2015/12/08
sakurayuzu
2015/12/26 更新
浜田雅功が司会を務めるバラエティー番組「プレバト」 中でも夏井いつき先生の俳句コーナーが人気です。芸能人が詠んだ俳句を辛口でバッサリ評価していく様子がおもしろく、また日本語の勉強になると評判です。そんな人気コーナー「プレバト」の俳句を検証していきます!
プレバトの俳句コーナーを担当する夏井いつき先生
この先生、けっこうすごい経歴をお持ちですよ。
愛媛県松山市在住。
8年間の中学校国語教諭を経て、俳人へ転身。
俳句集団「いつき組」組長。平成27年5月初代「俳都松山大使」に就任。MBS「プレバト!!」俳句コーナー他、出演番組多数。松山市公式俳句サイト「俳句ポスト365」選者
多数の著書・受賞歴もありますよ!
【受賞歴】
昭和63年、国民文化祭教育長賞。平成6年、第八回「俳壇賞」。平成12年、「第五回中新田(なかにいだ)俳句大賞」。平成11年、黒田杏子主宰「藍生」俳句会結社賞、第四回「藍生」賞。平成17年NHK四国ふれあい文化賞。
辛口だけでない、実力のあるすごい先生なんですね。
ところで皆さん、「プレバト」は何の略かご存じですか?
プレッシャー・バトルの略だそうです。
確かに大物芸能人の方々が、先生の査定にプレッシャーを感じている姿をプレバトではよく見ますよね。
プレバト俳句コーナー担当の先生がすごいのはわかりました。
でも、それ以外にも人気の秘密があるんです。
それは、プレバトの俳句コーナー自体が初心者でも上達できるかもしれない楽しい俳句入門書のようになっているからです。
俳人・夏井いつき先生による番組の人気名物コーナー「俳句の才能査定ランキング」では、出演者が1枚の写真から作品を詠み“言葉の表現力”を競っていく。夏井先生は、誰の作品か分からない状態で査定してランキング付け。ベテラン芸能人をも震え上がらせる辛口査定だけではなく、“才能ナシ”の句がよみがえる添削指導が好評を博している。
なるほど・・・
芸能人の様々な俳句を査定してくれるので、上手いヘタに関わらず「プレバト」は俳句の超初心者でも楽しめそうです。
プレバトの俳句コーナーの魅力はなんとなくわかりました。
それではそこで発表された俳句査定を紹介しましょう。
プレバト俳句査定のお題は「草津の湯もみ」
俳句の査定に挑戦したA.B.C-Zの河合郁人くんの句を紹介します。
河合くんの作品
「冬景色 湯けむり景色 母景色」
なんとプレバト俳句査定第一位! 手直しなし!
この句は、俳句のタブーの型を上手く使っています。
つまり「冬景色」で切れて「湯けむり景色」で切れて「母景色」で切れる三段切れ
そのタブーを逆手に取って「景色」という同じ言葉で韻を踏み、リズムを作っています。
それに・・・
「冬」と「湯けむり」と「母」とお互いの言葉が殺し合っていない。冬は季節・冷たさ、湯けむりは光景・温かさ、母は人物。言葉と言葉がお互いを引き立て合っている。
なるほどね・・・
俳句は奥が深い!
さて「コタツと猫」
どんな俳句が詠まれたのでしょうか?
プレバト俳句特待生のFUJIWARA藤本さんの作品です。
意外な才能があるんですね。
夏井先生の査定は・・・
「こたつ」という温かな冬の季語と、「独り酒」という寂しそうな言葉という相反する言葉が一句の中で物語を構成しているところが評価できる点だそうです。
すごいですね。
けれども、「1文字たりともおそろかにするな」という評価を得ています。
俳句は
「独り酒 妻はこたつに 昏々と」
と手直しされました。
最初の「こたつで」が「こたつに」になっていますね。
「で」も「に」も場所を表わす助詞。「で」というのは後に動作とか状況などの動的なイメージが来た時に似合う。それに対して「に」という助詞は、そこにありますとか静かな静的なものに似合う。なので、「で」が入った瞬間に「踊り出す」みたいな気分になる。「こたつに」と言うと、静かな状況が生まれる。
ほぅ~
勉強になりますね。
プレバト3時間スペシャルの俳句査定!
キスマイ千賀さんの俳句です。
とにかく「海鳴りも凍るぐらい寒い」というのを表現したかったみたいです。
残念なのは「凍る」と「雪」2つ季語があること。
その場合はどちらかを捨てなくてはなりません。
プレバト俳句コーナー担当の夏井先生はこう査定していますよ。
雪を消した分2音をどこかに入れるので、「凍る」は「凍れる」とし、「夕暮れの列車」とする。こうすると、海鳴りが凍る、しかも夕暮れで更に温度が下がってくる、そうすると列車の向こうには雪を連れて来そうな凍った雲も押し寄せてくるかもしれない。上手に映像を描いて読者の想像力を味方につける、これが出来たら才能アリになるそうです。
なるほどね~
今回のプレバトのお題は「秋の運動会」
プレバト俳句査定第一位だった和央ようかさんの俳句を紹介します。
嗅覚で運動会を表現しています。
俳人としての感覚が出ていますね。
「校庭」と「運動会」といったら言葉が近い。まず「校庭に」という場所が出てきて、「校庭に火薬」と不穏な感じがする。ところが最後に運動会だと分かる。火薬の匂いに覚えがあると、最後の所で共感が広がる。
ただ1点惜しいのは「香り」という言葉です。
普通「香り」というと香しいもので、プラスのイメージがあります。
「匂い」とか「臭い」にして不穏な感じを作っておけば、最後の「運動会」で相手をビックリさせることができます。
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