超国民的ご長寿アニメ・サザエさん!改めてサザエさん一家をご紹介☆
2021/12/09
tomoyo1984
サザエさんちのタマはオスなのかメスなのか。顔をみただけでは判別できません。赤いリボンを首に巻いているところからメスだと思っている方もいるようですが、実はガールフレンドがいます。ガールフレンドはピンクのペルシャ猫で、頸におおきなリボンを巻いています。つまりオスなのです。
サザエさん7282話「ねむれないタマ」に出てくるタマのガールフレンドは、長く美しい毛が特徴のペルシャ猫。名前は不明ですが可愛らしく、タマよりは少し大きめです。とても幸せそうに屋根の上でデートをしていて、タマのうっとりした表情に見ているこちらも心がホッコりします。
サザエさんちのタマの苦手なものは「ネズミ」です。ドラえもんみたいですね。ドラえもんの場合は昔、耳をネズミにかじられたからという理由がありましたが、タマのネズミ嫌いには特段の理由はありません。それにアニメ版の第一話(1969年10月5日放送『75点の天才!』)ではナイフとフォークを持ってネズミを追いかけまわしていました。このときのタマは今では考えられないほど凶暴な表情をしていますので、おだやかなキャラは後に固まっていったのでしょう。今では臆病な一面があり、カツオが波平さんやサザエさんに叱られる声を聴いて驚いて飛び上がることがよくあります。
サザエさんちのタマの友達といえば、サザエさんのお隣の伊佐坂先生宅の飼い犬ハチ。犬と猫といえば大抵仲の悪いものですが、タマとハチは種の壁を乗り越えていつも楽しく遊んでいます。ちなみに伊佐坂家の前に住んでいた浜さん一家の飼っていた葉巻を吸う犬、ジュリーともタマは大親友でした。
ミッキーマウスの飼い犬、プルートも言葉を喋らず、鳴き声しかありませんが、あれグーフィーの声優のビル・ファーマーさんが担当しています。では、サザエさんの飼い猫のタマの声は誰が担当しているのでしょう。タマの声優については、エンドロールなどでは以前「?」とクレジットされていたので誰が担当していたのか矯味をそそられました。しかし、結論から言いますと声優は「存在しません」。実は機会により合成音声だったのです。しかし、長い歴史の中で、一瞬だけ声優が存在したことがありました。それはこのあとの記述で!
サザエさんちのタマが一度だけ喋ったのは、1977年12月4日放送『タマが死んじゃう!』(作品No.1262)。衝撃的なタイトルですが、内容も衝撃的です。図鑑のようなものを読んでいたワカメちゃんとタラちゃんは猫の寿命が8年と知ります。そしてタマの歳もおよそ8歳ぐらいと聞かされるのです。心配するタラちゃん。そういえばタマの食欲もありません。そしてタマは・・・。もし御覧になる機会があればタマのセリフに注目してください。一か所だけ、意外な声で衝撃的なセリフをしゃべるシーンがあります。しかしその声優さんは不明です。
ちなみに画像のアルバム「サザエさん音楽大全」には、番組で使われた音楽のほか「タマ」の鳴き声やタラちゃんの足音なども収録されておりマニア垂涎の一枚となっています。
上述した「タマがしんじゃう」(1977)の中では、サザエさん一家がタラちゃんにタマの年令を聞かれ、8年ぐらいじゃないか?と答えるもののいつ生まれたのかをだれも知りませんでした。となるとタマの来歴が気になるところです。実は原作版でもサザエさん一家に飼い猫はいるのですが名前が違うのです。原作ではタマはレギュラーではなく、アニメ版からのレギュラー。ちなみにサザエさんは原作では多数の動物を飼っており、猫のほかに“エルザ”“ジョン”“太郎”という名前の犬。ほかにもリス、金魚、カメなどをを飼っていました。
そもそもなぜタマという名前なのでしょうか。サザエさんに登場するキャラはほとんどが海に関係する名前を持つのにタマは関係ありません。タマと言うのは当時の猫の定番の名前でした。ではなぜ「タマ」なのか。これには諸説あるのです。
日本に猫が入ってきた当時、宝物の様に扱われたからとの説があります。宝物は「宝玉」と言われ、そこからタマとつけられたというわけです。なんと当時は犬のように首にひもをつけて散歩をさせていたとも言われています。
招き猫発祥の地として知られる東京都世田谷区にある豪徳寺。この招き猫のモデルは、このお寺の和尚が飼っていた「タマ」でした。ここから全国に「タマ」という名前が広まったという説もあります。
猫はこたつで丸くなる、という歌があるように猫は丸まって寝る様子が特徴的です。これが大変かわいらしいことから「タマ」という名前が流行ったという説もあります。
「言霊」などという言葉がありますように「タマ」は魂や霊を意味しています。猫を神秘的な動物とk感じ「タマ」と名付けたという説もあります。確かに猫にまつわる伝説は神秘的なものが多いと言えるでしょう。
かつて猫には女性の名前をつける習慣がありました。「タマ」もそのひとつで「おたまさん」などの名前からつけられたという説があります。
タマはよく家出をします。芸が出来なかったり、猫なのにネズミが苦手な部分で自信喪失などの理由です。でも、芸が出来ないと悩むタマですが、家出からサザエさんの家に帰ってくるときには自分で玄関の扉を開けて入っていくので、それも立派な芸だと思うのですが。
2016年3月放送のスペシャル版サザエさんではタマの目線で語られる回がありました。「タマ、散歩」というタイトルで、タマの1日をカツオのナレーションで紹介するものでした。「サザエさんのつまみ食いを目撃し、賄賂をもらって口止めされるタマ」、「波平さんとマスオさんを居酒屋まで呼びに行くタマ」の行動が明らかになりその隠れた能力の高さが波紋を呼びました。
上述しましたように、サザエさんの家族はタマの正確な年令がわかりません。といいますのもタマは子猫から買われていたのではなく、迷い猫をワカメちゃんが拾ってきたからなのです。
当初は迷い猫だった「タマ」ですが、いかにタマがサザエさん一家に溶け込んでいるかを象徴するエピソードがあります。生まれたばかりのタラちゃん、大勢の家族がいる中で、最初に呼んだ家族の名前が「タマ」だったのです。サザエさんは複雑な心境だったかもしれませんが。
タラちゃんとタマの絆を示すエピソードはほかにもあります。タマが他人宅の庭にある池をたびたびのぞいていたため、その家の主人に池の金魚を狙っていると疑われたことがありました。(タマは鏡のかわりに自分の顔を見ていただけ)このとき、主人から「危険な猫は繋いでおいて欲しいものですな」と言われたのですが、タラちゃんは負けずに「金魚も繋いで飼うといいです」と反論したのでした。
タマはすごく「有名」な獣医さんに診察をされたことがあります。2004年のFNS27時間テレビ『わが家のアイドル』(作品No.5456)でのお話で、風邪をひいたタマは新設の動物病院で診察されるのですが、その院長の声を演じたのがスマップの中居正広さんでした。また。その獣医の声を担当したのはナインティナインの岡村隆史さんでした。
また、タマは超有名な探偵に追われたこともありました。同じく2004年のスペシャルで、逃げ出したタマを追いかけるペット探偵の声を演じたのがナインティナインの矢部浩之さんだったのです。
長谷川町子さんの作品にはたくさんの動物たちが出てきます。実生活の長谷川さんもたくさんの犬や猫を飼っていました。また他の家で飼われている動物や動物園の動物が虐待されていたりぞんざいに扱われているのを許すことができなかったといいます。タマやハチも、そんな優しい想いの表れなのかもしれませんね。
サザエさんのオープニングの歌には「お魚くわえたドラ猫追っかけて」という歌詞が出てきます。漠然とこの猫が「タマ」だと思っているかたもいるようですがそうではありません。確かにタマは「かまぼこ」を盗んだことはあるのですがこのときはカツオくんが濡れ衣を着せられ、そのカツオくんもタマをかばったのです。では、ここで出てくる猫はどんな猫だったのか。サザエさんのアニメの第一回のオープニングを見ますと歌詞に合わせてお魚をくわえたドラ猫をサザエさんがとっちめているシーンがでてきます。これによりますと、犯人の猫はオレンジ色で縞模様の猫でした。
タマに家出癖があることは上にも記しましたが、このタマの家出が現実世界でちょっとした事件になったことがあります。1985年8月24日に放送された「タマが消えた」で迷い猫の張り紙が貼られるシーンがありました。この貼り紙には連絡先として磯野家の電話番号が載っていたのですが、実はこれ、サザエさんの制作会社の「エイケン」の電話番号だったのです。(当時)エイケンではこの夜、電話がなりまくって警備員が大変だったといいます。
サザエさんの生み出された街、桜新町の皆さんなどが躍る動画です。なんだか皆さんの楽しそうな姿を見ていますと、ほんとうにサザエさんがこの町で暮らしているような気がしてきます。動画の中には一瞬だけタマが出てきますがわかりますか?
スヌーピーやミッキーマウスなど、喋ったり物語の中心にいるキャラクターは数あれど、4足歩行で鳴き声しか発しない猫なのに、これだけ多くのかたに愛されている動物キャラは、他にいないかもしれません。いつもサザエさん一家の団欒のちゃぶ台近くにいて、安心しきった表情で寝ているタマは、幸せな家族の象徴と言えるでしょう。
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