ネタバレ注意！漫画「にこたま」全巻のあらすじをご紹介します

作者・渡辺ペコは、北海道札幌市生まれの漫画家。

2004年、漫画『透明少女』でヤングユー新人まんが大賞ゴールド大賞を受賞し、『ヤングユーカラーズ』（集英社）に掲載されデビュー。以後、『ヤングユー』や『コーラス』など数々の漫画誌で活躍しています。

代表作に『東京膜』があり、現在は不倫公認の夫婦を描く漫画『1122（いいふうふ）』などを連載中です。

主人公は、交際9年・同棲5年のカップル、浅尾温子（あっちゃん）と岩城晃平（コーヘー）。コーヘーは弁理士、あっちゃんは大手新聞社の記者を辞めて高校の同級生のともよのお弁当屋さんで働いています。

長年一緒に過ごしていると、向かい合ってごはんを食べながら相手が今何を考えているのかが分かったり、お互いの鼻毛処理のハナシなんかも出来たりと、なんだかんだ上手くいっている二人。

そんな二人は20歳からの付き合いで、29歳でいい年齢（トシ）だけど大人じゃなくて、仲良しだけど結婚の話は出てきません。

ある日、体調不良の晃平のために、うどんを作るあっちゃん。そのうどんを前に晃平が切り出したのは、他の女性と浮気して子供が出来たという話で・・・

29歳で最後の思春期迎える二人。仕事、結婚、子作り、アレコレ……三十路直前に訪れた最後の思春期、ゆらぐゆらめく第三次性徴白書です。

仲良しアラサーカップルの、あっちゃんとコーヘー。仲良く穏やかな生活を送っていたのですが、ある日転機が訪れます。

コーヘーはあっちゃんの事が大好きなのですが、なんと１度浮気した相手の職場の上司、高野さんを妊娠させてしまうのです。

相手の女性は、一人で産んで責任持って育てるので、一切関与しなくて大丈夫と言います。

一方のあっちゃんは、友達から結婚や子どもに対し特に願望も強くなく、冷めているというような主旨のことを言われます。

何てことない一言だとわかっているのに妙に心に引っ掛かります。

コーヘーはあっちゃんに高野さんとのことを話します。

あっちゃんは泣いたりわめいたりせず、冷静に「一人で苦しまずに、二人の問題になって、気は楽になった？」と尋ねて、家を出て行きます。

翌日、コーヘーがあっちゃんの職場まで迎えに行き、食事作ったり部屋片付けたりいたれりつくせり。最後には、『あっちゃんのことが好きでこれからも一緒にいたいと思ってる』と伝えるコーヘー。

仲直りしたような、した風な終わり方で、2巻に続きます。

コーヘーは高野さんに、あっちゃんのことが大好きで、一生一緒に生きていきたいと思っているということを伝えます。

しかし高野さんの子供のことも気にかけていて、高野さんが言うように自分にできることは限られているけれど、物理的なことや金銭的なことなど出来る限りのことはさせてほしいと話します。

コーヘーに子供ができたというのはショックだけれど、コーヘーが自分の都合で相手に堕胎を迫るような人じゃなかったことにはホッとしてる、と話すあっちゃん。

しかし、今はそういう気持ちに落ち着いているけれど、これからどうなるかはわからないし、モヤモヤしたり黒い気持ちになったりするかもしれない、それは晃平といる限りずっと付きまとうもので、かなり難儀なことだとも話す、あっちゃん。

実家に帰った時に自分の父親に『あたし一人で暮らすかもしれない』と言ったり、コーヘーが他の家族を作る夢を見て涙が溢れてきたり…。

一応仲直りしたとはいえ、悩むあっちゃん。当たり前ですよね。

あっちゃんはお腹が痛くなり、病院に行きます。あっちゃんの腹痛の原因は妊娠でもただの生理痛でもなく、卵巣腫瘍でした。両方とも大きく腫れてしまっていて、もう手術でとるしかないと・・・

大慌てで病院に駆けつけたコーヘーにあっちゃんは冷静なまま自分の症状を話し、コーヘーの買ってきたいちごみるくを飲み、涙を少し浮かべ、子供が産めなくなるかもしれないことをコーヘーに伝えます。

出産のため仕事を辞め、故郷に帰る高野さんの仕事の引き継ぎを受けるコーヘー。そして高野さん子供を認知させてほしい、と切り出します。

漫画やドラマで時々耳にする「認知」という言葉ですが、“戸籍と養育費と相続権について子の権利を認めて責任を持つこと”だそうです。

あっちゃんは、卵巣腫瘍の手術を受けます。そしてココで、漫画「にこたま」を読んだ人が最もヒヤッとした場面・・・あっちゃん、コーヘー、高野さんの3人が鉢合わせするのです。

あっちゃんが手術を受ける産婦人科と、高野さんが通う産婦人科が同じところだったのです。コーヘーは、それぞれを一緒に暮らしてる恋人、会社の先輩と紹介します。

心の中では、慌てふためいているコーヘー。このあとどうすれば・・・と思っていたところ、高野さんが立ち去ったことで、無事に難を逃れました。

偶然にも、あっちゃんと高野さんは顔見知りだったようです。先日あっちゃんがトイレで落としたハンカチを高野さんが拾ってくれていたという…。

運命のイタズラですね。

しかも、女の勘でしょうか。あっちゃんは、浮気相手＝高野さんだと気づいていました。

手術後、少しだけ卵巣を残せたあっちゃんでしたが、医者からは自然妊娠は難しい、とはっきり言われてしまいます。

そしてあっちゃんは仕事にも復帰し、コーヘーとも今までと変わらない生活を送ります。でもあっちゃんは、この生活は妥協なのだろうかと、ふと考えてしまうのです。

そんなあっちゃんの気持ちも知らないコーヘーは、あっちゃんの退院祝いに旅行へ行こうと考えています。そして、恐らくあっちゃんに結婚の話を切り出そうとしたその時、あっちゃんが、家を出ようと思う、と口にします。

同棲していた家の割と近くに、部屋を借りたあっちゃん。別れたわけではないけれど、あっちゃんの心は揺れ動きます。

友人に言われた『なんで別れないでいられるの？』だったり、父親の再婚相手のおめでたいはずの出産が心から喜べなかったり。涙が溢れ出します。

お蕎麦屋で泣き出してしまったあっちゃんを気遣うように、蕎麦湯を勧めてくる蕎麦屋の息子・石田純。新しい人物の登場です。

あっちゃんに、戻ってきてほしい、結婚しようと伝えるコーヘー。それに対し、コーヘーのことは好きだけれど、今は結婚を考えられないと話すあっちゃん。

そして、あっちゃんに新たな出会いがありました。お蕎麦屋で泣いてしまった時に話しかけてくれた蕎麦屋の息子・石田純は、実は弁当屋に通うお客さんで、あっちゃんに好意を持ってくれていたのです。

後日デートをして、石田純に心惹かれていくあっちゃん。しかしデートの帰り、石田にアパート前までタクシーで送ってもらうと、そこにコーヘーがいました。

石田は空気を察してすぐそのまま帰りましたが、コーヘーの引きつった顔に、少し慌てた様子のあっちゃんでした。

コーヘーが別れを切り出し、あっちゃんとコーヘーの10年は終わってしまいました。

毎朝起きるたびに別れた、ということを思い出します。あっちゃんは考えないように考えないように毎日をやり過ごすのですが…

そんな時石田からのお誘いが。一緒に買い物をしたり食事をしたり、コーヘと別れたこと、まだ少し引きずっていることを話しました。

すると石田は、『俺つかってくれない？』と、さらっと爽やかな顔であっちゃんに言います。そしてそのまま二人は…。

石田の家にお泊まりした、あっちゃん。しかし後日、石田との気持ちにはズレがあり、これからも変わらないと思う、と伝えます。

コーヘーに、あたしと結婚しない？とプロポーズするあっちゃん。コーヘーは、『する　します　してください』と即答。

最後はコーヘーとあっちゃん、そしてなんと、二人の娘・琴ちゃん。あっちゃんの愛しそうな顔が、全てを物語っています。

最近何かとお茶の間を賑わせている、「浮気」や「不倫」。

漫画「にこたま」も、アラサーカップルに訪れた浮気事件、そして浮気相手の妊娠。さらには、卵巣腫瘍による「子供が産めないかもしれない」という不安。

しかし、重いテーマながらも、ドロドロという感じではなく何だかほっこりさせてくれる漫画です。色々とあった二人ですが、最後はハッピーエンドということで安心して読めます。

5巻で完結なので、飽き性の人でもサクっと読めるのでオススメです。

男女の気持ちがすれ違う理由や、他者との繋がり方についても描かれているので、気になった方はぜひ読んでみて下さいね。