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    「ガンダム」に残された謎。"ニュータイプ"にこめられた想いとは?

    いまや、その名を知らぬ人は居ないほど 大人気の「ガンダム」 ですが、30年を超えるガンダムの歴史の中でも、ニュータイプという存在の正体は 未だ明確にされていません。今回はガンダムを語る上で不可欠でもある、そのニュータイプについて触れていきます。

    「機動戦士ガンダム」

    1979年 放映作品、日本サンライズ および 富野由悠季 監督によって制作されたTVアニメ。全43話

    宇宙世紀0079年、地球から最も離れたコロニー"サイド3"は「ジオン公国」を名乗り独立を宣言、そして地球圏全てを巻き込む戦争へと発展していく。その戦いに巻き込まれ立ち向かっていく少年少女たちの活躍を描く。

    機動戦士ガンダム 劇場版三部作

    「機動戦士ガンダムⅠ」
    「機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編」
    「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙(そら)編」
    地上波で放映された「機動戦士ガンダム」を 劇場用に作り直され、三編にまとめられた作品。

    ガンダムを、初めて見たい 知りたいという方は、まずこちらを視聴されるのがオススメ。

    ニュータイプの誕生 そして

    ニュータイプとは

    「機動戦士ガンダム」の劇中で、人の未来を担う新たな人類とされる人間。
    または、心で繋がりあい 互いに理解し合える人間 とも。
    劇中 様々な捉え方があり、しかしその実態は 明確にはされていない。

    ニュータイプとされるキャラには、
    テレパシーのような能力で 意思の疎通が出来たり、予知にも近い 状況察知能力を発揮したり、といった描写が多い。

    ガンダムのパイロットである少年「アムロ・レイ」
    彼は、激しい戦いに巻き込まれていく中で 様々な出会いや別れを経験しながら、ニュータイプと呼ばれる人間として目覚めていきます。
    アムロは その能力を自ら発揮しながらも、新たな人類とも謳われる ニュータイプの意味について考えてゆくことに。

    そして アムロの最大のライバルである「シャア・アズナブル」
    彼もまた、愛するララァを失った事からニュータイプへと覚醒。怒りと悲しみの入り混じる中、アムロとの決戦に挑んでいきます。

    この作品の "ニュータイプ" という 人間そのものの在り方さえも問うようなテーマは、直接の続編である「機動戦士Zガンダム」へも 色濃く引き継がれていきました。

    ニュータイプと称された ふたりの結末

    「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」

    1988年公開 劇場作品
    富野由悠季の描くガンダム・サーガの完結編として制作された。

    「機動戦士ガンダム」から十余年後の U.C.0093(宇宙世紀0093年)を舞台に、アムロとシャア 最後の対決が描かれている。

    物語内で、ニュータイプの導く答えを 知り得ていたかもしれない重要人物、アムロとシャア。
    ふたり は「逆襲のシャア」にて、ニュータイプとしてではなく "男同士" の意地をもって 激しくぶつかり合い、戦いの末にその姿を消してしまいます。

    ニュータイプへの覚醒をしながらも、常人としての生き方を辿る事となった このふたり。
    アムロとシャアを通して 新たな人類の未来が示される機会は、以降 失われてしまいました。
    彼らが見据えた先、ニュータイプが導き出す答えとは。一体どんなものだったのでしょうか。

    「ガンダム」生みの親 富野由悠季


    新作発表時の 富野由悠季 監督
    70歳を越えた今でも、意欲的にアニメ制作に取り組んでいる。

    ガンダムの生みの親である原作者 富野由悠季 氏。
    "ニュータイプ" について描かれる機会が あまり見られなくなってしまった現在、その答えを持っているのは この方だけではないでょうか。

    次世代に紡ぐ ニュータイプ

    「機動戦士ガンダムUC」

    作家、福井晴敏 が執筆した 同名小説を元にしたアニメ作品。監督は 古橋一浩
    2010年から 2014年にかけ OVA 全7巻を発表。
    のちに、再編集された「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」が 地上波にて放映されている。

    U.C.0096 「逆襲のシャア」の戦いより三年、"ラプラスの箱" を巡って起こる紛争を描く。

    ガンダムは現在、世界に向けても様々な展開を見せています。

    世に出されるガンダム作品には、常に原作者である 富野由悠季 氏の名前が著されていますが、その制作自体には直接参加していない というシリーズも今では多く出されています。
    そういった 富野由悠季 主導ではない作品で "ニュータイプ" について深く語られる事は、これまでほとんどありませんでした。
    ですがその中で、アニメとしては唯一 ニュータイプを軸に描かれた物語。それが「機動戦士ガンダムUC」です。

    富野由悠季 監督の作る「機動戦士ガンダム」を見て育ってきた世代が、その制作者となって紡ぐ "ニュータイプ" の新たな物語。
    この作品には 初代ガンダムの世代が、次世代の若者の成長を見届けてゆく といった想いも籠められているようです。

    「ガンダム」もまた、次の世代へ…

    お台場 ガンダム 跡地に建造された ユニコーンガンダム

    日本を誇る「ガンダム」を象徴していたお台場の実物大ガンダムも 先日撤去となり、現在は ユニコーンガンダム がその後を引き継いでいる。

    30年以上の歴史を持つ「機動戦士ガンダム」
    現在では、新しい作品も続々と制作される 大人気シリーズとなっています。
    "ニュータイプ" について語られる事も 今となっては少なくなってしまいましたが、これから生み出されてゆく新たな世代の「ガンダム」にも、その想いを受け継いでいって欲しいですね。

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