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藤竜也主演!大島渚監督作品「愛のコリーダ」と阿部定事件。

1976年公開の藤竜也さん・松田暎子さん主演の大島渚監督作品「愛のコリーダ」は実際に起きた「阿部定事件」を題材にし、際どい性描写が多かったため問題作として話題を呼びました。作品に主演した藤竜也さんと「愛のコリーダ」についてまとめました。

「愛のコリーダ」は大島渚監督の日本・フランス合作映画。

藤竜也さん、松田暎子さん主演の映画「愛のコリーダ」は、1936年に実際に起こった「阿部定事件」を題材にされています。
監督は大島渚さんで、同作は検閲を避けるため、若松孝二とアナトール・ドーマンのプロデュースという日仏合作で製作されました。
「愛のコリーダ」は第29回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品され、ハードコア・ポルノを思わせる過激な性描写が観客や批評家の間で話題となりましたが、日本では映倫によって大幅な修正を受けてしまいました。
「愛のコリーダ」は2000年にリバイバル上映され、再び話題となりました。
その際には修正個所も大幅に減ったものの、国内では完全な状態での視聴はまだまだ不可能のようです。

「愛のコリーダ」主演は日活アクションスター・藤竜也さん

映画「愛のコリーダ」の主演
藤竜也さんは1941年北京生まれです。
大学在学中に日活入社し、1962年「望郷の海」で銀幕デビュー。
日活の女優・芦川いづみさんと結婚されます。
当時はあまり目立った役柄ではなかったので
既に日活の大スターだった芦川さんと藤竜也さんの結婚は現在で言う「格差婚」的に
取り上げられました。
また日活社内の重役たちに芦川いづみさんと藤竜也さんの
結婚を了承させたのは、会社の先輩・石原裕次郎さんでした。

その後は渡哲也さん、郷鍈治さん、沖雅也さんらとともに
日活ニューアクション路線を支える俳優の一人として活躍しました。

アウトロー役から影のある男まで演じる藤竜也さんの70年代

日活ニューアクション時代は、アウトロー役が多かった藤竜也さん。
70年代に入るとテレビの世界でも活躍の幅を広げますが
やや長めの髪型にサングラス、黒尽くめの服装で割りと影のある暗い役が多く、
特に久世光彦さん演出の「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「悪魔のようなあいつ」に関しては闇の深い役柄を演じました。
暗い印象はあったものの確実に俳優としての実績を積んでいきました。

俳優人生も暗かった!?藤竜也さんの歌。

当時暗いイメージの役どころが多かった
藤竜也さんを象徴しているのが
主演映画の「任侠花一輪」の主題歌「花一輪」と
B面で歌っている藤圭子さんのヒット曲
「夢は夜ひらく」のカバーです。

どんよりしているものの
藤竜也さんの渋い味わいがありますね。
とても30代とは思えない貫禄です。

藤竜也さんはこの後、神代辰巳監督の「アフリカの光」出演の後
「愛のコリーダ」の撮影に挑むこととなります。

藤竜也さんはなぜ「愛のコリーダ」に出演したのか。

さて、藤竜也さんはなぜ
際どい性描写(無修正の本番行為)が多い
「愛のコリーダ」の出演オファーを受けたのでしょうか?


藤竜也さんのインタビューによると
「ストーリーがピュアでよかった」との事です。
また「あの時、断っていたら自分自身に負けた。一生、後悔しただろう」
と語っています。

素晴らしい俳優魂ですね。

もし、藤竜也さんがもし「愛のコリーダ」を断っていたら
どうなっていたでしょうね。

「愛のコリーダ」の音楽が美しい

「愛のコリーダ」は映像・内容も良いですが、
音楽も素晴らしいです。

幻想的な尺八の音色が作品を引き立てています。

「愛のコリーダ」以降は明るい役柄が増えた藤竜也さん。

「愛のコリーダ」以降、藤竜也さんは明るい役に挑戦していきます。

1978年は刑事ドラマ「大追跡」で女好きの刑事・水原慎介を
コメディタッチに演じたことでそれまでの陰鬱なイメージをが一転しました。
衣装も赤いブルゾンにジーンズという明るいファッションが多く
共演の沖雅也さん、柴田恭兵さん、長谷直美さんたちとの
息もピッタリで、時折アドリブらしい掛け合いもありました。

さらに1980年の「プロハンター」では草刈正雄さんとの
ハンサムな刑事コンビで人気を集めました。
どこか「大追跡」の要素を引き継いでいましたね。

後の「あぶない刑事」にも通じるテンポの良い刑事ドラマでした。

この頃の藤竜也さんには「愛のコリーダ」のイメージは全く
感じられませんね。

「愛のコリーダ」をDVDで。

「愛のコリーダ」DVDは修正されている日本版と
修正が少ない海外版とありますので
お好みの方でご覧ください。

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