2021/12/02
AYAKA12321
お宮参りとは、赤ちゃんが生まれて一ヶ月頃にその土地の守り神である氏神様にお参りして健やかな成長を祈る儀式のことをいいます。
正式には男の子は生後31日目、女の子は生後32日目に参拝するのですが、実際は天候や体調をみて参拝する日を決めます。
お宮参りは現在では神様の祝福をうけるという意味合いが多いですが、昔はお産の忌明けの儀式の意味合いもありました。
お宮参りは赤ちゃんが生まれて初めて神社にお参りする行事です。
お宮参りの時に赤ちゃんに着せる着物(晴れ着)のことを祝い着または掛け着と言って、男の子用、女の子用に決まった柄があります。
女の子用、男の子用に分かれているお宮参りの着物の柄ですが、どんな柄があるのでしょうか?
それぞれの着物の柄を特徴を解説します。
女の子用の着物の柄はちりめん花柄や友禅模様が人気があります。
伝統的な柄には牡丹、芍薬、桜、花車、御所車があり、おめでたい絵柄には宝船、末廣、金宝包(宝袋)、打ち出の小槌、鶴などの吉祥文様が用いられます。
男の子の着物の模様で人気があるのは兜、軍配、龍、鷹、虎などをモチーフにした熨斗目模様のものです。
男の子用の着物の色には黒、ブルー、グリーン、シルバーなどがあります。
熨斗目模様以外に男の子の場合のみ着物に家紋を入れる地域もあります。
腰の部分だけを縞(しま)や格子模様にしたものを熨斗目、熨斗目小袖と呼んだことに由来します。
武士が礼装の際に、大紋のついた直垂(ひたたれ)や麻裃(「あさがみしも」と読む。麻の裃)の下に着た小袖に使われた模様です。
最近では熨斗目模様になっていない祝い着も出ています。
(例えば…全体が黒地に男の子らしい絵柄の刺繍帆ほどこしたもの、あるいは全体が濃緑の生地に男の子らしい絵柄の刺繍をほどこしたものなど。生地の色はその他にシルバー、ブルーなども見受けられます)
お宮参りのときの着物の着付け方法は地域やお宮参りの時期によって小物に違いがありますが、ここでは全国的に共通の着付け方法を解説します。
肌着は季節によって短肌着と長肌着を使い分けます。
暑さや寒さを避けてお宮参りの時期をずらした二か月目くらいの赤ちゃんにはコンビ肌着などを着せてあげることができます。
ベビー服はお宮参りの着物(晴れ着のこと)の下の衣装にあたります。
ベビー服の他にはベビードレスというものがあり、白色のベビードレスが人気があります。
肌着の上に白羽二重の内着を着せます。その上から掛け着(晴れ着)を羽織らせ、(父方の祖母が抱っこしますので)赤ちゃんを抱いた状態で、祖母の首の後ろで付けヒモを結びます。
お宮参り服装(正式な服装)は、下記のとおりです。
◎男の子は白羽二重に「のし目模様」の紺色掛け着または黒羽二重の紋付等。
◎女の子は白羽二重に「友禅模様」の掛け着等
ベビー服の上から清潔なよだれかけ・スタイをつけます。
帽子とよだれかけはお宮参り用のセットが販売されていたり、レンタルについている場合もあります。
フリルやレースがついてあるものが人気があるそうです。
お宮参りの旧来のスタイルでは父方の祖母が赤ちゃんをだっこするのが習わしでした。
というのも、お産は古来からけがれたものと考えられており、お宮参りには母親の忌明けとしてけがれを祓う意味もあったからです。
お宮参りのときは母親の忌明けが済んでいないので、母親の代わりに父方の祖母が赤ちゃんをだっこするようになったそうです。
しきたりとして、母親はお宮参りに参加しない地方もあったそうです。
お宮参り用の晴れ着の着物は赤ちゃんをだっこしてから、赤ちゃんの後ろをまわして母親または祖母の首の後ろで着物の柄が見えるように蝶々むすびで結びます。
赤ちゃんの頭がない方の肩に、祝い着を掛けます。赤ちゃんの後ろをまわしてお母さんまたは祖母の首の後ろで紐を蝶結びに結びます。
正面から見て祝い着のおめでたい柄が見える形となります。
お宮参りの小物…でんでん太鼓や犬張り子、ご祝儀(紐銭)、末廣(扇子のこと)などをつける場合は、お母さん(または祖母)の首の後ろで結ぶ前に、紐を通してから結びます。
お宮参りの主役は赤ちゃんです。
父母、祖父母の服装は赤ちゃんに着せた服装の格に合わせるのがしきたりです。
赤ちゃんに正式な祝着を着せた場合、母親の着物は色留袖や訪問着となります。
着物のなかにも格があり、色留袖は正礼装、訪問着は準礼装、付け下げは略礼装となります。
かつては黒留袖と決まっていましたが、最近では無地の一つ紋、色留袖、訪問着など略礼装にされる方が多いようです。髪型は着物にふさわしく、アップにしてすっきりまとめます。
5月までの季節に着る着物は袷(あわせ)とされます。
着物の場合には、外出中の授乳は大変ですし、母乳が染み出ることもありますのでパッドでケアする等の工夫が必要です。
6月は単(ひとえ)、7月、8月は絽(ろ)、9月は単の着物などとされますがレンタル衣装を利用すると絽のものはないこともあり、単(ひとえ)を着用する方もいらっしゃいます。
羽織は礼服にはあたらないのですが、フォーマル感があるお宮参りの羽織の候補を挙げるとすれば色無地一つ紋、絵羽織一つ紋、それらが難しい場合には絵羽模様、色無地の羽織などです。
お宮参りをする赤ちゃんにベビードレスを着せた場合、ワンピースやスーツなどフォーマルな洋装を選んだ方がバランスが取れます。
髪型についてはむしろ控えめ、清楚、すっきりといった感じにするほうが母親らしくておすすめです。派手な飾りは避け、軽くまとめたり、清楚なアレンジ程度の髪型にします。
お宮参りで金髪等の派手なヘアカラーはNGになりますので、髪の毛を染めているお父さん、お母さんはヘアカラーにも注意してください。
お宮参りの赤ちゃんと母親の服装について解説してきました。
母親と祖母がお宮参りで着物を着用することが最近では減っているようですが、赤ちゃんも正式な祝着ではなくベビードレスを着用することが多くなっているようです。
着物の種類だけではなく、お宮参りには昔からのしきたりが色々とあります。
もちろんしきたりを守ることは大事ですが、赤ちゃんと産後の母親の体調を考えて参拝する時期や服装を決めることが優先です。
赤ちゃんが正式な祝着の場合でも、現代では着物ではなく洋装で参拝する大人のバランスがとれていれば問題ありません。
赤ちゃんの誕生、おめでとうございます。
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