2021/12/10
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歌手30703
本名：中島美雪（なかじま・みゆき）
北海道札幌市出身
生年月日：1952年2月23日生まれ
1975年9月、キャニオンレコードから『アザミ嬢のララバイ』でデビュー。
「第10回ポピュラーソングコンテスト」「第６回世界歌謡祭」で『時代』がグランプリを獲得し一躍その名が知られるようにり、以降多数のヒット曲を生み出す。
オリコンにおいて、4つの年代にわたってシングルチャート1位を獲得という、驚異的な記録を持つ唯一のソロ・アーティストである。（『わかれうた（1970年代）』『悪女（1980年代）』『空と君とのあいだに（1990年代）』『旅人のうた（1990年代）』『地上の星（2000年代）』で達成）その人間の心の内面に響く歌詞は様々な年代から支持されており、まさに日本の歌姫と言えるだろう。
＜主なヒット曲＞ ※カッコ内は発表年。
時代（1975年）
わかれうた（1977年）
悪女（1981年）
空と君とのあいだに（1994年）
旅人のうた（1995年）
地上の星（2000年）
その他、他アーティストへの提供曲含め、数えきれないくらいのヒット曲を生み出している。
中島みゆき YouTube公式チャンネルより 地上の星PV
中島みゆき 『地上の星』はプロジェクトXプロデューサーの熱い思いから生まれた！
中島みゆき 『地上の星』は、ＮＨＫ『プロジェクトＸ』の番組プロデューサー・今井明さんの思いから生み出された。もともと今井明さんは中島みゆきの大ファンだと言う。『プロジェクトX』をプロデュースするにあたり、主題歌を任せるのは中島みゆきさんしかいない！と熱い思いを持っていたという。
今井さんは中島みゆきさんの所属事務所に、なんと手紙と一緒に４０本～５０本くらいの番組の要旨を送ったという。その熱意には、当時中島みゆきさんも驚き、オファーを快諾。『地上の星』をわずか一か月間で仕上げレコーディングまで終えた。
世の中の名もなき人に光を当てた 中島みゆき 『地上の星』の歌詞
中島みゆき 『地上の星』CDジャケット
中島みゆき『地上の星』の歌詞を見てみましょう。
『地上の星』歌詞より
高名な有名人、偉人ばかりが注目されるが、世の中には、一人知れず努力し懸命に生きている名もなき人がたくさんいます。名もなき人たちを地上の星と比喩を用い表現。この中島みゆきの名もなき人にも光を当てた歌詞が、世のサラリーマンはじめ、懸命に生きている人々の共感を得、社会現象となった。
そうだ、自分たちはみんな『地上の星』なんだ。
「打ち合わせのときに今井さんに“無名の人々の光を歌にしてください”と言われて完成したのがこの『地上の星』。中島は歌を作るとき、スタジオや部屋にこもることはないようだが、“気持ちの電源はいつもつけておく”。そうすると“言葉やメロディーが飛んでくる”らしいんです。この『地上の星』も、無名の人々の生き様にチャンネルを合わせていた彼女の頭の中に、“飛んできた言葉たち”によって作られてきたのではないでしょうか。」（所属事務所の担当者）
中島みゆき 『地上の星』NHK紅白歌合戦で生中継され、大反響！
２００２年の紅白歌合戦で『地上の星』を歌う中島みゆき
２００２年の紅白歌合戦でプロジェクトＸで取上げられたゆかりの地、富山県の黒四ダムから厳冬の寒さの中で『地上の星』が生中継されました。なかなかテレビ露出が少ない中島みゆきさんの動く姿を初めて見たという方も大勢いました。この中継は、なんと番組中最高の歌手別視聴率（52.8%：ビデオリサーチ調べ/関東地区）を記録し大反響を呼びました。
中島みゆき 『地上の星』は、オリコン始まって以来のリリース後最長期間を記録！
紅白歌合戦の反響もあり、『地上の星』はオリコン始まって以来のリリース後最長期間（130週）を経た1位獲得記録となりました。また同時に、1970年代 - 2000年代まで4年代連続の1位獲得を記録しました。これはソロアーティストとして日本で唯一の驚異的な記録です。
先日、黒部ダムに行きました。ただ美しく、観光放水に虹がかかっている感動的な光景を目にした後に、橋のたもとにダム建設殉職者慰霊碑を見つけてはっとしました。
黒四の歴史をもっと知りたい、知らなくてはならない日本人として、という衝動的な思いに駆られました。そして無性に、この『地上の星』が聞きたくなりました。
国民歌謡です。歌のメロディーも詩も、独創的です。歌い方も映像美も素敵です。NHKの映像に励まされました。バブルの崩壊した時期に、高度成長期の日本のがんばりを思い起こさせました。きっと、今日の経済復興に、日本人のメンタル面で、一役かっているでしょう
日本だけでなく、海外からも以下の反応が！
中島みゆきには数えきれないくらいの名曲が存在します。
ここでは著者がお勧めする名曲の数々をご紹介しましょう。
なおここでご紹介する曲たちの選定基準ですが、売上が上位のものというような基準ではありません。
いわばコアなファン以外にはあまり知られていない隠れた名曲集と言えるでしょう。
アルバムジャケットと歌詞でご紹介していきます。
タクシー・ドライバー （アルバム：親愛なる者へ より）
親愛なる者へ アルバムジャケット
タクシーに乗車しているのは、人生に敗れ深く傷ついた乗客。
それを見たタクシー・ドライバーは涙の理由を聞かず、他愛もない世間話で何度も話しかける。タクシー・ドライバーも苦労しているからこそのわかる人の痛み。
その歌詞から情景が目に浮かんでくるようです。
時は流れて （アルバム：あ・り・が・と・う より）
あ・り・が・と・う アルバムジャケット
時は流れて 時は流れて
そして あたしは 変わってしまった
流れの中で 今はただ祈るほかはない
あんたが あたしを
こんなに変わった あたしを
二度と みつけや しないように
時の流れは残酷だ。深く愛し合っていた二人も時の流れとともにすっかり疎遠になってしまった。あれからいろんな恋をしてきたけど、やっぱり忘れることができない。女の恋の未練を歌った歌詞は、聞くものを涙に誘う。
化粧 （アルバム：愛していると云ってくれ より）
化粧なんて どうでもいいと思ってきたけれど
せめて 今夜だけでも きれいになりたい
今夜 あたしは あんたに 逢いに ゆくから
最後の最後に 逢いにゆくから
実際に曲を聞いてみてほしい。感極まり涙声で歌っていることから、これは中島みゆき本人の実体験から来ている歌詞だろうか。愛していた人に別れ話を持ち掛けられ、最後の最後に化粧をして綺麗な自分を見てもらいたい。女の情念が詰まった数珠の失恋ソングである。
夜曲 （アルバム：臨月 より）
臨月 アルバムジャケット
あなたにあてて私はいつも 歌っているのよ いつまでも
悲しいうたも愛しいうたも みんなあなたのことを歌っているのよ
街に流れる歌を聞いたら どこかで少しだけ私のことを思い出して
思い出して
中島みゆきは未婚でありその恋愛模様は謎に包まれているが、意中の男性がいた（今もいる？）のであろう。中島みゆきが歌を歌う理由、モジベーションの一端が垣間見れる歌詞である。曲名の通り、しっとりと夜寝る前にぜひ情景を思い浮かべながら聞いてもらいたい一曲。
糸 （アルバム：EAST ASIA より）
EAST ASIA アルバムジャケット
人生の出会いの大切さを比喩的に歌った名曲。ミスチルの桜井さんがヴォーカルをつとめるBANK BANDでもカヴァーされた、名曲中の名曲。中島みゆきの作詞能力が凝縮された一曲。
『地上の星』の誕生秘話から、中島みゆきの隠れた名曲までご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？記録的なロングヒットとなった『地上の星』のヒットの秘密が垣間見れましたね。
また、隠れた名曲のご紹介では、曲の知名度にとらわれず、中島みゆきの大ファンである筆者の好みが反映されているので、知らない曲も多かったはず。
『地上の星』だけでなく、これを機会に中島みゆきのアルバムに隠された名曲を自分の手で探してみてください。きっとあなた好みのお気に入りの曲が見つかるはずです！
