2016/08/26
natu634
映画やドラマなどで目にする花魁。その華やかで妖艶な姿についつい目を奪われてしまいますよね。そんな彼女たちはその時代に活躍していたのか、そしてなにをしていたのが疑問に思いませんか?
花魁(おいらん)は、吉原遊廓の遊女で位の高い者のことをいう。18世紀中頃、吉原の禿(かむろ)や新造などの妹分が姉女郎を「おいらん」と呼んだことから転じて上位の吉原遊女を指す言葉となった。「おいらん」の語源については、妹分たちが「おいらの所の姉さん」と呼んだことから来ているなどの諸説がある。
もともと花魁と呼ばれていたわけではないようですね。今となってはわからないですが略称の可能性もあるということですね!
遊女には位があり、それによって揚代が決まってました。高級遊女である、「太夫」が宝暦(18世紀中頃)姿を消し、花魁と呼ばれるようになったそうです。
もともと花魁は吉原の遊郭のもっとも高い遊女で張り店をしないため引手茶屋で呼び出しをしなければならなかったようです。その道の行き来を滑り道中、のちに花魁道中と呼ばれるようになりました。
太夫が消えさり、花魁と呼ばれるようになったみたいですが、厳密には違うようですね。
花魁は下位の遊女と違い、揚げるには様々なしきたりがありました。誰でも簡単に花魁を呼べるわけではないのです。花魁を呼ぶのにも花魁は相当お金がかかります。それに一度呼んだからよくしてくれる、というわけでもないようです。
そのしきたりというのも、
・茶屋を通して取り次いでもらわないといけなかった。そのため茶屋で豪勢に遊ぶお金が必要だった。
・座敷では遊女は上座、客は下座に座っていました。お客より立場が上だったんですね。
・初回では遊女は客とは離れたところに座って口も利かず、飲食もせず、客を見定めていたようです。ふさわしくないと思われると付き合うことはなかったとか。そのため客はたくさんの芸者を呼んで豪勢にふるまい財力があることを示さなければなかなかった。
・2回目は少し傍によってくれますが基本は初回と同じで3回目でやっと馴染みに入ることができます。自分の名前が入った膳と箸が用意され、このとき馴染み金を支払わなければいけなかった。
という風に様々なしきたりがあるようですが、花魁は想像できないぐらいお金がかかったんですね。
それもそのはずです。花魁になるには教育も執拗とされていて、花魁候補は幼少の頃から禿(かむろ)として様々な教育を受けたようです。それだけ手塩にかけて育てられている花魁。高くもなりますよね。
上記にも書いたように花魁は禿として徹底的に古典や書道、茶道、和歌、琴、三味線、囲碁などの教育、芸事を仕込まれていました。何でもでき、美しい女性だったのでしょうね。
それでも現代の私たちではお客様を放置なんて考えられないですね。
お客様は神様、なんて言葉もあるんですから。
花魁の世界の表と裏を悲しく、艶やかに描いた映画です。1978年の映画ですが、映像の演出は今見ても美しいです。個々の個性の華が咲いて若さと美しさを競う女たちの凄まじさもあります。
Oiran Parade from "Yoshiwara Enjo"
華やかな花魁道中の動画ですね。映画中にも出てくるこの華やかな花魁道中をご覧ください。あまりの美しさにうっとりしちゃいますよね。
観月ありさが主演の吉原炎上。こちらはドラマスペシャルになっています。映画の吉原炎上が2007年にテレビドラマ化されたものです。悲しい境遇でも強く生きる女性たちの姿を現代の女性も共感できるのではないでしょうか。
漫画が原作のこの映画。ご存知の方も多いのではないでしょうか。土屋アンナが主演で2007年に上映されました。吉原に売られた少女が花魁に成長するまでのストーリーを描いた映画です。
ビビットな色使いにゼブラ柄の花魁帯などインパクトが強いので時代物好きな方は少しびっくりするかもしれません。映像は華やかでとっても綺麗です。
さくらん
映画予告でみてもわかるようにすごく華やかでパンチの効いた映像ですね。映画の主題歌を歌っている椎名林檎さんの曲もすごくあいます。またほかの映画と一味違う花魁道中が素敵です。
安達祐実主演で2014年に映画化されました。こちらも原作は漫画です。いろんな花魁たちの想いが交差するこの映画。すさまじい官能の世界。悲しい思いや、欲望…。安達祐実さんが20年ぶりの主演映画です。
花魁が男をつくることは禁断の吉原の世界。安達祐実さん演じる主演の遊女はその世界に足を踏み入れます。真実の愛を求めて…。果たして真実の愛は手に入るのでしょうか。
映画『花宵道中』予告編
好きな男の前で抱かれる遊女の切ない気持ち。見るに耐えてしまいますね。それでも遊女として仕事をしなければなりません。複雑な世界です。一人で歩く花魁道中も切なさある中素敵ですね。
2007年SSFで上映された自主映画「花魁ノ詩」。サンダンス映画祭で日本人初の優秀賞を受賞したそうです。遊郭で起こった心中事件をミュージカル・クリップ風にした短編映画。世界17ヶ国の短編映画5,107本のうち、オフィシャルセレクションで上映されたのは83本でそのうち優秀賞を受賞した7作品中の一本だそうです。
自主短編映画「花魁ノ詩 / Oiran Lyrics 」(English subtitle)
小川亮輔監督の短編映画。こちらで見ることができます。ミュージカル・クリップ風の短編映画なのでさくっとみれちゃいますね。
1995年に上映された映画。浮世絵絵師のお話しですが、吉原が舞台なので花魁の描写はメインストーリーを飲み込んじゃうほど多いそうです。
十八代目中村勘三郎さんが主演、2007年に公開された映画です。「てれすこ」という不思議な魚が捕獲され、それは万病に効くらしい、と。そんなニュースが大阪をにぎわしているとき、人気の花魁に一緒に足抜けを手伝ってくれと頼まれ…?みたいなストーリーです。勘三郎さんが主演!気になりますね♪
大ヒットした日曜劇場ドラマ「JIN-仁-」にも花魁はでてきました。中谷美紀さん演じる野風です。みなさんも仁は見ていたのではないでしょうか?野風はすごく美しい花魁でしたよね。
映画化なんて噂もありましたけど、またこれを機に野風を見に見直すのもありですね☆
2012年に放送されたドラマの続編です。伝説の花魁「あさひ太夫」と呼ばれるようになった幼馴染がでてきます。女同士の友情も見どころですよ。
とても華やかな花魁。でも裏の世界は凄く複雑そうですね。そんな花魁の映画、ぜひぜひ皆様も観てみてくださいね♪上記に紹介できなかった花魁が登場する映画もまだありますし、花魁だけでなく遊女たちのお話しもありますのでそちらもぜひ♪
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