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現代でも通用する独特なる世界。長編短編、筒井康隆のおすすめ小説

SF作家として知られる筒井康隆氏。一時期断筆宣言もされましたが、彼の小説は現代でも十二分に通用しますし、おすすめもできます。それとは別に皮肉と毒気のいり参った世界観は病みつきになる人も多いのでは?筒井康隆氏のおすすめ作品をご紹介いたします。

筒井康隆プロフィール

小説家、筒井康隆氏について。

理知的でダンディな筒井康隆さん。どんなおすすめ小説を書いてこられたのか?そして何故断筆に至ったのか・・・?

1934年大阪府出身。小説家にして俳優。小松左京、星新一と並ぶ「SF御三家」の一人。同志社大学卒業。「戦国武将、筒井順慶の先祖」というのは創作。父親は動物生態学者筒井嘉隆。息子は画家の筒井伸輔。フロイト全集を読破しており、心理学を扱った作品も多い。自主規制が元で断筆宣言をした。

出典:https://ja.wikipedia.org

弟さんたちにも有名な方がいたような・・・。フロイトを読破ですか。この型に関しては色々とエピソードがありますが、後々。まずはおすすめの作品群をご紹介します。

おすすめ作品・長編

作品によっては男性に対する嫌悪感が生まれたりする単語、展開も多々ありますが、独特の世界観を持つ筒井康隆ワールドにはまってしまうことも事実なんですよね。

『パプリカ』

ある大学病院で開発された、「患者と夢を共有する機械」(もちろん治療目的)を巡る学会内での抗争、と見せかけ、機械の影響か夢が実現化するという展開に。おかずの魚がしゃべりだすわ日本人形が練り歩く和の大パニックに陥ります。トラウマや心理的タブーなどについて深く深~く考えさせられますが、きわどいというかアダルティな単語がなくはないです。でもおすすめです。

タイトルの『パプリカ』とは、作中に登場する「夢探偵」のこと。夢を共有する機械を持って患者のもとに現れる彼女の正体は、その機械を開発した天才的な美人学者です。知性的な女性が敢えて親しみやすいお姉さんを演じてくれるっていうのも安心できるかもですね。患者の夢を一緒に「見る」ことで分析、治療するのが目的なのです。こんなこと考えつく筒井康隆さんはまさに天才です。ちなみにアニメ映画化されてます。

『旅のラゴス』

これは読んで面白かった作品。よくある表現をすればファンタジックに見えて、現実的。語り手(この場合、ラゴス)の一人称で進みますが、勉学を学んで一人称が変わったり、独特の風習を持つ土地が出てきたりします。あまり堅苦しさもなく、しっとりした感じも味わえるおすすめの一冊です。

『家族八景』

人の心が読める「七瀬」という名の少女がその能力を隠しながら様々な家で家政婦をする、というもの。各人の心理描写が断片的な単語で綴られたり、抽象絵画的に表現されたりします。心理学の書を読み終えた筒井康隆さんだからこそかけた作品でしょうか?女性にとっては拒絶反応を示す可能性のある単語がたびたび登場しますが、「家族」たちの心情が赤裸々に書かれており、内容自体はおすすめです。

『七瀬ふたたび』

先の七瀬の続編。今度は長編で、様々な超能力者が登場。七瀬と同じ能力を持った少年も現れますが・・・?これまた男性不信になる可能性はありますが、それだけではなく、ユーモラスなシーン、痛快なシーンもありますのでおすすめします。ただ基本はシリアスです。

『エディプスの恋人』

「七瀬三部作」の最後を飾る作品です。ある学校の事務員になった七瀬は、何かに「守られて」いる少年に目を引かれ心惹かれて・・・壮大な話です。おすすめです。筒井康隆さん、凄いです。

おすすめ作品・短編

『傾いた世界』

表題作は海上都市がたったの2度傾いただけで混乱をきたす、という物語。何でも批判したがる人種をからかってもいますが不快にならず、筒井康隆さんの想像力等に感嘆するおすすめ作です。

『関節話法』

言葉ではなく「関節を鳴らす」ことで会話する宇宙人の元へ出張に行く話。ただこの星の住民はそう生まれついているからいいものの、地球人にはなかなか大変・・・しかも関節の慣らし方によって言葉の内容も変わってしまうという。国際問題を皮肉ったような話です。必死なのになぜか笑えるおすすめ作。上記の『傾いた世界』収録です。

『最後の喫煙者』

『世にも奇妙な物語』で映像化もされたお話。そちらを先に見たので、筒井康隆さんの原作本があるのは知りませんでした。『傾いた世界』同様に、今度は煙草が弾圧されて煙草屋から「これで最後」とばかりにありったけの煙草を出されたりする。それでもめげない愛煙家の主人公の作家の末路とは・・・?弾圧についてユーモラスに、わかりやすく書いている点でおすすめです。

『ふたりの印度人』

何か怖いんだけど笑えもする。短い話なんですけどね。誰でも思いつきそうで思いつかない。まさかの展開とオチ、そんなお話が筒井康隆さんには多いようです。

『トーチカ』

感じの横に若者言葉的なルビがふられており、言葉遊び的な印象が楽しめるおすすめ作。風刺作品とも取れる点でもおすすめかと思います。筒井康隆さんという方、チャレンジャーです。

『こぶ天才』

こぶのような生物を背中に寄生させると、見た目はみっともなくなるものの爆発的に頭がよくなる・・・教育ママたちがこぞって主人公の店に「こぶ」を買いに来るのですが、相変わらずの風刺ぶり。買いに来た母親のセリフがまたナイスです。筒井康隆さんの当時の世相を見る目、人を見る目に脱帽です。

『バブリング創世記』

今風に言えばシュール、なんでしょうか。ひたすらに誰が誰を生んだ、という家系図的な言葉の羅列。しかも言葉遊びになっている。「こういうものもあるんだ」とおすすめします。

異色のおすすめ本

様々な作品を執筆してきた筒井康隆さんですが、中には「ちょっと変わった」ものも。それもまたおすすめ作。筒井康隆という作家の幅の広さに感嘆しきりです。

『天狗の落とし文』

ネタ本というか、超超短編というか。ホラーから言葉遊びまで幅広く網羅した一冊。気軽に読める点でおすすめです。

筒井康隆のエピソード

星新一さんのエッセイに、このようなエピソードが乗っていました。筒井康隆さんが突如、食事の席にふさわしくない話題を始めたというのです。「どうしたんだ」と思ったのですが、その時の内容が、後に小説としてまとめられたそうな。

筒井康隆さんが「暴走」し、後に小説にまとまったのがこちら。読んでないので何とも言えませんが、話に聞いた限りアイディアはさすが筒井康隆、という感じです。

SF御三家、他の二人のおすすめ作品

筒井康隆さんだけではない、他の「御三家」のおすすめ作品もご紹介します。

小松左京

筒井康隆さんとは違った持ち味かと。毒気がないというわけではなく、どこかカラッとしていると言いますか。短編集しか読んでないんですけどね。

午後のブリッジ

短編集です。こちらの文庫だと全5巻。『午後のブリッジ』という作品は、食やモラルについて考えさせられる、んでしょうか。「何故そんな世界観になったか」の説明も説得力があっておすすめです。

ふかなさけ

帯にある通りです。筒井康隆さんとはまた違ったホラー色、というよりも毒気、恐怖。中には落語的な物語もあります。

『ハーモニカ』

後のインターネット時代を予測していたかのようなお話。もっとも、現実よりはるかに進んでいるようですが。訳の分からない「コンピュータ用語」で会話する世代と、ろくにコンピュータが操れない世代。妙な哀愁だけではないものを感じるおすすめ作です。

星新一

いわゆるエロティック描写がない分安心して読めますが、違った意味合いで毒気があります。

『処刑』

いきなりショッキングなタイトルですが、おすすめの作品です。火星と思しき赤い星が「処刑地」となっているのですが、その「処刑」方法が残酷。でも最後にはカタルシスがある。どんなものかって?読んでみれば分かります。おすすめの作品ばかりです。

『最後の地球人』

これまた凄いタイトル。描かれているのは人類滅亡。しかし、何か楽しげなんですよね。誰も悲観してないですし。といって、笑いに満ちているというわけでもない。筒井康隆さんと並ぶ御三家が遺した一つの「人類滅亡」の形。壮大で、おすすめです。

他の二人と比べると、何だか筒井康隆さんの物語は「濃い」印象を受けます。どこかからりとした小松左京さん、透明感のようなものを感じる星新一さん。あくまで一個人の意見ですし、一部しか読んでいないため、実際はあなたの目で呼んでみるのが一番おすすめです。

まとめ・筒井康隆という作家

断筆に至った経緯を見るに、筒井康隆さんはともすると早すぎた天才なのかもしれません。おすすめ作品がこれでもかとあるのに、言葉狩りにあっての断筆・・・。と思いきや。

2008年ライトノベル作家としてデビュー。

出典:https://ja.wikipedia.org

読んでないですけど、興味深いです。ライトノベルということはイラスト付き?筒井康隆さんの高度な作品にライトノベル風の絵?違った意味でのおすすめになりそう?

筒井康隆さんの作品はどんな形であっても十分おすすめできると思います。現に若い人向けにライトノベルとして発行されているんですから。

こちらがそのライトノベル作品。筒井康隆と萌え絵。何だか化学反応的なおもしろみが生まれそうです。今後に期待です。若手作家に負けない味と、何より実績があるんですから。

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