紅白歌合戦の歴代司会者の傾向を分析！当初は同じ司会者が何度も！？

毎年、誰が司会者に選ばれるのか、どの歌手が選ばれるのかと話題になるNHKの紅白歌合戦。
しかし、紅白歌合戦が始まった1951年当時は、同じ司会者が何年も続けて出ていました。

参考になるので、下に歴代の司会者を並べました。
回数、年代、紅組司会者、白組司会者、総合司会者の順番に並べています。

回数　年代　　紅組　　　　白組　　　　　総合

1 　1951 　　加藤道子 　　藤倉修一 　　田辺正晴
2 　1952　　 丹下キヨ子 藤倉修一 　　田辺正晴
3 　1953 　　本田寿賀 　　宮田輝 　　志村正順
4 　1953　　 水の江瀧子 高橋圭三 　　北出清五郎
5 　1954 　　福士夏江 　　高橋圭三 　　石井鐘三郎
6　1955　　 宮田輝 　　高橋圭三 　　石井鐘三郎
7 　1956　　 宮田輝 　　高橋圭三 　　石井鐘三郎
8 　1957　　 水の江瀧子 高橋圭三 　　石井鐘三郎
9 　1958　　 黒柳徹子 　　高橋圭三 　　石井鐘三郎
10 　1959　　 中村メイコ 高橋圭三 　　石井鐘三郎
11 　1960　　 中村メイコ 高橋圭三 　　石井鐘三郎
12 　1961　　 中村メイコ 高橋圭三 　　穂坂俊明
13 　1962　　 森光子 　　宮田輝 　　石井鐘三郎
14 　1963　　 江利チエミ 宮田輝 　　石井鐘三郎
15 　1964　　 江利チエミ 宮田輝 　　石井鐘三郎
16 　1965　　 林美智子 　　宮田輝 　　石井鐘三郎
17 　1966　　 ペギー葉山 宮田輝 　　石井鐘三郎
18 　1967　　 九重佑三子 宮田輝 　　石井鐘三郎
19 　1968　　 水前寺清子 坂本九 　　宮田輝
20 　1969　　 伊東ゆかり 坂本九 　　宮田輝
21 　1970　　 美空ひばり 宮田輝 　　北出清五郎
22 　1971　　 水前寺清子 宮田輝 　　鈴木文彌
23 　1972　　 佐良直美 　　宮田輝 　　山川静夫
24 　1973　　 水前寺清子 宮田輝 　　山川静夫

25 　1974　　 佐良直美 　　山川静夫 　　土門正夫、中江陽三
26 　1975　　 佐良直美 　　山川静夫 　　相川浩
27 　1976　　 佐良直美　 山川静夫 　　相川浩
28 　1977　　 佐良直美 　　山川静夫 　　相川浩
29 　1978 　　森光子 　　山川静夫 　　相川浩
30 　1979　　 水前寺清子 山川静夫 　　中江陽三
31 　1980　　 黒柳徹子 　　山川静夫 　　中江陽三
32 　1981　　 黒柳徹子 　　山川静夫 　　生方惠一
33 　1982　　 黒柳徹子 　　山川静夫 　　生方惠一
34 　1983　　 黒柳徹子 　　鈴木健二 　　タモリ
35 　1984　　 森光子 　　鈴木健二 　　生方惠一
36 　1985　　 森昌子 　　鈴木健二 　　千田正穂
37 　1986　　 目加田賴子、斉藤由貴 　千田正穂、加山雄三 　吉川精一
38 　1987 　　和田アキ子 加山雄三 　　吉川精一
39 　1988　　 和田アキ子 加山雄三 　　杉浦圭子
40 　1989　　 三田佳子 　　武田鉄矢　 松平定知
41 　1990　　 三田佳子 　　西田敏行　 松平定知
42 　1991　　 浅野ゆう子 堺正章　　 山川静夫
43 　1992　　 石田ひかり 堺正章 　　山川静夫
44 　1993　　 石田ひかり 堺正章 　　森田美由紀
45 　1994　　 上沼恵美子 古舘伊知郎 宮川泰夫
46 　1995　　 上沼恵美子 古舘伊知郎 宮本隆治、草野満代
47 　1996　　 松たか子 　　古舘伊知郎 宮本隆治、草野満代
48 　1997　　 和田アキ子 中居正広　 宮本隆治
49 　1998　　 久保純子 　　中居正広 　　宮本隆治

50 　1999　　 久保純子 　　中村勘九郎(現在：中村勘三郎) 宮本隆治
51 　2000　　 久保純子 　　和泉元彌 　　宮本隆治
52 　2001　　 有働由美子 阿部渉 　　三宅民夫
53 　2002　　 有働由美子 阿部渉 　　三宅民夫
54 　2003　　 有働由美子、膳場貴子 　阿部渉、高山哲哉 武内陶子
55 　2004　　 小野文惠 　　阿部渉 　　堀尾正明
56 　2005　　 仲間由紀恵 山本耕史 　　みのもんた、山根基世
57 　2006　　 仲間由紀恵 中居正広 　　三宅民夫、黒崎めぐみ
58 　2007　　 中居正広 　　笑福亭鶴瓶 松本和也、住吉美紀
59 　2008　　 仲間由紀恵 中居正広 　　松本和也、小野文惠
60 　2009　　 仲間由紀恵 中居正広 　　阿部渉
61 　2010　　 松下奈緒 　　嵐 　　　　阿部渉
62 　2011　　 井上真央 　　嵐 　　　　阿部渉
63 　2012　　 堀北真希 　　嵐 　　　　有働由美子
64 　2013　　 綾瀬はるか 　嵐 　　　　有働由美子
65 　2014　　 吉高由里子　嵐 　　　　有働由美子
66 　2015　　 綾瀬はるか 井ノ原快彦 黒柳徹子、有働由美子
67　2016　　　　有村架純　　　相葉雅紀　　　武田真一
68　2017　　　　有村架純　　　二宮和也　　　内村光良　桑子真帆

目立つのが、高橋圭三、石井鐘三郎、宮田輝、山川静夫というお名前です。

まず高橋圭三ですが、サラリーマンからNHKのアナウンサーへと転職し、紅白歌合戦の司会者を9年連続で務めています。

1962年に NHKとの契約を解除し、日本で初めてフリーアナウンサーとなりました。

「管理職になってハンコなんか押せない。ハンコは誰でも押せるが、職人アナの代わりはいない。」
「司会業の確立が夢でした。日本では司会は場つなぎだが、アメリカでは大切な職業」

という思いだっだそうです。

高橋圭三がNHKを去った後も、紅白歌合戦の司会者として活躍していたのが、石井鐘三郎でした。
紅白歌合戦の歴代司会者の中で、総合司会を最多回数務めました。

宮田輝も歴代司会者の中で、忘れる事ができないアナウンサーです。
『ふるさと歌まつり』という番組を18年間も続け、番組冒頭の挨拶「おばんでございます」を流行らせたアナウンサーでもあります。

紅白歌合戦では、視聴率獲得の苦肉の策で、紅組の司会者として初めて、男性の宮田輝が務めました。
しかし、「男の癖に女の方に加勢するとはけしからん!」と罵声を浴び、番組進行に支障がでるほどだったそうです。
それでも、紅組、白組、総合司会の全てを紅白歌合戦で務めたのは、歴代司会者の中で、この宮田輝だけです。

山川静夫は、NHKアナウンサーとして、ウルトラアイやトライ&トライ、くらべてみればなどの生活科学番組を手掛け、15年に渡って司会を続けるなど人気看板アナウンサーでした。
紅白歌合戦の司会者としても白組司会者として9年連続で務め、その後も、9年経ってから、総合司会者として紅白歌合戦に戻り、総合司会者を2年間務めました。
上の歴代看板アナウンサーたちが後年にはフリーに転向したり、国会議員となって活動したのと違い、山川静夫は、NHKの幹部として、アナウンサーとして、定年するまでNHKで勤め上げました。

黒柳徹子が紅白歌合戦の歴代司会者に名前を連ねています。
1958年に初めて紅組司会者として登場し、その後、司会はしていませんでしたが、22年ぶりに紅組司会者として戻り、4年間も務めました。
その後また2015年、総合司会も務めました。
黒柳徹子のように、長い間紅白歌合戦から離れ、また戻ることを繰り返している司会者は、歴代を見ても、この黒柳徹子だけです。

佐良直美も合計5回、紅組司会者を努めています。
佐良直美は、当時女性では初、日本レコード大賞で新人賞、後に大賞を受賞するという功績を残した人気歌手でした。
しかし、デビューから20年経った時、歌手活動を止め、実業家に転身し、家庭犬のしつけ教室を開き、優良家庭犬普及協会専務理事も努めています。
2010年に、久しぶりのCDを出し歌手に復活もしています。

宮本隆治が、6年間総合司会を務めています。
宮本隆治は、アナウンサーになった当初から、紅白歌合戦の司会者を務めるのが夢だったそうです。
それもあってか、NHKを定年退職し、フリーとなってからも、歌番組での司会を多く務めています。

この黒柳徹子、佐良直美、宮本隆治が、長期に渡って司会を務めた最後の司会者ではないでしょうか。

この時代の歴代司会者を見ると、森光子や水前寺清子、美空ひばり、和田アキ子、三田佳子、石田ひかり、上沼恵美子が数年ずつ紅組の司会をしたり、加山雄三、武田鉄矢、西田敏行という俳優、堺正章や古舘一郎といったベテランの芸能人が白組の司会を3年したりはしていますが、長期に渡って司会をする傾向はなくなりました。

NHKのアナウンサーで人気が出た久保純子は、3年紅組の司会者を務めました。
有働由美子も、紅組司会者を3年、後に、総合司会を4年務めています。
紅白歌合戦が始まった初期のころ程ではありませんが、歴代司会者を見てみても、この有働由美子アナウンサーは、紅白歌合戦の司会者を長く務める事が可能な、数少ない実績ある女子アナウンサーだと言えます。

そんな中で、気になるのが、中居正広が合計4回も司会者を務めていることではないでしょうか。
白組3回、紅組1回です。男性が紅組の司会を努めるのは、先に述べた宮田輝以来で、歴代司会者の中で、現在までこの2人しかいません。

これ以降、白組の司会者は、嵐、井ノ原快彦、相葉雅紀、二宮和也と、ジャニーズばかりです。

紅組も、仲間由紀恵が4回も司会者を務めた後は、松下奈緒、井上真央、堀北真希、綾瀬はるか、吉高由里子と、毎年人気女優入れ替わり、歴代司会者として並んでいます。

こうして、紅白歌合戦の歴代司会者を見てみると、司会者の選び方が変わってきているのが分かります。

最初の頃は、同じNHKアナウンサーが長期にわたって努めていたのですが、徐々に、その時に人気のある芸能人が選ばれるようになりました。
そして最近では、白組はジャニーズ、紅組は人気女優を起用するようになってきました。

毎年毎年、視聴率の取り合いで厳しい状況に追いやられている紅白歌合戦なので、司会者選びも難しいようです。
大晦日に欠かせない紅白歌合戦ですから、これからも長く続くように、紅白歌合戦の看板ともいえるような、長続きする司会者が出てきて欲しいものですね！