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映画「ドリームガールズ」のあらすじ、解説とキャストとモデル

「ドリームカールズ」は2006年公開のミュージカル映画。映画「ドリームガールズ」はレコード会社モータウンとシュプリームスをモデルに描かれています。映画「ドリームガールズ」のあらすじや登場人物、キャスト、モデルとなったレコード会社と人物について解説します。

映画「ドリームガールズ」キャスト

ジェイミー・フォックス(カーティス・テイラー・ジュニア役)
1967年12月13日生まれ。アメリカ合衆国テキサス州出身。
スタンドアップコメディ時代はプリンスのものまねなどをしていました。
2004年、「Ray」でアカデミー主演男優賞を受賞。
主な出演作
「コラテラル」
「Ray」
「マイアミ・バイス」
「ジャンゴ 繋がれざる者」

ビヨンセ・ノウルズ(ディーナ・ジョーンズ役)
1981年9月4日生まれ。アメリカ合衆国テキサス州出身。
1998年ボーカルグループ「デスティニーズ・チャイルド」でデビュー。2005年に解散。
グループ活動中から現在の夫・ジェイ・Zと共にソロ活動を開始。
2004年グラミー賞5冠、2010年グラミー賞10部門にノミネート、6部門を獲得。

ジェニファー・ハドソン(エフィ・ホワイト役)
1981年9月12日生まれ。アメリカ合衆国イリノイ州出身。
「アメリカンアイドル」に出場経験があります。
映画「ドリームガールズ」のオーディションに挑み、約800人を押さえエフィ・ホワイト役を獲得。その演技力と歌唱力が絶賛され、アカデミー賞助演女優賞受賞をはじめ各映画賞を獲得しました。

エディ・マーフィ(ジェームス“サンダー”アーリー役)
1961年4月3日生まれ。ニューヨーク・ブルックリン区出身。
スタンドアップコメディで人気を博す。
その後俳優デビュー。
主な出演作
「48時間」
「ビバリーヒルズ・コップ」
「星の王子 ニューヨークへ行く」
「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」
「ドクター・ドリトル」

映画「ドリームガールズ」登場人物

カーティス・テイラー・ジュニア…レインボーレコードの創立者。ドリームズやジミーをマネージメントする。モータウン創立者ベリーゴーディーをモデルにしている。

ディーナ・ジョーンズ…ドリームズのメンバー。メンバーで一番ルックスが良い。シュープリームスのメンバー、ダイアナロスをモデルにしている。

エフィ・ホワイト…ドリームズのメンバー。パワフルでソウルフルな歌唱力の持ち主。シュープリームスのメンバー、フローレンス・バラードや他様々なモータウンのアーティストをモデルにしている。

ローレル・ロビンソン…ドリームズのメンバー。ジミーと不倫関係を持つ。シュープリームスのメンバー、メアリー・ウィルソンをモデルにしている。

C.C.ホワイト…エフィの兄。作曲家。ジミーやドリームズの曲を作曲。モータウンのシンガーソングライタースモーキーロビンソンをモデルにしている。

ジェームス“サンダー”アーリー(通称ジミー)…人気ソウル/R&Bシンガー。マーヴィンゲイ、その他様々なアーティストをモデルにしている。

映画「ドリームガールズ」あらすじ※ネタバレありです

1962年のデトロイト。エフィ、ローレル、ディーナの3人組は音楽での成功を夢見てアマチュアオーディションを受けていました。彼女たちに可能性を見出した中古車販売会社を経営するカーティス・テイラー・ジュニアは、自分にマネージメントを任せるよう3人に申し出ます。

カーティスはレコード会社「レインボーレコード」を立ち上げます。
ジミーとドリーメッツの曲「Cadillac Car」は黒人の間でヒットするものの、白人によって盗作されてしまいます。
権利を守るためには有名になる必要があり、そのため白人層にも売り込みが必要だと考えたカーティスは、本業の商品である中古車を手放し、大金に換えます。
そしてお金を使って白人局のラジオにも曲を流してもらい、「Steppin' To The Bad Side」という曲をヒットさせます。
カーティスは白人を含めた広いファン層を獲得し、成功をするために路線変更していきます。まずジミーをマイアミに進出させようとします。

一方プライベートでカーティスとエフィは付き合い始めます。
それから「ドリーメッツ」は「ザ・ドリームズ」に改名してデビューすることに。
大喜びするエフィでしたが、カーティスはディーナをリードボーカルにすると宣言。
ディーナはルックスが良いので、テレビ映えするからと考えたためでした。
最も歌唱力のあるエフィは当然反発します。
しばらくは我慢するようにとカーティスと兄のC.C.にもなだめられますが、しだいにエフィは不満を募らせていきます。

自分の歌唱力を発揮できずに苛立っていたエフィはレコーディングや収録を放り出したりと態度を改めませんでした。そのため仲間との間に亀裂が生じてしまいます。そしてカーティスはエフィをドリームズから解雇します。
この頃カーティスはエフィからディーナにのりかえていましたが、エフィはカーティスの子どもを身ごもっていました。
兄であるC.C.にも見放されたエフィは絶望し表舞台から去ってしまいます。

その後ディーナは大スターに、カーティスは音楽業界で一大帝国を築きます。
私生活でも二人は結婚し、公私ともに順調な生活を手にします。
一方でエフィはシングルマザーとして苦しい生活を送っていました。歌への思いは捨てきれずにいた彼女はとあるクラブでシンガーとして働くことに。
ジミーは当時の世相を訴えるメッセージ性のある曲を歌いますが、売れる曲を作るようにカーティスに言われ否定されます。自暴自棄になった彼は麻薬に溺れていきます。

ある日カーティスに突然クビにされたジミーはヘロインのオーバードーズにより死去してしまいます。カーティスの商業主義一辺倒に嫌気がさしたC.C.はこの出来事も重なってカーティスの元を去ります。エフィの元に訪れたC.C.は彼女のために歌を作ります。

ディーナもカーティスに愛想を尽かし、彼と離婚します。
故郷デトロイトの「ザ・ドリームズ」の解散コンサートで、エフィは3人と共に舞台に上がります。

レコード会社モータウンについて

映画「ドリームガールズ」は実話に基づく物語によるものと明記されていませんが、明らかに実話にインスパイアされています。
それはレコード会社「モータウン」です。
モータウンはシュープリームス、テンプテイションズ、フォートップス、スティーヴィーワンダー、マーヴィンゲイ、ジャクソン5などが所属していました。
モータウンは1960年、ベリーゴーディーによって創立されました。
デトロイト=モータータウン=モータウンが名前の由来です。

ベリーゴーディーは1929年、デトロイトの黒人の中産階級の家庭で生まれました。
彼は若い頃からレコード店を経営したりと、様々なことをやっていたようです。
レコード店経営では生活ができなかったので、フォードの工場で働き、その頃からR&Bの作曲をしていたようです。
やがて彼は音楽業界のお金のシステムや裏側を知るにつれ、自分で会社を作ることを決意します。
当時の音楽業界では、シンガーソングライターに十分な報酬が支払われるシステムではなかったからです。

その後スモーキーロビンソンと知り合い、彼のグループミラクルズのシングルをプロデュースしてヒットさせます。
ゴーディーは白人のスタッフを雇い、白人含めた様々な人種に売れるレコードを作ろうとしていました。
そしてゴーディーは楽曲の著作権をきちんと管理しました。
ゴーディーは次々と所属アーティストの曲をヒットさせ、モータウンは一大帝国を築きました。
当時はまだ人種差別が根強く残っており、公民権運動が全米で展開されていた時代です。
モータウンは黒人資本が巻き起こした社会現象となりました。

そんなモータウンの栄光も、1970年代には終焉を迎えます。理由は様々ですが、ロスアンジェルスに会社を移転したこと、作曲家やバンドの脱退や自立等あるようです。

映画「ドリームガールズ」とモータウン

映画「ドリームガールズ」はすべて実話に基づくものではなく、かなり脚色されている部分も多くあります。
以下映画「ドリームガールズ」がモータウンをモデルにしていると思われる点を挙げていきます。

●映画「ドリームガールズ」のカーティスとドリーメッツのメンバーが「私たちはファミリー」と言っていたように、モータウンにも家族的共同体的な雰囲気がありました。

●映画「ドリームガールズ」のドリーメッツはシュープリームスをモデルにしています。

シュープリームス

1959年、ザ・プライメッツ(The Primettes)として結成。オリジナルメンバーは、ダイアナ・ロスとメアリー・ウィルソン、フローレンス・バラードにベティ・マグロウンの4人。ベディはすぐバーバラ・マーティンに替わり、そのバーバラも抜けて1961年、ザ・スプリームスと改名してモータウンと契約した頃には3人組となっていた。

出典:https://ja.wikipedia.org

「ドリームズ」は当初「ドリーメッツ」でした。シュープリームスも当初は「プライメッツ」。
ゴーディーはシュープリームスのダイアナロスをスターにすることに専心しました。
ダイアナロス主演による映画を撮影したり、映画業界やテレビ業界への進出も考えていたようです。

●モータウンはキング牧師の演説のレコードを実際に販売していました。

●「ドリームガールズ」に登場するキャンベルコネクションはジャクソン5モデル。リードボーカルは幼少期のマイケルジャクソンモデル。モータウン時代のマイケルジャクソンはダイアナロスをかなり慕っており、そんな描写が映画「ドリームガールズ」も見られます。

●映画「ドリームガールズ」の後半ジミーはニット帽をかぶり社会的なメッセージを持った曲を収録しますが、あれはマーヴィンゲイの「What's going on」のスタイルをモデルにしていると思われます。

映画「ドリームガールズ」まとめ

以上、ドリームガールズについてまとめました。
映画「ドリームガールズ」は出演者の抜群の演技力や歌唱力の素晴らしさだけでなく、当時の音楽業界のシステムや社会背景などがきちんと描かれています。
非常によく作られた映画ですので、「ドリームガールズ」は必見です!

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