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    「犬夜叉」の敵・奈落は意外と人気だった!(ネタバレ注意)

    週刊少年サンデーで12年間も連載が続いた「犬夜叉」。犬夜叉たちが倒そうとする最大の敵・奈落は、作中でもかなりの嫌われ者ですが、実はファンの間で愛されるキャラクターでもあることをご存知でしょうか。なぜ奈落に惹かれる人もいるのか、その魅力を考察してみました!

    犬夜叉の最大の敵・奈落とは

    奈落は犬夜叉と同じ半妖ですが、犬夜叉とは違い、強い妖怪になろうとしていました。妖怪よりもはるかに強い邪気と妖力を持っており、全身が毒の塊で瘴気が濃いというとても厄介な敵です。また、再生能力を持つので普通の物理攻撃だと痛手にならず、かごめや桔梗の持つ浄化の力だけが脅威となります。
    さらに、他の妖怪や人間を騙したり利用したりするという知能の高さや冷酷な性格も、奈落の強さのひとつです。年齢は人間に換算すると23歳だそうです。

    それから、奈落は基本的にとある城主の姿でしたが、自分の姿を自由自在に変えることができます。「犬夜叉」のwikipediaには奈落のことも細かく記載されていますが、そこから一部引用して紹介します。

    固有の姿を持たず姿を変化させる能力があり、作中ではとある城の城主・人見蔭刀の姿を仮り、成り代わっている。妖怪の姿(上半身のみ人間で腰から下の下半身が無数の妖怪の融合した姿、解体時は首以外は全て妖怪、新生後はこの姿にはならない)になることもできるが人間の姿を好み、大勢の人間の姿を時代ごとに変えており弥勒の祖父・弥萢との最後の戦いでは貴族の美女の姿をしていた。

    出典:https://ja.wikipedia.org

    奈落の正体(ネタバレ注意)

    奈落は最初から存在していたのではありません。鬼蜘蛛という人間の野盗に、妖怪たちが集まってきて一つの集合体となり、それが奈落となったのです。半妖である理由がここにあります。では、鬼蜘蛛とはどのような人物だったのでしょうか。

    鬼蜘蛛は、全身に火傷を負い、両足の骨が砕けて重傷だったところを、桔梗に救われます。アニメ版の設定では、仲間を裏切った後に復讐され、大火事に巻き込まれた挙句、奈落に突き落とされたという設定でした。そして桔梗に洞窟でかくまわれて看病されるうちに、桔梗への想いを募らせていくのです。

    桔梗はその頃、犬夜叉と恋仲でした。鬼蜘蛛は犬夜叉へ嫉妬心を抱きますが、動くことができないため、どうすることもできません。そして鬼蜘蛛は動ける体を求めて、暗い洞窟の中で妖怪たちに魂を売り、奈落として生まれ変わるのでした。初めは鬼蜘蛛の自我も残っていたのですが、そのうち奈落に吸収されてしまい、鬼蜘蛛の心だけが受け継がれます。

    犬夜叉たちとの最終決戦、奈落の最後(ネタバレ注意)

    奈落は卑劣な策略で、鋼牙や琥珀の四魂の欠片も奪い取り四魂の玉を完成させ、犬夜叉たちをおびき寄せます。犬夜叉たちの絆を引き裂き追い詰めようとする奈落でしたが、「あんた本当は何がしたかったの?」と本心や真実をかごめ見破られ動揺し、反対に追い詰められていきます。

    四魂の玉と融合し最終形態となるものの、殺生丸の爆砕牙で体は崩壊していき、最後は首だけが残ります。自分の目的や本当の願いは何だったのか、それに改めて気が付いた奈落は死ぬ前に四魂の玉に願い、消滅します。

    アニメ版のラストでは、四魂の玉が消滅する際に、奈落が安らかに成仏していくようなシーンが描かれていました。

    桔梗を殺そうとした理由(ネタバレ注意)

    鬼蜘蛛の時に桔梗が好きだったのなら、なぜ奈落となった後に桔梗を殺そうとしていたのか。これは、奈落がストーカー気質のヤンデレになったからというわけではありません。

    奈落の奥底には鬼蜘蛛の心が眠り、さらに妖怪の心、そして奈落そのものの自我が存在していました。妖怪としては、桔梗の浄化の力はとても恐ろしいもので、憎しみの対象です。
    それゆえに桔梗を殺そうとするのですが、桔梗が傷ついた際に鬼蜘蛛の心が目覚めて、それ以降は直接傷つけることはできなくなっていました。

    桔梗が死亡した際には、奈落の中に眠る鬼蜘蛛の心は泣いていたかもしれませんね。

    実は奈落はヘタレだった!?

    最後まで卑劣で厄介な、強大な敵として描かれた奈落。しかし犬夜叉たちとの最終決戦に至るまで、しつこいほど犬夜叉たちの前に現れては、何回も逃亡していました。

    このスレによると、逃げた回数はなんと20回以上!犬夜叉たちをさらに苦しめるためにあえて仕留めずに逃げたり、犬夜叉たちに追い詰められて逃げたりと、四魂の玉が揃うまではなんとも情けないラスボス…さすがに逃げすぎなのでは?そうして結局は犬夜叉たちに追い詰められ消滅してしまい、桔梗の心も手に入らなかった奈落は、かわいそうに思えます。

    奈落の家族のような分身たち

    ・神無
    ・神楽
    ・悟心鬼
    ・影郎丸と獣郎丸
    ・赤子とその片割れの白童子(はくどうし)
    ・夢幻の白夜

    上から順に奈落から生み出され、姉妹兄弟関係も生まれた順となります。神無と神楽は心の中で自由を求めていました。悟心鬼、影郎丸と獣郎丸の二子は犬夜叉たちと戦うも破れてしまいます。
    赤子は奈落の心臓を持っていたので、白童子と共に本物の奈落になろうと目論み、奈落の抹殺を計画するものの、すでに見破られていたので利用されたのちに消滅します。そして終盤で微妙な活躍を見せる夢幻の白夜ですが、とても影が薄いです。

    生み出したのはいいものの、世話の焼けそうな兄弟たちですね。そして皆、基本的には美形揃いなのです(悟心鬼は除く)。持ち物を与えたり、自分の虫を使わせたり、意外と親心はあるのかもしれません。

    アニメや舞台「犬夜叉」で奈落を演じた声優、俳優

    アニメにおいて、原作漫画の9巻までに登場する奈落と昔の回想のシーンは家中宏さんが、人見蔭刀の姿になってからは森川智之さんが担当しています。
    また、キャラソンが2006年に出ており、これは森川さんが歌っています。森川さんが奈落とは思えない歌い方をしているのは、奈落は多分歌わない、と意図的に演じずに歌ったからだそうです。

    それから、2017年の春に公演していた舞台「犬夜叉」で奈落を演じたのは、俳優の木村了さん。舞台だけでなく、テレビや映画でも活躍なさっています。雰囲気がとてもぴったりでかっこいいですね。

    奈落の魅力は強いだけではない!

    美形でかっこよさもあり、負の感情にまみれているのに恋心が忘れられなかったり、犬夜叉たちを仕留めずに逃げまくったりと、ただ冷酷で卑劣な敵というだけではないのが奈落の魅力ですが、いかがでしたか?同人やpixivなどでは不憫な奈落としてネタにされながらも愛されているので、今まで奈落が嫌いだった方もぜひファンのイラストなどを見てみてくださいね。

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