアキがアイドルを目指して頑張っている姿も素敵でした。
ドラマが終わった後には「あまロス」という言葉ができる程でしたが、視聴率はベスト10に入りませんでした。
だんだん(2008年後期 視聴率16.2%)
1996年の朝ドラ「ふたりっ子」の子供時代を演じていた三倉茉奈・三倉佳奈。その時の視聴率が29.0%とかなり高かったため、このドラマも注目されましたが視聴率は低迷。
内容は「生まれてすぐに離れ離れになった双子」の人生を描くもので、二人が出会って歌手デビューをするもすぐに解散とドラマにしては衝撃が少なかったという声もありました。
おひさま(2011年前期 視聴率18.8%)
「連続テレビ小説」が放送されて50周年という位置づけで作られたドラマ。
ヒロインに人気女優である井上真央を起用し、出演者も若尾文子、黒柳徹子、司葉子といった大女優から若手である高良健吾、永山絢斗、満島ひかり、安藤サクラ、柄本時生といった豪華俳優が揃っていた。
評判も良かったので視聴率に結びつかなかった理由は分かりませんが、若い世代の声を聞くと「戦時中の話などが苦手」ということで、若手俳優が出ていても見なかったと言う人もいたようです。
今の時代、ドラマは録画をして見るという人も多く、録画は視聴率に反映されないため最近の朝ドラは昔のドラマに比べて視聴率が低いようです。
しかしここ数年、朝ドラ人気も復活し、多くの老若男女が見ているようです。
世代や性別を問わず楽しめるドラマ、これが朝ドラであって欲しいですね。
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