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【桜の木には…】有名な小説の「書き出し」をご紹介します!

小説を開き、一番最初に出会う「書き出し文」。小説が100冊あれば、書き出しだって100通りあります。小説の顔とも言える、そんな有名な書き出したちを集めてみました。これを読めば「小説初心者さん」も素敵な小説に出会えるかも?

引き込まれる「小説」の書き出し文

「美味しい食事は一口目が大切」
それと同じように、小説も一口目…「書き出し」が大切です。

小説を開いた瞬間に、あっと驚くような書き出しがあればその先を読みたい、と感じます。

現在の高校入試には、実際に日本文学の書き出しが書かれていて
「この小説のタイトルを答えなさい」という問題がある程重要視されています。

今回はそんな一文で人を引き込む「小説の書き出し」についてご紹介します!

突然ですがクイズです!

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云いわれたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」

これはとある有名な小説の書き出し文です。
貴方には何の小説かわかりますか?

正解は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。
二人の少年が銀河を旅していく小説の書き出しに、宇宙のことを述べている先生のセリフを起用する所が素敵ですよね。

あまりにも有名な一文「桜の樹の下には死体が埋まっている!」

「桜の木の下には死体が埋まっている!」
この書き出しで始まる小説をご存知ですか?

▼「櫻の樹の下には」 、梶井基次郎の短編小説です

梶井基次郎とは「檸檬」でもお馴染みの小説化。その詩的な文章は、珠玉の名品と呼ばれています。

そしてそんな梶井基次郎が書き上げた小説が「桜の樹の下には」です。
あらすじを簡潔に説明すると、「俺」が「お前」に話しかけているところが情景です。

「俺」は桜の木の美しさは一体何から来るものなのか…不思議に思っています。
その不思議が「ウスバカゲロウ」から段々と紐解いていくことになります。

生きること、そして、死んでいくこと、そこに繋がっていく美しさを純粋に描いた作品です!

本当に死体、埋まってる?

流石にこの小説の書き出しのように、桜の樹の下には死体は埋まっていません。
ではどうしてこのような話が生まれたのか?
それは、「桜染め」と深く関係しています。

「桜染め」とは桜の花びらや枝を煮だしたり、冷やしたりして布を染める手法です。
桜で染めた染物は綺麗はピンク色で、非常に美しいです。

しかし、桜の花は白いのに煮出した液体は赤く染まることから、「桜が人間の血液を吸い上げているから赤くなるのだ」と誰かが広めたんだそうです。

なんだか怪しくて美しい怪談噺ですね。

書き出しが面白いラノベ「イリヤの空、UFOの夏」

面白い小説の書き出しの一つに、「ライトノベル」が挙げられます。

ライトノベルは昔からの小説よりも、簡単に手に取ってその世界を膨らませることができます。
ラノベと言って侮るなかれ、書き出しが一級品の小説のたくさんあります!

今回は「イリヤの空、UFOの夏」をご紹介します。
作者は秋山 瑞人、イラストは 駒都 えーじ が担当しています。

気になる小説の書き出しは?

「めちゃくちゃ気持ちいいぞ、と誰かが言っていた。だから、自分もやろうと決めた。
 山ごもりからの帰り道、学校のプールに忍び込んで泳いでやろうと浅羽直之は思った。」

主人公である浅羽直之が学校のプールで忍び込み、泳いでやろうとしているシーンです。
しかし、この書き出しの中には「本当はしちゃいけない非日常」が含まれています。

このあと主人公は「イリヤ」と呼ばれる少女に出会います。

「イリヤの空、UFOの夏」は思わず「おっ」と言わせる小説でも名高い小説の一つです。

あまりに美しい書き出し、森絵都の小説「カラフル」

次におすすめしたい小説は森絵都さんの「カラフル」です。
この小説はアニメ映画、ラジオにもなりました。

実際中学生の頃に読んで、大人になった今でも忘れられない作品になっています。

セリフから始まる書き出し

「この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはみんないつも迷ってる」

これが小説「カラフル」の書き出しです。
主人公は一度死んでしまった少年。その少年が天使に出会い、24時間以内に前世に犯した罪を思い出すまで、違う人間の中に「ホームステイ」するお話です。

この小説の一番言いたいことが一番初めに書かれているので、小説を読み終わった後にまた書き出しに戻ると「こういうことだったのか…!」と納得できます。

おすすめの一冊です!

まとめ

本屋さんに行って、気になる小説を開き、書き出しに目を通すだけでその小説家がどんな一面を持っているのか分かることもあります。

それくらい、小説の書き出しには個性が出て面白いんです。

是非、自分のお気に入りの「書き出し」を見つけて見てくださいね。

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