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    彩雲国物語のジャンル・あらすじや感想は?新装版との違いはある?

    コミカライズ化やアニメ化もされている、人気ラノベ彩雲国物語。本作のジャンルは一体何なのでしょうか。そこで今回は、彩雲国物語のジャンルやあらすじ、感想についてお伝えします。また、新装版と角川ビーンズ文庫版の違いについてもご紹介します。

    彩雲国物語とは何なの?

    彩雲国物語は、2003年から2012年にかけて連載された物語で、漫画化のみならずアニメ化もされました。

    しっかりしたストーリーで年代を問わず愛された作品として、今でもお気に入りの作品の方も多いのではないでしょうか。

    まだ読んだことがない方もいることでしょう。まずは彩雲国物語の概要について説明します。

    雪乃紗衣のライトノベル

    彩雲国物語は、雪乃紗衣(ゆきのさい)さんによるライトノベル。雪乃紗衣さんは2002年の「第1回角川ビーンズ小説賞」に応募し「彩雲国綺譚」で奨励賞・読者賞を受賞してデビューを果たしました。

     

    2003年から「彩雲国綺譚」を練り直した作品の連載がスタート。この作品こそが「彩雲国物語」です。

    角川ビーンズ文庫で刊行

    角川ビーンズ文庫において2003年から10月から2012年3月まで刊行されています。巻数は全23巻で内訳は本編が18巻、外伝4巻、連作集1巻という構成。

     

    漫画化は角川書店のビーンズエースと月刊Asukaで行われ、作画を担当したのが由羅カイリさんです。こちらは2005年7月から2012年3月まで連載が続き、コミックは全9巻で完結しました。

     

    2022年2月時点の累計発行部数は668万部であることが角川社のツイッターで公表されています。ライノベは若年層からの支持が厚いことで知られていますが、この作品は高齢の女性からも人気があるんだとか。

    ジャンルは何なの?

    ジャンルに関しては、中華風ファンタジーで架空の国における歴史小説。登場人物の名前は中国に出てくる作品を思わせるもので、実際に作品内で「唐の三省六部を参考にしている」と書かれています。

     

    Yahoo!知恵袋では「本屋さんではBLのコーナーに置いてありましたが、この作品はBLですか」という質問がされているのですが、回答者からアッサリ否定されています。

    アニメ化もされている

    彩雲国物語は、これまでにNHKにおいて2クールのアニメ化がされました。第1期は2006年4月8日~2007年2月24日まで。第2期は2007年4月7日から2008年3月8日まで。

     

    どちらのクールも39話ずつと、かなり長めのスパンで放映されていました。

    彩雲国物語はどんなあらすじなの?   

    彩雲国物語のあらすじについて紹介していきます。中国を思わせる登場人物であることや、かなりの数の人物が登場するので、まずはあらすじを見ていく方が取っつきやすいかもしれませんね。

    彩雲国物語のあらすじ

    この作品の主人公は紅家の娘である秀麗(しゅうれい)で、幼い頃の動乱の記憶が残っています。家は名門の出自であるものの、落ちぶれて貧しい生活を送る日々。

     

    そんなある日、即位して間もない王の教育係を引き受けることに。

     

    宮廷内で繰り広げられる権力闘争や豪族の暗躍、新王である紫劉輝との恋や、同僚との友情などが繰り広げられ、そこでは挫折や別れを経験しながら1人の女性が持ち前の明るさで、困難を1歩一歩乗り越えていく成長を描いたストーリーです。

    アニメのあらすじ

    アニメのあらすじは、NHKの公式サイトに各話のあらすじが紹介されています。なお、アニメ化では本編の12巻「白虹は天をめざす」までが放映されています。

    彩雲国物語の感想はどうなっている?

    彩雲国物語を読んだ読者はどのような感想を持っているのでしょうか。既に読んでいる方でも他の方がどう思ったのかを知るのは楽しいものです。

    まだ、読んでない方も今後の読書リストに入れるかどうかの、指針にしても良いかもしれませんね。

    文句なしに面白い

    漫画のレビューサイトを見ると、やはり「文句なしに面白い」というものが目立っています。その根底にあるのは、話がしっかり作りこまれているという点が大きいでしょう。

     

    漫画の方も、原作に忠実に作られていることも小説版の読者の期待を裏切らなかったことも大きいかもしれません。

    ストーリー性があって面白い

    さらにその他の意見を追ってみると「ストーリー性があって面白い」、「読み応えがある」という声が寄せられています。

     

    作品内の設定では、女性は官吏登用試験を受けることができないという状況から、どうやって男性社会を女性が輝いていくのかということにフォーカスが当たっていることに注目が集まりました。

     

    日本ではジェンダーギャップ指数が146ヶ国中で116位とかなり低く、男性社会が継続していることも、女性の読者に刺さった要因かもしれません。

    美男子を拝める

    なんといっても女性向けのライトノベルなので、美麗な男子を拝めるというのは、1つの楽しみではないでしょうか。

     

    揃いも揃って美男子だらけというのも現実味が薄いのですが、「これはこれで良い」という声も寄せられています。

    王がかわいい

    アニメのレビューには「王(紫劉輝のこと)がかわいい!」という感想が寄せられています。紫劉輝は、ヒロインの紅秀麗に一目惚れし、ずっと想い続けてきたという一途さが人気の理由であるようです。

     

    そして、メインキャストの1人である将軍(藍楸瑛のこと)は、とても落ち着いた雰囲気を纏っていて有能さが垣間見えます。

     

    2人共、ギャップがあるのが良いという声も寄せられていて、読者は細かいところも見逃していないようですね。

    彩雲国物語は最後どうなった?

    彩雲国物語は本編が全18巻で、番外編も出ています。気になるのは「最後どうなったのか」という点ではないでしょうか。

    また、登場人物のその後の人生も気になります。ネタバレになりますので、ご了承ください。

    秀麗の死

    紅秀麗は、最終巻で29歳で退官して国王である紫劉輝の後宮に入り后妃になりました。普通の物語であれば、これでハッピーエンドとなりますよね。

     

    しかし、彩雲国物語では主人公の紅秀麗が死去しています。

    秀麗の死因

    紅秀麗は、女児を出産後、桜の季節を迎えることなく死去し、30歳という若さで亡くなったことについては、驚いた方も多かったのではないでしょうか。

     

    元々体が弱く、幼少期に高熱を出し瀕死の状態に陥ったことはアニメでも描写されていました。

     

    本来であれば、そのまま命を落としていてもおかしくなかったのですが、母親の薔薇君が命と引き換えに彩八仙の紅仙としての能力を使って秀麗の中に入ることで、寿命を延ばしていたのです。

     

    しかし、子供を出産するということは紅秀麗にとってかなりの負荷であったようで、子供をどうにか産むことができたものの、命を落とすことになりました。

    登場人物たちのその後

    その他の登場人物についても、その後の様子を紹介します。まず、紅秀麗に先立たれた紫劉輝は、娘を育てて既に40歳代後半から50歳くらいの年齢に。

     

    母親を早く亡くした娘の重華は、秀麗の元同僚に勉強を教えてもらい、父親の執務を手伝っています。やがて来る王位継承の日に向け備えている様子。

     

    紅家の家人の茈静蘭は、短編「冬の華」では将軍以上に出世していて、その後死去したということが書かれています。

     

    紫劉輝の側近である藍楸瑛は、上治15年には羽林軍大将軍に出世し、短編「冬の華」において、結婚して3人の子供に恵まれるも既に死去し、墓が藍州にあるとのこと。

     

    メインキャストだけでも、数多くの人物が亡くなりその後の世代へと物語のバトンが続いていることがうかがえますね。

    彩雲国物語の新装版との違いはある?

    彩雲国物語は角川ビーンズ文庫で刊行されてきましたが、新装版も出版されています。オリジナルの文庫とはどのような違いがあるのでしょうか。

    新装版が登場

    原作者である雪乃紗衣さんのデビュー15周年を記念して、角川文庫から新装版の彩雲国物語が刊行されました。

     

    作画は、これまで担当してきた由羅カイリさんから弥生しろさんにバトンタッチ。現時点の最新刊は15巻まで出版されています。

    内容はあまり変わらないとの声がある

    気になる新装版の内容ですが、既存の角川ビーンズ文庫から出ているものとは、あまり変わらないという声が寄せられています。

    文庫特別書き下ろしが収録

    既に出版されている「彩雲国秘抄 骸骨を乞う 下」は、真の完結本と呼ばれる番外編となりますが、ここでは文庫版特別書き下ろし95ページが収録されています。

    彩雲国物語の登場人物

    彩雲国物語のメインキャストについて紹介します。あらすじで紹介していますが、改めてヒロインや夫となった紫劉輝について見ていきましょう。

    紅 秀麗

    主人公の紅秀麗は8歳の時に発生した王位争いの悲惨な体験をから、幼いながらも官吏になって自立したいと考えてきました。

     

    格式の高い家系であったものの、貧しい家庭で、なるべく賃金の高い仕事を探していた矢先に見つかったのが、新王である紫劉輝の教育係

     

    不真面目だった紫劉輝が政事を真面目に取り組むようになると、後宮を辞して、戸部尚書で働くことに。

     

    その働きぶりは周囲も認めざる得ない程有能で、これまで女性に認められなかった国試を受けられるようになったのです。

     

    彩雲国初の女性官吏となるも、想像以上の男性社会では苦悩したことも。体が弱く寿命がそれ程長くないことを悟りながらも最後まで仕事をまっとうし、読者から高い支持を受けています。

    紫 劉輝

    国王の紫劉輝は、第6公子で幼少期に流刑になった兄が王の座に就くことを望み、自らを暗愚に見せていました。

     

    しかし紅秀麗と出会ったことで、自身が持つ本来の才能を発揮し、以降はその治世を「最上治」と讃えられる賢君として国を納めます。

     

    ずっと想い続けた紅秀麗を結ばれ32歳の時に娘にも恵まれましたが、先立たれる悲運に見舞われます。物語では54歳で崩御したことが記録として残されています。

     

    茈 静蘭

    紅家の家人で、紅秀麗の母親に拾われ、名前を付けて貰いました。最初は米蔵門番を務めていましたが、紅秀麗の後宮入りの際に帰妃付として左羽林軍に特進。

     

    実はこの人物、昔流罪になった第二公子で紫劉輝の腹違いの兄にあたる人物ですが、そのことは隠して紅家に仕えているという設定です。

     

    文武ともに優れているだけではなく、手先も器用で大工仕事や山菜取りなど何をやらせてもそつなくこなす人物。

     

    いつも微笑みを浮かべて優しい性格なのですが、紅秀麗のこととなると周りが見えなくなってしまうという一面も持っています。

    彩雲国物語はアニメでも文庫版も楽しめる

    彩雲国物語は、雪乃紗衣さん原作のライトノベルでて2003年から10月から2012年3月まで角川ビーンズ文庫から本が刊行されてきました。

     

    作品のジャンルとしては、中華風ファンタジーで架空の国における歴史小説ですが一部からはBLと間違えられてしまうこともあったようです。

     

    主人公は、人の役に立ちたいと志高い紅秀麗で、持ち前の明るさで男性社会を生き抜く意志の強さを持つ女性で、新王とのラブストーリーや友情などがフォーカスされます。

     

    読者のレビューを見ると「文句なしに面白い」、「ストーリー性があって良い」などの絶賛感想コメントが多数寄せられています。

     

    アニメ化も2回されており、作者の作家生活15周年を記念して新装版の彩雲国物語が出版されました。既存の文庫との違いは、あまりないようですが外伝では、95ページの書きおろしもあるようです。

     

    秋の夜長の読書に「彩雲国物語」を改めて読んでみるのはいかがでしょうか。

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