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【ネタバレあり】映画「起終点駅 ターミナル」小説とは違う結末とは

佐藤浩市と本田翼の共演で話題となった映画「起終点駅ターミナル」美しい北海道の風景が心にしみるヒューマンドラマです。何かに思い悩み、立ち止まっている人に、ぜひ観てほしい映画です。「起終点駅ターミナル」のネタバレあらすじとネタバレ感想をまとめました。

映画「起終点駅ターミナル」とは

映画「起終点駅ターミナル」の原作は直木賞作家「桜木紫乃」の小説短編集の表題作。北海道釧路市の美しい風景を舞台にした物語です。

「起終点駅ターミナル」とは、「たどり着いた終着駅は明日の始発駅に」「終わりだと思っていた場所が始まりの場所に」という物語のテーマになっています。

罪を償っているつもりで、誰にも関りを持たないようにひっそりと生きてきた男の25年間。止まっていた時間が動き出し、前に進むきっかけとなったのは…。

映画「起終点駅ターミナル」は、第28回東京国際映画祭のクロージング作品となりました。

映画「起終点駅ターミナル」の主なキャスト

佐藤浩市/鷲田完治


釧路で国選弁護士として働き、一人で細々とした生活を送っている。

本田翼/椎名敦子


覚せい剤使用の罪で逮捕され、裁判で完治が弁護を担当した。

尾野真千子/結城冴子


完治の学生時代の恋人。再会後、不倫の関係に。その後、完治の目の前で自殺した。

中村獅童/大下一龍


投資会社を経営。父親はヤクザ。傷害事件を起こした時に完治が弁護をした。

泉谷しげる/南達三


完治の先輩弁護士。25年間完治を支え続けている。

映画「起終点駅ターミナル」ネタバレ①冴子

「起終点駅ターミナル」原作本

ネタバレあらすじ(冴子との再会)

北海道の旭川で裁判官として働く鷲田完治(佐藤浩市)。単身赴任中で妻子は東京にいる。

ある日、完治の前に学生時代の恋人・結城冴子(尾野真千子)が覚せい剤取締法違反の被告人として現れた。

彼女に執行猶予付きの判決を与えた完治。その後から、冴子が働くスナックに通い始め、体の関係をもつようになり、月に一度の逢瀬を重ねるようになった。

2年の北海道勤務を終え、妻子がいる東京へ戻ることになった。しかし完治は、すべてを捨てて冴子と生きていくことを決める。

二人で街を出ていこうと駅で電車を待っている時に、冴子は完治の目の前で線路に飛び込み自殺してしまう。

ネタバレ感想(冴子の美しさ)

「私、短命なんだって。でもね、それもいいかなって思った。誰かの負担になるくらいなら、迷惑かけないであっさりいくのも...」学生時代に冴子が言っていた言葉。

完治は冴子と生きることを選び、当然、冴子も喜んでいると思っていたんでしょう。なぜ、冴子が自殺を選んだのかわかりませんが、冴子は完治の家庭を壊してまで幸せになりたくなかったのかもしれませんね。

難しい役どころを演じた尾野さんは、「台本を読んだときに、分かりやすいものが多い世の中で、そうではない色々なことを考えさせてくれて、これが本来の映画だな。」と。

出典:http://www.cinemacafe.net

尾野さんは「冴子という人物は孤独だったのか、幸せだったのか…などと色々なことを考えながら演じていた。」そうですよ。

今まで尾野真千子さんは綺麗な人という認識がなかったのですが、この映画の尾野さんは、本当に「美しい!」と思いました。

映画「起終点駅ターミナル」ネタバレ③敦子

「起終点駅ターミナル」映画シーン

ネタバレあらすじ(敦子との出会い)

それから25年。失意の完治は釧路で息をひそめるようにひっそりと暮らしていた。

東京に暮らす妻と息子を捨て、愛した女性を死に追いやってしまったという二つの罪。完治は最果ての地で逃げるように生きることしかできなかった。

そんな時、ダイエット薬だと騙され、覚せい剤を所持していた椎名敦子(本田翼)の弁護をした。それがきっかけで、椎名敦子から覚せい剤を持って逃げている恋人を探してほしいと依頼を受ける。

完治は国選弁護士以外の仕事はしないと断るが、敦子は完治の家に押し掛けるようになり、完治は敦子の人懐っこさに、凍っていた心が少しずつ溶けていった。

「起終点駅ターミナル」映画シーン

ネタバレ感想(生きることは食べること)

打ち解けていく完治と敦子。そこには完治の手料理がありました。

手づくりのザンギを振るまう。いくらを漬ける。冷やし中華、おじや。敦子は「おいしい」と笑顔で食べてくれます。

おそらく敦子は、大人に、または男性に、優しくされたことがなかったかもしれないですね。敦子が無邪気に素直に甘えてくれるたびに、完治の冷え切った心が溶けていきます。

ネタバレ(食事シーン)

映画「起終点駅ターミナル」では食事シーンがよく出てきます。

生きるために自分で食事を作る。完治はいつしか料理だけが生きがいになっていたのです。敦子と一緒に食べることで、二人で食べた方が美味しいとか、人に作ってあげる喜び、など人としての「気持ち」を思い出します。

映画「起終点駅ターミナル」ネタバレ④息子

「起終点駅ターミナル」映画シーン

ネタバレあらすじ(息子)

完治は仕事場で判事補の森山卓士という声を掛けられる。彼は25年間も会っていない息子の友達だった。それから今まで知らなかった息子の情報が入ってくるようになる。

司法試験を諦め、埼玉地検で事務官をしていること。今度、結婚すること。完治はポストを確認するが招待状は届いていない。完治は幼い頃の息子の写真を心苦しく眺めていた。

ある日、完治に息子の恒彦から電話が掛かってきた。完治はなんといっていいのかわからず絶句する。恒彦は結婚式に出席して欲しいと頼んだが、完治は断った。

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ネタバレ感想(息子への思い)

妻と離婚していても、息子のためにお金を送り続けていた完治。

小さい頃に別れた息子はもう立派な大人になって結婚するという。罪を償って生きてきたつもりの25年間。完治が償ってきた罪っていったい何だったのでしょうね。

完治の「こんなところに引っ込んで自分で自分に量刑を課したつもりでいたけど、どっちにもなんにも償ってなかったんだ」というセリフ。

逃げているだけだったと気付くのですね。完治の心が大きく動く瞬間です。

映画「起終点駅ターミナル」ネタバレ⑤ラスト

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ネタバレあらすじ(敦子との別れ)

敦子は完治と実家を訪ねた。そこで完治は敦子が探していた恋人の大庭を瀕死の状態で倒れているのを見つけた。病院に連れていく二人。

敦子は完治に「頼むから死んでいてくれと願った。」と話す。完治は「それでも君はあいつを探した。だからあの男の命は助かった」「生きていてくれるだけでいいんだよ。」

この件があった後、敦子は「この街を出ます。」敦子は人生の再スタートの決心をします。別れの時、完治は「ザンギ」の作り方のメモを渡した。

敦子は「作り方が分からなくなったら聞きに来てもいい?」と聞いた。完治は「絶対、戻ってくるな。」と。敦子は笑顔で去っていった。

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ネタバレあらすじ(息子からの手紙)

後日、息子の結婚式の招待状は隣のおじいさんが勝手に持って行ってしまっていたことを知る。招待状を手に取る完治。そして、「お父さんにどうしても式に来てほしい。」という息子からの手紙も見つかった。

ついに、完治は息子の結婚式に出席することを決める。列車に乗るために完治はホームに立っていた。そして、未来へ向かっての1歩を踏み出した。

映画「起終点駅ターミナル」感想まとめ

映画「起終点駅ターミナル」のネタバレはいかがでしたか。

挫折、罪悪感、つらい過去、何かに思い悩んでいる時、人は誰でも動けない時があります。たどりついた終着駅で時間が過ぎるのを待つしかないんですね。

時間が経てば、生きていれば、傷は癒えてきます。少しずつ。

前に進もうと決めた時、終点と思えた場所から道が広がる「人生の終着駅だと思っていた場所が、始発駅になる。」と、この映画は教えてくれました。

原作と映画ではラストシーンが違います。原作では完治は結婚式には出席しないというもの。それは、新しく人生をスタートするためにあえて出席しない、というラスト。

いろいろ考えさせられる映画です。もっと楽しみたい方は原作を読まれてくださいね。

映画「起終点駅ターミナル」は、しっとりと人生を見つめたい方へおすすめの映画でした。

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