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    宮崎駿が一度は決断した引退を撤回してまで作りたい作品とは何か!?

    宮崎駿はなぜ引退を撤回したのか。本人が直接公の場で引退撤回の理由を説明することなく、既に長編アニメーション映画の制作に取り組んでいることだけが知らされたが、そうまでして一体なにを作ろうとしているのか。新作のタイトルから、宮崎駿が考えていることを探ってみました。

    新作の制作は既に始まっている

    1985年にスタジオジブリが設立してから、宮崎駿は数々の作品を生み出し、世の中の子供達に夢を与えてきた。
    一度は引退を決意した宮崎駿が、なぜ引退を撤回し、新しい作品に取り掛かっているのでしょうか。

    宮崎駿の引退撤回からこれまでの経緯

    宮崎駿はこれまで何度か引退宣言をしていたが、正式に発表されることはなかった。
    しかし、2013年9月に記者会見が開かれ、宮崎駿は「もう引退します。」と、同年に上映された“風立ちぬ”を最後の作品とし、長編アニメーション映画からは引退することを正式に発表した。
    それから4年後の2017年5月19日、スタジオジブリは宮崎駿が引退を撤回し、長編アニメーション映画の制作を始めていることを発表。
    長編アニメーション映画制作のため、若い力が欲しいと新人スタッフを募集し始め、その後2017年7月20日に新人スタッフの募集は終了している。
    募集要項の内容によると、2017年10月1日から新人スタッフは入社し、そこから3年間契約することになっている。最初の6ヶ月は研修期間になるそうだが、予定通り進んでいれば既に新作の制作が本格的にはじまっているはずだ。

    宮崎駿が引退撤回した理由とは

    長編アニメーション映画から引退後、宮崎駿は三鷹の森ジブリ美術館のために短編映画「毛虫のボロ」を制作していた。

    その過程で、宮崎駿は若いスタッフに囲まれながら、苦手なCG技術に向き合うことで刺激を受けていたようだ。
    長年共に闘ってきた人達も歳をとり、自分より先に死んでいく仲間を目の当たりにしたことで、残された人はどうなるのかと改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
    宮崎駿は新作について、孫のために作っていると言っているようだが、それは自分の孫の為だけではなく、自分があの世に行った後、孫の世代になにか残しておきたいものがあったからなのではないだろうか。
    宮崎駿は現在76歳になるが、長編アニメーション映画を制作している間は、ほとんど家に帰らないらしい。
    宮崎駿の妻も鈴木敏夫プロデューサーを喫茶店に呼び出し、夫を返してください。と伝えに行ったことがあるぐらい、宮崎駿は仕事のことになると自分のことは放ったらかしにし、ただ純粋に作品に向かい続け、命がけで取り組むようだ。
    今回の新作は、制作に3、4年かかると言われているだけに、精神的にも体力的にもかなりギリギリだといえるでしょう。
    そう考えると、次の世代に残したい何かが見つかったことで、引退を撤回したと言えるのではないでしょうか。
    そして、自分自信の終焉について考えた時に、やはりそれだけ仕事に生きてきた人なのだから、最後は作品を作っている時に迎えたいと思っていたとしても、宮崎駿らしい決断といえるかもしれません。
    おそらく、そのことを一番わかっている妻が復帰することを許してくれたのではないでしょうか。

    宮崎駿が引退撤回してまで作りたい作品とは

    先日、宮崎駿が制作中の長編アニメーション映画のタイトルが発表された。
    タイトルは「君たちはどう生きるか」です。
    このタイトルは、1937年に吉野源三郎が書いた本から取ったようで、その本が主人公にとって大きな意味を持つストーリーになっているようだ。
    吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は、2017年に羽賀翔一によって漫画化され、一時期話題になっていた。

    主なストーリーは、主人公のコペル君が学校生活を送る中で、子供同士の価値観のすれ違いや、同級生たちを観察することで感じた疑問など、誰もが子供時代に経験したであろう日常の出来事を叔父に話し、その話を聞いた叔父が、コペル君が正しい道に進めるよう、手助けになればと思い書いたノートをやりとりして、ものの見方の抽象度をあげてみることで全てが解決することを教えてくれるストーリーになっている。
    この本の最後は、読者に対して「君たちはどう生きるか」と尋ねて終わるようだが、宮崎駿はそれをどう描こうとしているのだろうか。
    そのままストレートにコペル君を違う形で描くとすれば、子供が主人公の作品になるのではないかと思われますが、引退撤回してまで作りたい作品ということは、宮崎駿がこの時代の子供達に伝えておかなければいけない何かがあるということではないでしょうか。
    今の時代、お節介なおばさんや、おじさんがいなくなってしまったというよりは、ネットでなんでも出来てしまうことで、周りの大人から何か得ようとする交流がまったく無くなってしまった。
    子供達にとって何が正しいのかが分からない時代に、宮崎駿があえて言っておきたいこととは一体なんなのだろうか。
    宮崎駿は引退撤回をしてから、公の場にでて謝罪しないところをみると、それだけ意味のある作品を世の中に届けたいという思いが強く、2001年に公開された興行収入1位の“千と千尋の神隠し”を超える作品ということかもしれないと期待したい。

    まとめ

    宮崎駿という人物は、映画監督であり、アニメーターであり、漫画家でもある。一度はそこから離れようと引退を決意したが、そう簡単には引退することはできなかったのだろう。
    純粋で正直な人だからこそ、描きたいときは描き、描きたくないときは描かないとはっきりしている。
    引退したからといって、引退撤回してはいけないということもない。
    だからこそ、新しいストーリーが浮かんでしまったらもう止められないのだ。

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