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ドジナース朝倉いずみを中心に語るドラマ『ナースのお仕事』

ドジナースと言うにはあまりに「やらかして」ばかりのナースが主人公のドラマ、『ナースのお仕事』。基本コメディながらも医療現場の使命なども描かれた名作ドラマは4作に渡り放送、映画化もされました。名作ドラマ『ナースのお仕事』の魅力を主人公朝倉泉を中心にご紹介。

ドラマ・『ナースのお仕事』シリーズと言えば

ドジばかりやらかしているナース、朝倉いずみが主人公のドラマ。コメディ要素ばかりでなく、レギュラー的な入院患者の容体急変や死に向き合うシーン、事故により大量の患者が搬送されてくるシーンなど病院が舞台であること、医療現場というものを知らしめてもくれる侮れないドラマでした。とはいっても基本、いずみと指導係の尾崎翔子のやり取り、個性豊かなメンバーに救われはしますが。

何か「やらかした」いずみに対する「あ~さ~く~らぁ~!」「せんぱぁ~い」のやり取りが『ナースのお仕事』における名物でした。

主要人物

朝倉いずみ(あさくら いずみ)

「東京で遊びたくて」様々な学校を受けたものの皆不合格。唯一受かったのが看護師学校だった、というある意味不謹慎な理由でナースになった、『ナースのお仕事』主人公です。明朗でかわいらしいため患者には人気がありますが、採血は常に失敗、食事を運ぶカートに乗り込んで廊下を駆け巡るなどいろいろ「やらかして」は、指導役の「先輩」こと尾崎祥子に怒られるのが常。しかしナースとしての心得は徐々にできていき、患者のことを心配し、然るべき行動もとれるようになりました。基本大食漢のお調子者ですが。

尾崎翔子(おざき しょうこ)

ドラマ一作目ではいずみの指導係を担当。容体の急変した患者に気付かず恋人に電話していたいずみを叱り、命を預かるという「ナースのお仕事」についての心得を教え込みました。他にも採決の苦手ないずみのため自らの腕に注射をさせるなど、後輩想いの良き先輩でした。外科部長の沢田俊介と結婚して一女まりあを儲け、仕事でも主任、婦長にまで出世。なのに「勝ち組」感がしないのは何故なんでしょうか・・・。

シリーズの特色・研修医との恋

各シリーズごとに外科の研修医が登場しますが、いずみは毎回その研修医と恋に落ちます。時に剣か仲間、時に同棲相手としての紆余曲折を経て恋仲になるものの、大概破局ですが。ちなみにパート1の初期ではたこ焼き屋でバイトしていた大学生と付き合ってました。

水島龍太郎(みずしま りゅうたろう)

ドラマ『ナースのお仕事』の記念すべき一作目の研修医。手術中に気絶するほど血が苦手。よく医者になれたもんだと思いますが、後に立派な医師として再登場。三作目の「恋人」高杉とデッドヒートを散らしたことも。

牧原耕太郎(まきはら こうたろう)

『ナースのお仕事2』に登場。水島と比べるととっつきにくい感じ。一度執刀を行ったことがあるのですが、それが元である大失敗が・・・。

高杉健太郎(たかすぎ けんたろう)

『ナースのお仕事3』及び『4』、映画版に登場。『3』ではいずみと同棲し、最終回では結婚に至ります。それまで「高杉」と呼ばれていたのが結婚後は「健太郎」と呼ばれることに。

命の重さ、「死」を描くシーン

基本『ナースのお仕事』というドラマはコメディであり、いずみが採血に失敗して患者の血液を噴水のごとく噴き出させるシーンなどはコミカルタッチで描かれますが、それだからこそたまに描かれる「命の重さ」が感じやすいのです。1作目、2作目、3作目とレギュラー的な入院患者の死、引退した医師の死に対する恐怖などが描かれました。飽くまで舞台は病院。その中で明るく頑張るいずみが輝くんでしょうね。

あまたの悲しみも乗り越えて・・・。でも元気に退院していく患者を見るのがうれしかったりするんでしょうね。「また来てくださいね~」とか言っちゃいますけども。そんなちょい不謹慎な所も『ナースのお仕事』というドラマの醍醐味。

ドラマシリーズ1作目のみどころ

患者の死と同期の辞職

いずみの同期の中でも有望視されているナース(研修生)がいました。いずみともう一人ナース研修生がいたんですが、二人ともキャピキャピしていて頼りない。そんな中にあっての優秀生・・・だったんですが、担当患者が死亡。その患者に恋をしていた節があり、錯乱の挙げ句に自殺未遂まで。結局病院を去るのですが、ナースという仕事自体は続けていた模様。

『ナースのお仕事2』特色と見どころ

ストライキの果て

婦長になった尾崎が気に食わない、とお局様のようなナース、大島冴子派のナース(3、4名)が揃ってストライキ。職場放棄してナシ狩りツアーなんぞに出かけてしまいます。いずみと尾崎でナースステーションを切り盛りしなくてはならなくなりましたが、そこに「大型バスが事故った」との知らせが。運ばれてくる患者の中に、ストを起こした数名が・・・。本来ならともに治療、救護にあたらねばならないのにただ見ているしかできない状況。婦長は戻ってきた皆に言います。「看護師の職場放棄で困るのは、患者の方」。

大島冴子(おおしま さえこ)

『ナースのお仕事2』以降の常連であり、「独特の角度からの探るような目つき(眉間のシワ月)」という新要素をこのドラマに取り入れてくれたお局的なナースです。とはいえ、ナースという職業に誇りを持つが故の信念なんですが。尾崎とはよく衝突していましたが後に和解。医師の浜野と結婚し、『ナースのお仕事4』では主任に昇進。「眼鏡を取ったら美人」というお約束付き。

浜野雄一(はまの ゆういち)

『ナースのお仕事3』より登場。以降、このドラマのコメディリリーフ的な位置づけに。ナースを軽視する傾向にありますが、大島と結婚後は尻に敷かれてました。

研修医の思い上がり

先述した牧原が、緊急搬送されてきた患者を「盲腸炎。このままじゃ悪化する」と独断。沢田石を呼んだ方がいいといういずみを制し、執刀を始めてしまいます。が、「盲腸炎」というのは誤診であり実際には大腸がん。そのことが分かって錯乱し、血管切るわ手術用具落とすわの大失態。盲腸手術は局部麻酔で行うため、患者も気が気じゃなかったはず。いずみが沢田石を呼んだため大事には至りませんでしたが、術後に殴りつけ、叱りつけるシーンも含めて沢田先生が輝いてました。「ナースのお仕事」だけでなく、「ドクターのお仕事」も描くんです、このドラマ。

沢田俊介(さわだ しゅんすけ)

『ナースのお仕事』の『1』から『3』まで登場。『4』では「離婚した」とかで登場しませんでした。外科部長を務めるベテラン医師で、普段は親しみやすい先生ですが、緊急時には頼れる存在です。いろんな意味でこのドラマの救いでした。

ベテラン医師が・・・

沢田先生が研修医時代に外科部長を務めていた医師が入院することに。いずみに怒鳴る牧原を叱り飛ばし、沢田にまで「どういう教育をしてるんだ!」。未だ「研修医沢田」の記憶が残っていたようで「あの手術はできるようになったのか?」などと聞く始末。実は婦長と恋仲だった時期があったんですが、結婚には至らず。なまじ医師であるため自身の病状が分かっており、死に怯えたかのごとく泣いている姿が印象的でした。

山岡美智子(やまおか みちこ)

『ナースのお仕事2』にのみ登場。他シリーズでの「婦長」は吉行和子さんで、慈母のようないんしょうでしたが、さすがに野際さんともなると「優しいだけじゃ駄目」というか分かりやすい強さを見せてくれました。「ナースのお仕事」について語ってもくれたんですよ。

日高雄作(ひだか ゆうさく)

研修医時代の沢田医師を知る人物。「ナースとは仲良く」がモットーで、いずみとも親しくし、沢田の恥ずかしい過去(指導医に怒られて求人欄を見ていたが、「医者はモテる」の一言で辞職を諦めたなど)を暴露したりもしてました。「コメディタッチからのシリアス」という、このドラマによくある展開を見せてくれたキャラでもあります。

『ナースのお仕事3』特色と見どころ

遂にいずみも指導役!

ようやくいずみにも後輩ナースができました。これがまた一筋縄ではいかないキャラ。ある種ギャルっぽい印象ですが、それなりにナースの使命に目覚めていった模様。

赤木まどか(あかぎ まどか)

ネイルを着けたまま仕事する、何かやる気なさげ等々、「ナースなめとんのか」と言いたくなる態度でしたが、緊急時、入院患者の死亡時には動揺していました。『ナースのお仕事』シリーズ中、結構クセのあるキャラです。

妊娠騒動

『ナースのお仕事3』での「お相手」研修医は高杉健太郎。元々給料の良くない研修医の彼を自分のアパートに住まわせることにしたいずみ。で、しばらくすると「妊娠」の兆候が・・・。テスターを購入して調べた結果は「陽性」。そんな中、高杉はアメリカ留学の話題が持ち上がるのでした。

「自分だけ夢を叶えるのか!」と憤慨する尾崎でしたが、いずみの勘違いで妊娠はしていませんでしたとさ。緩急うまいです、このドラマ。

ナースとドクターの対立

アメリカから、高杉の大学時代の先輩でもある女医、桂木京子がやってきます。(ドラマのエピソードではこちらが先)悪気ない彼女の言動や周囲の関係でナースとドクターが対立することに・・・。

桂木京子(かつらぎ きょうこ)

このドラマでも珍しい女医さんです。アメリカ帰り。高杉に高級時計をプレゼントしていずみの怒りを買い、沢田医師がうっかり「ちゃん付け」で読んでしまったことで尾崎の怒りを買い。悪気なくともナースとドクターが対立するきっかけとなった人物。もっとも、本人には婚約者がいたためにアメリカに返っていきましたが。経験のない手術を執刀した際尾崎が指示を出すと言った時に「ナースの指示に従えと言うのか」とも言ってました。良くも悪くも医師のプライドを持った人物かと思われます。

映画版

その名も『ナースのお仕事・ザ・ムービー』。相変わらずいずみの患者に対する優しい目線、尾崎の厳しさ、そしてコメディ度がありました。

病院に銃を持って立てこもる、かつての患者。時系列で言えば『ナースのお仕事3』と『ナースのお仕事4』の間です。ドラマとは違ったスケールがなくもない?

『ナースのお仕事4』の特色と見どころ

いずみVS姑

『ナースのお仕事』も4作目に入って、変化球を加えてきました。ドラマでも何でも、マンネリは小図すもの。しかも3作目ラストでいずみが結婚したため、もう「研修医との恋」はできない。ならばと出たのが、姑との戦いです。といっても、「ウチの子を本当に任せられるか」的な、コミカルなものでしたが。『ナースのお仕事』というドラマでも嫁姑バトルが見られるとは思いませんでした。

血に怯える「新人」ナース

いずみの第二の指導ナース、河合ひろみが登場。大島のごとく真面目で優秀なんですが、「血が苦手」。水島石のようなギャグタッチではなく、吐血した患者を放って血を洗いに行く、事故が元で廊下にまで血だらけの患者がいることにパニックを起こすなどしていました。

河合ひろみ(かわい ひろみ)

シリアスな意味で「血が怖い」。水島医師もトラウマが元で血が怖かったんですが、一応病院が舞台のドラマで、ナース勝ちに怯えると言うのはショッキングでしたね。しかも怯え方が尋常じゃないという。ただ、他は優秀ですし、途中からイメチェンして身だしなみにも気を遣うようになりました。理由は・・・。

高杉医師に恋をしてのことでした。コメディドラマなのに昼ドラ並みの展開!?と思いきや、高杉医師の「迷惑」との言葉で撃沈です。

2014年放送の新作ドラマ

通称離島編。いずみと高杉医師が離党で委員を開いて、というお話。『ナースのお仕事4』が終了してから実に12年、しかも二夜連続ドラマだっていうんだから、ファンには嬉しい作品かと。

関連動画

『ナースのお仕事3』のエンディング曲。実際の映像では、医療器具のCGをバックに皆で踊ってました。各人の決めポーズもアリ、だったんですよ。

映画版『ナースのお仕事』より。「南の島に行くから」と浮かれるのはいいんですが、何故にこの格好で踊ってるんでしょう?

まとめ・医療ドラマというよりも

人情もの、という感じですね。『ナースのお仕事』との言葉はタイトルだけではなく、劇中でも使われたように思います。今尚愛されているのは、医療ドラマ仕立てのコメディドラマ、しかもそれだけに「命」という身近でありながら普段気にかけることもないようなものを扱っているからでしょうか。今後もう新作が作られることはなくとも、「笑って楽しめたドラマ」として見た人の心に残ってほしいものです。「ナースのお仕事」で人々が癒されるように。

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