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    『ハリーポッター』で最も印象に残る魅力的な先生はスネイプ先生!

    『ハリーポッター』の中で最も強烈な印象を残す先生と言えば、大変厳格なスネイプ先生です。ハリーポッターに常に敵意を持っているかのような先生。しかし映画全編を鑑賞すると、スネイプ先生の本当の温かな人柄が分かります。そこでスネイプ先生の魅力に焦点を当ててみました。

    スネイプ先生はハリーポッターにとってずっと怖い先生

    魔法使いだけが10歳から通うイギリスの『ホグワーツ魔法学校』Hogwarts School of Witchcraft and Wizardryーこれは人間界(「マグル」世界)には決してその存在と場所が分からないのです。

    ロンドン駅構内からの壁を抜けると、そこは「9と3/4番線」プラットフォーム。「ホグワーツ行き」の列車が止まっています。

    純血な人間の叔母から虐げられていたハリーポッターにとって、ホグワーツは本当の自分の居場所となります。

    ジェームズとリリーという純血な魔法使いの長男として生まれ、闇の帝王ヴォルデモートの殺戮にも生き残った赤ん坊ー

    この奇跡は魔法界にとって10年間伝説であり、ハリーは魔法界の英雄でした。

    しかし入学後、初めての授業はセブルス・スネイプ先生の「魔法薬学」でした。スネイプ先生は黒髪で全身黒のマント、笑顔など忘れたような怖い先生。

    質問に全く答えられないハリーポッタ-に対して早速辛辣な言葉を浴びせます。

    「ハリーポッター...その名で我が校に名誉を与えた人物...しかし現実は何も知らない無力な子供...吾輩の授業に実にふさわしくない」

    その冷酷な態度は、ハリーポッターの亡き父親ジェームズに、ハリーが瓜二つだったことから来る嫌悪感の表れだったのです。

    『ハリーポッター』シリーズで「スネイプ先生」を演じ続けたアラン・リックマン氏プロフィール

    本名:アラン・シドニー・パトリック・リックマン Alan Sidney Patrick Rickman
    生年から没年まで:1946年2月21日 - 2016年1月14日(享年69歳)
    ーハリーポッターシリーズ第1回目『ハリーポッターと賢者の石』(2001年12月1日公開)時は55歳

    家庭環境と家族:ロンドン西部誕生。父親はアイルランド系で労働者階級。
    兄妹:兄・弟及び妹
    教育:グラフィックデザイナーから心機一転、ロンドン王立演劇学校入学

    舞台での受賞歴:1985年ロイヤル・シェークスピア・カンパニーでの演技で印象を残した後、1987年トニー賞(米国演劇及びミュージカル功績賞ー米国演劇界で最も権威ある賞)にノミネート。

    映画デビュー:1988年『ダイ・ハード』にて強烈なインパクトによりを世界的知名度を獲得。

    映画での受賞歴:1991年『ロビン・フッド』では英国アカデミー賞 助演男優賞を受賞。
    1996年『ラスプーチン』で主役ラスプーチンを演じ、大当たり。

    この作品でゴールデングローブ賞の男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)とエミー賞(プライムタイム・エミー賞)のミニシリーズ/テレビ映画部門の主演男優賞を受賞。

    2001年~2011年の10年間、『ハリーポッターと賢者の石』から『ハリーポッターと死の秘宝PART2』に至るまで「セブルス・スネイプ」先生を演じた。

    『魔法薬学』のスネイプ先生とハリーポッター

    「魔法薬学」とは様々な薬を調合する技術と知識です。学生スネイプは成人後、ホグワーツの魔法薬学教授に就任します。一方でスネイプ先生は「闇の魔術」をも熟知していました。

    「闇の魔術に対する防衛術」ー魔法を悪用する魔法使いから愛する生徒たちを守るために

    「闇の魔術」に秀でた魔法使いは勉学熱心で優秀です。

    このスキルを身につければ、魔法を悪用する魔法使いに対抗することができます。

    そこでスネイプ先生も「闇の魔術に対する防衛術」の教授職を長年望んでいましたが、不適応な先生たちだけが就任しては毎年失敗して辞めていくだけでした。

    スネイプ先生は「魔法薬学」専門教授でしたが、ハリーが16歳の時にやっと「防衛術」の教授をも兼任することになります。

    この「闇の魔術」は一つ間違えば、魔法世界の恐ろしさをも操ることができます。

    魔法界でただ一人、その悪用に成功し、闇の帝王となった狂気の魔法使いは、ハリーの両親や、多数の魔法使いを魔術で殺害した「ヴォルデモート」でした。

    しかし無口で友人のいない若い頃のセブルス・スネイプはただ一人「闇の魔術」に没頭しました。そして、その魔術に唯一興味と理解を抱いてくれたのは、幼馴染みで大の仲良しだった、ハリーポッターの母親となるリリーだったのです。

    少年時代から愛してきたリリー。そのリリーにそっくりの、美しい瞳のハリー。

    ハリーがホグワーツ入学の際に、すぐさまその瞳に気づいたスネイプ先生でしたが、口下手で、人と打ち解けることが苦手なスネイプ先生は、そのことをハリーに話すことが出来ませんでした。

    ハリーの亡き父親ジェームズに邪険にされたスネイプ先生の辛い過去

    スネイプ先生は、ハリーが入学した時から、ハリーを嫌うような態度を露骨に見せました。学生時代、ハリーの父ジェームズ・ポッターと同級生だったスネイプ先生。どんな過去があったのでしょうか。

    「半純血のプリンス」(Half-Blood Prince) を自称していたスネイプ先生

    スネイプ先生は、昔からリリーに好意を抱いていましたが、魔法学校ホグワーツ入学後、彼が入寮生に選抜されたのは「純血嗜好の魔法使い」が集まる「スリザリン」寮でした。

    リリーはスネイプの恋敵ジェームズ・ポッター(後のハリーポッターの父親)と同じ、マグルとの混血でも入れる「ホグワーツ」寮に選抜され、二人は離れ離れになってしまいます。

    スネイプ先生の学生時代は、真面目で無口ということから、リーダー格のジェームズに酷い虐めに遭うという辛い過去の連続でもありました。

    スリザリン生となっても、後年ハリーポッターの母親となるリリーをずっと愛していたスネイプ先生でした。

    しかし、ジェームズ・ポッターにリリーを奪われ、更にスリザリンでも異端者扱いされたスネイプは、「闇の魔術」や「純血主義」(人間「マグル」の血を引かない純血の魔法使い)にますます傾倒していきました。

    そこで母の旧姓 Prince を名乗り、「マグルの父親と魔女との混血だが、自分は優秀なプリンスなのだ」と自称していた時期があります。

    純粋で人の愛情を求める孤独な若者、そして魔法の研究では人一倍優秀な学生。しかしスネイプ青年には常に孤独がつきまといました。

    そこで、誰にもその心を打ち明けることができないまま大人となり、魔法薬学の先生となった時には「無口で厳格」という雰囲気に包まれていました。

    そのため、最も優秀な女生徒、ハーマイオニが授業でいち早く挙手し、正しい答えを積極的に発表しても、それが癪に障ってしまいます。

    「頭でっかちの知ったかぶりーそんなに出しゃばるのが好きなのかね」と嫌味を言い、ハーマイオニの成績を減点したこともしばしばありました。

    スネイプ先生が「デスイーター」であることもハリーポッターの恐怖

    若き頃ジェームズ(ハリーの亡き父親)にリリーを奪われたスネイプは、魔法学校卒業後、魔法界の帝王であるヴォルデモート卿の賛同者「デスイーター」Death Eater に加わります。そのことが愛しいリリーを取り戻せると勘違いしていたスネイプ。

    またホグワーツの校長、ダンブルドア先生がヴォルデモート卿に対抗するため結成した「不死鳥の騎士団」をスパイする役目をヴォルデモート卿から与えられます。

    ヴォルデモートによるポッター家殺害とスネイプ先生の真実の心

    スネイプ青年は、ヴォルデモート卿を「闇の魔法を操る最高の魔法使いである」と崇拝していました。しかし崇拝のあまり、「ヴォルデモート卿」の正体を見破ることができまなったのです。

    そして、ついにヴォルデモートの「闇の時代」が訪れました。

    その中でスネイプ先生の愛するリリーも殺害されます。

    リリーの死に絶望していた若きセブルス・スネイプ。

    リリーの死に絶望していたスネイプ青年に対し、ダンブルドア校長は次のように諭しました。

    「ヴォルデモートは魔法界を支配するために次々と邪魔な魔法使いを殺していった。ハリーの両親もそれで生命を落としたのじゃ。赤ん坊のハリーのみがヴォルデモートの攻撃を奇跡的にまぬがれたのでな」

    そしてスネイプ青年に、陰からハリーを護るようにと頼みます。

    スネイプ青年は、そこでハリーを護ることがリリーの遺志だと思い、ダンブルドアのその言葉に誓いを立てます。しかし若きスネイプは、同時にヴォルデモートの軍団を密偵する「二重スパイ」となってしまうのです。

    Harry Potter and the Deathly Hallows part 2 - Snape's memories part 2 (HD)

    これは『ハリーポッターと死の秘宝PART2ースネイプの記憶PART2』のシーンです。

    「ハリーの両親をヴォルデモートは殺したが、偶然にもそばにいた小さな生きた魂ー赤ん坊のハリーにはその死の呪文が効果がなかった。つまりヴォルデモートとハリーの魂は同じものなのだ。魔法界では稀にそういうことが起きる。

    他の誰もあの凶悪なヴォルデモートを倒すことは不可能じゃ。だからあの子はいずれはヴォルデモート自身に殺されねばならぬー

    それが闇の帝王を消滅させる唯一の方法なのだー
    まだ赤ん坊の時であったからハリーを我々は救った。だがいずれ時が来たら、あの子はこうなる運命だったのだ」

    そう語るダンブルドア校長です。これは「ハリーを護って欲しい」との言葉とは信じられないほどの矛盾。この校長の言葉に衝撃を受けたスネイプ先生は深い絶望へと堕ちていきます。

    「ではあの子は死なねばならないのですかーあの子は死ぬために生まれてきたのですかーなぜあの子をあなたは生かして来たのです?私はハリーが死ぬことに耐えられません」といたたまれない表情のスネイプ先生。

    そして、リリー殺害時の記憶を呪文で取り出し、リリーとハリーへの愛情、そして現在に至る辛い想いを校長先生に見せるスネイプ先生。

    「今でもそんなにリリーを?ハリーにも愛情がそんなに移ってしまったのかね」とダンブルドア校長。

    「いつもーそして永遠に愛しています」との言葉に、あんなに厳格だった外見が嘘のように崩れ、深い愛情をハリーに注ぎ続けてきた心を校長先生に告白する姿に強く胸打たれます。

    ハリーポッターに自らの記憶を託しこの世を去ったスネイプ先生

    ヴォルデモート卿が勢力を増すにつれ、自らの限界を悟ったダンブルドア校長は、かつての教え子であり、本当は繊細で優しい心の持ち主であるスネイプ先生に「私を殺してくれ」と頼みます。

    その命令にやむなく従ったスネイプ先生。しかしヴォルデモートはスネイプの功績を称賛し、ホグワーツ魔法学校を完全掌握、校長職に就任します。

    スネイプ先生はヴォルデモートの臣下「デスイーター」から昇進し、副校長となりますが、それでもハリーポッターを護り続けることは決して忘れませんでした。

    スネイプ先生の過去と真実の愛情を知ったハリー

    ダンブルドア校長の肖像画は魔法界であるため、生きているかのように見る者に話しかけます。
    「ハリーを殺すわけにいきません」とのスネイプ先生の懇願を受け入れたダンブルドア先生。そこで、その肖像画から常にハリーポッターを護る術を密かに授かっていたスネイプ先生。

    しかしデスイーターの一味がそれを見破り、ヴォルデモートの逆鱗に触れたスネイプ先生は攻撃を受けてしまいます。

    Harry Potter and the Deathly Hallows part 2 - Snape's memories part 1 (HD)

    スネイプ先生の真実を知りたいために、スネイプ先生の記憶を用いて、過去へと遡るハリーの場面。『ハリーポッターと死の秘宝 PART2:スネイプの記憶PART1』の部分です。

    若い頃のスネイプ少年と仲良しだったリリーの姿、ホグワーツ入寮後、「組分け帽子」によって不本意に「スリザリン寮」へ、リリーはスネイプが嫌うジェームズと同じ「グリフィンドール寮」へ。

    そして二人が愛し合う姿ー構内でのジェームズのスネイプへの嫌がらせーなど、スネイプ先生の辛い青年時代にショックを受けるハリーの姿です。

    その亡くなる間際に駈けつけたハリーに、「ずっとリリーを愛していたからこそ、ハリーを護り続けたのだ」との記憶を呪文で伝えます。

    徐々に弱っていく中、ハリーに抱かれたスネイプ先生は初めて優しい言葉を途切れ途切れに呟きます。

    「ハリー......お前の瞳はリリーにそっくりだね......リリー......私を見ているのか......」

    それがひたすら陰となり、一重に愛する女性の息子を護り続けたスネイプ先生の最期の言葉でした。

    スネイプ先生の名前「セブルス」を我が子の名に

    ハリーはホグワーツ魔法学校を卒業後、親友ロン・ウィズリーの妹と結婚します。

    生まれた息子の名前は「セブルス」ー今ではハリーの人生のために自らの人生を捧げ続けた、一生大切な恩師、スネイプ先生の名前です。

    「パパ、僕の名前はどうして『セブルス』なの?」
    「それはね、パパが一番尊敬する、一番勇敢な人の名前だからなんだよ」と答えるハリーです。

    アラン・リックマン氏「『スネイプ先生』だった10年間」

    『ハリーポッター』原作者である J.K. ローリング女史は、第一話がスタートする際、この作品全体の鍵となる人物を演じるアラン・リックマン氏ただ一人にエンディングの秘密を直に伝えていました。

    原作者のJ・K・ローリングは、万が一に備えてシリーズの最終話を先に書いておき銀行に預けていたが、「意外な展開になるからそれを知った上で演技してほしい」との意向でアランだけが唯一、最終話とスネイプの過去を知らされており、自分のせいでばれてしまわないかずっと不安だったという。

    出典:https://ja.wikipedia.org

    数多くのホグワーツ魔術学校における個性豊かな先生たちの中では、脇役のようにも見えた「スネイプ先生」が実は『ハリーポッター』シリーズの根幹であるーこのことにアラン・リックマン氏は非常に緊張しつつ演技を続けてきたのでしょう。

    アラン・リックマン氏は、『ハリーポッター』シリーズで最後の撮影の際、どのような心境であったのか、それを次のように語っています。

    人生において大きな瞬間が訪れるという場合はいつでも人はその体が無意識のうちにその準備をするものだ。これがラストシーンだとなると、それを肌で感じる。

    撮影が終わり、『今の映像を確認せよ』の声を聞いた瞬間、それ以降、二度とこの役を演じることがないという思いでいっぱいになった。

    出典:https://news.walkerplus.com

    この言葉からは、アラン・リックマン氏にとって「セブルス・スネイプ」という役柄そのものが、もう一つの自分の人生だったかのような深い愛着と真剣さが伝わってきます。

    また、10年間も同じ役を演じた感想を次のように述べています。

    この役を演じることができて、私はとても光栄だ。彼は周りにいる誰ともなじまないキャラクターで、スネイプとはそういう人だった。

    10年間ずっと衣装も同じだった。他の誰もが違う制服だったり、シーンによって違う洋服や帽子を身につけていたりするのに、彼の場合は最初から最後までいつも同じだった(笑)。

    (中略)彼は実際の私とは全く違うね。だからこそ、この役を演じるのが楽しかったんだ。実際の自分とも私の人生とも全く違うから、全く違うキャラクターになりきるという楽しみがある。

    出典:https://news.walkerplus.com

    このような言葉からも、アラン・リックマン氏にとって『ハリーポッター』の「スネイプ先生」という役は、自身の役者人生にとって、大変思い出深いキャラクターであったことが伺えます。

    最後に:スネイプ先生は映画『ハリーポッター』で最も愛すべき人物

    外見は厳格で冷たい表情、黒髪に黒マントの姿から「陰気なコウモリ」とまで生徒に嫌われ、ヴォルデモートに加担していると誤解も受けてきた先生。

    それが実は正反対の、優しく純粋な人柄であり、その人生の最期の瞬間までハリーを護り続けたスネイプ先生。

    この最後の意外な展開を、スネイプ先生役のアラン・リックマン氏以外、キャストの誰も知らなかったのです。

    スネイプ先生こそが、映画『ハリーポッター』で最も大きな愛を貫いた人物だったのではないでしょうか。

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