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2023/12/28
大今里
小説家ルー・ウォーレスが、1880年に発売した小説『ベンハー』
2017年現在まで、5度も映画化がされている人気小説です。
イエス・キリストをはじめたとした、『新約聖書』ゆかりの人物たちを織り交ぜた構成で作られており、発売当時は発行部数の記録を塗り替えた小説です。この記録を抜いたには、1936年に発売された小説『風と共に去りぬ』でした。
何度も映画化されている同小説ですが、最も有名なのが1959年公開の『ベンハー』です。
3度目の映画化作品ではありましたが、1959年のアカデミー賞・作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞をはじめとした、11部門の賞を受賞しています。
11部門制覇の記録を達成した映画は、1997年公開の映画『タイタニック』、2003年『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の計3本しかありません。
11部門の賞を受賞した映画として、現在も語り継がれる映画『ベンハー』です。
日本では1960年4月1日より公開され、翌年の7月13日まで上映されるという超ロングラン記録を樹立しています。
また、公開日前日に行われたプレミアム試写会には、昭和天皇・皇后陛下も招かれています。
ベツレヘムの星々が輝く下、馬小屋で救世主が誕生してから26年の月日が過ぎた。
ユダヤ人が住む辺境のイスラエルでは政務を覧する総督の交代が迫っていた。
裕福なユダヤ貴族の若者、ジュダ=ベン・ハーは軍司令官として戻ってきた旧友メッサラとの再会を喜ぶ。
ユダヤの民が希望の光とする救世主の存在を、未開の頑迷と否定する一方で恐怖をも感じていたメッサラは、王家の流れを汲み人望のある友人ベン・ハーに、ローマ側に協力するよう求める。
しかし、同胞の苦難に心を痛めていたベン・ハーは、その誘いを断り・・・
1959年公開の映画『ベンハー』には、予告動画が制作されていませんでした。
しかし、映画のあらすじをまとめた動画がありましたので、ここでご紹介します。
映画『ベンハー』の映画音楽を担当したのは、ハンガリー出身の作曲家ミクロス・ロージャ(ローザとも訳される)です。
映画音楽を数多く手掛けていたミクロスは、アカデミー作曲賞に17回ノミネートされ、3度作曲賞を受賞している凄腕の作曲家として有名です。
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1959年公開の映画『ベンハー』の主演は、アメリカ人俳優のチャールトン・ヘストンです。
大学で演劇を学んだチャールトン・ヘストンは、アメリカ陸軍に3年間勤務します。
退役後、俳優の道を目指し映画や舞台に出演していました。
鍛え上げられた肉体と力強さを感じる顔つき、そして格調高い演技力を評価し、とある映画監督に「ミケランジェロの彫刻のように美しい」と称されました。
彼の持つ肉体美やせいかんなマスクが注目され、その後数々の名作に出演していきます。
チャールトン・ヘストンは、映画『ベンハー』に出演したことで、アカデミー賞・主演男優賞を受賞しました。
数々の映画に出演してきた俳優チャールトン・ヘストンですが、2008年4月5日自宅で婦人に看取られて84歳でこの世を去りました。
映画『ベンハー』に出演する3年前、チャールトン・ヘストンは映画『十戒』のモーセ役を演じています。
旧約聖書に書かれている『出エジプト記』を元に制作された同映画で、ヘブライ人ながらエジプトの王子として成長、そして神となるモーセを演じています。
各分野の専門家を呼んで、時代考証をするなど忠実に再現したことで、日本でも高い評価を得た映画です。
映画『ベンハー』公開後の1967年、チャールトン・ヘストンは映画『猿の惑星』の主人公ジョージ・テイラーを演じました。
チャールトン・ヘストンの代表作として、『猿の惑星』を挙げる人がいるなど、映画史に残る新たな金字塔を立てた映画です。
チャールトン・ヘストンは、3年後に公開された続編『続・猿の惑星』に主演として出演しています。
また、2001年に公開された新シリーズ『PLANET OF THE APES/猿の惑星』では、猿のセード将軍の父ゼイウスの声を担当しました。
2016年8月19日、映画『ベンハー』がアメリカで公開されました。
小説が発売されてから、5度目の映画となり、小説の『再翻案』や『再想像』、『新解釈』などと称されており、過去に映画化された作品とは一線を画すという意欲がある作品に仕上がっています。
撮影は、2015年2月2日イタリア・ローマで始まり、同年8月にクランクアップを迎えました。
同映画はアメリカのみの公開で、日本での公開はありませんでした。
そのため、映画が公開していたことを知らない人が多いのも、仕方ありません。
2016年版映画『バンハー』の主役ベン・ハーを演じたのは、イギリス人俳優ジャック・ヒューストンです。
2004年より、アメリカを中心に活動している俳優です。
2016年版映画『ベンハー』がアメリカで公開する少し前、日本でも2017年に映画公開するのでは?というニュースが流れました。
しかし、結局映画公開はされず、2017年2月にDVDが発売されました。
アメリカでも思ったほどの興行収入を上げることが出来なかったことなどが、理由として挙げられています。
また、映画『ベンハー』と言えばチャールトン・ヘストンが主演した1959年版をイメージする人が多かったのも事実です。
日本で2016年版『ベンハー』のDVDが発売されるにあたり、新たに予告動画が公開されました。
1959年版とは違った、新たな解釈で映画を製作したことが、全面に現れています。
1959年版と2016年版の映画『ベンハー』についてご紹介してきました。
名優チャールトン・ヘストンが演じた『ベンハー』と、再構成された2016年版『ベンハー』を見比べるのも楽しいかもしれませんよ?
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