2022/01/05
斎藤 葵
村上春樹
生年月日:1949年1月12日(66歳)
出身地:日本・京都府
ジャンル:小説・翻訳・随筆・紀行文・ノンフィクション
代表的な作品:「ねじまき鳥クロニクル」「ノルウェイの森」「1Q84」
大ベストセラーを連発し、文学界に旋風を巻き起こし続けている小説家・村上春樹。
村上春樹の作品は様々な読者を魅了し続けていました。
村上春樹の書いた作品はどれもおすすめしたいものばかりですし、どれをおすすめするかなんて迷ってしまうほどなのですが、今回は村上春樹の隠れた名作から3選おすすめしていきたいと思います。
皆さんも是非この記事でおすすめした作品を読んでいただけたら幸いです。
はじめての文学 村上春樹
著者:村上春樹
発行元: 文藝春秋
発売日: 2006/12/6
小説の面白さ、楽しさを味わうために、著者自身が用意したスペシャル・アンソロジー。はじめてのひとも、春樹ファンも欠かせない一冊。「シドニーのグリーン・ストリート」「かえるくん、東京を救う」など全17編を収録。
最初におすすめしたい作品は「はじめての文学 村上春樹」
こちらは10代の読者に向けた「はじめての文学」シリーズの中の1つなのですが、10代は勿論老若男女全てにおすすめしたい短編がグッと詰まっています。
文学に興味はない、という方でもすらすらと読めるものばかりで、本を読まない方におすすめしたいです。
勿論村上春樹作品に触れるのが初めてという方、そして村上春樹ファンの方にも本当におすすめしたいアンソロジーです。
それぞれの作品のストーリーは、実際にはありえない世界だけれど不思議と(私には)違和感を感じさせずにしっくりくるし、読んでいてわくわくしたりもする。
好き嫌いは分かれるもしれないが、気軽に読めるし独特の村上ワールドを体験できる。
この本は「年少者向け」になっているが、そうじゃない人も十分楽しめる。作者自身が作品を選んでいるというのもその選択自体が作家からのメッセージとなっている。
読者からも概ね好評の声が多い村上春樹のアンソロジー。
このアンソロジーに収録されている短編はどれもおすすめできます。
筆者の独断ですがこのアンソロジーの中の「鏡」と「沈黙」が特におすすめしたい短編です。
是非皆さんも読んでください。
遠い太鼓
著者:村上春樹
発行元:講談社
発行日:1990年6月19日
ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきたのだ。ずっと遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。――その音にさそわれて僕はギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。1986年秋から1989年秋まで3年間をつづる新しいかたちの旅行記。
続いておすすめしたい作品は「遠い太鼓」
この作品は村上春樹がヨーロッパを放浪した旅行記です。
このヨーロッパ滞在の間にあの名作「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」を完成させます。
何度読んでも面白いです。村上春樹さんんのギリシャ/イタリアを中心としたヨーロッパ滞在紀行。村上春樹さんの本の中で、実は一番好きかもしれません。ヨーロッパへ行きたいなあ。
冒頭の『ある朝、目が覚めて、ふと耳を…』など本当に瑞々しい美しいリズム、読んでいて楽しい文章です。 読んでいる最中は、「うわ、大変そう」などと思いつつ心持ち眉間に薄いしわを寄せて読み、読み終わると「あぁ、でもあそこのあの料理はとても美味しそうだった」とか「風景、実際見るときれいだろうな」などとふっとそこへ行ってみたくなる、そんな読後感。 大変そうなのはとてもリアルに伝わるけれど、でも行ってみたい、みたいな。笑。
村上春樹の作品は読みづらいなあ、という人におすすめの作品です。
エッセイなので、村上春樹の作品の中では格段に読みやすくおすすめしやすいと思います。
普段本を読まない人に特におすすめできる1作。
村上春樹は小説の他にもエッセイを多数出しているのですが、どれも面白いのでおすすめしたいです。
是非、「遠い太鼓」以外のエッセイも読んでみてください。
風の歌を聴け
著者:村上春樹
発行元:講談社
発行日:1979年7月23日
1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。
最後におすすめする作品は「風の歌を聴け」
「風の歌を聴け」は村上春樹のデビュー作で群像新人賞を受賞しました。
村上春樹の原点を知ることのできるおすすめの1作。
もうとっくに読まれているかもしれないハルキストやこれから村上春樹に手をだそうと思っている人に是非おすすめしたい作品です。
文学作家でありながら、大ベストセラー作家の地位を確立してしまった奇跡の人、村上春樹のデビュー作。
いま読んでも十分おしゃれなのが小憎らしい。センスがいい。文章がいい。雰囲気がいい。感性がいい。と、いいことづくめ。
この後、村上春樹は段々と重厚さを身につけていくが、この作品にはまだそんな匂いを感じさせない軽やかさがある。
本人も小説も時代も青春だったのです。
印象的なフレーズと小道具(レコードやミュージシャン)、映画のカットのような挿入で読み手の想像力を刺激してくる作品です。
この小説が、20代の若者の姿を変えたと思っています。
村上春樹渾身のデビュー作。
物語は断片的に語られ、様々な場面が行き来する。
そのために読者を退屈にはさせず、1場面事になんらかの感慨を与えてくれる。
春樹氏はこの作品でデビューをしたが、僕もこの作品で春樹ワールドの虜となるデビューを果たした。
村上春樹のデビュー作でもあるので、今の村上春樹作品とは違う素朴な表現を楽しむことのできるおすすめの作品。
少し古臭い、なんて意見もありますが、その古臭さがとてもいい味を出しています。
だからこそ読んでおきたいおすすめの1作です。
ということで今回はだからこそ読んでおきたい村上春樹の隠れたおすすめ作品3選をご紹介しましたが如何だったでしょうか。
もう読んでるよってハルキストの方々はまた読み返したり、これから村上春樹に触れるって人にもおすすめしたい作品ばかりを選びました。
他にも沢山おすすめしたい作品はあるのですが、今回は悩みに悩んで3つ選びました。
この記事をきっかけにこの記事でおすすめした作品や、それ以外の村上春樹の作品に触れていただけたら幸いです!
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