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    とろサーモンの優勝で幕を閉じたM-1グランプリ2017を振り返る

    2001年のM-1グランプリ開始から、毎回高レベルな争いが続いてきており、ここまで13組の漫才王者が誕生しました。M-1グランプリ2017はとろサーモンが優勝しましたが、史上最高の決戦と言われ、その中でとろサーモンが王者となった勝因は何かを振り返っていきます。

    13人の王者が誕生したM-1の歴史

    「M-1グランプリ」は、吉本興業が主催する漫才のコンクールで、通称「M-1」。
    2001年から2010年まで、そして一旦の終了を経て、2015年から2017年現在までに13回開催されています。

    M-1は2001年に島田紳助が「漫才に恩返しをしたい」と企画して、その思いを受けた吉本興業の主催で創設されました。

    M-1のルールは2001年から2010年までは「結成から10年以下のコンビ、グループを対象」としていましたが、2015年からは「結成から15年以下のコンビ、グループを対象」となっています。

    M-1グランプリ歴代王者一覧は、
    2001年度 中川家 参加組数1603
    2002年度 ますだおかだ 参加組数1756
    2003年度 フットボールアワー 参加組数1906
    2004年度 アンタッチャブル 参加組数2617
    2005年度 ブラックマヨネーズ 参加組数3378
    2006年度 チュートリアル 参加組数3922
    2007年度 サンドウィッチマン(敗者復活枠) 参加組数4239
    2008年度 NON STYLE 参加組数4489
    2009年度 パンクブーブー 参加組数4629
    2010年度 笑い飯 参加組数4835
    2015年度 トレンディエンジェル(敗者復活枠) 参加組数3472
    2016年度 銀シャリ 参加組数3503
    2017年度 とろサーモン 参加組数4094
    となっています。

    M-1ラストイヤーで王者となった・とろサーモンとは

    とろサーモンは久保田かずのぶと村田秀亮のコンビで、2002年7月に結成しました。
    2017年で結成15年となり、参加資格ラストイヤーでのM-1優勝となりました。

    とろサーモンの村田と窪田2人とも宮崎県出身であり、優勝後には宮崎空港に、とろサーモンのM-1優勝の横断幕が吊るされており、祝杯ムードの大きさを物語っていました。

    とろサーモンはその実力を評価する芸人も多くいたにも関わらず、M-1の決勝に進む機会もなく、長い間苦節を味わってきました。

    M-1グランプリ2017から導入された新ルール・笑神籤

    今回のM-1のルールに、新たに付け加えられたのが「笑神籤」という新ルールでした。
    これは、「ネタ順を事前に決定せず、1本ごとにMCの上戸彩がくじで引き当てたコンビがネタを披露する。誰がいつネタを披露するかわからない。」というかなり過酷なルールに変更されました。

    これによって、最も影響を受けたと言われているのが2組で、
    まずは、トップバッターのゆにばーすは、芸人の東野幸治が最も印象に残った芸人はゆにばーすと答えているように、業界内では高い評価がある一方で、トップバッターであることからなかなか点数が上がらず、626点の8位でした。

    もう1組は、敗者復活枠のスーパーマラドーナで、例年敗者復活枠は、出番が最後になるため、暖まりきった会場でネタを披露することになり、敗者復活の勢いがすごいと言われることも多かったですが、今回のスーパーマラドーナは復活組の勢いを出し切ることはできませんでした。

    M-1グランプリ2016よりプラスされた審査員2名の影響

    M-1グランプリ2017はM-1グランプリ2016よりも二人審査員が増えて7名での審査でした。

    特に2017年において大きく影響したのが、ファイナルラウンドでの投票で、
    上沼恵美子、松本人志、オール巨人が和牛に投票し、
    博多大吉、春風亭小朝、中川礼二、渡辺正行はとろサーモンに投票しました。

    結果的に1票差でとろサーモンが優勝するのですが、
    仮に2016年と同じ、上沼恵美子、松本人志、オール巨人、博多大吉、中川礼二で考えると、和牛が3票でとろサーモンが2票と逆転して、とろサーモンは優勝ではなくなっていました。

    M-1グランプリ2017でのとろサーモンのネタの評価

    とろサーモンは、M-1のファーストラウンドでは旅館のネタを披露し、ファイナルラウンドでは、芋神様のネタで安定した力を発揮し、会場の笑いをとっていました。

    特に、リアルタイムの放送では、漫才中の久保田の「続行!・継続!」というお得意の漫才を終わらせないための斬新なフレーズに、ツイッター上でワードが急上昇するなど盛り上がりを見せていました。

    また、博多華丸大吉の博多大吉が、ファイナルラウンドでとろサーモンに投票した理由について、他の2組よりも一番最初のボケまでの時間が短かった点が良かったと語っています。

    ファーストラウンドでのとろサーモンの点数一覧は以下です。
    オール巨人 88点
    渡辺正行 93点
    中川家・礼二 93点
    春風亭・小朝 93点
    博多大吉 93点
    松本人志 92点
    上沼恵美子 93点

    とろサーモンと和牛とのネタ比較

    M-1グランプリ2016でも準優勝した和牛は、M-1グランプリ2017も優勝候補の筆頭でした。

    その和牛は、ファーストラウンドで「ウエディングプランナー」ネタを、ファイナルラウンドで「旅館」ネタを披露するのですが、
    「ウェディングプランナー」ネタの完成度の高さが凄く、一位通過を決めます。

    また、ファイナルラウンドの「旅館」ネタも安定したクオリティですが、一本目からの期待値の高さもあり惜しくも連続準優勝に終わりました。

    博多大吉は和牛のネタ順について、
    決勝戦は「笑神籤(えみくじ)」というくじで一組ごとに順番を決めるルールで、3番手に登場したとろサーモンが旅館のネタを披露してウケていたため、9番手の和牛はネタかぶりを回避したのではないかと推測しています。

    とろサーモンとジャルジャルとのネタ比較

    予選でファーストラウンドで落ちてしまったジャルジャルは、
    審査員の松本人志が最高得点をつけ、「一番面白かった!」と語っていますが、逆に他の審査員の点数が伸びませんでした。

    その理由について、
    松本人志は「ジャルジャルがあんなに良かったのになぜアカンかったかって唯一言えば、ちょっと感心させてしまった」と敗因を語っています。

    とろサーモンとの違いは、上記のことなど、一つのネタサイクルをずっと回し続けたジャルジャルとストーリー仕立てになって飽きさせなかったとろサーモンとの差が勝敗の分かれ目と言われています。

    まとめ〜m-1グランプリ2018はどうなる!?〜

    こうしてとろサーモンの優勝で終わった2017年のM-1ですが、2018年のM-1も、今回悔しい思いをした和牛、ジャルジャル、ゆにばーす、スーパーマラドーナ、そしてファイナルラウンド進出のミキやそれ以外の新しい波などの激戦が予想され、2018年はスタートしたばかりですが、年末のM-1が今から楽しみです。

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