兄(香川照之)と弟(オダギリジョー)の”ゆれる”心を表現した作品。故郷を離れ、東京で写真家としてそれなりの成功を収めている青年(オダギリジョー)が、母の法事で帰省する。故郷には、家業のガソリンスタンドを継いでいる兄(香川照之)と、そのガソリンスタンドで働いている弟の昔なじみの女性、智恵子(真木よう子) がいる。弟は、兄が智恵子を密かに慕っていることを薄々感じながらも、都会のプレイボーイの習性で、智恵子を誘惑し、一夜を過ごす。そして、翌日は何食わぬ顔をして、3人で渓谷に遊びに行く。そこで事件が起こる。兄に殺意があったのか。それとも事故か。『ゆれる』というタイトルは、法廷闘争を通じて、微妙に揺れ動いていく兄と弟の不安定な心のゆらぎを意味すると同時に、何が真相なのかわからないまま “藪の中” 状態に置き去りにされる観客の心をも意味している。

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