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ズンドコベロンチョとは?タモリさんが世にも奇妙な物語で太鼓判⁉︎

”ズンドコベロンチョ”を知っていますか?ズンドコベロンチョとは「世にも奇妙な物語」の話の一つでストーリーテラーであるタモリさんが一番好きな作品だそうです。意味のない言葉”ズンドコベロンチョ”に翻弄される1人のサラリーマンを描いています。ここではズンドコベロンチョの詳しいあらすじや意味をご紹介します!

何の呪文?「ズンドコベロンチョ」とは?

「ズンドコベロンチョ」とは、フジテレビの長寿番組で放送されている「世にも奇妙な物語」というオムニバス形式ドラマの内の1つの作品です。

世にも奇妙な物語は、多くの作品が放送されており、ズンドコベロンチョは、現在でも人気のタイトルです。ズンドコベロンチョの作品について詳しくご紹介します。

1991年「世にも奇妙な物語」で草刈正雄が熱演!

ズンドコベロンチョとは、1991年4月に放送されました。脚本は、「オレンジデイズ」、「ロングバケーション」といったラブストーリーの王道ドラマで有名な北川悦吏子さんが担当しました。

まだ当時は、脚本家として駆け出しだったのですが、この作品の反響が大きかったことから、脚本家として北川悦吏子さんに注目を集めました。主演は、草刈正雄さんでしたが、その熱演とストーリーに引き込まれた視聴者が続出しました。

ストーリーテラーであるタモリが一番好きな作品

世にも奇妙な物語は1990年から放送開始されて、当初は毎週木曜日に連続放送されていましたが、現在は四季の番組改編時などのスペシャル番組として定期的に放送されています。

30年近く沢山の物語を紡いだストーリーテラーのタモリさんが、一番好きな作品はズンドコベロンチョであると2009年に放送されたバラエティ番組で明言しています。

放送後、ズンドコベロンチョとは何かという問い合わせがフジテレビに殺到しました。脚本家の北川悦吏子さんによると650件の問い合わせというコメントが発表されています。

ズンドコベロンチョのあらすじは?(ネタバレあり)

1991年に放送されたズンドコベロンチョの、あらすじをご紹介します。ネタバレを含みますのでご注意下さい。バブル景気の日本において、とある企業に勤務するインテリなサラリーマンである三上修二(草刈民雄)が主役です。

自身の知識の深さにおいて右に出る者は居ないと、ことあるごとに横文字を交えた難解な言葉を羅列し、周囲の理解が追い付かないことに優越感を感じ、周りはバカだと内心見下しています。

ズンドコベロンチョのあらすじ(出会い)

三上修二は「俺に知らない言葉はこの世に存在しない」と考えていたのですがある日、会議の後で同僚が、ズンドコベロンチョに関して会話をしているのを耳にします。これまで聞いたことのない、意味の分からない言葉に内心うろたえます。

話を聞いていた上司は、「ズンドコベロンチョを知らないとは業界人とは言えないね」と深く頷きます。部下からもズンドコベロンチョに関して話しかけられますが、分からないとも言えずに、芸能人かテレビ番組の類だろうかと考えます。

咄嗟の判断で、「なかなかたいしたもんだね」と知ったかぶりで、その場をやり過ごしますが、知らない言葉があるという事実は、屈辱であると感じます。かと言って意味を質問することは、誰よりも博識を自負する身としてプライドが許しません。

ズンドコベロンチョのあらすじ(焦燥)

三上修二は、慌ててテレビや雑誌、図書館でズンドコベロンチョとは何かを必死で調べ始めます。しかし、いくら調べても、どこにも掲載されていません。

会社だけではなく、世間でも謎の言葉は大流行しており、街中やテレビでは言葉を略して「ズンベロ」とまで呼ばれています。世間からの浸透度の高さが伺えるものの、自分だけが、意味も理解出来ない状態に、どんどん焦っていきます。

ズンドコベロンチョのあらすじ(混乱)

せめて周囲の会話から、ズンドコベロンチョの正体を探る事はできないかと、妻と娘の会話や、テレビに耳を傾けます。部下の女性社員からは「三上さんはズンドコベロンチョに似ている」と言われます。

一方他の同僚は「日本人が忘れかけた、心を思い出させてくれるよね」と盛り上げ合っています。情報を収集してもなんら、共通性はなく三上修二は、ますます混乱をきたしていきます。専務にも意見を聞かれて、周囲の話からバンドや古い楽曲ではないかと思いつきます。

またしても、知ったかぶりで「一度聴いたら忘れられませんよね」回答するも、的外れな三上修二の返答は、専務を怒らせてしまいます。

もしかしたら寿司のネタかもしれないと、寿司屋に行き注文しますが「そんなシャラクサイ物はない」と店から叩き出されます。

ズンドコベロンチョのあらすじ(ついに)

錯乱状態に陥りながらも、正体を知るべく奔走します。ズンドコベロンチョは、子供に愛されるキャラクターに違いないと、想像で何枚もズンドコベロンチョと思われるイラストを、一晩中、寝ずに何枚も書き続ける奇行へとエスカレートします。

結局ズンドコベロンチョが分からないまま、頭が一杯になった三上修二が出社すると、上司に呼び出されます。社内でプロジェクトが立ち上がりチーフに抜擢すると言うのです。プロジェクトの名前は「ズンベロプロジェクト」です。

ついに我慢できなくなり「ズンドコベロンチョって何?」と切り出します。お祝いムードで一杯だった社内は一気に空気が凍り付きます。最後に三上修二の「教えてー!」という心の叫びでドラマの幕は下ります。

明かされないズンドコベロンチョの意味

最後までズンドコベロンチョとは何なのか、意味することはどういうものなのかが一切明かされないまま終わり、主人公の三上修二と同じ気持ちで視聴者はモヤモヤとした気持ちを抱えることになります。

フジテレビに問い合わせが殺到したのも、気が付いたら三上修二にシンクロしてしまったのです。テレビ番組の手法としては、大成功と言えます。

意味を求めて必死に辞書をめくる三上修二の姿は、傍から見たら滑稽で、当時インターネットが無い時代であったこともあり、知らないことに対する情報を得る事の難しさという時代背景や、主人公のプライドが邪魔して質問できない気質を上手に利用した作品でした。

2015年リメイク版を藤木直人が熱演!

時が流れて2015年に世にも奇妙な物語は25周年記念として、過去に放送した番組の人気ランキングを視聴者から取り、人気のあるタイトルをリメイクするという企画が打ち出されました。6位にランキングしたことで、リメイク版が作成されました。

リメイクされる作品の元祖版を、別途放送することで当時テレビを見ていなかった人たちにも、比較ができるような配慮がされました。

リメイク版の主演は、藤木直人さんで脚本は1991年と同様に北川悦吏子さんが担当していますが、コラムニストや音楽プロデューサーとして活動するジェーン・スーさんと共同執筆という形になりました。

大枠のストーリーは変わらないものの、当時と時代背景が異なることから、新たな脚本が書下ろしになったそうです。

”ITベンチャー企業”の社長役に

三上修二の役は、元祖版では企業のエリートサラリーマン、リメイク版ではITベンチャーの社長という設定の違いがあります。情報こそが命であると考え、この世に知らないことや、情報は無いと豪語します。

三上修二が発する横文字に対して、若い部下は分からないことは何でもスマホを使って調べる様子をみて「ググッてるのかよ」と叱り飛ばします。元祖版では当然インターネットの普及がされてない時代だったので、若干会話の展開に違いが生まれます。

元祖版では、三上修二の言葉が通じない部下の反応は、「アトリウム?」というように不明な言葉がオウム返しをされて、そこで会話が途切れてしまうという反応の違いが時代背景を現わしています。

独身設定で実家のある田舎まで出向く

元祖版の三上修二には妻と娘がいるという設定でしたが、リメイク版では独身になっています。その代わりに田舎に住む祖母が登場します。

きっかけは、外を歩いてた時に「お年寄りのズンドコベロンチョ詐欺に注意」と書かれた紙を見かけて心配になったのです。祖母なら知っているかもしれないという一縷の望みをかけて田舎に赴き、祖母にズンドコベロンチョについて切り出します。

途端に祖母は取り乱し、パニックに陥ってしまいます。結局はズンドコベロンチョの言葉の意味を知ることができないままでしたが、一つだけ判明した事実がありました。都会において「ズンベロ」と略されることが多いのですが、祖母が済む土地では「ドコチョ」と呼ばれていました。

こっそりスマホで意味を調べる

ズンドコベロンチョの意味が理解できない三上修二は、元祖版において、図書館で辞書を片端からめくっていました。リメイク版では、コッソリとスマホを使って意味を調べます。

検索結果を表示させると、そこに記載された説明文は、「シナジーによる熱伝導が作用したオポチュニティーとも言える。最適なソリューションとしてデリバティブし、そのエビデンスをβ崩壊させエスティメート」というような意味が繋がらない言葉が並べられているだけでした。

何度読み返しても概念すら理解できないというオチでした。画像を検索してもリスト化された画像が全て違う意味を持つ画像が表示されており、共通性がないため、結局、ズンドコベロンチョの意味を理解することができないことには変わりません。

ズンドコベロンチョ・アンバサダーに抜擢される

ストーリーの終盤に元祖版では「社内プロジェクト」のチーフに抜擢されますが、リメイク版では、2020年に開催される東京オリンピックの「ズンドコベロンチョ・アンバサダー」として内閣から抜擢されます。アンバサダーというのは大使を意味する言葉です。

アンバサダー就任の儀式ではテレビカメラが入り、この場でズンドコベロンチョって何ですかという質問を投げかけると、インターネットでは、この件で大炎上してしまいます。

さらに、ニュースとしても報道されることで、三上修二への認知度の高さは、元祖版よりも遥かに高い設定になっています。

リメイクに対する世間の懸念とは?

ズンドコベロンチョは、リメイクが決定した時に、当時のストーリーを覚えているファンの間では、懸念の声も上がっていました。

インターネットが発達していない時代であるからこそ成立するストーリーであって、スマホで簡単に意味を調べられてしまったら、自分だけが意味がわからないという苦境に立たされることがないのではないか?と危惧があったそうです。

蓋を開けてみると、ネットで意味を調べても分からないという、ある意味元祖版よりも深い絶望が上手に表現されており、藤木直人さんが演じるプライドの高い男が、錯乱していく姿がよりリアルに表現されていたと、懸念を吹き飛ばす高い評価を得ていました。

ズンドコベロンチョの誕生はサラリーマンの会話がきっかけだった!

ズンドコベロンチョの放送をきっかけにして、北川悦吏子さんは脚本家として注目を浴びることになりますが、この物語には誕生秘話があります。サラリーマンの友人と食事中に、何気ない会話からヒントを得たそうです。

ここからは、どんな内容の会話で、脚本ができるまでの経緯や、ドラマでは明かされることの無かった本当の意味をご紹介します。

脚本家の北川がサラリーマンの会話を盗み聞き

サラリーマンの友人と食事をしていた時に、ふとした会話がきっかけになりました。ヒントになった会話とは「友人から電話が来ても結婚に関する話ばかりが来る。結婚という言葉の意味が分からなかったどうなってしまうのだろう。それは怖いことだ」というものでした。

会話の意味が通じない畏怖について語る、ちょっとした戯言でした。会話には続きがあり、「分からない言葉とは何が良いだろう」と質問を投げかけると、戻ってきた答えが「ズンドコベロンチョはどうか?」という言葉を聞いて、物語が思い浮かんだそうです。

その後シナリオを出したところ即採用!

サラリーマンの友人との会食で思い浮かんだストーリーをシナリオとして書き上げて、編成の会議でシナリオを提出したところ、プロデューサーからその場でOKが出て映像化される運びになりました。

実は、世にも奇妙な物語の番組において即採用ということは非常に稀であるそうです。それだけシナリオのクオリティが高かったということになります。

ズンドコベロンチョの本当の意味は?

ドラマの中では、明かされなかったズンドコベロンチョとは、どのような意味をもっているのでしょうか。リメイク版では、インターネットの力を駆使しても明かされることの無かったズンドコベロンチョの意味について調査しました。

意味不明のわからない言葉

ドラマ版とは別にノベライズ本が発売されています。太田出版から発行されている「世にも奇妙な物語7」に短編小説の1つとして入っています。ドラマでは出てこなかった意味について触れられています。

本文によると「意味の分からない言葉」という定義をされています。ただし、この本の執筆をした作家は、北川悦吏子さんではありません。ドラマで利用されたズンドコベロンチョと少なからずとも、意味合いが異なる可能性があります。

誰もが皆知ったふりをしているだけで存在しないもの

そもそも、主人公のみならず、世界中の人々が知ったかぶりをしていて、本当はこの世の中にズンドコベロンチョという言葉自体が、存在していないという説もあります。

本当のズンドコベロンチョは違う話だった?

世に出たズンドコベロンチョの脚本には、もう1つあったとされています。もう1つの作品は放送されなかった脚本で、違う話であったとも言われています。もう1つの脚本は、なぜ世に出なかったのか、どのようなストリーリーであったのか気になるところです。

脚本の北川が間違えて消去してしまった

サラリーマンとの会話を元に思いついて書き起こした最初のシナリオが世に出なかった理由とは、脚本家の北川悦吏子さんが、インスピレーションを得て書いたシナリオを誤って消去してしまうという不慮の事故によるものでした。

ドラマとして放送されたシナリオは、2回目に書かれた物ということになります。

本物のズンドコベロンチョは永遠に世にでることはない

北川悦吏子さんは、脚本を一度執筆したらすぐに忘れてしまうそうです。2回目のシナリオは、最初に書かれたものと異なっている可能性がありますし、最初に書かれたシナリオとの差異は、どのくらいあるのかは永遠の謎です。

本物の作品が今後世の中に出回ることもなく、本当の意味もこの先明かされることはなくズンドコベロンチョにふさわしい制作秘話とも言えます。

ズンドコベロンチョはリドルストーリー

最後まで謎が明かされない、ストーリーは、ズンドコベロンチョに限らずこれまで沢山の文学作品で利用されてきた手法です。これを一般的にはリドルストーリーと呼ばれています。文学作品だけではなく、都市伝説やネットの掲示板など有名なリドルストーリーがあります。

日本のリドルストーリー

日本の場合は「牛の首」と呼ばれる都市伝説で、牛の首と呼ばれる名前の怪談があるのですが、この話を聞いた人は3日以内に亡くなってしまいます。怪談の作者はこの話を聞いて、罪の意識に悩み、罪滅ぼしとして仏門に入ります。

作者は、その後仏門で供養を続けて、牛の首の話を一切することなくこの世をさりました。結果的に現在は、怪談のタイトルだけが一人歩きをして、具体的な内容を知るものは誰もこの世に存在しないというものです。

実際には牛の首という怪談は、この世に存在していません。これまでに聞いたことの無い恐ろしい話として伝承されるも、実態は誰も知らないという特徴があります。

海外のリドルストーリー

海外においても何本かリドルストーリーはありますが、1882年に発表されたF・R・ストックトンの「女か虎か?」が有名な作品です。ストーリーは身分の低い若者が国王の王女と恋に落ちて、これを聞いた王女の父親は怒り、若者を処刑することにします。

この国では処刑に2つの扉を用意しており、扉の先にあるものは、1つは美女、一つは虎がいます。つまり美女がいる扉を選ぶと、命が助かり美女とを得ることができるのです。

恋人を助けたい王女は、手で扉を指しますが、美女が待っている扉を指せば恋人は美女と共に生きることになり、虎が待っている扉を指せば命を落とします。さて、王女がさした先の扉はどちらだったのか。という問いかけで終わります。

ズンドコベロンチョとは解明されない謎である

ズンドコベロンチョとは、フジテレビの長寿番組である世にも奇妙な物語の短編の1つです。人気がある作品で2015年にはリメイクされています。ドラマでは、言葉の意味が明かされることはありませんでした。

脚本を手掛けた北川悦吏子さんは、サラリーマンをしている友人と食事会をしている時にふと出てきた会話がヒントになり、物語が完成しました。書いたシナリオはプロデューサーに気に入られて、映像化されることが決定しました。

しかし、最初に書いたシナリオを誤って削除してしまい世に出た作品は、2度目に執筆されたものです。ズンドコベロンチョの意味は、ドラマでは解明されておらず、登場人物全員が知ったかぶりをしているという説もありますが、今後に謎が解明されるのかは、誰にも分かりません。

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