2015/08/24 更新
登山初心者が購入前に知っておきたいリュック選びの基本とは?
登山の必需品、リュック。使い込まれたリュックは経験の証、数々の山を乗り越えた風格があります。登山のためのリュックを買う初心者の方もしっかりとしたものを選べば長く使えます。今回はこれから登山をしようと考えている方に向けてのリュック選びのポイントを解説します。
破れたり濡れたりと登山では予期せぬことがたくさん起きる可能性があります。リュックが濡れたり壊れたりした場合、中身もダメになる可能性が高いので、それを守る為にもしっかりとしたリュックを選びましょう。
登山用ではないザックで登山をすると肩が痛くなったり、腰を痛めたり、そして他の人(登山用のザックを背負っている人)よりもうんと疲れやすくなります。街中では問題無い事かもしれませんが、山ではそう言った疲労やストレスが事故に繋がってしまうのです。
登山用のリュックは背中にフィットするので重さを感じにくく担いで歩くストレスを軽減してくれます。普段使いのリュックの場合、そこまで考えずに使っていると思いますので背中とリュックが離れています。長時間の登山の場合、疲労として蓄積されるのです。
日帰りの荷物の少ない登山では20リットル前後のザック。それより荷物が増える登山では25~30リットルくらい。山小屋で一泊予定の登山なら30~40リットルのザック。テント泊なら45リットル以上。縦走するなら60リットル以上。
デザインの良いリュックを選びたい気持ちは十分に分かります。しかし登山の場合は自分の登山スタイルでリュックの候補を絞り込んでからデザインを考えましょう。日帰りなのに40リットルだと明らかに大きすぎます。ダメではありませんがまずは自分のスタイルに合ったものにしておきましょう。
大きめのリュックはここまでの装備が可能です。自分の登山スタイルを見極めましょう。
初心者の方や体力に自信のない方は、まずは30リットル前後のザックを購入しても良いかもしれません。日帰り登山でも大き過ぎないサイズですし、山小屋で一泊する程度の荷物ならパッキングすることができます。いずれはテント泊の登山がしてみたい、と思っている方には60リットル前後のザックがおすすめです。
自分がどんな登山を楽しんでいきたいかというイメージがあるならばそれに見合ったリュックを選んでも良いと思います。必ずしも大は小を兼ねないと言うことは覚えておきましょう。
最近では女性の体のサイズにあわせた女性専用のザックが販売されています。バックレングスは女性にあわせ小さめで、ウエストベルはト女性の骨盤にあわせた形状、そしてショルダーハーネスは胸のふくらみにあたらないような工夫がされています。
女性の場合、男性のリュックでは大きすぎたり体へのフィット感が足りなかったりと不満が残る場合もあります。登山の場合ちょっとしたことがストレスになるので最近の女性用リュックはオススメです。
S、M、L、の3サイズをそろえたザックや、SM(スモールミディアム)、ML(ミディアムラージ)の2サイズをそろえたザックも数多くあるので、気に入ったザックでサイズがあわない場合は異なるサイズのザックを試してみるのも良いでしょう。これとは別に、中型以上のザックにはザックの背面の長さを調節できるものもあります。このタイプのザックを背負いたい時には、店員さんにザックの背面の長さを調節してもらいましょう。
カリマーの登山用リュックです。これで30リットル。しっかりとベルトがついていますね。
荷物はショルダーベルト(肩)のほかに、ウェストベルト(腰)で支えます。
このベルトには荷物を体に引き寄せるためのサブベルトなどがついていて、やはりバランスの工夫がされています。
登山用のリュックには必ずベルトが付いていると思います。もしもそれが無いならば残念ながら見送ったほうが良いです。荷物の重さをできるだけ感じないようにするのは登山では非常に大事です。
街使いのリュックとは背負った時の位置が違います。背中にフィットさせるように背負うと必然と位置は高くなるのです。
背面には背中にピッタリとフィットするようなデザインとパッドがつけられています。
ショルダーストラップにも容量に応じて、厚めで通気性のよいクッション素材がはいっています。
リュックのフィット感で大事なのは背中のパッドです。ちょっとでも違和感があったら他のリュックも試してみたほうが良いです。登山で一番大事といっても良いリュック選びですから妥協はせずに考えましょう。
別売りもあります。
レインカバーがあるかないか
万が一山の中で雨に降られた場合、バックパックが雨ざらしでは中のギアが濡れて使い物にならなくなってしまいますので、パックのレインカバーは必需品。
トップリッド(天蓋)構造かどうか
トップリッド(天蓋)とはパックの上部で蓋状に取り付けられた部分で、多くの中型(以上)パックでは小物が入るポケットと共にこのトップリッドが付いています。
トップリッドはすぐに取り出したい小物を収納するのに便利です。登山の場合できるだけストレス無くリュックからものを取り出せるのも大事なポイントです。
フロント・サイド・ウェストポケットなど各種ポケットの使い勝手
すぐに取り出したい道具(暑くなって脱いだアウター、水筒、手袋など)は、外側に取り付けられたこれらのポケットに収納できると便利。特にサイドポケットに水筒などを入れる場合、歩きながら取り出せるような作りだと非常に楽です。
これについては大体のリュックにある程度付いているのでそこまで注目しなくても大丈夫です。装備が多い登山の場合は便利かもしれませんがそこまで使うものが多くない場合余ることもあります。
ハイドレーションポケット・アタッチメントは付いているか
行動中に水分補給できるハイドレーションシステムをパック内に収納できる内ポケット、チューブを外に通すためのホール、口元にチューブを固定するためのチューブアタッチメントが付いていると、ハイドレーション利用が捗ります。
できるだけ両手をフリーにしておきたい、歩行中も効率よく水分が補給できるなど登山では大事なポイントです。これが付いているリュックでなければダメというわけではありませんが必要になることが予想される場合は優先順位を高くしておいても良いかもしれません。
はじめてのパック選ぶ人が絶対に忘れてはいけないことはたったひとつ、最終的には自分にフィットしているかどうかが最も重要であるということです。なぜならはじめて山を始める人にとっては、重い荷物で長時間歩くというのはまったくの未経験。そんな人が合わないパックを背負って歩いたとき、何が起こるか想像ができません。
登山では平地ではちょっとしたことでもストレスになります。しかも、いったん登り始めたら基本的に山頂を越えて下りるしかありません。登山初心者はしっかりとフィットしたリュックで出来るだけ疲れないようにすることが大事です。