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2023/12/28
大今里
映画「激突」はリチャード・マシスンの短編小説をもとにしたスティーヴン・スピルバーグ監督による1971年の作品です。
当初テレビ映画として制作されましたが、シーンを追加して劇場版として公開されました。日本では1973年1月13日に公開されています。
アメリカ南部とみられる、ほとんど人気のない砂漠のハイウェイを車で走行していた男性が、一台のタンクローリーを追い越したことをきっかけに、そのタンクローリーに付きまとわれ、命を狙われるというストーリーです。
ここでは、この映画「激突」をネタバレありで解説していきます。
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映画「激突」ネタバレその1は、スティーヴン・スピルバーグ監督の長編デビュー作であり、そのキャリアに大きく影響を残していることです。
スティーヴン・スピルバーグは映画専攻の大学生であったころ、ユニバーサルに出入りし、短編映画「アンブリン」が評価されて同社と契約を結びました。
テレビ映画「激突」は同社のもとで制作されました。スピルバーグ監督は面識のなかった原作者のリチャード・マシスンに電話をかけて自分を売り込み、監督の許可を得ました。
作品が高く評価されてスピルバーグ監督は映画界へ進出していきます。
スティーヴン・スピルバーグは1975年公開の映画「ジョーズ」を監督し、ハリウッドの大物監督の一人となりました。
「激突」に登場する不気味なタンクローリーは、ジョーズへと繋がっていきます。ジョーズが死ぬ場面では、タンクローリーが崩壊する場面と同じ恐竜の鳴き声が使われています。
映画「激突」ネタバレその2は、新たに追加されたシーンについてです。
オリジナルのテレビ映画版の長さは74分であり、新たにシーンを追加し90分として劇場公開されました。
新たに追加されたのは、踏み切り、スクールバス、電話ボックスのシーンです。またオープニングが長くなり、罵り言葉も多くなっています。
映画「激突」ネタバレその3は、登場する車についてです。
この映画は車同士の戦いと言ってもいい作品です。
主人公の車はプリムス・ヴァリアントで、1960年から1976年にかけてクライスラーで生産された車です。クライスラーのエントリーモデルとして世界的に人気となりました。
劇場版では1970、1971、1972年モデルが使用されています。
タンクローリーは、アメリカ・テキサス州に本社がある大手トラック会社ピータービルトのモデル281です。
映画「激突」ネタバレその4は、ロケ地についてです。
ほとんどは、カリフォルニアのキャニオン郡、アグア・ダルシー、アクトンで撮影されました。
フィグエロア・ストリート・トンネルや踏み切り、チャックズ・カフェの建物は実在しています。
映画「激突」ネタバレその5は、黒澤明からの引用についてです。
スピルバーグ監督が黒澤明を尊敬し、多大な影響を受けていたことはよく知られています。
この映画「激突」では、黒澤明監督「野良犬」を引用したシーンがあります。
主人公がタンクローリーに追われて、逃げるように入ったカフェでのシーンです。
主人公がトイレで顔を洗って出てきて、窓の外を見ると、駐車場にタンクローリーが停まっているのを発見します。
運転席には誰もおらず、主人公は運転手がカフェの客のなかにいると思い、探そうとします。
映画「野良犬」では三船敏郎演じる主人公・村上刑事が、犯人が駅の待合室にいることを突き止め、自問自答しながら客のなかから犯人を見つけます。
「激突」の方では、主人公は、運転手がカーボーイブーツを履いているということくらいしか手掛かりがなく、人違いをしてしまいます。
映画「激突」ネタバレその6は、ラストの対決シーンについてです。
究極のネタバレになりますが、道の行き止まりまで追い込まれた主人公は、タンクローリーと正面から対決するしかないと覚悟を決めます。
主人公のヴァリアントは正面からタンクローリーに向かっていき、衝突直前で主人公は車から脱出します。
このシーンは後世の作品に多くの影響を与えたことでしょう。
映画「激突」ネタバレその7は、影響を与えた作品についてです。
本作におけるトラックの描写は、ゲームや映画、テレビ、本など多くの作品に影響を与え、様々なかたちで引用がなされています。
例えば、1978年公開の映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間」では、ルパン一味が乗るミニが巨大トラックに追いかけられるシーンがありますが、本作のパロディとなっています。
また本作以後、「サブウェイ123 激突」 (2009年)など邦題に「激突」を含む作品が多く出されています。
以上、映画「激突」についてネタバレありで解説してきました。
1971年の作品ですが、シチュエーション・スリラーが好きな方ならきっと楽しめることと思います。ぜひ一度、ご鑑賞を!
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